プレイレポート
「Inscryption」プレイレポート。小動物を生贄にして猛獣を召喚する,ダークな世界観のカードゲーム
「Inscryption」公式サイト
本作をひと言で説明すると,動物の絵が描かれたカードを使って対戦するカードゲームだ。しかし,動物のゲームと聞いて思い浮かべるようなほのぼのとした雰囲気は一切なく,全体的に暗い感じのゲーム画面からは,何やら重苦しい空気が漂っている。ゲームを開始するといきなり聞こえてくるナレーションの声も妙に重々しく謎めいており,冒頭から不安を煽ってくる。
カードに描かれた動物は,リス,ネコ,オコジョ,オオカミ,カミツキガメなどさまざまで,それぞれに攻撃力と体力の数字が書かれている。これを交互に場に出しあって,相手の動物を攻撃するのが基本的なルールだ。自分が出したカードの正面に相手のカードがない場合は,対戦相手に直接ダメージを与えられる。
お互いの優劣は1つの天秤で表現されており,ダメージを与えたぶんだけ,相手の皿に重りを置くことができる。そして最終的に,天秤を相手側に完全に傾ければ,こちらの勝利となる。あと一歩のところまで相手を追い詰めても,こちらがダメージを受けると天秤を戻されてしまうので,最後まで油断は禁物だ。
本作で特徴的なのが,カードを場に出す際のルールの存在だ。例えば,最も弱いリスは無償で場に出せるが,それよりも少しだけ強いオコジョを出すには1匹の生贄が必要となる。さらに,オコジョよりも強いオオカミを出すためには,2匹の生贄を捧げなければならないといった具合だ。生贄になった動物(=カード)は場から取り除かれ,デッキに戻される。
対戦相手に勝つためには,できるだけ強い動物を場に出したい。そうなると必然的に,犠牲になるのはいつも弱い動物であり,リスなどは真っ先に生贄にされてしまう存在だ。しかし,例えばそうやって呼び出したオコジョも,いずれは相手に倒されるか,より強い動物のために生贄になるときが来るので,どこまで行っても血生臭い連鎖が終わることはない。うーん,これはヒドイ!
純粋にカードゲームとして見れば,無限の命を持つネコは生贄にされても死なず,クサリヘビは攻撃した相手に毒を与えるなど,動物ごとに特徴を持っていたりもするのだが,そんなことがどうでもよくなるくらい,筆者の頭の中はこの禄でもない設定でいっぱいだ。そもそも対戦相手は何者で,どうして自分がこんなゲームをさせられているのかも一切不明なので,遊べば遊ぶほど混乱が増すばかりである。
一応,ゲームの流れとしては対戦に勝つことでスゴロクのようなマップを進んでいき,その中で新しいカードを入手したり,ストーリーが徐々に明かされていったりするようだが,一体この先にどんな展開が待ち構えているのかは,まったく予想がつかない。Steamでは,すでに本作のストアページがオープンしているので,気になる人はウィッシュリストに追加して,今後の更新情報に注目しておこう。
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