「ブレイブリーデフォルトII」序盤のインプレッションを掲載。歯応えのあるバトルに負けない骨太のストーリーが繰り広げられる

　スクウェア・エニックスより2021年2月26日に発売される，Nintendo Switch用RPG「ブレイブリーデフォルト II」。2012年の「ブレイブリーデフォルト」から続くRPG「ブレイブリー」シリーズの最新作だ。発売に先駆け，本作の序盤をプレイする機会を得たので，インプレッションをお伝えする。


　本作の舞台となるのは，5つの国を擁するエクシラント大陸。あるとき船乗りの青年・セス（名前変更化）は乗っていた船が高波に攫われて遭難し，「春風の国 ハルシオニア」の浜辺に漂着したところを，今は亡きミューザ国の王女・グローリアと，その忠臣・スローンに助けられる。しかし，宿屋で見た地図には，セスの記憶にない大陸が描かれていた。

序章の舞台となるハルシオニア

浜辺に漂着したセスは，グローリアとスローンに発見される

亡国の王女・グローリア

　グローリアから「あとで話がある」と告げられたセスは再び浜辺に。そこで怪物に襲われていた老人を助けたことから，ジョブを司る「アスタリスク」を求めて旅をしているという学者・エルヴィスと，彼に雇われている傭兵・アデルと知り合う。エルヴィスによると，各地に点在するアスタリスクを集めるほど，彼の持つ魔導書の解読が進むという。

セスは，エルヴィスとアデルの2人組と知り合う

　一方，セスと別れたグローリアとスローンは，風のクリスタルを狙う2人組に襲われてしまう。グローリアと引き替えに風のクリスタルを要求されたスローンは，街に戻ってきたセス達3人と一緒に彼女の救出に向かうことに。そこでセスは風のクリスタルの啓示を受け，「光の戦士」として覚醒するのだった。

グローリアは，風のクリスタルを狙うダグとセレネに監禁されてしまう

　首尾よく救助されたグローリアによると，ミューザ国の王家は「ヤミノヒトミ」と呼ばれる災厄を封じるための4つのクリスタルを代々守り続けてきたという。しかし火・水・土の3つのクリスタルが何者かによって奪われ，大陸の各地には災厄の兆候と思われる異変が起きている。クリスタルを元の聖廟に収めなければ，ヤミノヒトミが蘇るのも時間の問題だ。そこでグローリアは，奪われたクリスタルを取り戻す旅に出る決意をする。

　スローンからグローリアに協力してほしいと依頼された3人は，それぞれの理由から快諾。グローリアに同行して大陸中を旅すれば，エルヴィスはクリスタルを奪った者が持つアスタリスクの回収ができる。またアデルはエルヴィスの護衛があるし，ついでに村を出て行った姉を探せる。そして何よりセスは，クリスタルの啓示を受けた光の戦士である。「渇水の国 サヴァロン」の街が水没しているという情報を得た一行は，水のクリスタルの影響ではないかとさっそくに向かうのだが──というのが，本作序章のあらすじである。

サヴァロンに向かう道中，一行は風のクリスタルを狙う輩に襲撃される。スローンは身を挺してグローリア達を逃がすのだが……

　……と，さらっと書いているが，序章を終えるまでの筆者のプレイ時間は4時間前後。本作のバトルが，「ブレイブ」と「デフォルト」を駆使して進める歯応えのあるものだということは体験版のインプレッションでお伝え済みだが，それを差し引いてもストーリーはかなり厚みのあるものだ。当然だが，上記ではネタバレ防止のため触れていないストーリー上の重要な伏線も満載である。

　続く1章では，水のクリスタルを巡る駆け引きが展開。かつてミューザ国の宮廷詩人を務めていたが国外追放されてグローリアを逆恨みしているオルフェや，地下水脈を掘り当ててサヴァロンに大量の水をもたらしたという遊技場オーナーのバーナードなど，見るからに怪しい人物がセス達4人に襲いかかる。また，魔獣使いの少女・ニハルとバーナードの関係も見どころだ。
　ちなみに1章を終えるまでのプレイ時間（序章含む）は，15時間以上。とくに後半に登場するボスバトルに苦戦し，ジョブを変更してレベリングを行ったのでかなり時間がかかってしまった。

水のクリスタルが隠されているという屋敷に潜入

レベリングしていない状態で戦うと，雑兵もかなり強く感じる

シーフのアスタリスク所有者であるバーナード。アビリティ「命をうばう」の対策をしないと，いつまで経っても倒せない

2章は，エルヴィスの祖国「魔法の国 ウィズワルド」が舞台。土のクリスタルの影響で街は植物に溢れており，人々は混乱している

エルヴィスの知人達は，クリスタルの話になると様子がおかしくなる

下水道には，青い水が溢れている。ストーリーは，ウィズワルドで何が起きているのかを追っていく

　ストーリーに関しては，ネタバレを避けると上記以上のことは書きにくいのだが，歯応えのあるバトルに負けないくらい骨太であることは間違いない。正直なところ，本稿を執筆するために駆け足でプレイを進めたのがもったいないくらいだ。本作では要所で画面右上に「PartyChat」と表示され，［+］ボタンを押すと4人の会話によってストーリーの背景が補完されるのだが，これもかなりの部分を読み飛ばしてしまっている。このあたりは，あらためてじっくり楽しみたいところだ。

「PartyChat」によって，ストーリーの背景が補完される

　バトルに関しても少し触れておくと，とくにボスバトルにおいては「ブレイブとデフォルトを駆使して云々」どころか，「とにかくブレイブでゴリ押ししないとトドメが刺せない」「MP回復アイテムを大量に持ち込まないとガス欠になって全滅」「蘇生アイテムを大量に持ち込みゾンビ戦術で敵の大技をしのぐ」なんて局面が普通に出てくる。まだ序盤なのにこれなのだから，この先一体どんな事態が起きるのか不安な半面，楽しみなところだ。
　ともあれ，序盤のプレイだけでも骨太のストーリーと，歯応えのあるバトルをたっぷり楽しめる。本格的なコマンドバトルRPGを求めている人は，ぜひチェックしてほしい。

本作の大きな特徴の1つ，メインジョブとサブジョブの組み合わせや，サポートアビリティの取捨選択もいろいろ試してみたい

「ブレイブリーデフォルト II」公式サイト