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国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作
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印刷2021/09/14 12:00

インタビュー

国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作

 グラムスのスマートフォン&PC向け新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」iOS / Android / PC:以下,ラグナドール)が,2021年10月にリリースされる予定だ。


 本作は,「神獄のヴァルハラゲート」や「黒騎士と白の魔王」などを手がけた谷 直史氏(以下,谷氏)が総指揮を執るタイトル。ヒト型に進化した魅力的な妖怪キャラクターを題材とし,短時間でもガッツリと遊べる“超大作”だと多く人に感じてもらえるよう,鋭意制作中と謳われている。

 今回4Gamerは,そんな本作のリリースに先駆けて,谷氏を始めとした開発陣のキーマンたちにインタビューする機会が得られたので,その内容をお届けしていこう。

写真左から加瀬圭翼氏,谷 直史氏,小野田一彦氏
画像集#007のサムネイル/国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作

「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」公式サイト

「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」ダウンロードページ

「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」ダウンロードページ



過去作から一転して和風の世界観を構築

コンセプト発案の経緯とは?


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。谷さんには「黒騎士と白の魔王」でインタビューをさせていただきましたが,自己紹介を兼ねて,皆さんの本作における立ち位置をお聞かせください。

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 スマホ向けアプリ「黒騎士と白の魔王」をリリースしたグラニの代表取締役社長 谷 直史氏にインタビューする機会を得た。本作が生まれた背景にはどのような経緯があり,そしてリリースから現在までの状況を氏はどう受け止めているのだろうか。今後の展望についても教えてもらったので,ぜひご一読を。

[2017/06/10 11:00]

画像集#062のサムネイル/国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作
画像集#066のサムネイル/国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作
谷氏:
 グラムスの代表と「ラグナドール」の制作総指揮を務めています。加えて,メインプランナーのようにゲームシステムや世界観の発案もしています。

小野田一彦氏(以下,小野田氏):
 谷の発案を受けてアイデアを固めていくようなディレクションを主に担当しています。現場全体の管理をしたうえで,仕様書を作成するような実務をこなすことも多いですね。

谷氏:
 ゲーム性の深い部分まで私と小野田で決定し,制作を進めながら現場の担当者と仕上げていくのが,グラムスのゲーム制作の特徴です。

加瀬圭翼氏(以下,加瀬氏):
 私は少し毛色が違いまして,エスパーダという別の会社からプロジェクトに参加しております。コンテンツ開発進行の責任者という立ち位置で参加しておりまして,全体的なプレイコンテンツの開発と制作進行の全般を担当しています。谷と小野田によって方針が固められたものを,エンジニアと密接に連携して作っていく橋渡しのようなポジションですね。

谷氏:
 ベースの面白さから発展した違う遊びのコンテンツを作り,クエストの条件や報酬のバリエーションを増やすことが加瀬の役割になっています。

加瀬氏:
 元々「グラナド・エスパダ」というオンラインRPGの運営に携わっていたので,その経験を生かせるだろうということで,「ラグナドール」のプロジェクトに初期から参加しておりました。

4Gamer:
 ちなみに,最近プレイしたゲームで衝撃や刺激を受けたタイトルはありましたか。

谷氏:
 直近のスマホ向けMMORPGでは「黒い砂漠MOBILE」「二ノ国:Cross Worlds」「V4」をプレイしています。戦闘力の最高順位が「黒い砂漠MOBILE」は全サーバーで2位,「二ノ国:Cross Worlds」は3位か4位,「V4」は全サーバーで1位か2位になるほどやり込みました。韓国スマホMMOのビジュアル面でのクオリティの高さや技術力の高さには,ただ驚くばかりですね。ゲームシステム的にも学ぶことが多いです。

 MMO以外だと「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」「七つの大罪 光と闇の交戦」「AFK アリーナ」「クラッシュ・ロワイヤル」あたりも相当にやり込んで刺激をもらいましたね。基本的にやっているRPG系のゲームは,普通の人が引くくらいのトップユーザーとしてプレイしています(笑)。

4Gamer:
 一プレイヤーとしてゲームをプレイされるとき,昔と現在でニーズの変化などを感じることはあったのでしょうか。

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谷氏:
 現在はスマホでゲームを遊ぶユーザーの傾向が固まってきたと思っています。難しすぎるゲームはプレイする人数が少なくなってしまい,かといってシンプルすぎるゲームにはユーザーも慣れてしまっていて,「面倒臭くはないけれど奥行きのあるゲーム」が一番求められていると思いますね。
 とくに隙間時間で直感的にプレイしても楽しく,休日の夜などにガッツリ遊んでも,深みを味わえるようなゲームが求められていると感じます。


