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実弥島 巧氏が描く「悪魔王子と操り人形」のシナリオは“エグイ”!? 「あくあやファンミーティング#1」レポート&開発陣インタビュー

 ドリコムが2024年6月3日13:00にリリース予定の新作アプリ「悪魔王子と操り人形」iOS / Android。以下,あくあや)。本作は悪魔,人間,天使が住む世界を舞台に,神から遣わされた浄化の力を持つ調律者(ちょうりつしゃ/プレイヤー)となって,能力を分け与えた弔花者(ちょうかしゃ)たちを見守っていくダークファンタジーADVだ。

 アプリのリリースに先駆け,事前抽選で選ばれたファンを招待した「あくあやファンミーティング#1」が,2024年5月11日に開催された。

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グッズも展示されていた
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 本稿では,プロデューサーの池田氏,世界観構成にも携わるキャラクターデザインの尾崎ドミノ氏,デザイナーの鈴木氏が登壇し,「あくあや」の開発秘話や新情報を明かした,イベントの模様をレポートしていく。

 記事の後半では,池田氏,尾崎ドミノ氏,鈴木氏に加え,観客席側でイベントに参加していたメインシナリオ担当の実弥島 巧氏へのインタビュー(クリックorタップでジャンプします)もお届けするので,最後までチェックしてほしい。

来場者には弔花者のハンガー(全12種/ランダム)と,作中でも登場する叡智の雫(えいちのしずく)ペンダントをイメージしたアクリルチャームのプレゼントも!
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女児心くすぐるデザインがポイント!?
開発秘話と共に「あくあや」を解説


 会場には,弔花者たちのスタンディパネルや,カードイラストのパネル,各陣営のジオラマが展示されており,「あくあや」一色の空間になっていた。

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 イベントには,まず池田氏と尾崎ドミノ氏が登場し,「あくあやとは?」と題して作品の魅力を紐解くところからスタートした。本作は,原作なしのオリジナルIPタイトルということもあり,池田氏と尾崎氏の2人で世界観を構築していったという。

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 尾崎氏は,公式Xで公開されているイラストや映像を,UI(ホーム画面などユーザーが触れる画面)や箱庭システムにどう落とし込んでいくか工夫したと語る。また,箱庭,パズルといったシステム面の見どころも語られた。

従来の箱庭ゲームのように斜めからの俯瞰ではなく,その場にいるような正面からの視点になっているのがポイントとのこと。会場に飾られていたジオラマのように層になっていて,臨場感のある新しい箱庭になっているので楽しみにしてほしいそうだ
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会場に飾られたジオラマは,ゲーム中の箱庭をイメージしたもの。ゲーム内に登場する家具が飾られていた。どれも,とてもかわいい
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誰でも簡単に,爽快感のあるものをと考えた結果,ワンタップでピースが消えていくシステムにしたそうだ。キャラクターが生き生きと動くのもポイントだという
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 また,開発秘話として,ホーム画面へのこだわりが語られた。初期のラフ(イメージ図)は尾崎氏がアイデアを出したそうで,1番よくプレイヤーが触れる場所なので,キラキラして触りたくなるデザインを意識したそうだ。

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 池田氏いわく,尾崎氏は「女児心をくすぐるキラキラがほしいです」と熱弁したという。そのかわいいへのこだわりが,「あくあや」のきらびやかな世界観につながっているのだなと感じた。

ホーム画面のラフデザイン。メインキャラクターの1人,ディアがロイヤルな雰囲気なので,香水やメダルなどを取り入れたという
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 ほかにも尾崎氏からカードイラストや,クオリティを保つためのこだわりなど,開発者参加のファンミーティングだからこそ聞ける貴重な話をたっぷりと聞けた。


「あくあや」歴史やイラスト制作工程を紹介する企画も


 続く「あくあやの歴史!」では,2019年のプロジェクト開始から今までの歴史を年表形式で振り返っていった。

 本作の企画は,池田氏がワガママな王子様に翻弄される女性向けコンテンツを作ってみたいと思ったところから始まったという。

 その後,尾崎氏にデザインを描いてほしいと相談したところ,次の日には悪魔王子のデザインが届いて驚いたと話した。そのデザインがもとで,本格的にプロジェクトは動き出したそうだ。

