企画記事
運動したい人に!「リングフィット」や「Fit Boxing 2」など6種類のSwitch向けフィットネス&ダンス系ソフトを紹介
そこで本記事では,6本のソフトを遊び,各タイトルの特色や面白さをまとめてみた。求める運動の種類や気分によって,自分に適したソフトはまったく違ってくるはずなので,ぜひ購入の参考にしてほしい。
「リングフィット アドベンチャー」
「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」
「FiNC HOME FiT」
「ファミリートレーナー」
「Zumba de 脂肪燃焼!」
「ジャストダンス2021」
不動の人気を誇る
「リングフィット アドベンチャー」
専門家が監修する,60以上ものフィットネスプログラムをプレイでき,発売から1年以上が経った今でも,高い人気を誇っている。
リズミカルなBGMも相まって,テンポよく進んでいくトレーニング |
プレイする際には,先に述べたリングコンにJoy-Con(L)を,ゴムで太ももに固定するレッグバンドにJoy-Con(R)をセットして使用する。
ちなみにこのリングコン,押し引きするときの弾力は非常に心地よく,プレイ中は,ついつい力を入れすぎてしまうこともあるのだが,筆者の家では,家族全員で1年以上使い続けていても,まったく壊れる様子がない。手の汗などで汚れやすいグリップ部分も取り外して洗えるので,非常に安心した作りになっているのだ。
プレイを始める前に,年齢と体重を設定する。これによって運動負荷,消費カロリーを試算し,自分用にカスタマイズした環境でプレイできる。これらは設定の項目から常に変更可能なので,定期的に見直すといいだろう |
ゲームの内容は,最強の魔物・ドラゴによって闇のオーラに包まれた世界を救うため,フィットネスの力で戦っていく“アドベンチャー”が中心となる。
ステージにもよるが,ジョギングでコースを進み,敵とエンカウントすると戦闘開始。体を動かす40種類以上の技,“フィットスキル”を実行することで敵にダメージを与え倒していくという流れが基本だ。
フィットスキルは,うで,はら,あし,ヨガといった,鍛えられる部位別の4カテゴリに分かれており,それぞれ赤,黄,青,緑に色分けされている。この色は敵の色とも対応していて,敵と同じ色のスキルで攻撃すると,効果的にダメージを与えられる。
スキルの中には,“マウンテンクライマー(あし)”や“プランク(はら)”など,運動に馴染みのないプレイヤーには,少し動作に戸惑うものも含まれているが,動きのお手本を見せてくれるキャラクター“ミブリさん”が,正しい姿勢や力の入れどころなど,的確なアシストをしてくれる。ゲーム内での相棒となる“リング”も絶えず励ましてくれるので,プレイを進めていくうちに,だんだん動けるようになってくる実感が得られてうれしい。
最初はついていけなかった動きも,コツコツプレイを続けると難なくプレイできるように! |
主人公の能力をアップさせたり,新たなフィットスキルを習得したりできる“スキルマップ”の存在も,短期的な目標を見失わず続けられる要素だ。フィットスキルを含めた戦闘まわりのシステムが,単に運動をするための動機づけになっているのではなく,ゲームとして面白く遊べるよう調整されていることで,世界により一層入り込める。
また,モグラたたきや,バランスウォークなどで遊びながら体を鍛える“ミニゲーム”を楽しめるステージもある。スクワットをしながらリングコンを押し込み,お手本通りの美しい壺を作るという“ろくろ回し”といったミニゲームもあるのだが,汗だくで壺を形成していると,「私はいったい何をしているんだろう……。」とシュールな気分になりながらも,なぜかフフっと笑ってしまう。
クリア目標はステージによって違う |
アドベンチャーのほかにも,大胸筋や広背筋など,特定部位を効果的に動かす“シンプル”や,リズムに合わせてリングコンを押し引きする音ゲー的な“リズムゲーム”などが用意されており,遊びの種類は盛りだくさん。
これらを加えた全メニューは,目的と好みに合わせカスタムメニューとして自由に編集もできるので,アドベンチャーで遊ばず,純然たるトレーニングソフトとして使うこともできるのだ。
またジョギングの動きは,設定で“サイレントモード”を選ぶと,スクワットに置き換えることができる。住まいの環境などで,階下への音が気になるプレイヤーなどには,うれしい機能だろう。