シンプルなバトルと奥深さの両立

キャラクターには個性や背景を


4Gamer:
 前作である「黒騎士と白の魔王」とは打って変わって作風が変化しましたが,今回の新作「ラグナドール」の制作経緯を教えてください。

谷氏:
 「黒騎士と白の魔王」を制作した当時は,バトルに関して深みのあるスマホ向けオンラインRPGが存在していないと感じていました。そこで,深みのあるバトルを実現させるべく「黒騎士と白の魔王」を制作し,その部分は達成できたと思っています。

 なかでも「神獄級」という高難度コンテンツを攻略してくれたユーザーは,本当に手に汗握って楽しんでいただいていることが伝わってきていました。ただし,そこまでたどり着いているユーザー数が想定よりも少なかった。ユーザーが途中で離脱してしまった原因というのは,ゲームを始めたばかりのときに感じる,バトルのとっつきにくさに由来していました。

4Gamer:
 「黒騎士と白の魔王」の制作時に達成できなかった,直感的なバトルの分かりやすさを実現するためにも,「ラグナドール」が制作されたのですね。

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谷氏:
 一番のきっかけは,その部分になります。しかし,それと同じくらい大切だと感じているのが,スマホ向けRPGユーザーの方々は,世界観やキャラクター性を楽しんでいるということです。
 「黒騎士と白の魔王」の場合は,そこが弱かったというか,キャラクターの背景を確立できていませんでした。モーションやビジュアル面は魅力的に制作できたと思いますが,キャラクターの生き様や個性を描き切れていなかった。

4Gamer:
 つまり「ラグナドール」では,キャラクターの魅力もより深堀りされていると。

谷氏:
 今回はキャラクターが世界の中で,どのように生まれたのか,生活しているのかという部分をアートチームに強く意識させて制作しています。各キャラの趣味趣向や生い立ち,キャラ同士の相関図なども深く制作し,まさに「生みの苦しみ」を味わいながら制作していきました。バトル面とキャラクター面の課題を掛け合わせて,今回の「ラグナドール」が制作されています。

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4Gamer:
 「ラグナドール」を制作するにあたって打ち立てられた,バトル面とキャラクター面の目標に関しては,実現が難しい部分などはありましたか。

谷氏:
 バトルをシンプルにすると,どうしても奥行きが感じられなくなってしまいます。奥行きを作ろうとすると,直感的な分かりやすさに欠けてしまう。その両立が一筋縄ではいかなかったのですが,両方とも100%,つまり200%のバトルシステムが出来たのではないかと思っています

4Gamer:
 プレイヤーのターゲット層は,どのあたりを想定されていますか。

谷氏:
 素材を使ってキャラクターを育成し,パーティを組んで敵に挑むようなスマホゲームを遊ぶすべてのユーザーに向けて制作しています。メインターゲットは男性になりますが,女性も楽しめるように意識して制作しました。
 かわいらしいキャラクターが好きな人や,ゲームシステム自体を楽しみたい人のどちらもがプレイできるように,特定のターゲットに絞ることはなく,間口自体は非常に広くしてあります。

4Gamer:
 これまで開発されてきたタイトルは,パーティ要素の強いシステムが多かった印象ですが,今作はソロでプレイしたい人にも遊びやすくなっているのでしょうか。

谷氏:
 今まで僕は,なるべく多くの方々がオンラインゲームで他人と協力する醍醐味を味わえるようにゲームを制作してきました。しかし今回は,協力の楽しさだけではなく,ソロで遊ぶ楽しさも感じられるように調整しました。
 「ソロで遊ぶこと自体が楽しいから,たまには協力プレイもしてみようかな」というプレイスタイルも成り立つようなバランスにすることで,より多くの人へ協力プレイの楽しさを伝えることができるのではないかという考えです。

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4Gamer:
 題材に「妖怪」を選んだ理由も教えてください。

谷氏:
 もっとも重要な理由としては,妖怪にまつわる逸話が面白いという点が挙げられます。人々の噂から生まれた妖怪や悲恋からの恨みで生まれた妖怪,ぬりかべのように夜道で通行の邪魔をするだけの妖怪など,それぞれの妖怪に奇怪な物語があります。
 そういった妖怪の逸話と新しい解釈を融合させた面白い作品を世に出せると自負している点が,大きな理由となっています。
 さらにアジア全体のユーザーが楽しめるような世界観を作るうえで,妖怪は馴染みやすくて誇れる日本の文化であることも採用する理由となりました。

4Gamer:
 本作に登場するなかで皆さんのお気に入りの妖怪はいますか?

