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「聖剣伝説」30周年を記念した生放送をレポート。開発秘話や「Legend of Mana」のアニメ化が明らかに
この放送では,「聖剣伝説」の生みの親・石井浩一氏をゲストに迎え,これまでの30年を振り返るとともに,シリーズ プロデューサーを務める小山田 将氏らによって今後のシリーズの展開がアナウンスされた。
生放送の最初のテーマは,「聖剣伝説」シリーズの30年の歩みについて。石井氏は,自身が直接携わっていたのは最初の15年間だったとし,「濃密な時間だった。常にチャレンジしていたので大変だったイメージ」と,当時を振り返った。
その中でも,シリーズ1作めの「聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜」に関しては,「『FINAL FANTASY I』の頃から作りたかったアクションRPG。ストーリーからモンスターのデザインまで,自分で作るということを実現できた」とし,そのテーマを「相手に対する思いやりや愛というものがゲームを通して伝わるかというチャレンジをした」と説明した。またそのほかのシリーズタイトルについても,「それぞれ異なるスタッフと一緒に新しいチャレンジをしながら作ったので,同じシリーズであっても別タイトルという印象が強い」のだという。
続いてのテーマは,「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」(PC/PS4/Switch)だ。本作は「聖剣伝説3」のリメイク版で,2020年4月にリリースされたが,7月15日にスマホ版(iOS/Android)が配信されることが発表された。プロデューサーを務める田付信一氏によると,スマホ版は「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」の企画当初より予定されていたが,最初の構想よりもボリュームが大きくなってしまったため,1年かけて移植していたそうだ。
3つめのテーマは,シリーズ最新作となるスマホ向けアクションRPG「聖剣伝説 ECHOES of MANA」(iOS/Android)である。開発を手がけるのはWFSで,2022年の配信開始を予定している。
プロデューサーを務める治田 啓氏によると,本作は「聖剣伝説」シリーズのキャラクターがプレイアブルになる,オールスターゲームとのこと。プレイヤーは女神に導かれ,世界を取り戻すカギとなる聖剣を求めてさまざまな「記憶の世界」を旅することとなる。
また開発コンセプトとしては,「手軽に遊べること」に加え,「『聖剣伝説』らしく,やり応えのあるバトル」が挙げられた。例えばバトル中,キャラクターが毒状態になったときに一旦回復するか,そのまま攻撃し続けて素早く敵を倒したほうがいいかといった選択を迫られるような内容になるという。
そのほか,マルチプレイでほかのプレイヤーと共闘できることも紹介された。続報は,随時SNSなどで公開されるとのことだ。
4つめのテーマは,先日HDリマスター版(PC/PS4/Switch)がリリースされたばかりの「聖剣伝説 Legend of Mana」だ。小山田氏によると「数多いファンの皆さんが抱いている美化されたイメージにどう応えるべきか」ということに配慮してリマスター化を進めたという。石井氏も「当時自分がイメージしていた絵本の世界に近い」と評していた。
そのほか,ゲームバランスはPlayStation用ソフト「聖剣伝説 Legend of Mana」の北米版をベースにしていること,グローバル展開にあたり一部キャラクターのデザインが変更されたことなども紹介された。
石井氏によると,オリジナル版では「ムーミン」や「不思議の国のアリス」といった絵本のような世界を描きたかったそうだ。ゲームとしては,箱庭の中にいくつか道具を用意し,それをプレイヤーが自由に組み合わせていく遊びを実現したかったという。
またキャラクターデザインなど,石井氏自身が担っていた役割をほかのスタッフに任せることで,それまでの「聖剣伝説」シリーズとは違う新しいものになったとも話していた。
オリジナル版の開発当時,ゲーム内の要素をすべてリンクさせる「ランドメイクシステム」の構築に時間がかかったこと,ある程度完成させたあとには「こういう遊びもできる」と次々に機能を追加していったことも明かされた。関連して,小山田氏はHDリマスター化にあたりオリジナル版の内部をチェックしたところ,シナリオライターが競い合うようにスクリプトを書いた形跡があることに気づいたそうだ。
石井氏によると,そうした遊びやスクリプトの追加には,プログラマーも乗り気だったとのこと。しかしプログラマーは3名のみだったそうで,小山田氏は「異次元の作りになっていた」とコメント。
また石井氏は,「アイデアを出し,それを形にしようとする意思,行動を起こしてデータとして残し,それをゲームとして形付ける。当時のスタッフが1人でも欠けていたら実現できないもので,マスターアップしたときは今までにない達成感があった」と振り返った。
続いて,アニメ「聖剣伝説 Legend of Mana ‐The Teardrop Crystal‐」が発表された。プロデュースはワーナー ブラザース ジャパン,アニメーションの制作はグラフィニカおよび横浜アニメーションラボが手がける。詳細は順次明らかになっていくとのことで,今回はグローバルでの展開を予定していることが明かされた。
小山田氏によると,ワーナー ブラザース ジャパンのプロデューサーが熱心な「聖剣伝説 Legend of Mana」のファンで,その熱意を買ってアニメ化が決定したという。同時にアニメ版に見合うよう,オリジナル版ゲームのHDリマスター化が決まったそうだ。
また石井氏は,最初に話を聞いたときは不安だったそうだが,実際に見てみたらオリジナル版への愛が感じられたこと,アニメが入り口になって新しいファン層が生まれることの期待などから,アリだと考えるようになったと話していた。
生放送の最後には小山田氏が,「聖剣伝説」シリーズ30周年となるこれからの1年間で,さまざまな仕掛けを展開していくことを明かした。
また石井氏は,自身がスクウェア・エニックスから離れた今も,シリーズをそばで見られる立場にあることが夢のようだとし,後継者としてシリーズを存続させてきた小山田氏に改めて感謝の意を示し,小山田氏にぜひ新作にも取り組んでほしいとエールを送った。それを受けた小山田氏は,新作の開発が始まっており,石井氏にも内容を確認してもらっていることを明かしつつ,「発表までは,もう少し時間がかかります」「コンソールに提供できるよう,準備しています」と視聴者に呼びかけて,生放送を締めくくった。
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