カスタムメニューにはキャラクターの会話シーンなどが存在。運動メニューを休みなくこなしたい場合に適しているモードだ |
各メニューをこなした回数は記録されていて,一定回数に達するとお祝いをしてくれる。また,アドベンチャーモードには,長めのストーリーが設定されており,さらにプレイによって様々なトレーニングウェアや,プレイを補助してくれるスムージーのレシピなどの収集も楽しめるので,運動を続けていくためのモチベーションを高めてくれるのだ。
これらを駆使することで,「全身をくまなく鍛えたい」「ゲームとしても楽しみたい」「好きなメニューをカスタムしたい」というさまざまな要望に応えられる。
直感的なコントローラを使うことで,画面の中の人物と同期し,なりきる楽しさも得られる本作。モーションIRカメラで脈拍を測れるといった機能もあり,全方位から更なる運動の魅力を提案してくれるソフトだ。
難度:低〜高(運動負荷やメニューは任意選択可能)
目的:筋トレ中心の全身運動
プレイに必要な広さ:寝そべることができるくらい
「リングフィット アドベンチャー」公式サイト
ボクシングの動きを楽しみながら有酸素運動
「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」
前作は,エクササイズ系ソフトとしての質の高さや,人気声優の起用で話題となり,じわじわと売れ続けていたが,そのパワーアップ版である本作は,発売から約1か月で全世界累計50万本の売り上げを突破するといった,さらなる人気を見せている。
直感的で,誰にでも分かりやすいプレイ画面 |
プレイ方法は,2つのJoy-Conを両手に持ち,音楽に合わせリズムをとりながら「ジャブ」「ストレート」「フック」などを,流れてくるアイコンに合わせてタイミングよく繰り出す形で,判定は若干甘いものの,正しいタイミングとフォームであれば,高いスコアが得られる。
各動作はそれほど難しくなく,低スコアが続いてもゲームオーバーになるわけではないので,プレイへのハードルは低い。子供からお年寄りまで,自分の体力や目的に合わせたメニューを選び,マイペースにプレイできるのが特徴だ。
しかし,その気軽さに反し,体にかかる負荷は思いのほか大きい。基本のジャブやストレートですら,10分も打っていれば汗だくになり,自分の運動不足と,しっかりとしたエクササイズの効果を実感できる。
ストレートコンビ,アッパーコンビなど,メニューは種類豊富。腕の動きだけでなく,スウェーやステップ,ブロックなど,体全体を使ってボクシングのアクション体験できる |
本作で追加された機能をいくつか紹介しよう。プレイ画面に表示される,両足への体重移動のガイドは,非常にありがたい機能だ。これにより,前後に重心を移動させるタイミングが分かりやすくなり,パンチを繰り出すリズムも見失いにくくなった。
ロード時間に読めるTIPSも充実し,基本的な動きのコツなど,プレイヤーが知りたい知識を,隙間隙間で教えてくれる。アクションの判定タイミングを,プレイヤーのクセに合わせられる“判定調整機能”も簡単かつ優秀だ。これらの細やかな気配りによって,いっそうユーザーフレンドリーなタイトルになっている。
プレイが終わると各アクションの成功率が表示されるので,自分の苦手な動きを客観的に確認できる |
豪華声優陣がインストラクターたちのボイスを担当していることも,本作の売りのひとつだ。前作は,リン(CV:早見沙織),エヴァン(CV:中村悠一),マルティーナ(CV:上坂すみれ),ソフィ(CV:小清水亜美),ラウラ(CV:田中敦子),ベルナルド(CV:大塚明夫)の6人が登場していたが,本作では,さらにカレン(CV:鬼頭明里),ジャニス(CV:釘宮理恵),ヒロ(CV:石田 彰)の3人が追加された。
TOP画面ではインストラクターの変更が可能で,エクササイズ中は,基本の姿勢からパンチの打ちかたまでを,優しく丁寧に指導してくれる。
誰もが個性的で高い魅力を持つが,いろいろなインストラクターと一緒にプレイを進めるうち,お気に入りの相手が見つかるだろう。なお,エクササイズを行った回数や,トレーニングの評価などに応じてアチーブメントが得られる。報酬として,インストラクターのトレーニングウェアなどと引き換えられるチケットが入手できるほか,新たなアイテムも登場するので,これをコンプリートするのも,ひとつの目標になる。
男女とも,ウェアの数はかなり多い。個人専用のスイムウェアも! |