朱の盆
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谷氏:
 私は昔から朱の盆が好きなのですが,これまでに人々から持たれているイメージではなく,「ラグナドール」ではかっこよく表現したいと思い,バックボーンなどもこだわって制作しました。

小野田氏:
 毛むくじゃらの妖怪である毛羽毛現が好きなのですが,「ラグナドール」では毛の代わりにモコモコした服を着た女の子として表現されています。

加瀬氏:
 元々,猫が好きなので猫又がお気に入りの妖怪です。普通の猫が長生きすることで妖怪に変化するという猫又の逸話が好きなので,妖怪を題材とした有名なテレビアニメで,猫又をモチーフとしたキャラクターが時代に応じて姿を変えて,多くの人に愛され続けているのもうれしいですね。
 「ラグナドール」の猫又も同様に,時代を反映した猫又となっていると思うのでぜひ注目していただきたいです。

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4Gamer:
 ゲームの世界観はどのようなものになっているのでしょうか。

谷氏:
 「ラグナドール」の世界では,私たちが生きている現代から1000年前に妖怪と人間による大きな戦いがありました。そのときに敗北した妖怪たちが新たな世界を作って逃げ延びていたという設定になっています。

 妖怪の世界は,8つの国と地獄から構成されています。そしてそれぞれの国は住み着く妖怪と縁のある現実の土地をコンセプトに制作していくこともありました。チームメンバーと旅行がてら,京都の伏見稲荷や鞍馬寺,晴明神社に実際に訪れたりもしました(笑)。

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 日本の四季や風景の良さも取り入れつつ,かつ現代のデザインにおけるトレンドを使い,現代のユーザーから古臭く見えないように表現しました。
 キャラクターの造形にも言えることなのですが,露骨な和風になりすぎないよう注意して,現代的と古風が両立できるようにデザインを工夫しています。

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ゲーム序盤からやりこみ要素もアンロック

その狙いとは?


4Gamer:
 初期リリース時のキャラクター数は何体ほどになる予定でしょうか。

加瀬氏:
 リリース時には,それぞれが専用の必殺技を持った30体以上のキャラクターが登場します。

谷氏:
 レアリティや能力などはキャラクターごとに違うのですが,MMORPGのスキンを変えるような感覚で,デザインを変更することもできます。

4Gamer:
 基本的なプレイサイクルはどのような設計でしょうか。

谷氏:
 最初からゲームシステムの深い部分を覚えてもらおうとするような押しつけはなく,ストーリーやキャラクターの活躍を楽しんでいるうちにゲームの基本的な部分が学べます。そういった魅力の一環として,BiSHの有名なノリの良い楽曲が複数,バトル中に流れる演出もありますので,まずはビジュアルや音楽,ストーリーを楽しんでいただければうれしいですね。
 個人的にはBiSHの「GiANT KiLLERS」が流れる,がしゃどくろ滝夜叉戦はアツさに震えますね。BiSHのライブは4回ほど行っていますが,もっとも盛り上がる曲の1つで,あの熱狂を思い出しながら戦っています(笑)。

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4Gamer:
 育成要素も自然と覚えていけるような構成になっているのでしょうか。

谷氏:
 成長した実感にメリハリをつけるため,序盤は武器などの装備枠がストーリー進行などで開放されていく形式となっています。素材を集めて強化するというステータス育成よりも強くなっていく過程が分かりやすいので,序盤はそれをモチベーションにプレイしてもらう設計にしました。

 ユーザーに「ラグナドール」をプレイしていただいたときに,いきなりメインゲームとして遊んでもらえるとは思っていないので,ほかのゲームと並行してサブでやってもらったとしても達成感が味わえるような流れを作っています。

4Gamer:
 「ラグナドール」を早期からやり込むコアプレイヤー向けのコンテンツもありますか?