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 各陣営のMVについての話では,キャスティングへのこだわりが語られる。各キャラクターの貴重な初期デザインも見られる贅沢な時間になった。

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 2022年に開発体制を発表したことについては,メインシナリオが実弥島 巧氏に決まった経緯も語られた。尾崎氏がイラストレーターを目指すきっかけが,実弥島氏がシナリオを手掛けた作品だったそうで,ダメ元でお願いしたのだという。

 会場には実弥島氏も来場しており,「(描くシナリオが)エグイですけど大丈夫ですか?」と確認して話を受けたと,当時のエピソードを語ってくれた。

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 ほかにもアニメイトガールズフェスティバルへの出展や,クローズドβテストの実施など,「あくあや」を最初から追っているファンも,最近知ったファンも「そうなんだ!」とうなってしまうような開発エピソードがたくさん明かされた。

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 「あくあやの作り方」のコーナーではデザイナーの鈴木氏も交えて,初公開となるディアのSR覚醒後イラストをもとに,「あくあや」のカード作りの制作過程が紹介された。

 なお,キャラクターデザインを担当する尾崎氏は,全行程の監修をしており,ご自身でイラストを描かれることも多いそうだ。

イラスト工程の中の3Dラフは,池田氏が担当しているという
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 ここでは,貴重なボツ案も公開された。鈴木氏いわく大ラフ(構図を決めるデザインだし)では,何を見せたいかを意識して,時間が許す限りいろいろなデザインを考えているそうだ。

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 イラストの構図が決まったあとも,金属や布の質感,ライティングなどの演出など,本当にこだわり抜いてカードイラストが作られていることがよく分かるお話だった。

 また,尾崎氏と鈴木氏によるSSR覚醒前イラストの解説も行われ,全キャラの覚醒イラストへの期待がより高まった。

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初だし情報も!
ファン参加企画で大盛り上がり


 イベント後半には,「あくあやクイズ」や「あくあやQ&A」などのファン参加型の企画も用意されていた。

 「あくあやクイズ」では「あくあや」に関する〇×クイズが出題され,正解を重ねて最後まで残った3人に,尾崎氏による描き下ろしイラスト付きの色紙がプレゼントされた。

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 「クロードの愛馬の性別はメスである」(正解は〇)など初だし情報もたくさんあり,「あくあや」の熱心なファンでも苦戦する問題が多数出題された。そのため,全問終わる前に色紙がプレゼントされる3人が決まってしまうまさかの展開に! その後は,残りのクイズも全員参加で和気あいあいと楽しんだ。

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クイズ
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答え
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 「あくあやQ&A」では,リリース延期の理由などファンからの鋭い質問に,開発陣が真摯に応える姿が印象的だった。

プロフィールはどのように決めたのかという質問に対して,本人たちからの情報であることを強調(?)する池田氏。好き嫌いにちなんだエピソードも,用意されているそうだ
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誕生日は,誕生花を調べてほしいという意味深な回答も
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 「ミラ(公式Xのアイコンキャラ)は実装される可能性はあるのでしょうか? もし,可能であれば,ぜひ全体図が見てみたいです!」という質問では,ミラのイラストが公開された。ゲームでも何らかの形で出したいと思っているそうなので,今後のミラの活躍にも注目したい。

ミラ
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 最後にお知らせとして,リリース日が2024年6月3日に決まったことが発表されると,会場からひと際大きな歓声が起こった。池田氏,尾崎氏,鈴木氏からファンへの感謝の思いが語られ,和やかな空気のなか初のファンミーティングは幕を閉じた。

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「あくあや」に期待が高まる
開発者インタビュー


 イベント終了後,池田氏,尾崎氏,鈴木氏,そしてメインシナリオ担当の実弥島 巧氏に,感想や作品への想いをうかがった。

4Gamer:
 初のファンミーティング開催,おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。ご感想をお聞かせください。

プロデューサー 池田氏(以下,池田氏):
 終わってみると楽しかったですが,準備が大変でした。我々がファンミーティングをやってみたかったこと,そしてリリース発表は皆さんに直接お伝えしたいという想いがあり,開催してみようということになりました。手ごたえを感じており,楽しんでいただけたのではないかと思っています。

