［インタビュー］1周年を迎えた「信長の野望 覇道」。運営プロデューサーに最新大型アップデートのポイントと，これまでとこれからのことを聞いた

「信長の野望 覇道」運営プロデューサー 黒田智広氏

　コーエーテクモゲームスのMMO戦略シミュレーションゲーム「信長の野望 覇道」（iOS / Android / PC）が，先日（2023年12月1日），サービス開始から1周年を迎えた。
　先日お伝えしたとおり，1周年大型アップデートが実施されたほか，シーズン5「奥州動乱」も開幕し，さらに1周年キャンペーンや「花の慶次 -雲のかなたに-」とのコラボイベントもスタート。そんな，話題に事欠かない本作について，運営プロデューサーの黒田智広氏にメールインタビューを行った。

「信長の野望 覇道」公式サイト

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シーズンごとに新たな遊びを提供し

今後も期待に応えられるよう邁進していきたい

4Gamer：
　「信長の野望 覇道」，1周年おめでとうございます。
　まずは，1周年を迎えての率直なご感想をお願いします。

黒田智広氏（以下，黒田氏）：
　12月1日で1周年を迎えましたが，ここまでの1年間はものすごく早かったというのが率直な感想です。これまで1年間遊んでくださったプレイヤーの皆さんには，大変感謝いたします。
　3か月に一度のシーズン制は，あっと言う間に回を重ね，ついにシーズン5に突入しました。毎シーズン新たな遊びを提供するという目標のもと，常日頃より開発を進めていますが，今後とも引き続き皆様の期待に応えられるよう邁進していきます。

4Gamer：
　この1年間でプレイヤーからはさまざまな感想，要望などが届いたことと思います。そのなかでとくに印象的だったものをいくつか教えてください。

黒田氏：
　X（旧Twitter）のハッシュタグ「#信長覇道目安箱」で常時，プレイヤーの皆さんからの意見・感想を募集しており，月に200程度いただくこともあります。
　そのなかでとくに印象に残るのは，開発が想定しきれなかった遊び方に対する指摘です。例えば，「領土制圧にあえて失敗することで，ペナルティを受ける代わりに敵の進攻を遅らせる」というプレイングを知ったときには，開発者として想定しきれていなかったことを悔やむと同時に，プレイヤーの皆さんの熱量の高さをあらためて思い知りました。それ以降はルールに穴がないかを確認する時間を多く取るようになりました。
　あと，「朝倉義景を強化してほしい」というご要望をいただいたときは，思わずニヤリとしてしまいました。SSRだけど能力はR程度になっており，実は開発中も「不具合なのでは」という声が上がりまして……。最終的には武将の個性として能力はそのままにしましたが，やはり言われてしまったかという意味で印象に残っています（笑）。

4Gamer：
　これまでのアップデートで，とくに手応えを感じたものがあれば教えてください。

黒田氏：
　シーズン2で追加した「鉄砲」には，手応えを感じています。戦国時代の戦い方を一変させていますし，「信長の野望」シリーズでも強力な兵科だったことから，プレイヤーさんの期待が大きく，開発としてもインパクトを与えたいと考えていました。
　最終的に，機動や破壊は低いが，対部隊には圧倒的な攻撃力を誇る兵科として追加しましたが，ほかの兵科とうまく使い分けつつも鉄砲の存在感を出すことができました。プレイヤーさんからは鉄砲が強すぎるというご意見をいただくこともありますが（笑）。

アップデートでは新要素の追加のみならず

遊びやすい環境作りにも取り組んでいく

4Gamer：
　今回のアップデートは，利便性の向上や改修など，より遊びやすい環境を提供しようという意図を強く感じました。こうしたアップデートを行うことにした経緯や，それによってプレイヤーが得られるメリットなどを教えてください。

黒田氏：
　シーズンが進むほどに機能が増えて煩雑になりやすいですし，いわゆる“村ゲー”は1分1秒を争うことも多いので，遊びやすい環境作りの優先度は非常に高く捉えています。そのため開発チームは，新しい遊びを作るパートと，同規模で既存の機能を改修するパートに分かれています。
　今回はとくに，「編制」「サーチ機能」の二つに焦点を当て，改修を行いました。編制では，部隊の攻防を一度に入れ替える機能の追加，また部隊と任命を同時に保存できるように変更。サーチ機能では，里の位置から対象の距離と方角を示すアイコンの表示，距離の絞り込み機能の追加を行いました。これらはいずれも，先程も触れたとおりXでプレイヤーの皆さんからいただいた意見を反映しております。
　地味かもしれませんが，遊びやすい環境を整えていくことで，プレイヤーの皆さんがより長くより楽しめることにもつながると考えています。


