連載
「あんスタ！！」ストーリー紹介連載第34回。「夢ノ咲学院七不思議編」第4章公開記念，スタフェス関連の過去ストーリーを紹介＆見どころを語る
Happy Elementsがサービス中のアイドル育成ゲーム
「あんさんぶるスターズ！！Basic／Music」のストーリーを紹介する記事の第34回は，「！」時代に公開された
【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】【ノエル＊天使たちのスターライトフェスティバル】【キャロル＊白雪と聖夜のスターライトフェスティバル】を取り上げる。
今回は，「あんスタ！！」で連載中の
メインストーリー1.5部「夢ノ咲七不思議編」第4章【スタフェス】と，あわせて公開された期間限定イベント
【誓願夢ノ咲／最後の七不思議とスタフェス】にちなみ，「！」時代に公開された【スターライトフェスティバル】関連の
“知っているとより面白くなる過去ストーリー”を紹介，解説する。記事では詳細なネタバレは控えているが，
「！」時代のストーリーはすべて「Basic」で無料公開されているため，できるだけ読了後に読むのがおすすめだ。
昨年度の夢ノ咲学院の【スタフェス】について
作中で昨年度のクリスマス時期に行われた【スターライトフェスティバル】（以下，【スタフェス】）は，季節ごとに行われる「S1」クラスのドリフェス4つのうちの1つであった。前回紹介した【ハロウィンパーティ】同様，「！」では同じ1年間を別の視点で繰り返し描いていたため，今回紹介するストーリーはほぼ同じタイミングの出来事となっている。
【スタフェス】は校外から観客を招く大規模なドリフェスだが，ほかの「S1」と異なる点としては
「朝から夜までぶっ通しで行われるイベント」「前半戦（予選）と後半戦（決勝）に分かれた勝ち抜き選」であることが挙げられる。つまり，参加するユニットのなかでNo.1を決める催しだということだ。なお昨年度の【スタフェス】は，
年末の「SS」に出場するTrickstarのための壮行会という意味合いもあった（とはいえ，Trickstarがメインとなる【スタフェス】のストーリーはない）。
「！」【ノエル＊天使たちのスターライトフェスティバル】より
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◆昨年度の12月の行事について
「！」時代の【スタフェス】のストーリーは3つあるが，最初の話が公開される1年前の2015年，
「！」【スカウト！エージェント】と
「！」【雪花＊流星のストリートライブ】にて，
“クリスマス時期に【スタフェス】というドリフェスがある”ことが前もって明かされていた。ちなみに【ストリートライブ】の作中で流星隊が行った【イブイブライブ】は，【スタフェス】の前祝い的な意味のイベントらしい。
ちなみに，昨年度の夢ノ咲学院の12月の行事は，
【イブイブライブ】→【星夜祭】→【スタフェス】→【SS】という流れになっていると思われる。
今回紹介するストーリーのほか【スタフェス】関連としては，
「！」【スカウト！ノクターン】（2016年12月）にて，衣装作りに勤しむアイドルたちの話が描かれている（2019年12月の
「！」【スカウト！スノウドーム】は衣装納品後のエピソード）。さらに
「！」【燦爛☆ホットなホリデーパーティ】（2016年12月）は，スタフェス用に作った曲のMV撮影をするストーリーだ。
「！」【雪花＊流星のストリートライブ】より
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昨年度の【スタフェス】各ストーリーの見どころを紹介
「光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル」
初公開：2015年11月30日〜12月10日
――あらすじ ※アプリ内より引用――
雪が降り積もるころ，学院ではまもなく冬の「S1」【スターライトフェスティバル】が開催される。どのユニットも「SS」前の一大イベントに力を入れているが，嵐のようすがすこしいつもと違うようで……。＜全16話／日日日＞
◆【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】の注目ポイント
この話が公開された2016年時点では，本作が【ジャッジメント】（
「！」【反逆！王の騎行】）以来，
Knightsの5人が揃ったストーリーだった。作中における昨年度のKnightsは，リーダー不在の4人ユニット→月永レオ復活後，いくつかの経験を経て仲間同士の絆を結び，3年生の卒業へ……と進んでいった。その“絆を結んだ出来事”のうちの1つが，この