キャラクターデザイン 尾崎ドミノ氏(以下,尾崎氏):
 これほど大勢の前で話すの初めてで,リハーサルのときからドキドキしていました。終わってみると歓声をいただいて,楽しんでいただけたのかなと実感しています。準備してくれたメンバーには,感謝しかないです。本当にありがとうございます。

デザイナー 鈴木氏(以下,鈴木氏):
 リリース日を発表した時の歓声がうれしかったです。展示物も喜んでくださって。こういったイベントには初めて参加しましたが,ファンミーティングって素晴らしいなと思いました。準備してくださった皆さんには,感謝しかないです。

4Gamer:
 実弥島先生は,イベントをご覧になっていかがでしたか。

メインシナリオライター 実弥島 巧氏(以下,実弥島氏):
 私は1番後ろの関係者席だったので,(情報発表に)うなづいているファンの方々を見て,熱量を持ってイベントに参加して,お話を聞いて,咀嚼してくださっているのが伝わってきました。とても楽しかったですし,温かく熱いお客様がいる企画ということで,気が引き締まる思いです。

4Gamer:
 イベントで印象に残っていることはありますか。

池田氏:
 最初は,3人くらいしかいなかったらどうしようかと思っていたんですが,たくさんの方が,温かく迎えてくれてステキな時間でした。

尾崎氏:
 私はイベント前に,入り口のあたりに立っていたんです。皆さんは会場に入った瞬間,歓声を上げて,ジオラマやパネルの撮影をしてくださって。こんなに,期待してくださっていたんだなと思いました。

鈴木氏:
 ローゼがエリクに対して「うす塩」と呼び名をつけていることに,ファンの皆さんがハマって笑ってくれたのが面白かったです。クイズのなかに初だし情報を入れたのですが,喜んでいただけました。

ローゼは魂の味で,人間たちを呼んでいるそう。ちなみに,オスカーの呼び名はステーキ
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4Gamer:
 実弥島先生は,女性向け作品のシナリオにはあまり携われたことはないとイベント中でお話しされていました。本作のような女性メインのイベントに参加して,いかがでしたか。

実弥島氏:
 今の時代,女性向け,男性向けという区分では区切れないこともありますが,その当時としてはメインターゲットに男性を想定している作品に多く携わってきました。そのため,イベントでもお話ししましたが,依頼があったときに「なぜ,私に?」と確認させていただきました(笑)。

 本作のように女性メインのイベントは,華やかですね。以前関わったイベントもそうでしたが,推しカラーなど,皆さん工夫されていて。キラキラした場所で,魂が洗われました。

4Gamer:
 実弥島先生が「エグいお話」と語られた際に,会場の反応がとてもよかったのも印象的でした。

尾崎氏:
 個人的には,心のなかで手を叩いて喜んでいました(笑)。

実弥島氏:
 私のことをご存じない方もいると思ったのですが,イベントに来られるコアなファンの皆さんなら調べてくれる方が多いので,「エグい」と話しても伝わると思ったんです(笑)。

 ただ,私としては「エグい話」を書いているつもりはありません。心のなかの触れてほしくない場所に踏み込むと言いますか,爪痕を残すといいますか……。生々しく,身近に感じてほしいことを端的に表した言葉が「エグい」なんです。

池田氏:
 女性向けということで,最初はどうすればいいか悩まれていました。でも実弥島先生が描いてきた通りの物語で,ファンに届くと思ったので,意識しなくていいですとお伝えしました。

実弥島氏:
 数少ない女性向けタイトルの経験で,糖度高めにと言われてきたので,今回は大丈夫か不安でした。でも気にしなくていいと言っていただき,さらに想定したものよりも踏み込んだ表現をすることができました。「それならば」と書いて,「この表現はダメです」と言われたこともあります(笑)。

4Gamer:
 どんな内容だったのか気になります(笑)。

尾崎氏:
 でも実弥島先生の描くエグさって,物語に必要なものなんですよね。読んでいて,腑に落ちるといいますか。

実弥島氏:
 ただキツイだけとか,突拍子のない,目新しさだけのものに意味はないと思っています。例えばお調子者の子がいて,度胸試しをするなかで,結果として大事故になってしまうようなことは現実でもありえますよね。