収録曲は,Village Peopleの「Y.M.C.A.」や,Bon Joviの「It's My Life」など洋楽のヒットナンバーだ。どこかで耳にしたことがある曲も多く,リズムも分かりやすいので,パンチのタイミングも取りやすい。また本作では,ダンサブルなオリジナルBGMが,3曲追加されている。
本作を紹介する際に忘れてはいけないのが,無料の追加コンテンツ“鬼モード”の存在だろう。前作にはなかった要素で,通常の“かるい”と“しっかり”より,さらに負荷の高いエクササイズを選べるようになる。
インストラクターの口調も厳しいものに変わり,ビシビシと指導してくれるので,好きな声優に叱咤激励されたい人にはたまらないモードでもある。プレイ時間は“しっかり”よりも長めに設定されており,休む暇もほとんどない。完成させた動きを何回も繰り返す終盤のパートは,体にかなりの負荷がかかるが,ある程度プレイに慣れてきた人であれば,むしろ程よい手ごたえを感じられるはずだ。
前作をやり込んでいる人や,日常的に運動をしていて体力のある人,インストラクターからあえて厳しめの対応でビシビシ鍛えられたい人は,ぜひ積極的にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
石田 彰さんの声で檄を飛ばされる……。とてもイイ…… |
基本的なアクションは「Fit Boxing」と同じだが,さらに細かな遊びやすさを目指して作り込まれた本作は,前作を遊んだプレイヤーにも強くおすすめできる。ステップやダッキングからのアッパーなど,判定がシビアなアクションもあるが,ボクシングエクササイズの爽快感と,豪華声優陣の励ましによって,楽しく体を鍛えていけるのだ。
難度:低〜中
目的:有酸素運動
プレイに必要な広さ:前後左右に2歩程度歩ける程度
「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」公式サイト
空手やカンフーなど,様々な格闘技の動きを取り入れた
「FiNC HOME FiT」
先に紹介した「Fit Boxing 2」は,ボクシングの動きを追求したエクササイズだが,こちらはキックなども取り入れ,全身をバランスよく使ったメニューが展開される。
キックの要素は,ほかのタイトルにあまり見られないアクションなので新鮮。まるで格闘ゲームのキャラクターになったような爽快感を味わえるのだ。キックのほか,真横や上に腕を伸ばすアクションもあるので,広めなスペースを確保してからプレイしたい。
インストラクターの後ろに現れる双子のような2人が少しシュール |
本作のアクションレーンは,画面下部に2段で表示されている。ガイドは左から右に流れていき,色と文字で表示されるアクションを,タイミングよく繰り出してく。色は使用する腕を示しており,青は左手,赤は右手,白は両手となっている。
1つのメニューのプレイ時間は3〜5分程度と短いのだが,これは“外出自粛や長引くリモートワークで運動不足になりがちなあなたのための新しい運動習慣”と謳っているように,毎日コツコツと遊ぶことを想定しているからだろう。
1日に1回のみ選択できるデイリーメニュー,“パーソナルトレーニング”の分量も少なめなので,短時間の運動を毎日続けていきたい人には特に向いている。また,少しヘビーに運動したい人は,デフォルト時間の10分を,20分や30分に変更することも可能だ。
どのメニューも全身を使っている実感があり,短時間の運動でもしっかり汗がかける。その効果は,プレイ時間から感じる以上に高そうである。
メニューのひとつひとつはサクッとこなせるものばかり。運動量をプレイヤー自身で調節しやすい |
ゲームの流れの中にチュートリアルがないため,初プレイの前には“アクション確認”の項目で動きを確認しておく必要がある。特に“横突き”“上げ受け”“サイドジャブ”など難しめの動きは,初見では真似できないので,あらかじめ学んでおきたい。
ただ,チュートリアルメニュー自体も,インストラクターが繰り返す動きと,テキストを見るだけの簡素な作りだ。そのため,格闘技はさっぱりの筆者は少々不安を覚えたので,“正拳突き”など,馴染みのないアクションはネットでも検索し,体重のかけかたや正しい姿勢などを予習することになった。
手取り足取りのチュートリアルがないということは,逆に考えればフィットネスゲーム経験者にとっては初歩的な説明を繰り返し聞くまどろっこしさはなく話が早いともいえる。しかし,丁寧な解説の用意はどこかにあったほうが,やはりプレイヤーにとって親切だったように思う。