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谷氏:
 序盤に「ムゲンの塔」というコンテンツが登場するのですが,その名のとおり無限に登れる塔となっています。最初からやり込む人でも「ムゲンの塔」で歯応えを感じられるバトルを楽しめるようになっています。

 さらにギルドメンバーによる「ムゲンの塔」踏破数を合計した数値がギルドのランキングに影響するため,周囲からも実力が認められるコンテンツと言えますね。

4Gamer:
 序盤からエンドコンテンツのようなものにチャレンジできるのですね。

谷氏:
 そうです。ラグナドはとにかくバトルが面白いので,ゲームがうまい人は強敵と戦いたくなると思います。なので,常に腕試しできる場所があることが重要だと考えています。もちろん興味のある人がチャレンジするコンテンツとして用意しているので,スルーしてほかのコンテンツを遊んでもらっても,プレイに支障はありません。


「スピードチェインバトル」が誕生した経緯


4Gamer:
 バトルシステムには「スピードチェインバトル」が採用されているとのことですが,こちらはどのようなコンセプトで設計されたのでしょうか。

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谷氏:
 直感的に理解できるほどにルールをシンプルにして,なんとなく遊んだときでも楽しめるバトルというコンセプトを抱いていました。そこで誰もがやったことのあるトランプゲームの「スピード」を参考に,「黒騎士と白の魔王」のバトルシステムとの融合を考えました。
 本作のバトルの流れは,まずデッキからランダムにスキルカードをドローします。スキルカードには数字が書かれており,それを小さい順からつなげていくと攻撃が繰り出され,1〜5をつなげた場合に「フルチェイン」が発生し,敵に大ダメージを与えられます。
 そのシンプルな基本ルールに「合成」「ホールド」「ゼロ秘技」などの奥行きのあるシステムが加わり,スピード感がありながら手に汗握るような深みのあるバトルを成立させています。

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4Gamer:
 敵側に「ヨワミ玉」というものがあります。こちらについてもあらためて教えてください。

谷氏:
 手札のスキルカードには数字に加えて破壊できる「ヨワミ玉」の色が設定されています。敵に表示されている「ヨワミ玉」と同じ色のスキルカードを選んで攻撃することで「ヨワミ玉」を破壊でき,すべての「ヨワミ玉」を壊したときに,敵が「ブレイク」して大ダメージを受ける状態となります。そのため「ヨワミ玉」を壊してブレイクさせた直後に,「フルチェイン」を決めると最大級の大ダメージを与えられます。
 フルチェインを高頻度で成立させること自体にも数々のテクニックがあり,さらに単にフルチェインを狙うだけではなくヨワミ玉の破壊の状況と並行して考え,取捨選択しながら戦うところに戦術性があります。

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4Gamer:
 インタビュー前にバトルシステムは少し体験させてもらいましたが,確かにシンプルでありながら,「ヨワミ玉」を理解するとグンと面白く感じられる設計でした。

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加瀬氏:
 メインシナリオ以外のクエストやコンテンツも多く用意しており,バトルの遊び方そのものがバリエーション豊かになるようにも意識して開発しました。大量に出現し続ける敵を制限時間内にどれだけ倒せるか競うようなバトルや,1体の敵が倒れるたびに巨大化していくような,見た目でも楽しめるギミックを仕込んでいます。
 バトル部分は,先ほどの「スピードチェインバトル」によって十分に面白さが確立されているので,その面白さをどれだけ体験できるかという点を重視しています。

 バトルだけでなくワイワイ感も重要視していて,例を挙げると,ユーザーが起こした行動によって,多くのユーザーに影響があるような突発イベントも存在します。1人のユーザーがレアアイテムを獲得した場合,同サーバー内の全ユーザーがレアイベントに参加してアイテム獲得チャンスを得られるという,幸せをおすそ分けするような内容です。


仲間と一緒に攻略する

マルチプレイ系コンテンツはある?


4Gamer:
 協力プレイがメインのコンテンツはどのようなものがありますか。

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谷氏:
 少人数の協力プレイで腕試しができるような場所として「幻影の間」という無限に難度が上昇していくコンテンツを用意しました。ソロ向けには先ほどの「ムゲンの塔」を用意しているので,ソロでも複数人でも,エンドコンテンツに挑戦可能となっています。
 さらに通常のフィールド上でも協力プレイ向けの強力な敵が出現するので,こちらもぜひ楽しんでいただきたいです。

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小野田氏:
 ギルドメンバー同士で協力するコンテンツ「魔境争奪戦」も用意しています。GvGに相当するシステムですが,直接戦うわけではなく,ギルドとギルドが同じフィールドで敵を奪い合い,敵を倒す速さなどを競う内容となっています。最終目標となるようなもっとも盛り上がるエンドコンテンツとして設計しました。

谷氏:
 「魔境争奪戦」は,複数ある魔境の中から,自分たちのギルドの強さを考えて,自ら戦いたい魔境へエントリーする形で挑戦できます。基本は戦いたい時間帯も合わせて決めてエントリーするのですが,固定時間だと参加できない生活サイクルの方もいるかと思いますので,「時間帯フリー」という選択もできるようにしています。