 ゲームとして体験しているプレイヤーが,「危ないよ!」「やっちゃダメだよ」とハラハラする過程があり,「ほら……」という結果につながるのが大事です。

4Gamer:
 貴重なお話,ありがとうございます。それぞれの立場から,「あくあや」の見どころを教えてください。

池田氏:
 それぞれの人物の感情の落ち着く先,どんな結末にたどりつくのか,ハラハラドキドキ見守っていただけたらと思います。

尾崎氏:
 私は“箱庭”を推したいです。ゲームで遊ぶと想像以上に立体的で,その場にいるように感じます。「生活しているのを眺める」というコンセプトがあるので,キャラクターも生き生きと動き,それぞれ身長差や寝ているときの動きなどの差もあるので,楽しみにしてほしいです。

池田氏:
 最初,身長を全員同じにしたら,「ディアでかいな……」ってなったんですよね。大変ではあるのですが,そこは妥協せず,ちゃんと差があるのが特徴です。

鈴木氏:
 ストーリーを読んで,キャラクターの動きがいいなと感じています。カードイラストも表情,こういう動きするだろうなというのを,できるだけ反映しようと尾崎さんと相談して作っています。

実弥島氏:
 人ならざる天使と悪魔がいて,文化も食生活も,寿命も違っています。異質な者同士の交流なので,ぶつかり合いは生まれますし,理解できることも,できないことも出てきます。その差異をどう乗り越えるのか,または乗り越えないのか,そこで生まれる物語を楽しんでいただきたいです。

 必ずしも,すべてが解決して幸せになりました,である必要はないと思っています。「あくあや」はそんな世界ではありませんし,現実でも問題が起こらなくなることは,ほぼあり得ないわけですから。

 種族の違いで起こる問題を解決しなくても,ありのままで,何とかできる,生きていく方法はあるのではないかと……。解決してもいいし,できなくてもいいというのを楽しめるといいなと思って描いています。

尾崎氏:
 今のお話,個人的にすごく刺さって感動しています。

4Gamer:
 今のお話だけで,深いテーマだということが分かりますね。

実弥島氏:
 種族が違えば問題が起こるのは当然であり,物語のキモになりますよね。キャラクター同士の楽しい掛け合いもあるなかで,そのシリアスな部分を,物語の主軸に置ければと考えています。

池田氏:
 主軸のメインストーリーでも,魅力的なキャラ同士の掛け合いを描いていただいています。

実弥島氏:
 もともとは,池田さんと尾崎さんが作り上げた世界。私はすでに出来上がったキャラを描く機会があまりなかったため,探り探りでした。お二人に楽しんでいただけたならよかったです。間違っていなかった。

池田氏:
 正式に依頼を受けていただく前に,「トライアルをしましょう」と実弥島先生から提案してくださったんです。そこでショートストーリーを書いていただいたんですが,こちらが全部説明したわけではないのに,「(思い描いた)キャラがいるじゃん!」と思う完成度でした。

尾崎氏:
 そのなかにエスパダとフィオーリの話があるんですが,フィオーリがより好きになりました。裏があるのはイメージしてたんですが,どのように考えて動いているのか,人物の解像度が上がったんです。

池田氏:
 フィオーリの賢さが伝わりましたよね。都合よく二面性を使い分けるのではなく,会話のなかに感情の動きがあって,読んでいてさすがだなと。ぜひ,正式にお願いしますとお伝えしました。

実弥島氏:
 トライアルでいくつか書きましたが,フィオーリの話が1番評判がよかったですね。フィードバックでも,一生分かなってくらい褒めていただきました(笑)。なぜそうなったのか,その時点では1番考えて書いたので,個人的にも印象深いです。

尾崎氏:
 開発内にとどめていくのはもったいないです。

池田氏:
 ボイスドラマなどで,出せる機会を作れるといいですね。

4Gamer:
 夢が広がりますね。シナリオを読み進めるほど,思い入れがある人物が増えていきそうです。

池田氏:
 「あのキャラどうなっちゃうの!?」ってなると思います。

鈴木氏:
 苦しさが共有できて,読むたびに好きになるキャラが多いです。

尾崎氏:
 最終的に,幸せになってという気持ちになりますね。

池田氏:
 結末ありきじゃなく,感情の動きが積み重なって,物語ができています。そのため,とても起伏のあるドラマを楽しんでもらえると思います。

実弥島氏:
 アプリのような運営型は,シナリオの結末を想定していても,どうしても流動的になってしまいます。また,キャラクターにも思い入れを持っていただきたいので,シナリオとしてできることは,キャラクター性を保持しつつも,意外性を持たせることかなと思っています。1人でいるときはその人物らしさが強いですが,2人になると化学反応が起こって予想外の返事が出るというような……。

