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[GDC 2019]Googleブースレポート〜Stadiaを横目に二つの新作パックマンをプレイ 〜ARパックマンとGoogle MAPパックマンがサンフランシスコで大暴れ!
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印刷2019/03/23 15:58

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[GDC 2019]Googleブースレポート〜Stadiaを横目に二つの新作パックマンをプレイ 〜ARパックマンとGoogle MAPパックマンがサンフランシスコで大暴れ!

Googleブースは新クラウドゲームサービス「Stadia」に関連する展示が大人気
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 クラウドゲームプラットフォーム「Stadia」の発表で沸くGoogleブース。筆者もStadiaのコンセプトモデルに相当する環境で「Assassin's Creed Odyssey」をプレイしたが,映像エンジンの処理あり(≒ゲームモードを利用しない状態)のテレビでプレイするような(具体的には3〜4フレームくらいの遅延を伴った)プレイ感覚で,普通に遊べてしまう。「Assassin's Creed Odyssey」は,それほどタイミングにシビアなゲームでもないので,クラウドゲームにはおあつらえ向きなのかもしれない。

「Assassin's Creed Odyssey」をChromebookクライアントでプレイさせる試遊台が立ち並ぶStadia体験コーナー
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前触れもなく突然やってきたパックマン
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 と,そんな感想を抱きつつ,ブース内を徘徊すると目に止まったのは巨大なパックマンだった。突然動き出したかと思うと,ブース内のある場所に突進していき,手と伸びた鼻先をその場所の柵に置いてものほしげな眼差しを送ったかと思うと,その場ではしゃぎだすという,情緒不安定なコンボ行動を披露していた。でかいカメラとでかい荷物を背負った筆者のような天然パーマのおじさんであればたちまち警備員が吹っ飛んできそうな案件だが,そこはそれ。黄色くて丸っこくて世界的に有名な彼は,その持ち前の愛嬌で,その場を歓喜の悲鳴に包まれたお祭り状態にしてしまった。
 そう,彼は,今回のGDC 2019に合わせて初公開となった2作の新作パックマンゲームのプロモーションにやってきたのであった。

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パックマンゲームの展示コーナーに突進してきたパックマン
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パックマンに小さなパックマンを差し出して「バックマンってほかのパックマンのことも食べたりするの?」と訊いてみたところ,無視されてしまった


ARゲーム「PAC in Town」がAR CoreとGoogle Maps Platformでリニューアル!?


 新作の一つは,AR(拡張現実)型パックマン「PAC in Town」の新バージョンだ。
 PAC in Townは,すでにナンジャタウンほか街のショッピングモールのイベントコーナーや,国内外で開催されたさまざまな技術系イベントで何度も公開されている有名なAR(もしくはMR:混合現実)ゲームである(※以下,ARゲームで統一)。

 オリジナル版はMicrosoftの初代HoloLensを使って開発されていた。色違いのパックマンに扮した数名のプレイヤー達がゲームフィールドに足を踏み入れると,HoloLensを通してしか見えない迷宮が見えるようになり,あとは,この中を徘徊して,モンスターに捕まらないように迷路内に配置されたクッキー(ドット)を食べていくというお馴染みのゲーム内容を自らの動きで再現していくことになる。

 HoloLensはスタンドアローンで動作するMRデバイスであり,精度の高いトラッキング性能とあいまって,室内をちょこまか動いてもちゃんとプレイできるのが立派であった。また,視野角が狭いというHoloLensの弱点は,オリジナル版ではむしろ「HoloLensを通してしか見えないゲーム世界そのものを探査していく」という楽しみに転換されており,ゲームデザインの妙技も感じられた。