“アクション確認”メニューで,細かい姿勢を練習 |
プレイを導いてくれるインストラクターは,サツキ(CV:佐倉綾音),タクミ(CV:下野 紘),クリスティ(CV:井上麻里奈),マチルダ(CV:三石琴乃)の4人。キャラクターモデルは,どこか担当声優本人に似ているところがおもしろい。
最初から選べるのは,サツキとタクミの2人だが,プレイを進め,特定の条件を満たすことで,クリスティとマチルダが開放される。インストラクターとの親密度を感じさせる会話や,衣装収集などの要素はなく,あくまでコツコツ運動をするのが目的だというストイックさを感じるが,プレイの新鮮さを保つためにも,コスチュームをカスタムできるなど,ちょっとした変化はほしいと感じた。
人気声優を起用しているキャラクター |
トレーニングの成果は,“マイレポート”の項目で確認できる。こちらは,ヘルスケアベンチャー企業のFiNC Technologiesが提供しているダイエット・ヘルスケアアプリ「FiNC/フィンク」と同様のスッキリしたデザインであり,アプリの利用者にも馴染みやすい。
特に,消費カロリーの推移を折れ線グラフで見ることができるのは,体の変化を実感でき,運動を続けるモチベーションを高めてくれる。ただ,アプリとの連動や互換性はない。
キック系のアクションは爽快!くれぐれも家具に足が当たらないよう気を付けて…… |
ゲーム的に楽しめる要素はあまり重視せず,サクッと短時間の運動を継続していきたい人をターゲットしている印象の本作。コツコツプレイし続けることは,自粛生活などで落ちがちな体力維持にも適しており,運動にまとまった時間を割けなくても生活に取り入れやすい。
初心者への手引き不足を差し引いても,普段ゲームをプレイする習慣のない人へもアピールできそうで,アクションパターンの多さも手伝い,楽しんで習得しプレイを続けられる力となるだろう。
難度:中
目的:有酸素運動,無酸素運動
プレイに必要な広さ:前後左右に2〜3歩,上に手が伸ばせる程度
「FiNC HOME FiT」公式サイト
誰かと一緒にプレイをするのが断然おすすめ
「ファミリートレーナー」
ボタンの描かれたマットを足で踏むことでキャラクターを操作するというのは,コントローラでの入力でテレビゲームを遊んだことしかないファミコン世代の子供たちに衝撃を与えたものだ。自分が走れば画面の中のキャラクターも走り,ジャンプをすれば飛ぶ。そんな「私が主人公になっている!」という臨場感に感動し,子供時代の筆者もそれは夢中になったものだ。
1作目の「ファミリートレーナー アスレチックワールド」のほか,同コントローラで遊べる「ランニングスタジアム」や「エアロビスタジオ」など,シリーズ作品が10本リリースされており,2008年には,新作としてWii版の同名作品が,翌年には「ファミリートレーナー2」も発売されている。
長い歴史を持つ本シリーズだが,2020年12月17日には,Nintendo Switch用ソフトとして生まれ変わった「ファミリートレーナー」がリリースされた。
体を鍛えるためというより,「遊びながら体も動かせる」といったテンションで気軽に遊ぶ内容で,足踏みやジャンプといった操作方法はほぼ同じ。ただ,Joy-Conとレッグバンドを利用することで,マット型コントローラが不要になり,かなり手軽に遊べるようになったのだ。
丸太の上を跳び越す“丸太ジャンプ”。初代「ファミリートレーナー」の対応ソフト“アスレチックワールド”を思わせるアトラクションだ |
本作では,レッグバンドにJoy-Con(L)を差し込み,左足に装着。Joy-Con(R)を手持ちのコントローラとして使用する。なお,“ふたりであそぶ”モードをプレイするには,Joy-Conが2セット,レッグバンドも2つ必要。
これが令和のファミトレスタイル! |
ゲームでは,前方から流れてくる丸太を飛び越しながらゴールを目指して走る“丸太ジャンプ”や,障害物をかわしたり,加速ゾーンを使ったりして巨大な滑り台を降りていく“パイプスライダー”,Joy-Conをオールのように使って川を下る“カヌー川下り”など,15種類のアトラクションが遊べる。
どれも複雑な操作は必要なく,プレイの直前に出てくる遊びかたの説明を読めば,小さい子供であっても問題なく操作できるだろう。
“なわとび”は回る大繩に合わせてジャンプするだけなので特に分かりやすい |