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小野田氏:
 ただ敵を倒すだけではなく,「〇〇を10体倒せ」といったミッションがどちらのギルドにも同じように常に発生するので,それらをギルドメンバーと連携して効率よく達成することでより多くのポイントが獲得できます。
 ソロ専用の敵や,マルチ推奨のHPの高い敵など,さまざまな敵が出現するので,事前に役割を決めて挑むと勝ちやすくなると思います。
 フィールドに鳥居が配置されていて,鳥居をくぐると味方ギルド全体に強力なバフが発生したり,ポイントの高いレアな敵が稀に出現したり,後半にお互いのギルドしかエンカウントできないボスがそれぞれ出現し,すばやく倒せたギルドに追加ポイントが入るエース級メンバーの見せ場など,さまざまなギミックがあります。

谷氏:
 「魔境争奪戦」の報酬は,ガチャでは入手できない伝説の八大妖帝の1人である「ぬらりひょん」や,その配下の「煙羅煙羅」などのキャラクターと交換できるポイントとなっており,それが目玉だと言えます。
 「魔境争奪戦」とは別に「乱闘コロシアム」という“対人戦”ができるコンテンツも用意しています。この対人戦では,プレイヤーにもヨワミ玉が配置され,ブレイクもしますので,かなり個々のプレイヤーの腕が影響するアツいバトルが楽しめると思います。
 しかし,がっつりリアルタイムの対人戦をリリース初期からプレイサイクルに入れると,とても難しいゲームになってしまうので,現状は報酬が絡まないようにしています。エキシビションマッチとして楽しんでもらえればと。

4Gamer:
 マネタイズについても教えてください。いわゆる「キャラガチャ」がメインでしょうか。

谷氏:
 「キャラガチャ」と「武器ガチャ」を実装します。また,強化素材なども手に入る「国ガチャ」というガチャを1日1回無料で引けます。「国ガチャ」はアプリ内課金を利用して引くこともできますが,その日ごとの回数制限を設けているので,課金者と無課金者に差が出すぎないようになっています。
 ガチャを引くためのアイテムも多めに配布していく予定なので,無課金プレイでも「キャラガチャ」であれば引きやすい設計にしました。ガチャを引くためのアイテムが一定期間継続してもらえる月額パスや,目標を達成するごとに報酬が得られるバトルパス的なものも用意しているので,微課金プレイでも達成感を得られるような設計にしてあります。

4Gamer:
 ありがとうございました。そろそろお時間を迎えてしまうので,リリースを楽しみに待つ人に向けて,最後にコメントをいただきたいです。

加瀬氏:
 今回お話しができなかったフィールドにおける要素は,ほかにいくつもあります。例えば本作はバトルがシンボルエンカウト式でありながら,バトル前のフィールド上で回避のコマンドを使って,敵のシンボルを避けられます。タイミングはそれなりにシビアでリスクもありますが,それゆえにフィールド上の臨場感も表現されているため,そういった細かな部分も実際のプレイで体験していただければと思います。

画像集#056のサムネイル/国産の新作オンラインRPG「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」インタビュー。黒騎士の谷 直史氏による新作,いや渾身作

小野田氏:
 谷とは「黒騎士と白の魔王」からタッグを組んでゲームを制作しています。今回は,そこで得た経験をもとにすべてを出し尽くして作っているので,一度でも触ってみてもらえれば,それを感じていただけると思います。
 ぜひ渾身の出来となった「ラグナドール」をよろしくお願いいたします。

谷氏:
 9月中のリリースで開発を進めておりましたが,ユーザーの皆さまに快適にプレイしていただくための改善と,より楽しんでもらえるコンテンツの追加をするために,10月中のリリースを予定しております。

 私は29歳まで建築業界で設計をやっていました。そこから一念発起してゲームを作るために業界に飛び込み,自分がゲーマーとして味わってきたオンラインゲームの深い面白さを,まだ知らない幅広い人たちに味わってもらえるようなゲームを作り続けています。

 現在,日本で制作されるオンラインRPGやMMORPGが非常に少ないなか,海外産の良作が増えてきていますので,そういった波に負けないように,「ラグナドール」がその状況を変えるきっかけになればと思っています。そうした想いを込め,ほかのゲームにはない魅力を備えたタイトルとして仕上げたので,ぜひ遊んでみてください。

──2021年8月13日収録。


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