 今回,GDC 2019のGoogleブースで初公開となった新版「PAC in Town」もゲーム内容はオリジナル版と同じである。


 異なるのは使用するハードウェアの部分だ。GDC 2019版ではスマートフォンを使ってプレイするスタイルへと変貌を遂げているのだ。端的に言ってしまえば「スマホ版PAC in Town」といったところか。
 HoloLens版では自分の目前に現実情景とCGが合成された視界を見ながらプレイできるわけだが,スマホ版はカメラで撮影された現実情景にCGが合成された画面をスマホで確認しながらプレイすることになる。ただ,さすがに「スマホを直接持ってうろうろするのは見た目的に味気ない」ということなのか,3Dドット画的に再現されたパックマンオブジェをスマホと合体させたものを持ってプレイするスタイルとなっている。ここはバンダイナムコの「こだわりのプロデュース」といったところなのだろう。

スマホが取り付けられたパックマンオブジェを持ちながらブレイするスマホ版PAC in Town
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 さて,HoloLensを使ったオリジナル版では8m四方のゲームフィールドだったのだが,今回のスマホ版ではこれが3m四方に縮小されている。これは「スマホ版だから」というよりは,今回のブーススペースの都合から決まった仕様だとのことだ。
 パックマンが食べるドットエサは,オリジナル版ではプレイヤーのほぼ目線の高さに配置されていたが,今回のスマホ版では,上下の幅を持って立体的に配置されているので,プレイ中に立ったりしゃがんだりといったアクションを強いられることになる。オリジナル版よりもアクション性が高くなっており,パックマンオブジェを持って立ったりしゃがんだり走り回ったりするには,3m四方サイズのゲームフィールドはむしろちょうどよいと感じた。

ドットエサの配置には上下の高さの違いも与えてある
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盗撮しているわけではない。低い位置にあるドットエサを食べているのである
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 細かく見ていくと,オリジナル版との違いはゲーム性の部分にも存在した。
 一つは,モンスターにプレイヤーが食べられてしまった場合の復活方法だ。今回のスマホ版でも,オリジナル版と同様にモンスターにやられてしまうと一定時間ドットエサが食べられなくなるペナルティが課せられるのだが,今回のスマホ版ではほかのプレイヤーとハイタッチをすると即座に復活できるのだ。ただ,このハイタッチシステム……どうやって実現しているのか聞いてみたところ,スタッフがその動作を目視して対応プレイヤーを手動操作で復活させている……とのことであった。予想外のテクニックが適用されていたことに驚かされる(笑)。

モンスターに食べられて死んでしまっても,同時プレイしているほかのパックマンとハイタッチすれば即座に復活できる。実は,このハイタッチ認識は人力だった
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 二つめは,ゲームフィールド外からちょっかいを出せるというシステムだ。任意のプレイヤーに対してモンスターを食べられるようになるパワーエサを出したり,モンスターを向かわせたり……といった「えこひいき」(?)が行えるのだ。

新採用の「えこひいきシステム」で,特定のプレイヤーを支援したり邪魔したりできる
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 さて,このスマホ版PAC in Town,どの要素にGoogleとの関係があるのだろうか。
 一つには,Androidプラットフォーム向けARアプリ開発用フレームワークの「ARCore」を採用しているところだ。プレイフィールドに描かれたPAC in Townのロゴはゲーム世界の基準座標をシステムに認識させるためのマーカーの役割をしており,ゲーム開始時にはこの床面にパックマンオブジェを向けてキャリブレーションをさせられる。以降はスマホ内の加速度センサーやカメラで撮影された現実情景中の特徴点トラッキングを使ってCG世界と現実情景の合わせ込みを行うのだが,これら処理系にARCoreが使われているということなのである。

 そしてもう一つは「Google Maps Platform」である。これは,言わずと知れたGoogleの地図機能を任意のアプリに応用するためのフレームワークだ。
 プレイ中,ほとんどのプレイヤーが気がつかないのだが(筆者も同様だった),スマホ画面を通して見えていたゲームフィールド映像に含まれる背景の建物などの3Dモデルは,地球上のその位置から見た街の風景を3DのGoogleマップから拝借していたものだったのだ。
 地図を「地理情報を得るための情報」として利用せずに,「ただの背景グラフィックス」のために利用する……というのが独創的で面白いではないか。
 ワーキャーいいながら走り回って遊ぶだけでもかなり楽しいARゲームPAC in Townだが,実は,ハイテクのショーケース的作品でもあったのだ。