「！」【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】と言えるだろう。
本作でフォーカスされたのは鳴上 嵐だが，自分のことをあまり話したがらない嵐に一歩踏み込んだ月永レオ，素直ではないが周囲への気配りや愛情がダダ漏れている瀬名 泉，少し引いたところにいながらも，5人の温かい空気を誰より喜んでいそうな朔間凛月という“大人組”のやりとりがいい。そしてそこに絡んでいく“末っ子”朱桜 司に大人たちの関係性が加わり，ほかのユニットにはない空気感を生み出していたように思う。初めて5人で迎える冬，まるで家族のように炬燵を囲む彼らはあまりにも尊く幸せに満ちていた。
そんな“平和なKnights”がいる一方で，ユニットの危機を迎えていたのがValkyrieだ。これまでの活動不足によってお取り潰しの可能性もあった彼らは，とある出来事によって救われた。その経緯は後述する
「！」【キャロル＊白雪と聖夜のスターライトフェスティバル】で語られるが，ここで起きたのは，まさに
聖夜だからこそ生まれた一晩限りの奇跡であり，短いエピソードながら深く胸を打つものであった。
なお，前回の記事でも少し触れた
【スカウト！PORTRAIT - Look back -】を経たうえで本作を読むと，泉と嵐の会話により新たな発見が生まれるように思う。つくづくあのスカウトストーリーの影響は強い……。
◆筆者が選ぶ名セリフ3選
言うまでもなくほかにも名セリフはたくさんあるのだが，筆者があえて3つ選ぶならこちら。
嵐を心配して一歩踏み込んだレオのセリフ。この言葉があの壮絶な過去を経たレオの口から出たところがエモすぎた。
最初から今のように幸せなKnightsなら良かったけれど，未来はこれから作っていけば良いと話す嵐。希望に溢れた名セリフ。
あまりにも最高な宗のセリフだが，さらに良いのが彼の「僕の『Valkyrie』」に加えてレオも「おれの『Knights』」と表現しているところ。“卒業していくリーダー”による言葉であるところに涙腺崩壊。
「ノエル＊天使たちのスターライトフェスティバル」
初公開：2016年11月30日〜12月10日
――あらすじ ※アプリ内より引用――
冬の一大イベント【スターライトフェスティバル】。桃李はfineの一員としてできることを考え企画書を英智に持っていくが，厳しい言葉をかけられてしまう。そんな折，北斗もある思いを胸に話を持ちかけるが……。＜全19話／日日日＞
◆【天使たちのスターライトフェスティバル】の注目ポイント
2つ目はfineの箱イベである。物語の中心は姫宮桃李の成長にありつつも，彼の憧れの存在である英智が，自身の過去に思いを馳せる姿にも注目したいところだ。本作はこれ単体でも素晴らしい物語だが，やはり過去の流れを追ってから読んでみるとより感動が深くなると思う。個人的に押さえてほしいポイント1つめは，
「！」【追憶＊集いし三人の魔法使い】で明かされた，過去の英智が抱えていた“痛み”だ。
「！」【追憶＊集いし三人の魔法使い】より
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2つめは，
「！」メインストーリー第1部の【DDD】で桃李が深く打ちのめされた事実だ。【DDD】はTrickstar目線での物語となるため，あのとき桃李は何を思ったのか？ を当時は知ることができなかった。fineは夢ノ咲学院きっての強豪ユニットではあるが，【DDD】以降も【七夕祭】や【喧嘩祭】など苦戦を強いられた戦いもあり，そのたびにおそらく桃李は，「fineが一番のはずなのに」「自分の実力が足りないからかもしれない」と，悔しい思いや焦りを募らせていったのだ。
「！」【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】より
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fineにとって，物語的にもユニットそのものにも，桃李の成長は極めて重要な要素だと筆者は考えている。今回の【スタフェス】ではすべてが桃李の理想の展開にはならなかったものの，
「思い通りにならなかったからこその成長」があった。アイドルとしてもそうだが，何より彼自身の一人の人間としての進化――平たく言えば，桃李が憧れる“大人”へ，この【スタフェス】で確実に一歩近づいたと言えるのではないだろうか。
また，昨年度の【スタフェス】は，「Trickstarの【SS】出場権返上＆その権利を賭けたドリフェス」となった影響が大きい。
