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実写映像も公開された「FINAL FANTASY XVI」プレローンチイベントまとめ。アクション,ストーリー,音楽,それぞれのこだわりとは
「FINAL FANTASY XVI」体験版は本日17:00頃に配信開始。2時間以上のプロローグ部分がプレイできる
スクウェア・エニックスは「FINAL FANTASY XVI」のプレローンチイベントを開催し,体験版を本日17:00頃より配信すると発表した。体験版では,2時間以上のプロローグ部分がプレイでき,セーブデータは製品版に引き継ぎ可能とのこと。
「FINAL FANTASY XVI」の開発に,プラチナゲームズと“キングダム ハーツ”開発チームの参加が明らかに
本日(2023年6月12日)開催された「FINAL FANTASY XVI」のプレローンチイベントにて,同作の開発にプラチナゲームズと「キングダムハーツ」開発チームが参加していることが明らかとなった。
イベントは,スクウェア・エニックスの代表取締役に就任したばかりの桐生隆司氏による挨拶で幕を開けた。桐生氏は,初代ファイナルファンタジーをクリスマスプレゼントにもらったときの話など,自身の思い出を語るとともにゲームの素晴らしさをとき観客の心を掴み,FF16のプロデューサーである吉田直樹氏とローカリゼーションディレクターのMichael Christopher Koji Fox氏をステージに招き入れた。
吉田氏とFox氏が登壇したのち,FF16ディレクターの高井 浩氏,コンバットディレクターの鈴木良太氏,クリエイティブディレクターと原作脚本を担当した前廣和豊氏,コンポーザーの祖堅正慶氏も登場。挨拶とともに,それぞれが担当するステージへの意気込みを語った。
その後,前述した体験版の配信と,同作の開発にプラチナゲームズと“キングダム ハーツ”開発チームが参加していたことが明かされたわけだが,それとは別に,ファイナルファンタジー ブランドマネージャーである北瀬佳範氏のビデオレターも披露された。
北瀬氏は,「吉田氏はFF14を10年以上運営し,ファンによりそっているだけに,FFファンが望むファイナルファンタジーをよく知っている。同時に,ファンの期待を越えられるとし,FF16はファイナルファンタジーの世界観,価値観が広がる作品になっているので,ぜひ遊んでほしい」と挨拶した。
「ファイナルファンタジーXVI」新作グッズの予約受付を開始。トルガルぬいぐるみや,クライヴのイヤーカフが登場
スクウェア・エニックスは本日(2023年6月12日),「ファイナルファンタジーXVI」新作グッズの予約受付をe-STOREで開始した。今回登場したグッズは,トルガルのぬいぐるみや,シルバーアクセサリー,シルバーペンダント,モーグリのフィギュアだ。
どんな戦い方でも対応でき,そして絵になる戦闘シーンを紹介
「EIKON POWER SHOWCASE」では,高井氏と鈴木氏,そしてストリーマーのMaximilian Dood氏による対談が行われ,FF16の戦闘について語られた。
対談内で真っ先に触れられたのは,FF16の戦闘の格好良さについてだ。FF16の戦闘は,いろいろな方法で戦えるシステムになっているだけでなく,見ている人にも魅力的に映ることを意識して開発したという。
FF16の戦闘をアクションにした理由としては,より多くの人達にゲームを楽しんでもらいたいという思いがあったそうだ。そして,コントローラを操作してアクションがダイレクトに反応し,リアクションもダイレクトに返ってくる,そんな手触りが多くの人に喜ばれると判断して,アクションに振り切ったのだという。
また,どんな人でも楽しめるように,どんな戦い方にも対応できるようなシステムの構築を目指しており,鈴木氏としてはアクションゲームが得意ではない人にこそ,ぜひプレイしてほしいそうだ。
続いてDood氏がFF16の戦闘シーンに挑戦することになった。腕試しの相手として選ばれたのは「モブハント」に出てくるSランクのボスだ。Dood氏は,準備の段階で自キャラに強力だがあまり連発はできないタイプのアビリティばかりをセット。敵の攻撃にタイミング良く自分の攻撃をあわせると発動できるパリィなどを駆使し敵を追い詰めていく。しかし,勝ちが見えてきたところで敵の強力な一撃を食らってしまい,負けてしまった。
Dood氏に手本を見せてほしいと懇願された鈴木氏がリベンジすることに。鈴木氏はDood氏と異なり,カウンター系のアビリティを多めにセットして同じ敵に挑む。大技こそあまりないものの,確実に敵のHPを削っていき,みごと討伐に成功。Dood氏の仇を討っていた。なお,今回の戦いは敵と自キャラのレベル差が15もあったわけだが,レベル差はプレイヤースキルでカバーできるということを鈴木氏はアピールしていた。
FF16のストーリー/世界観作りで重要視していることとは
戦闘シーンの紹介後は,前廣氏とFox氏,そしてコンテンツクリエイター/ライターのAlanah Pearce氏の3人が,FF16のストーリーや世界観を深掘りするステージ「NARRATIVE OF XVI」が行われた。
このコーナーは,Pearce氏からFF16はテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の影響を受けているのか否かという質問で始まった。前廣氏は,「自身がゲーム・オブ・スローンズのファンであり,少なからず影響は受けている」と返答し,中でもアートディレクション部分への影響が大きいと語った。
ゲーム・オブ・スローンズはファンタジー作品だが,そこに出てくる国などすべてが,実在しているかのようにアートディクレションが徹底している。それは簡単に感じるかもしれないがとても難しく,リアルとファンタジーのバランスがくずれると見ている人は違和感を覚えてしまうという。そして違和感があると物語に没入できなくなってしまう。FF16も,ゲームへの没入が途切れないように,ストーリーだけでなく,ゲームデザインやBGMにいたるまで,世界観作りをゲーム・オブ・スローンズのように徹底したそうだ。