4Gamer：
　シーズン5の舞台として奥州を選んだ理由を教えてください。

黒田氏：
　関東から近畿のマップでサービス開始した本作ですが，サービス開始直後から全国にマップを広げてほしいという声はたくさんいただきました。今回，奥州を選んだのは，伊達政宗など東北地方に由来する武将を活躍させたかったことと，シーズン4までの延長線でプレイしやすいという理由からです。西日本を舞台にする選択もありましたが，広い海を生かした遊びが提供できるように鋭意開発を進めているところです。


4Gamer：
　シーズン5で登場する新要素や新機能などで，とくに注目してほしいポイントがあれば教えてください

黒田氏：
　とくに「皆伝」「攻略威令」の二つに注目してほしいです。
　皆伝は，将星ランク4以上の武将にシーズン限定で技能を習得させることができます。習得可能な技能は武将ごとに違うため，これまでは編制しなかった武将を活用するなど，編制の幅が大いに広がると思います。また，シーズンが変わると武将が習得できる技能も変わるため，シーズンごとに活用する武将も変わると思います。内政施設の「道場」Lvによって，皆伝できる武将人数に上限があるため，その制限の中での編制の試行錯誤を楽しんでいただきたいです。
　攻略威令は，シーズン5の中盤以降に登場する新要素で，指定された一門が，対象の城に一定期間なら宣戦できるようになります。本来は領土を進攻して攻城戦を仕掛ける準備を整える必要がありますが，そういう準備を飛ばしていきなり宣戦できます。劣勢大名の一門に宣戦権利が付与されますので，攻略威令を契機に劣勢を巻き返すこともできるかもしれません。賛否両論ある要素であることは理解していますが，本作のメインコンテンツである攻城戦が発生しやすくなると思いますので，攻城戦をぜひ楽しんでいただきたいです。


4Gamer：
　1周年記念コラボとして「花の慶次 -雲のかなたに-」を選んだ理由があれば教えてください。また，派生作品は含まず，かつて「週刊少年ジャンプ」で連載されていた「花の慶次 -雲のかなたに-」のみとのコラボということでよろしいでしょうか？

黒田氏：
　はい，派生作品ではなく「花の慶次 -雲のかなたに-」とのコラボとなります。私自身は連載時のリアルタイム世代ではなくパチンコから入ったのですが（笑），漫画も好きなのでコラボを考えたときに最初に思い浮かんだ作品でした。
　プレイヤーの皆さんにゲーム内でアンケートをさせていただいたのですが，コラボ自体の是非を聞いた設問には「本作と親和性のあるコンテンツなら希望する」という声が多く，具体的なコンテンツ名を出した設問では，「花の慶次」が最も多かったことが一番の決め手となりました。


4Gamer：
　「花の慶次」の登場人物の中で，お気に入りがいらっしゃるようでしたら，どこに魅力を感じるのかも含めて教えてください。

黒田氏：
　やはり前田慶次です。自由がない戦国時代に傾きとおしたその生き様が，「花の慶次」の魅力の一つだと思います。なお，今回のコラボで登場する慶次が持つ技能「慶雲」は，敵領土内での移動速度低下を軽減する効果があり，戦国時代を駆け抜けた慶次の生き様を表現しています。コラボ限定の装備品「煙管」「虎柄羽織」「朱槍」を装備させて，ぜひ使ってみてください。

同じことの繰り返しにならないよう

「変化」を最重視して今後も開発 / 運営を続けたい

4Gamer：
　この先，2周年，3周年，それ以降を目指すにあたって，大事にしていきたいポイント，志，「信長の野望」らしさなどがあれば教えてください。

黒田氏：
　「変化」を一番大事に考えています。同じことの繰り返しでは飽きてしまいますので。3か月ごとの新シーズンで新しい遊びを提供していくのはもちろんのこと，シーズン内でも1か月ごとに変化が感じられるよう開発や運営に取り組んでいきます。
　時期はまだ明言できませんが，前述した「西日本マップ」や「海戦」，「忍者」や「剣豪」など出したい要素もまだまだありますので，今後の展開にぜひご期待ください。

4Gamer：
　最後に，本作のプレイヤー，そして興味は持っているけれどまだ遊んでいないという方に向けて，メッセージをお願いします。

黒田氏：
　遊んでくださるプレイヤーの皆様のおかげで，1周年を迎えることができました。あらためてお礼申し上げます。
　これから新たに始める方は1年の出遅れを不安に感じるかもしれませんが，何も心配はいりません。シーズン1から開始してすべてのコンテンツを楽しむことができますし，同じ時期に始めたプレイヤーしかいない環境となりますので，いつ始めても最大限に楽しむことができます。
　また，久しぶりにプレイされる方には，未プレイのシーズンに応じた復帰プレゼントなども用意しております。1周年やコラボで盛り上がるこの時期にぜひまた遊んでみていただきたいです。
　共に信長覇道ライフを楽しみましょう！

4Gamer：
　ありがとうございました。

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