 人物に深みを持たせて応援したくなったり,逆に知るほど理解できないと思う人物がいたり(笑)。「全然分からない,けど好き」というのも,魅力だと思っています。「あくあや」にはいろいろなキャラがいるので,推しを見つけていただけたらうれしいですね。

4Gamer:
 ちなみにシナリオ面で書くのに苦労したキャラはいますか。

実弥島氏:
 メーレですね。

一同:
 あー(納得)。

実弥島氏:
 キャラクターを掴むのが難しく,設定のままでは,わけの分からない天使になってしまうと感じました。わけの分からないままで,どう理解のポイントを作ろうかと。メーレの愛をポイントに,何とかうまく落とし込めたかなと思っています。

 違う方向で難しいのは,ローゼですね。色気で何を想像するかは人によって違うので,最初は難しかったです。ただ,掴めれば明るく陽気で,物語を動かしてくれる楽しいキャラクターになりました。

尾崎氏:
 私も,メーレはボイスを担当する櫻井孝宏さんに説明するときに難しいなと思いました。設定を提案した私ですらそうなのですから,本当に無茶なお願いをして……。

池田氏:
 我々が自由に考えた設定を見て,「設定盛りすぎですよ」と言われましたね(笑)。それなのに,「こういうのはどうですか?」と提案して,「また増やさないで(笑)」と言われたこともあります。

実弥島氏:
 気持ちは分かるんですが,設定を積むほど,尖ったキャラクターが丸くなっていくんです。話が進んで,増えていくぶんには問題ないんですけどね。

尾崎氏:
 それを言われて,その通りだとハッとしました。最初は,全員が不幸なキャラだったんです。

実弥島氏:
 シナリオを作るなかで,初期PVとはキャラクターの雰囲気が違う部分もあり,そこは申し訳ないと思っています。今の設定のままで,うまくセリフやシチュエーションを回収できればと思っています。

4Gamer:
 開発陣の愛が深く,初期から世界観も作りこまれていて,それが実弥島先生に一気に押し寄せた感じですね。

実弥島氏:
 自分たちの開発するものに,愛がある方がいいものができる気がします。私としても,提案したものを「OKです」とあっさり流されると,大丈夫かなと不安になってしまいます。意見をいただけると,例え解釈が違っても話し合いができ,新しい発見があります。開発内でも化学反応を起こせるので,作品への愛が重いのはいいことです。

4Gamer:
 ますます遊ぶのが楽しみです。作品で注目してほしいポイントはありますか。

尾崎氏:
 ホーム画面にキャラクターを配置すると,同じ陣営同士はもちろん,他陣営でも会話が発生します。いろいろなパターンの話が聞けるので,楽しみにしてほしいです。ただし,箱庭レベルを上げないと発生しません。すぐに上がるので,育ててみていただきたいです。

鈴木氏:
 イベントごとに,衣装が増えていく予定です。イメージ通り,またはそれを突き抜けているキャラクターもいれば,意外な一面が見えるキャラもいますので,そこに注目してほしいです。

4Gamer:
 最後に,読者の皆さんにメッセージをお願いします。

池田氏:
 長い間お待たせしましたが,いよいよ配信です。皆さんと一緒に世界を広げていけるように頑張りますので,応援をよろしくお願いします。

尾崎氏:
 リリースまで,もうすぐです。我々はその後も用意しておりまして,ゲームはもちろん,それ以外のいろいろな展開もありますので,楽しみにしていてください。

鈴木氏:
 待っていていただき,本当にありがとうございます。リリースして,これまで作ってきたものを見ていただき,反応をいただけるのかと思うととてもうれしいです。たくさん,遊んでいただけると幸いです。

実弥島氏:
 ファンの皆さんのなかに,これまで膨らませてきたキャラクター像があると思います。そのキャラクター像を守りつつ,意外性を見せられるような展開を作れたら……。ぜひ,楽しみにしていただけたらなと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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