インタビュー
[インタビュー]「あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション『クロスロード』」先行上映会の登壇キャストに,収録や出会いの思い出を聞いた
Happy Elementsがおくるスマホアプリ「あんさんぶるスターズ!!」のアニメプロジェクト最新作「追憶セレクション『クロスロード』」の先行上映会が,2023年11月3日にパシフィコ横浜で開催された。本イベントでは,「追憶セレクション『クロスロード』」全話一挙上映と,出演キャストによるトークパートが行われた。登壇者は朔間 零役の増田俊樹さん,蓮巳敬人役の梅原裕一郎さん,大神晃牙役の小野友樹さん,鬼龍紅郎役の神尾晋一郎さん,羽風 薫役の細貝 圭さん,神崎颯馬役の神永圭佑さんで,作品の好きなシーンを始めとしたトークや,新情報の発表などで盛り上がった。
昼公演終了後にインタビューをする機会を得たので,その模様をお届けしよう。
ボケ&ツッコミが冴え渡る仲の良さ。
キャスト陣の出会いにまつわる思い出も……?
4Gamer:
まずは,昼公演トークパートを終えての感想をお聞かせください。
梅原裕一郎さん(以下,梅原さん):
とにかく,来てくださった皆さんの熱気がすごかったです。普段ゲームなどの収録をしていても,皆さんがどのくらいの熱量でプレイされているかは分からないんですよね。あらためて(大勢のファンと)お会いして,作品にとても期待して来てくださったのも伝わりましたし,とんでもないコンテンツに関わらせていただいているんだなと感じました。
小野友樹さん(以下,小野さん):
まずは楽屋のお弁当がですね,このサイズ感に負けないくらいの豪華さでした。これはやはり「あんスタ!!」ならではだなと(くすくす笑いをこらえる周りのキャストたち)。……それはさておき,イベントでは皆さん一つひとつのシーンや情報にたくさん反応してくださいました。トークでは曲やMVに対しての反響がすごくて,こうして皆さんが声を出せる環境になってあらためて良かったなと,お弁当を見ながら思いました。僕,まだ食べてないんですけど(笑)。
神尾晋一郎さん(以下,神尾さん):
「追憶*それぞれのクロスロード」は「あんスタ!!」のなかでも非常に好きなストーリーの1つなので,それが映像になって動いているのを見てテンションが上がりましたね。今回の上映会で,そうした感動を皆さんと共有できたのも感慨深かったです。トークでも感じましたが,僕らがキャラクターたちと8年も向き合ってきたことも,皆さんとともにこれだけの年月を過ごしてきたことにも,感激もひとしおでした。
細貝 圭さん(以下,細貝さん):
控室にいたときから,皆さんの「わーっ!」っていう歓声がすごく聞こえてきました。それでいざステージに上がったら,あまりの人の多さに僕,本当に飲まれちゃって(笑)。それだけ皆さんが「追憶セレクション『クロスロード』」を楽しみにしてくださったんだなと感じましたね。そして今日は羽風くんの誕生日だったので,皆さんと一緒に今日を過ごせたのがうれしく,忘れられない日になりました。
神永圭佑さん(以下,神永さん):
本当にたくさんの方が来てくださってうれしかったです。僕は自分が話していないときに客席をじっと見ていたんですが,どこを見ても,皆さんがマスク越しでも分かるくらいに楽しんでいて。僕は声優としての仕事は「あんスタ!!」だけなんですが,こうやって皆さんに温かく支えられているんだなというのをあらためて感じることができました。
増田俊樹さん(以下,増田さん):
「追憶セレクション『クロスロード』」の制作が発表されてから,皆さんもかなり焦らされたことと思います。今日は満を持しての先行上映会ということで,本当にこの作品を好きな人たちが集まって一緒に楽しむことができました。すごい熱気のなかに登壇させていただきましたが,いつもの僕たちらしいトークを楽しんでいただけていたらうれしいです。本編の放送やいろいろな展開はこれからですが,今後も楽しみになるような日になったと思います。
4Gamer:
ありがとうございます。それでは,「追憶セレクション『クロスロード』」のボイス収録でエピソードがあればお聞きしたいのですが。
神尾さん:
やっぱり圭佑が羽多野さん(乙狩アドニス役・羽多野 渉さん)と一緒に帰った話じゃない?
