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「舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2」ゲネプロレポート。中央の国&南の国の初めての任務,訓練の様子が描かれる
colyの魔法使いと心を繋ぐ育成ゲーム「魔法使いの約束」(iOS / Android)を原作とした「舞台『魔法使いの約束』」(以下,まほステ)の新作公演「舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2」が,2024年11月30日に開幕した。本公演は,魔法使いたちが初めての任務や訓練に挑む様子を描いた,原作アプリ内イベント「エチュード(初めての訓練)シリーズ」にそった内容となっている。Part2で展開されるのは,「神聖なる宝剣のエチュード〜中央の国&東の国〜」と「雨宿りのカエルのエチュード〜南の国&北の国〜」のエピソードだ。
本稿では,関係者・マスコミ向けに行われたゲネプロ公演の様子をレポートしよう。公演内容に関する記述や写真が含まれるため,これから観劇予定の人は注意してほしい。
「舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2」公式サイト
若い魔法使いたちとオズの関係が微笑ましい
中央の国の初任務
物語は,大掃除をしていた賢者が初めての任務や訓練にまつわる品物を見つけ,賢者の書をめくるようにその思い出を振り返る形で展開していく。
中央の国(「神聖なる宝剣のエチュード〜中央の国&東の国〜」)の初任務の思い出の品は,リケが描かれた記念メダルだ。これは,賢者の魔法使いたちを身近に感じてもらえるようにと考えた,施策の1つだと中央の国の王子 アーサーが話し始める。
アーサーは,賢者の魔法使いたちが国の枠を超えて異変を調査できるように各国に働きかけていた。しかし,魔法使いを恐れる人々の反発によって話が進まない。さらに各国で強力な媒介がなくなる事件が起こり,アーサーは聖ファウスト聖堂にある宝剣を安全な城に移そうとするも, 聖ファウスト聖堂の司祭であるチェーリオに反対されてしまう。
多忙なアーサーを心配したリケとカインは,魔法舎(賢者の魔法使いたちの住まい)に引きこもっているオズも巻き込んで,ミーティングをすることに。最強の魔法使いであるオズを恐れず,真っ直ぐに意見をぶつけるリケの純白さと若さが眩しい。また,アーサーを心配し,育ての親であるオズに,気にかけてほしいと声をかけるカインの優しさもステキだ。
後日リケは,アーサーとカインと共に,グランヴェル城で行われるチェーリオとの会議に参加するが,世間知らずで真っ直ぐすぎる言動で司祭を怒らせてしまう。
落ち込むリケに,優しく相手との対話が大切だと話すアーサー。志が気高く,人としても王族としても尊敬するにふさわしいアーサーであっても,人間と魔法使いの関係性ゆえ,苦労が絶えない。「まほやく」の世界の歪さを感じるひと幕だ。
会議が終わってからも働くアーサーのもとに,オズが訪れる。オズは悪い魔法使いのように振る舞うのだが,言葉の端々にアーサーを想う気持ちが見え隠れしていた。大切なものに対して不器用なオズ,真っ直ぐな信頼を寄せるアーサー,2人の関係がとても尊い。
オズに連れられてアーサーも魔法舎に帰宅し,中央の国と東の国の賢者の魔法使いがそろって食事をすることになった。そこでネロが,宝剣についてある極秘任務を提案して……。
それぞれの国の先生役であるオズとファウストが,若い魔法使いたちに振り回されるシーンも。リケたち若い魔法使いたちの一生懸命さと,それを見守るオズたちの温かさを感じられる物語になっている。
南の国では,優しく切ない雨にまつわる物語が展開
南の国(「雨宿りのカエルのエチュード〜南の国&北の国〜」)の初任務は,雨がやまない無人の村を調査することだ。
ある事情から,南の国の魔法使いであるルチルとミチルの兄弟を守らなければいけないミスラ(北の国)。さらに北の国の魔法使い スノウとホワイトの監視つきで,奉仕活動することになったブラッドリー(北の国)も任務に同行することになった。
出発前,いつもと様子が違うオーエン(北の国)に遭遇した賢者とレノックス(南の国)。どこか寂しそうな彼も誘ってみるが,すげなく断られてしまった。
無事に目的地につき,調査を始めるのだが,他者との接し方に対する考え方の違いから,レノックスとフィガロ(南の国)に微妙な空気が流れる。そのことをスノウとホワイトに触れられたフィガロは,逆にスノウを煽って,一発触発の事態に! 普段は比較的穏やかに見える2人だが,長いときを生きてきた魔法使いなのだと感じさせる会話にドキドキさせられた。