「！」メインストーリー第2部「キセキ」シリーズにおいても，決して無視できない展開だ。メタ的に言えばTrickstarは【スタフェス】関連のストーリーで高レアではないし，ストーリーにも深く関わってはこないが，ぜひ押さえてほしいイベントである。
◆筆者が選ぶ名セリフ3選
「あんスタ」にはこのフレーズがよく出てくるのに気づいている人も多いと思うが，むしろ意図的に使われている可能性があるかもしれない。彼らが喪いたくないものとは一体何であるか……。
自分たちの壮行会という意味合いのイベントでありながら，それをひっくり返すTrickstar。氷鷹北斗以外のメンバーは登場しないが，たった一言で彼らの決死の覚悟が伝わってくる。
桃李は英智に憧れ，英智は渉に憧れていたという憧れの連鎖。彼らの想いが憧憬に終わらないのは，ただ相手を見上げるのではなく「その横に立ちたい」という気持ちがあるからかもしれない。
「キャロル＊白雪と聖夜のスターライトフェスティバル」
初公開：2018年11月30日〜12月10日
――あらすじ ※アプリ内より引用――
スキャンダル記事を書かれてしまった薫。零にこっぴどく怒られ反省するも，記事に載っていた人物に薫は心当たりがあり……。＜全26話／日日日＞
◆【白雪と聖夜のスターライトフェスティバル】の注目ポイント
昨年度の【スタフェス】シリーズのラストはこちら。本作はUNDEADとRa*bitsにフィーチャーしたストーリーなのだが，とくに中心となるのが羽風 薫と紫之 創だ。この2人，いつも女の子と遊んでいるチャラめの3年生と大人しく引っ込み思案な1年生という，表向きはかなり正反対なタイプである。だからということもないだろうが，これまで彼らには
「！」【ご奉仕！喫茶UNDEAD】や，
「！」【清夏！サマーキャンプ】などで絡みがあった。
「！」【ご奉仕！喫茶UNDEAD】より
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本作の中盤の展開あたりまでは，薫も創も
実生活の家庭におけるポジションを思わせる姿を見せていた。大人になりたくない薫はどこか“弟的”だし，その薫に寄り添って彼を励ます創は非常に“兄”らしいという意味だ。しかし，薫はスキャンダルに巻き込まれたことをきっかけに
「いつか向き合わなければいけない問題」が来たことを認め，それに向き合う覚悟を決める。
一方で創は，美少女売りするアイドルの先輩（前回紹介したハロウィンのストーリーで初出した，通称“美少女先輩”）との間に起きた出来事と，仁兎なずながValkyrieの危機に立ち上がったことで，
普段は言わないが心の底で思っていることを仲間に吐露する。薫は家族のなかにおいて，創は周りの仲間にとって“良い子であろうと努力していたが，2人が自らに課していた役目から外れる状況が非常に対照的で興味深いと感じた。
前に少し触れたとおり，本作では最初の【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】に出てきた，ValkyrieとRa*bitsをめぐる物語のRa*bits側の状況が語られる。【スタフェス】シリーズすべてに共通することだが，聖夜の物語らしく，どの話も心温まる小さな奇跡が描かれており，胸に沁みる。登場こそしないものの【スタフェス】にはほぼすべてのユニットが登場している設定であるためか，ここにいないアイドルたちの姿も目に浮かぶような気がしてきた。
なお本作では「前半ライブを勝ち抜いたTrickstarが疲れて爆睡してしまい，あわてて次のステージへ……」というエピソードが明かされているが，この模様はTVアニメ版の第22話でも観ることができる。そちらでは多くのアイドルたちも顔を出すので，合わせてぜひチェックしてもらいたい。
◆筆者が選ぶ名セリフ3選
アイドルたちのなかでも個人的に“名言メーカー”の1人だと思っているのが天満 光。奇跡の連続のうえに今があり，だからこそ今を生きようと言う素晴らしいセリフであった。
【スタフェス】はアイドルそれぞれが覚悟を決める話でもある。努力する姿を表に出さない薫の貴重な心情。朔間 零に対するこのあとの「自分で考えなよ」というセリフも，二枚看板の対等感があってとても良い。
“良い子”であることを選んだ創。自分を「都合の良い子」だと卑下することもあるが，こんなのどこからどう見ても良い子オブ良い子である。彼がずっと幸せと愛に包まれますように……。
第35回記事もお楽しみに！
（C）2014-2019 Happy Elements K.K
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