“ひとりであそぶ”モードでは,複数のアトラクションに連続で挑戦する“アスレチックで大冒険”と,自分に合ったトレーニングコースが選べる“運動不足解消トレーニング”,好きなアトラクションを選択してプレイする“自由にあそぶ”の3種類が選べる。
どれも高い運動量であるのだが,健康維持やダイエットのためであれば,“運動不足解消トレーニング”のプレイが手っ取り早いだろう。プレイ後には,FP(ファミトレポイント)が加算され,毎日の運動成果がグラフで表示される。ポイントの最高記録を目指すもよし,毎日一定のポイントを稼ぐまでプレイを続けると決めるもよし,といった具合なのだ。
短い時間でプレイできるメニューが揃っている。日々のルーティンに軽く運動を取り入れたい,という場合によさそうだ |
長く続いているシリーズと言うこともあり,ゲームとしては安定した面白さを持つ本作だが,エクササイズを謳っているわけではないので,どうしても運動内容に偏りがでてしまう。
特に,トリックボーダーなど体の左側を前にして構えるような競技では,どうしても力のかけかたに差が出てしまうので,体全体を鍛える目的を持って遊ぶのであれば,プレイ中の動きを確認しメニューを選ぶ必要があるだろう。
なお,ジャンプを取り入れたメニューの大半は負荷も高く,あまり左右の差を気にしないのでおすすめだが,集合住宅で階下に住人がいるなどの場合は,厚めのマットを敷くなどの対策はしておきたい。本作に限った話ではないが,ドスンドスンと音が出そうな運動をする場合は,ヨガマットを敷くなどしてプレイしたいところ。
他人のプレイを見ていて最も面白かったのは“トロッコアドベンチャー”だ。必死にJoy-Conを振り,途切れたレールの前では慌ててジャンプをするプレイヤーの姿を見ていると笑いが止まらなくなる。もちろん,他人からは自分もそう見えているのだろう…… |
昭和の時代に誕生した「ファミリートレーナー」。実際に体を動かすことで,ゲームの中の自機を操作するという家庭用体感型ゲームの元祖に近いと言えるかもしれない。
先にも述べたが,体を鍛えるためというより,体を動かすことが“遊び”に繋がるタイプのソフトなので,同居している家族や友人などとのプレイはかなり盛り上がるはずだ。もちろん,1人で遊んでも楽しめるので,外出自粛中のストレス発散に役立ててみてはいかがだろうか。
難度:低
目的:軽い全身運動
プレイに必要な広さ:前後左右に手を伸ばせるくらいのスペース
「ファミリートレーナー」公式サイト
踊る楽しさを重視した
「Zumba de 脂肪燃焼!」
ズンバは,コロンビアのダンサー兼振り付け師であるアルベルト・ベト・ペレス氏が考案したダンス・エクササイズで,伝統的なラテン音楽から,ヒップホップ,タンゴ,ロック,ポップスまで,あらゆるジャンルの音楽をとり入れている。
決まりごとが少なく,自由な楽しさを重視するスタイルが売りで,世界中に熱狂的なファンを持つエクササイズなのだ。
ズンバ界では超有名なインストラクターたちが出演 |
曲に合わせて踊る本作だが,プレイを始めようと開いた曲選択画面で,まず悩むことになる。ズンバ熟練者ならまだしも,どんな特性を持つダンスなのかがほとんど見えてこないからだ。
各曲には,負荷の高さが表示されているが,踊りの難度と比例しているわけではない。振りは簡単でも体への負荷が高い曲があり,またその逆の曲も存在している。並びもアルファベット順なので,一番上にある“Azukita”が初心者向けかもしれないと選んでみるものの,その難しさに絶望する人もいるのではないだろうか。そう,筆者のように。
ちなみに,ズンバ未経験者が始めに選ぶなら,上から2番目の“Be As One”が,スローテンポかつ難度も低いのでおすすめ。また,負荷が高く難度が低めの“marimba”も踊りやすい曲のひとつだろう。
慣れてきたら,複数の曲を組み合わせたプログラムが多数用意されているので,そちらにも挑戦してみるのもよさそうだ。
“Be As One”は,クールダウンとしてロングプログラムの最後に設定されていたりする |
筆者はダンスに苦手意識がある。それもあって,プレイを始めた当初はまったく動きについていけず,プレイを投げ出したいとも思った。しかし,先に挙げた2曲を毎日踊っているうち,徐々にほかの曲の動きも理解できるようになってきたのだ。
ズンバは,4つの基本リズムに4つの基本動作が定められているそうで,16ステップの組み合わせ&応用の振りで構成されている。なので,1つ踊れるようになれば,ほかの踊りにも少なからず応用が利くというわけだ。