ゲーム終盤にはドットエサが大量発生して大団円を迎える。このとき,AR視界にはサンフランシスコの建造物も見えているはずなのだがまったく気が付かなかった(笑)
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サンフランシスコのマップでプレイできる「PAC-MAN GEO」は中毒性ありすぎ


GDC 2019会期中のスコアを集計したリーダーボードも表示。プレイするためにスコアが上がり,ついに3位にまでランクイン。上位2名はGoogleスタッフとのウワサあり。パックマンスーツを着たブーススタッフには「またプレイしに来たのか」といわれる始末。「ZEN」が筆者だ
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 Googleブースのパックマン新作のもう一つは「PAC-MAN GEO」だ。
 これ,結論から言うと,中毒性が強い相当にヤバいゲームである。というのも,仕事で来ていることを忘れてかなり夢中になってプレイしてしまったのだ。おかけで当日のハイスコアランキングの大半が筆者のイニシャルで埋め尽くされてしまったほどだ。ランキング1位のトップスコアにはどうしても到達できなかったが。

 このPAC-MAN GEOは,あらゆる意味で「普通のパックマン」である。
 スマホ画面上でタッチ操作で自分が扮するパックマンの移動方向を切り換えながら,迷路の中を走り回り,こちらを追いかけてくるモンスターの追跡をかわしながら通路上にちりばめられたドットエサを食べていくことが目的のゲームである。パワーエサを食べれば立場が逆転し,今度はモンスターを食べることができる。繰り返しになるが,「普通のパックマン」ゲームである。


サンフランシスコ市。白くなっているのがミッションディストリクト
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 ではどこにGoogleとの関係があるのかといえば,プレイフィールドとなっている迷宮のデザインだ。実は,PAC-MAN GEOのゲームマップは,「Google Maps Platform」の道路データそのものなのだ。今回のブースで公開されたPAC-MAN GEOでプレイすることになる地図データはGDC 2019の開催地であるサンフランシスコ市である。
 パックマンのルールで,モンスター達とのサバイバル鬼ごっこをサンフランシスコの道路上で行うゲームがPAC-MAN GEOだったのだ。

 サンフランシスコという町は半島のような場所に存在するので,少し走ればすぐに行き止まりになる。行き止まりに追い込まれたら死亡必至なので,サンフランシスコの道路事情を知る人がハイスコアを狙えるというシステムなのだ。
 ゲームには99秒の制限時間があり,ノーミスで行動できても99秒後にはゲームオーバーになってしまう。そして99秒以内に市内のドットエサを食べ切ることはできないので,結局,道路上に配置されているフルーツなどのアイテムと,プレイごとにランダム配置されるパワーエサを食べてのモンスター連続食いがハイスコアへの道となる。

女性にも人気の高かったPAC-MAN GEO。方向転換の操作が独特で,そこに慣れるまでが結構大変
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 そしてなによりサンフランシスコの地理知識も重要になる。結局モンスターに追い回されたときに行き止まりに走り込まず,ぐるぐる走り回れたほうが長生きできるので,道路が格子状に展開されるミッションディストリクトあたりが生き延びやすいようだった。
 また,本作だけの特別ルールとして,フルーツを食べれば食べるほど得点倍率が上がり,パワーエサを食べてからのモンスター食いも「普通のパックマン」であれば1600点がマックスコンボだが,本作ではそれがリセットされず延々と倍化された点を得られるようになっていた。

 筆者は何度やっても10万点を超えたあたりが限界だったが,このゲームを開発したGoogleスタッフは,数十万点から100万点がだせるとのことであった。そう,話は前後してしまったが,スマホ版PAC in Townはバンダイナムコの開発で,こちらのPAC-MAN GEOはGoogleによる開発なのであった。
 このPAC-MAN GEO,今のところ一般向けリリースの予定はないとのことだが,ぜひともリリースしてほしいところだ。正直,遊び足りない!
  • 関連タイトル:

    PAC in Town

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    Stadia

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