イベント
「ダンジョンズ 4」は真面目なダンジョン運営と怖いもの知らずな物語のギャップがとんでもない!
「ダンジョンズ 4」は,1990年代に登場した名作「ダンジョンキーパー」を思わせるダンジョン建設&運営シムと,多数のユニットをリアルタイムで操作するRTSを組み合わせたようなゲームだ。プレイヤーはモンスターたちを統べる絶対悪「ダークロード」として,地上への侵攻を目指すことになる。
建設&運営シムとRTSの組み合わせということで,かなり忙しそうに思うかもしれないが,実際はそれほどでもない。まずは地下のダンジョンパートで軍勢を成長させて,準備ができたら地上のRTSパートで人類を攻撃する,二部構成のようなイメージだ。地上でユニットを失った場合は地下で新たに雇ったりもするが,地下と地上の両方に絶え間なく指示を出し続けるような状況はそうそう起こらない……少なくとも序盤のうちは。
また,本作が描くシチュエーションは誰もがすんなり理解しやすいもので,ダンジョンを建築・運営するダークロードは日本風に言えば「魔王」のような存在だし,その侵攻を邪魔する「英雄」たちも「高レベルの冒険者」といったニュアンス。正統派ファンタジーRPGの攻守を逆にしたような形だ。
ただ,ストーリーはかなりクセが強め。登場人物は大胆なパロディネタや不謹慎ネタを連発し,ナレーションはちょいちょい作品の枠を超えてメタ発現を繰り返す。なんとも不真面目……もといサービス精神が旺盛な作品である。
さて,今回メディア向けに作品のプレゼンを行ったのは,「ダンジョンズ 4」のデベロッパであるRealmforge Studiosのクリエイティブディレクター,クリスチャン・ウォルファートシュテッター氏(以下ウォルフ氏)だ。
ウォルフ氏はまず,「このゲームの地上は,スタンダードなRTSに近いものです。ユニットを選択し,移動命令や攻撃命令を出せます」と,本作の地上パートについてあらためて伝えていく。ダンジョンで作り上げた軍勢で,美しい地上世界を“ぶっ潰せる”ことが,本作の大きな魅力というわけだ。
前作でも活躍したダークエルフの戦士・タリヤをはじめ,オーク,ラミア,バンシーといったモンスターの軍勢を指揮し,英雄たちを片付けていくウォルフ氏。まあ,最初のステージはユニットへの指示のチュートリアルを兼ねたものなので,ディレクターである氏にかかれば「指先ひとつで……」といったところか。ちなみに,本作のシングルプレイはキャンペーン方式で,全20のステージをプレイできるとのこと。
だが,続くストーリーパートでは驚きの展開が待っていた。タリアは手に入れたガントレットの力でうっかりダークロードを”消滅”させてしまい,彼女が新たなリーダーになることに。しかしタリアは前線指揮官としては優秀でも,組織のトップには向いていなかったようで,たちまちモンスター軍団は敗北,タリアは捕虜になってしまう。
どうやら「ダンジョンズ 4」では当面の間,彼女を奪還するべく戦いを進めていくことになるようだ。
続いて,ダンジョンパートの説明に移るウォルフ氏。ダンジョンでは,穴を掘り進めてダンジョンを広げ,地中から金貨などのリソースを入手し,それらを使ってユニットを雇ったり,新たなユニットの研究開発を進めたりと,さまざまな手を打って軍勢を作り上げていくとのこと。
地下でやるべきことはいろいろあるが,たいていの事は「マウスドラッグ,あるいは決定ボタンを長押ししつつ左スティックで範囲を指定し,部下をそこに向かわせる」という操作で片付くので,それさえ把握していれば,あとは遊びながら覚えていけるだろう。
なお「ダンジョンズ 4」では,ドワーフたちがトンネルを掘ってダンジョンに攻め込んでくるようになり,彼らに本拠地の「ダンジョンハート」を壊されると負けとなってしまう。
侵入してきたドワーフは普通にユニットを使って倒してもいいが,ダンジョンにはやはりトラップがつきもの。ウォルフ氏も「自ユニットはトラップからダメージを受けないので,多彩なトラップをどんどん使ってください!」と語っていた。
プレゼンの後半では,ゲーム中盤くらいのステージから建設の進んだダンジョンや,スケールアップした地上での戦いが披露されたが,そちらではタリヤが軍勢に加わっていた。
冒頭からいきなり捕虜になってしまった彼女だが,最後まで捕まりっぱなしではないようなので,彼女のファンはご安心を。
また「ダンジョンズ 4」では,新要素として“タリヤの作戦システム”が加わるという。特定の派閥(種族)のユニットを研究しやすくしたり,トラップの威力を上げたり,タリヤがユニットとして使いやすくなったりと,自分の好きな戦い方に合わせたスタイル(パーク)を選べるらしい。