ちなみに,画面の中のインストラクターはまったく喋らないのだが,これもズンバの特徴だそうで,インストラクターはレッスン中に喋らず,ジェスチャーなどの非言語コミュニケーションで指導するらしい。
ステップやアレンジが変わるときには,画面右上に次の動きを示すガイドシルエットが出るのだが,中央のインストラクターは,初めに踏み出す足に視線を向け指差しなどをする。2回繰り返すアレンジに変わるときはピースサインで伝えるなど,ズンバの流儀で表現するので,それに慣れるまでは戸惑うが,一度分かってしまえば……。たぶんなんとかなる。
正直,流儀なんてあるようでいてなく,とにかく実践してみればいいだけなので,ひたすら画面内の踊りを真似ていれば,ぐんぐんと踊れるようになる。ちなみに,本作にはチュートリアルメニューすら設けられていない。潔い。
本作には,最高に笑顔の良いダンサーしか登場しないが,ひときわ陽気でキャラの立った中央の男性が最も印象に残る。実はその人こそ,ズンバの創始者であるアルベルト・ベト・ペレスなのだ |
プレイは,Joy-Conを右手に持つスタイルで,振りが正確であれば高評価になる。高評価判定が続くと,ゲーム内が盛り上がってきて,インストラクターの両脇にダンサーがふたり出現するのだが,彼らの動きは細かいところが全員違っていて,完全にユニゾンしていないところがおもしろい。これも,ポイントをおさえていれば踊りの正確性は重要視しないというズンバのスタイルなのだろう。
なお,ミスの判定はあるが,あまり重視されないので,踊りを全力で楽しむことに集中できる。そのためか,1曲3分程度のエクササイズ時間は,一瞬で過ぎてしまうのだ。これは,ほかのタイトルでは感じることのない経験で,「失敗を恐れることはない,そんな些末ことは誰も気にしていない。楽しんだもの勝ちなのだ!」というズンバの魅力を思い知ることになった。
仲間とのプレイが必須の目標もある。基本的に,1人でプレイしている筆者はこの項目を一度も達成できていないが,特に何かが不利になるということはない |
楽しんで踊ることが第一という,ラフなコンセプトが売りの本作だが,デイリーメニューには,「350キロカロリーを消費する」「10曲踊る」など,実際にプレイしてみれば相当にハードな目標が用意されている。
だが,脂肪燃焼を目指すなら,これを継続して達成し続けることがおすすめ。ダンスのアクションを判定してくれることと,プレイによって得られるFP(フィットネスポイント)でレベルアップすること以外,ゲーム的な要素はほとんどないが,難度の高い踊りをマスターした時は。大きな喜びとフィットネスの充足感を味わえるだろう。
難度:中〜高
目的:有酸素運動をエンジョイ
プレイに必要な広さ:3畳くらいのスペース
「Zumba de 脂肪燃焼!」公式サイト
本格的なダンスにチャレンジ
「ジャストダンス2021」
最新作である本作は,Nintendo Switch版のほか,PlayStation 5版とXbox Series X版,PlayStation 4版,Xbox One版がリリースされており,TWICEやビリー・アイリッシュなど,世界的に有名な40曲にあわせて,ダンスを楽しむことができる。
曲に合わせたダンサーの個性的なファッションも面白いので,ぜひ注目してほしい |
本作は,「Zumba de 脂肪燃焼!」と同じ,ダンスを楽しむタイトルではあるが,フィットネスではなく,“アーティストたちがMVで踊っているようなダンスを格好良く踊ろう!”というコンセプトになっている。
プレイ方法は簡単で,Joy-Conを片手に握り,ダンサーのアクションを真似するだけ。複数のダンサーが登場する曲の場合は,誰のパートを踊るかも選択可能だ。
iOSとAndroidのアプリ「Just Dance Controller」を使用することで,スマホをコントローラとして使え,6人まで同時プレイが可能というところも本作独自の仕組みだろう。人の集まるパーティーなどで遊ぶのにも向いており,仲間とパート分けをして踊るのは楽しそうだなと思いつつも,今は時期的にそれも難しいのが残念だ。
ただ,本作には“ワールドダンスフロア”という,世界中のプレイヤーとダンスバトルができるモードも遊べる。自分と同じレベルのプレイヤーとも戦えるので,1人であっても寂しくない。
ダンサーは,左手(プレイヤーの右手側)にビビッドな手袋を着けている。アクションを見失いづらくする工夫なのだろう |
