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MRデバイス「Magic Leap One」向けタイトルとして,Weta Workshopの「Dr. Grordbort’s Invaders」やRovioの「Angry Birds FPS: First Person Slingshot」などがアナウンス
「Magic Leap」公式サイト
3時間にもおよぶキーノートスピーチに登壇した開発メンバー達が口々に述べていたのが,「空間コンピューティング(Spatial Computing)時代の幕開け」だ。
現在,我々が日常的に利用するモバイル端末は,10cmにも満たないスクリーンですべてが行われるが,「Magic Leap One」は現実世界の壁や机の上,さらに部屋や屋外の空間に映像や文字を投影し,直感的かつインタラクティブに操作できる。そして,付属のポインタデバイスだけでなく,ユーザーの手の動きを認識することでもインタラクションが可能になるという。
実験中だというデモも紹介されており,物販サイトのバーチャル家具を自宅に置いて具合を確かめたり,飲み物の分量や栄養価を自動的に計算したり,指でサインするだけでレストランのチェックを済ましたりといった,我々の生活を豊かに拡張できるデバイスであることがアピールされていた。また,テレコム企業のAT&Tとの提携もアナウンスされ,マルチスクリーンでスポーツ中継を観戦したり,テレビ電話として利用することも可能になるだろう。
キーノート後半には,複数のゲームタイトルもアナウンスされた。ニュージーランドに本拠を置くWeta Workshopは,「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのビジュアルエフェクトが高く評価され,映画産業ではトップクラスの地位を確保したCGスタジオ。Magic Leapとの提携は以前から知られており,ここでは新作「Dr. Grordbort’s Invaders」を発表した。
このイベントに合わせて無料公開された同作は,現実世界を背景にロボット軍団を倒していくという内容で,ロボットがユーザーの位置を認識して家具の背後に隠れたり,壁に穴を開けて入ってきたりする。ポインタデバイスの上に銃器の映像が重ねられるなど,これからのMRゲームの,1つのスタンダードになりそうだ。
ハリウッドのCGスタジオとして老舗のILMxLABは,「Project Porg」の制作を発表し,12月にリリースするという。具体的なゲームの内容は分からないものの,「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」と「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に登場した,かわいい海鳥風クリーチャー“ポーグ”とインタラクトする育成ゲームのようなものになると思われる。
実際,育成ゲームはMR向けタイトルの人気ジャンルになりそうで,「Marvel’s Spider-Man」をリリースしたばかりのInsomniac Gamesは,地球外の植物を育成する盆栽風ゲーム「Seeding」を発表し,さらに高橋慶太氏が在籍するFunomenaは,種をまいたりミニチュアオブジェクトを配置したりして,自分の箱庭を作っていくと思われる「Luna: Moondust Garden」を発表している。
Rovioはモバイルプラットフォームで大ヒットを記録した「Angry Birds」シリーズのMR版「Angry Birds FPS: First Person Slingshot」を開発中だという。怒れる小さな鳥達を,ブタ達の立て籠もる積み木の建物にパチンコで撃ち込むというおなじみのゲームを一人称視点でプレイできるわけで,気軽に楽しめる作品になりそうだ。
さらに,映画「アベンジャーズ」などで知られるイギリスのCGスタジオFramestoneは,ニュージーランド航空とタイアップしたクイズ番組形式のゲーム,「Air New Zealand: Fact or Fantasy?」を試作している。ニュージーランドの観光スポットや名産品などにちなんだクイズを,4人のプレイヤーが一緒に楽しむというもので,今回紹介されたゲームの中では唯一,Co-opもしくは対戦ゲームの可能性を感じさせるゲームシステムでもあった。
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