地上の英雄たち。そして地下に湧くクモたち。新たなステージでウォルフ氏は,ふたつの脅威に対処しつつゲームを進めていったが,そのうち,どこか見覚えがあるような(?)モンスター「ヒプノ・ブルフロッグ」との戦いが始まっていた。
このヒプノ・ブルフロッグを倒すには,軍団をかなり鍛える必要があるが,成功すれば大量のリソースを得られるという。「League of Legends」で言えばドラゴンやバロンのような感じだろうか。だとすれば,うかつなタイミングで手を出すと英雄たちが戦いに介入してきて,かえってピンチになることもありそうだ。
ちなみに本作は対戦プレイが可能であり,また地上と地下をふたりで分担する協力プレイにも対応するという。Discordなどを使い,気心の知れた友達と一緒に遊ぶのもなかなか楽しそうだ。
ウォルフ氏の“実況プレイ”のあとは,作品について質問する時間が設けられていたので,そこでのやりとりをお伝えして記事を締めくくろう。
──ストーリーについてお聞きします。冒頭からこれでもかと,日本で人気のあるアニメや映画,コミックのネタが詰め込まれていましたが,国や言語ごとに親しみやすいネタを入れているのでしょうか。
ウォルフ氏:
元となるストーリーはひとつですが,翻訳のテイストは各言語のローカライズ担当に任せています。テーマは「邪悪」なので,ぜひ邪悪な笑いを浮かべつつ楽しんでほしいですね!
──今回,ドワーフたちがダンジョンに攻めこんでくるようになりましたが,彼らの施設も利用できるのでしょうか。また,ドワーフはステージクリアまで現れ続けるのですか。
ウォルフ氏:
ドワーフが作ったトラップは使えませんが,金は奪えますし,それでモンスターを雇ったり,研究を進めたりできます。また出現地点を叩いてしまえば,以後のダンジョンにドワーフは出現しなくなりますよ。
──前作をプレイしたファンにアピールしたいことはありますか。
ウォルフ氏:
「ダンジョンズ 3」がヒットしたこともあり,まずはそのファンにしっかり届けるべく作った続編です。ドワーフの要素が加わり,後半のステージは規模も大きくなったので,前作を遊びこんだ人にとっても手強いゲームとなったはずです。
──いきなり今作から始めても大丈夫ですか。
ウォルフ氏:
いろいろな要素があるゲームですが,それらはキャンペーンを進めるうちに徐々にオープンになっていくので大丈夫です。難易度も3種類(やさしい ふつう むずかしい)があるので,まずは簡単な「やさしい」から挑戦してください。まったくゼロの状態から始めた人も,100時間も遊べば「むずかしい」に挑戦できることでしょう。
――前作同様,Nintendo Switchでのリリースも予定しているのでしょうか。
ウォルフ氏:
来年には出せるよう,がんばっているところです。ぜひご期待ください!
──本日はありがとうございました。
以上のように,あらゆるハードどころか,あらゆる文化圏で1人でも多くの人に楽しんでもらおうという,Realmforge Studiosの意志が伝わった今回のプレゼンテーション。本作はSteamやXbox Series X|Sで体験版が配信中で,さらには11月9日のリリース当日からXbox Game Passのラインナップにも加わる予定だ。
本稿で「ダンジョンズ 4」に興味を持った人は,ぜひ実際に触れてみてほしい。きっとあらゆる面が「想像以上」で驚くはずだ。
「ダンジョンズ 4」公式サイト
キーワード
Dungeons 4(C)2023 Kalypso Media Group GmbH. Developed by Realmforge Studios. Published by Kalypso Media Group GmbH. Dungeons is a trademark of Kalypso Media Group GmbH. All rights reserved. All other logos, copyrights and trademarks are property of their respective owner.
Dungeons 4 Copyright(C)2023 Kalypso Media Group GmbH. Developed by Realmforge Studios. Published by Kalypso Media Group GmbH. All rights reserved. All other logos, copyrights and trademarks are property of their respective owner.