人にもよるだろうが,本稿で紹介してきたゲームの中では,この「ジャストダンス2021」が最も難しいと感じた。これは,左右バランスよく動かすエクササイズではなく,本格的にダンスする内容だからだろう。
ダンス内容も初心者に向けたものとはいい難く,初見ではほとんど踊れない曲もいくつかあった。ゲームとして遊ぶ場合,ランダムに曲が選ばれて,すぐ踊ることができる“クイックモード”が便利なのだが,難しすぎる曲が登場する不安がある。また,小さい子供に向けた曲を収録した“kidsモード”も用意されているが,ダンスの基礎をまったく持っていない筆者の場合は,キッズ向けの曲でさえも動きが理解できず,難儀するはめに。
そんな本作であるが,エクササイズを目的とするならば,“Sweetモード”がおすすめできる。カロリー消費量や踊った時間も表示されるので,ダイエット目的としても十分に活用できるのだ。
踊る曲も,有料のサブスクリプションサービス「JUST DANCE UNLIMITED」を購入することで,「アナと雪の女王」の名曲である「Let It Go」などがプレイ可能になる。
知っている曲であれば,それなりに踊れたりするもので,筆者もしばらくプレイしていると,そこそこイケているエルサになってきた。
「JUST DANCE UNLIMITED」加入によって踊れる曲を合わせると,なんと500以上にもなる。一生ダンスに苦労しない生活が送れそうだ |
コントローラでの判定は少し甘めだが,それが幸いして,踊りが下手でもミスが連発して自身のテンションが下がるということが起こりにくい。ただ,少し踊れるうになると,「さらに美しく踊れるようになって,もっともっと輝きたい!」といった気持ちが芽生えてきたりもする。そうなるともう,ゲーム内の判定結果よりも,自分自身の意識との戦いになってくるのだ。
キレッキレの動きで踊るカッコイイ自分を目指す! |
ダンスは,単に難しいだけでなく,動き自体も激しい。数曲踊るとヘトヘトになるので,運動効果はかなり高いと感じられた。ダイエットするぞと意気込まなくても,難しいダンスに挑戦しているうちに,踊りのセンスとかっこいい肉体を手に入れることができそうである。
ダンス慣れしてしていない人は,踊ることへの羞恥心を捨てることが重要。音楽を聞いたら,自然に体が動くようになれば一人前 |
洋楽の名曲中心のラインナップはファンにうれしく,馴染みないプレイヤーにも新しい刺激を与えるだろう。曲数が多く全体的に高難度なので,筆者の場合だと「ジャストダンス,大体プレイし尽くした」と感じるまでに数年,いやこの調子だと十数年以上かかるかもしれない。
果てしない道ではあるが,これはよろこびでもある。さらに上を目指すテンションをずっと保ちながら続けていけそうな一作だ。
難度:高
目的:有酸素運動,無酸素運動,カッコよく踊ること
プレイに必要な広さ:3畳くらいのスペース
「ジャストダンス2021」公式サイト
以上,6本の異なる個性を持つタイトルを紹介した。どのソフトも運動量は多く,ダイエット目的ならどれも有効的。さらに,複数のソフトを組み合わせると,飽きも感じずに上手く続けていけるのではないだろうか。
まだまだ続きそうな自粛生活のなかで,ゲームを楽しみながら運動できるのであれば,これほど願ったり叶ったりなことはない。本記事が,健康な体を保てる手助けになれば幸いだ。
- 関連タイトル:
リングフィット アドベンチャー
- 関連タイトル:
Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-
- 関連タイトル:
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- 関連タイトル:
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- 関連タイトル:
Zumba de 脂肪燃焼!
- 関連タイトル:
ジャストダンス2021
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- カジュアル
- セガ
- プレイ人数:1〜4人
- 欧州
- Nintendo Switch:ジャストダンス2021
- Nintendo Switch
- ユービーアイソフト
- 企画記事
- ライター:内藤ハサミ
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