小野さん:
唯一無二のエピソードだよね!
神永さん:
アドニスと颯馬のシーンは,羽多野さんと僕の2人での収録だったんです。そのとき,収録の合間で「聞けることは全部聞きたい!」と思って,僕からたくさんアドバイスを求めたんですよ。羽多野さんはそのすべてに丁寧に答えてくださったんですよね。
細貝さん:
優しい……!
神永さん:
そのアドバイスを参考にして収録することができて,本当に優しい先輩だなと感じました。羽多野さんとは前に別の作品で共演はしていたんですが,僕もこういう機会に成長しないといけないと思いましたし,すごくいい経験になりました。で,その日は一緒に帰ったっていう話です(笑)。
神尾さん:
僕は圭くんと帆世さん(守沢千秋役・帆世雄一さん)と3人一緒の日がありました。和やかでとくに事件も起きず(笑),平和に終わりましたね。
増田さん:
別の日ですが,僕は朝イチの収録で久しぶりに圭さんと一緒になったんですよ。久々でしたが,わちゃわちゃしてすごく楽しい時間でした。
4Gamer:
小野さんと梅原さんはいかがでしたか?
梅原さん:
僕も何人かと一緒になる日はあったんですが,コロナ禍の状況的に離れたブースで,隣同士で収録するっていう感じではなかったんですよね。それでもゲーム用ボイスとは異なり(「追憶セレクション『クロスロード』」は)会話シーンがほとんどだったので,そういう楽しさはすごくありました。
小野さん:
僕は1人で収録したんですが,1人じゃなかったですね……。お芝居していると,みんなの声が聞こえてくるんですよ。
増田さん:
それって一番最後の収録だったっていう話ですよね!?
神尾さん:
いい話風のエピソードにしようとしている!(笑)
小野さん:
いやでも本当にこれだけ付き合いが長くなってくると,台本を見ていたら実際に声を聞かなくても,みんなのアプローチやお芝居が脳内に聞こえるんですよ。1人で収録していても,ある意味会話ができるというか。ただ,そのなかで異質だったのが朔間 零だったんです。
一同:
おおー。
小野さん:
ガミー(晃牙)は昔から零と接していたけど,声優の小野友樹としてはなかなか昔の零と相対する機会がなかったんです。なので自分のなかでは(晃牙と昔の零の)2人ぶんを作っていた感覚でした。
あまり語りすぎても何なのですが,完成した作品を見て,あらためて“あの頃の朔間 零”が本当の意味で僕のなかに現れた感じがありましたね。自分で想像していた零と,増田俊樹が命を吹き込んだ零がやっと実像を結んだという。個人的には,完成作を見て過去一と言っていいくらいの面白さを感じました。
4Gamer:
なるほど。たしかに零は昔と今で口調などが大きく変化したキャラクターですが,増田さんは収録していていかがでしたか。
増田さん:
僕も発見が多かったですね。いわゆる“俺零”と呼ばれている時間軸の零を演じる機会は意外とたくさんあったんですが,どの時期で誰とコミュニケーションを取るかによって,彼もどういう表情をするかが変わってくるんです。「追憶セレクション『クロスロード』」は弱いところだったり,砕けている……力の抜けたようなところを僕のなかでたくさん作れたかなと感じました。
僕も小野さんと一緒で,あのころの零はカリスマ的でみんなが憧れるかっこいい姿を想像していたんです。でも,かっこいいだけじゃ“厚み”が出ないですしね。そういう部分が自然と演じられたかなというのが,僕の個人的な感想です。
4Gamer:
あらためて映像と声の演技がついて,物語にかなりの深みが生まれたと思います。「追憶セレクション『クロスロード』」はキャラクター同士が初めて出会ったり,それぞれのユニットの始まりと言えるきっかけが描かれていますが,今日お集まりの皆さんが初めて出会ったときの印象やエピソードがあれば,ぜひ聞かせてください。
神尾さん:
最初のころにキャストがけっこう揃ったのって,メルパルクホールでやったイベント(2016年5月「私立夢ノ咲学院 ドリームフェスティバル」)だったけど……。
細貝さん:
UNDEADは僕とまっすー(増田さん)は出てたけど,ゆうちゃん(小野さん)と羽多野さんがいなかったはず。
梅原さん:
僕もいなかったですね。紅月が初めて揃ったのはそれより後だったかな。
※編集部注:紅月キャスト3人が揃ったイベントは2017年3月「AnimeJapan2017」内「あんさんぶるスターズ!THE ANIMATION に〜ちゃん☆忍の放課後RADIO」,UNDEADで4人が揃ったのは2019年1月「あんさんぶるスターズ!Starry Stage 2nd 〜in 日本武道館〜」
4Gamer:
全員勢ぞろいする機会はそうあるわけではないですよね。それでは,個別ではどうでしょうか。
増田さん:
ここ(増田さんと細貝さん)は古いですね。僕は原点と言える自分のデビュー作品でお会いしているので……。15年経ったのが信じられないくらい,(細貝さんは)まったく変わらないです。
細貝さん:
それ,良くないんじゃないの!?(笑)
増田さん:
違いますよ,良いところがですよ! 当たり前じゃないですか。
細貝さん:
それで言うと,僕のほうはまっすーを昔から知っているぶん,声優としての現場で会ったときにどう接していいか分からなかったんですよ。でも彼の現場での仕事の向き合い方を見て,すごくリスペクトが生まれました。
増田さん:
こっちからはいじってるのに,先輩がちゃんと褒めてくるのはずるい(笑)。ちなみに僕と小野さんが出会ったのっていつでしたっけ?
小野さん:
出会っていないかもしれない……(笑)。というのは冗談で,別作品のイベントだったと思う。
増田さん:
そうか,確かに。でも本当に役者としても個人的にもかわいがってもらっていて,プライベートでご飯に連れていってくださったりもしているんです。僕もこうして先輩によくしてもらっているぶん後輩には奢ってあげようとか,先輩たちの想いをあとに伝えていけたらって思います。あっ,小野さんだけ褒めちゃった(笑)。
小野さん:
苦しゅうない,パフェをご馳走しよう。
4Gamer:
いいですね! 紅月の皆さんはどんな思い出がありますか?
神尾さん:
僕たちは最初のアルバム(2015年11月発売/ユニットCDシリーズ第一弾 Vol.4紅月)に入っていたボイスドラマの収録も別だったんですよ。たしか,僕と圭佑はその頃に初めて会ったんだよね。
神永さん:
そうです。
梅原さん:
オフラインのイベントで初めて全員揃ったんですよね。「ようやく会えましたね」みたいな会話があったのを覚えてます。
増田さん:
UNDEADもラジオ(2015年4月から配信されていた「あんさんぶるスターズ!〜夜闇の魔物に怯える子猫〜」)はありましたが,2人ずつの出演でしたしね。
小野さん:
僕,最終回でずっとバナナ抱いていた記憶があります(笑)。
細貝さん:
よく覚えてますね!?(笑)
小野さん:
あれは10年以上前でしたかね……。
増田さん:
さっき「あんスタ!!」が8年って言ったばかりでしょ!(笑)
4Gamer:
最近はこうしたイベントやキャスト歌唱のライブなどもあるので,逆にお会いする機会は増えたのではと思いますが。
神尾さん:
そういえば最近,久しぶりに紅月のLINEグループが動いたんですよ。梅ちゃんの歌声が入った動画が圭佑から送られてきたっていう(笑)。
神永さん:
レコーディングの現場だったんですが,僕の自撮り映像で,音は梅原さんの歌っていうのを送りました。
梅原さん:
楽しかったです(笑)。
4Gamer:
たくさんのエピソードをありがとうございました。それでは最後に,「追憶セレクション『クロスロード』」をこれからご覧になる人や,ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
梅原さん:
このエピソードを演じるのは今回が初めてでしたが,動いているキャラクターに声を当てる作業がすごく楽しかったです。蓮巳敬人というキャラクターを何年かやってきて,また深掘りができたと思いますので,皆さんも何度でも観ていただけたら。アプリでのフルボイス化も発表されましたので,ぜひそちらも合わせて楽しんでもらえたらと思っております。
小野さん:
(スマホで何かをチェックしていた小野さん)はい,次は僕のコメントですね。
増田さん:
自分の名前を調べてたんですか?