また,Fox氏によるとFF16の英語版は,ゲーム・オブ・スローンズの言葉遣いをガイドラインにしていたという。ファンタジー作品はそれっぽさを出すために少し古めの英語を使うことが多いが,それが行きすぎると古い英語になじみがない人は物語に没入しづらくなる。言葉遣いでどこまでファンタジーの雰囲気を出すかという判断基準としてゲーム・オブ・スローンズを参考にしたそうだ。
続いて話題はアクティブタイムロアに。アクティブタイムロアは,メインストーリー上のキーワードを確認できるもので,キャラクターとの会話中やイベントシーンなどでも使用できる。この機能を実装したのは,ストーリーへの没入感を阻害したくないという思いからだという。
ただし,アクティブタイムロアですべての情報が確認できるわけではない。シーンにあわせてプレイヤーが必要とする情報を厳選して表示する仕組みになっているそうだ。
次の話題はサイドクエストだ。ゲームのクエストの作り方にはいくつか手法があるが,FF16のサイドクエストは,その1つひとつにしっかりとしたストーリーを用意したそうだ。例えば,ゴブリンを3匹撃破するというサイドクエストがあったとしたら,なぜそこにゴブリンがいるのか,なぜ3匹倒さないといけないのかをストーリーで語り,その集落のことやヴァリスゼア自体のことを深く理解できるようにしているという。
サイドクエストは,メインストーリーを邪魔することなく,息抜きとして楽しめる。とはいえ,サイドクエストをクリアすれば,ギル(お金)や経験値はもちろん,クライヴの名声を高められ,名声が高くなることで支援者からアイテムをもらえるようになる。また,クリアするとポーションの所持数が増えたり,回復量がアップしたりするようなものもあるそうで,前廣氏はぜひサイドクエストも遊んでほしいとアピールしていた。
ただし,サイドクエストを遊ばなかったからといってメインストーリーが理解できなくなるわけではない。アクションだけに集中したい人や,メインストーリーの進行に集中したい人でも問題なく遊べるようだ。
このコーナーの最後は,「ファイナルファンタジーとして,良いストーリーに必要なものとはなにか?」という難しい質問だった。前廣氏はファイナルファンタジーに限った話ではないと前置きしつつ,「良いストーリーとは,没入感を阻害しないもの」と回答した。ゲームシナリオとゲームシステムが食い違っていたり,主人公の考えとプレイヤーの考えが完全に異なっていたりすると,プレイヤーは我に返ってしまう。下手をするとその時点でゲームプレイ自体をやめてしまう人もいるかもしれない。それを避けるために,FF16では1度プレイを始めたらやめられなくなるほどの没入感があるシナリオにしたとのこと。
Fox氏は,「クエストだけで物語を描くのではなく,世界全体で物語を描くことが重要」と回答した。例えば,NPCの会話,看板,本,地図などから得られる情報や地名で歴史を感じられるようにしているという。ヴァリスゼアにはクライヴ以外の人々も暮らしており,その1人ひとりに物語がある。そういったクライヴの人達に焦点を当てたものがサイドクエストになっているので,探す必要があるが,世界をより深く理解したい人はぜひプレイしてほしいと話していた。
FF16のBGMには魔法がかけられている?
FF16プレローンチイベント最後のコーナーには,コンポーザーの祖堅氏とAlex Moukada氏が登壇し,FF16の音楽について紹介した。
Moukada氏は「Final Fantasy XVI - Revenge Trailer」に使われている曲がお気に入りで,その作曲プロセスについて祖堅氏に質問した。ジョシュアのことを考えて作ったそうだが,ジョシュアの何を考えて作ったかは,ネタバレにつながるので,今回は答えられないという。「プレイしてくれれば分かる」とのことで,かなり印象的なできごとがジョシュアに起こるのだろう。
続いてステージにDiego Contreras氏が登壇した。Contreras氏は映画監督で,FF16の実写ショートフィルムのディレクションを担当しており,さっそくその映像が公開された。この映像で使われている曲は,FF16の要所でかかるものだそうで,それを使って格好いいMVを作るぞと意気込んで,祖堅氏とContreras氏で制作したという。
話は変わり,「FF16の曲も作ってくれと言われたときにどう感じたか」という質問に対して,FF14のBGM制作も担当している祖堅氏は「地獄が2つきた」と思ったとのこと。ただ,どうせやるなら楽しいことをやろうという気持ちで,FF14とは異なるサウンドシステムを作ったそうだ。
アクションゲームの場合,人によって戦闘にかかる時間に差が出やすく,得意な人はすぐに敵を倒し,苦手な人は戦いが長引く。そのために,シチュエーションにあわせた音楽を用意するのが困難だ。だが,FF16では戦闘が短時間で終わろうが長引こうが,どちらでも対応できる機能を,一部の戦闘シーンで用意したという。なにをどうやっているのかは,言葉で説明するのは難しいということで,比較映像が紹介された。なかにはクライヴの決めポーズで終わる戦闘もあり,そこで音楽もビシっと決まるようになっていた。
Moukada氏と祖堅氏の二人でRevenge Trailerの曲が演奏された |
最後は開発陣が再度登壇し,それそれ挨拶を行い,イベントは終了となった |
会場の外に飾られていたパネル | |
メッセージボードも用意されていた |
「FINAL FANTASY XVI」公式サイト
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