初任務で張り切るルチルとミチルだったが,彼らの安全が第一であるミスラに拘束されてしまう。彼にとっては最善の行動なのだが,ルチルたちは自由を求めていて……。強大な力を持つミスラに対し,臆することなく堂々と自身の気持ちを伝え,必要ならば大胆な交渉もできるルチルは強いなと感じた。
また,ミチルに対して,ミスラが兄弟の母親について話す場面も。そこではミスラの本音の欠片が見えて,切ない気持ちになる。
調査した結果,その場所がレノックスの知る魔法使いコリンが,友人のために作り上げた魔道具だったと判明する。すでにコリンの気配はなく,魔道具を壊して任務を終わらせようという話になるが,ブラッドリーがある提案をするのだった。ミチルの面倒を見てあげたり,魔法使いの生き方に信念があったり,ブラッドリーの男前な一面が見られた。
一方,西の国の魔法使いたちの罠によって,オーエンも雨が降っている場所に出かけていて……。魔法使いの別れ,絆など,いろいろなことに想いを馳せることができるしっとりとしたエピソードになっている。
任務には参加していないが西の国の魔法使いたちも,ほかの国の魔法使いをサポートしたり,楽しいパフォーマンスを披露したりして物語を盛り上げてくれた。
「舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2」を収録したBlu-rayは,2025年7月25日に発売される。本編と特別映像を収録したディスクの2枚組で,価格は1万1000円(税込)だ。初回製造特典にはライブ音源+BGM CDのほか,各種法人特典も用意されている。全国のアニメイト(通販含む)にて予約が始まっているので,確実に手に入れたい人は忘れずにチェックしよう。
キャスト・演出家コメント
【中央の国】リケ役:新谷聖司
今回のエチュードシリーズPart2で、リケとして存在できること、とても嬉しく思っております。 たくさんの方に応援していただき、愛し続けてくださったおかげで、こうして作品が続いています。ありがとうございます。
僕個人としては、初舞台だった第2章から3年が経過し、本作品が4年目を迎え最初の舞台作品になるので、僕自身の成長も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです(笑)。皆様に楽しんでいただけるように全力を尽くしますので、どうぞ応援のほどよろしくお願いします。
【南の国】レノックス 役:白柏寿大
いよいよ始まりますね。待ちに待ったエチュードシリーズPart2の初日! このストーリーが本当にたくさんの人に愛されている事を知っているし、なにより僕自身も大好きな作品。みんなで走った稽古期間、カエルのエチュードがどんどん形になっていくことが本当に幸せでした。胸を張ってお届けできる作品になったと思っています。皆さんに観ていただけること、楽しみにしています。
演出:ほさかよう
エチュードシリーズPart2、いよいよ開幕です。中央と南、両国の魔法使いたちのこれまで見たことのない表情が見られる作品になったと自信を持って言い切れます。『魔法使いの約束』という作品に携わらせていただいて、この作品に辿り着けて本当に良かった。心からそう思える舞台になりました。 どうぞご期待ください。それを上回る素敵な演劇をお届けします。
舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2
■公演期間
【東京】2024年11月30日〜12月8日
天王洲 銀河劇場
【大阪】2024年12月14日〜12月22日
SkyシアターMBS
■出演(敬称略)
【中央の国】
オズ役:丘山晴己
アーサー役:北川尚弥
カイン役:岩城直弥
リケ役:新谷聖司
【北の国】
スノウ役:陣 慶昭
ホワイト役:田口 司
ミスラ役:鮎川太陽
オーエン役:神永圭佑
ブラッドリー役:中村太郎
【東の国】
ファウスト役:矢田悠祐
シノ役:田村升吾
ヒースクリフ役:内藤光佑
ネロ役:坪倉康晴
【西の国】
シャイロック役:山田ジェームス武
ムル役:橋本真一
クロエ役:皆木一舞
ラスティカ役:森田桐矢
【南の国】
フィガロ役:和合真一
ルチル役:大海将一郎
レノックス役:白柏寿大
ミチル役:弦間哲心
真木 晶(賢者)役:大森夏向
チェーリオ役:鈴木壮麻
コリン役:チャンへ
【POW-ers(パワーズ)】
※『魔法使いの約束(Promise of wizard)』の世界を表現する人々
木村和磨 黒条奏斗 杉山諒二 鳥居留圭 花見卓也 来夢
■STAFF(敬称略)
原作:『魔法使いの約束』/coly
脚本・作詞:浅井さやか(One on One)
演出:ほさかよう
音楽:坂部 剛
振付・ステージング:本山新之助
「舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2」公式サイト
(C)coly/舞台まほやく製作委員会