神尾さん:
「ともき」じゃない,「ゆうき」だ! って。
小野さん:
あらためまして,小野友樹です(笑)。こういう何でもない話でもいじったり笑ったりしてくれる,気のおけない仲間と出会えて僕は幸せです。そんな僕たちが送る「追憶セレクション『クロスロード』」! 上映会のトークパートの「僕だけが好きなシーン」は敬人の場面が紹介されていましたが,(スマホをチェックして)ほかにも挙げていたのがあったんですよ。
それが,「守沢千秋の頼りない感じの歌い方」と,「英智を狂言誘拐した劇団員の声が知り合いの方」とか(笑)。もう本当に細かいところまで見どころ聞きどころが満載なので,ぜひあなただけのお気に入りのシーンを見つけてください!
神尾さん:
これまで文章で読んでいた「追憶*それぞれのクロスロード」でしたが,映像として出来上がったものを見て,キャストの皆さんの声がすべて想像を超えてきたなと感じました。「追憶」シリーズならではのキャラの若さや未熟さみたいなのも表現されていて,それをファンの方々と一緒に楽しめたのがうれしかったですね。
あとトークでは言っていなかったんですが,UNDEADの「Resurrection of Soul」のライブバージョンのほうの演出が好き過ぎるんですよ,ほらここ!(スマホで見せながら)ぜひ皆さんにも隅々までチェックしていただきたいです。楽しんでください!
細貝さん:
本当にこの「追憶セレクション『クロスロード』」って,「あんスタ!!」を知らない方でも楽しめる作品になってるんじゃないかと思います。映像がすごく繊細できれいだし,キャラクター一人ひとりの細かな表情まで描かれていて,今までに気づかなかった魅力も発見できるのではと。いろんな楽しみ方があると思うので,キャストのみんなが話していたように何度でも楽しんでいただけたらと思います……ってねえ,みんなMV見てるけど話聞いてる!? (笑)
増田さん:
何か(UNDEADのMVで)虹が出てました。
細貝さん:
何でだよ!
小野さん:
面白すぎる……(笑)。
神永さん:
昼公演のトークパートの挨拶でも話したんですが,僕は2019年に舞台で「追憶*それぞれのクロスロード」をやっていて,そこから4年経ってようやく原作のほうでも同じ物語を演じることができました。大好きだし思い入れの強いお話だったから,実は1人の収録の日に泣きそうになったんですよ。そのくらいの作品なので,ぜひたくさんの方に見てほしいです。僕はどのキャラも好きですが,「追憶セレクション『クロスロード』」を見て,あらためてUNDEADもめちゃくちゃ好きになりました。そういう気持ちになる方もいると思うので,ぜひ楽しんでください。
細貝さん:
ちょっと,何で今はMV流さないんだよ!(笑)
神尾さん:
だってほら,圭佑がコメントしてたから。
増田さん:
いい意味で(細貝さん)は変わらないよ!
小野さん:
いい意味だよ,いい意味!
細貝さん:
もう〜(笑)。
増田さん:
今日はたくさんのファンの方に「追憶セレクション『クロスロード』」を見ていただけてうれしかったです。あらためて今,取材を受けていて思い出したのが,このストーリーが公開された当時に梅原さんが「原点のような話だよね」っておっしゃっていたことです。でも,「あんスタ!!」のメインストーリーが始まった当初には生まれなかった空気感のある話ですよね。ダーティーな部分もあって。
僕たちキャストも含めて,みんなが8年間キャラと向き合ってきて,各々が歩んできた過程があったからこそ生まれた映像作品になったんじゃないかなと思います。そういった意味でも,満を持しての映像化だったのかなと。「あんスタ!!」という作品において,ファンの皆さんのなかでも「思い出になる瞬間」ってたくさんあると思いますが,そのうちの1つになったらいいなと思いました。ぜひとも,何度でも見て楽しんでいただけるとうれしいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
「あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション『クロスロード』」公式サイト
あんスタチャンネルの「追憶セレクション『クロスロード』」再生リスト
(C)2014-2019 Happy Elements K.K