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期待のミドルハイクラスGPU「GeForce RTX 4070」を検証。RTX 3080並みの性能で消費電力を大幅に低減
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印刷2023/04/12 22:00

レビュー

RTX 3080並みの性能で消費電力を大幅に低減

NVIDIA GeForce RTX 4070 Founders Edition

Text by 宮崎真一

 2023年4月12日22:00,NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 4070」(以下,RTX 4070)のレビューが解禁となった。このRTX 4070は,「Ada Lovelace」世代のGPUで,型番から分かるとおり「GeForce RTX 4070 Ti」(以下,RTX 4070 Ti)の下位となるミドルハイクラスのモデルとなる。

GeForce RTX 4070 Founders Edition
メーカー:NVIDIA
メーカー想定売価:599ドル(約8万円,税別,国内未発売)
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 本稿で扱うNVIDIA純正の「GeForce RTX 4070 Founders Edition」は,価格が599ドル(税別)となっており,10万円を切るRTX 40シリーズとして期待が集まりそうな存在だ。その実力はどの程度なのか,実際にゲームでテストして確認してみたい。

GeForce RTX 4070 Founders Editionの製品ボックス(左)と,開封した状態(右)。今のところ国内での販売予定はないそうだ
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RTX 4070 Tiと同じAD104コアを採用

メモリ周りはRTX 4070 Tiから変わらず


 まずは,RTX 4070の仕様について確認していこう。
 冒頭でも述べたとおり,RTX 4070は,GPUアーキテクチャにAda Lovelaceを採用しており,GPUコアはRTX 4070 Tiと同じ「AD104」だ。NVIDIA向けにカスタマイズしたTSMCの「4N」プロセスで製造されており,295mm2のダイサイズに,約358億個のトランジスタを搭載する。前世代の「GeForce RTX 3070」(以下,RTX 3070)は,392mm2で約174億個のトランジスタ数であったのと比べると,ダイサイズは約75%に減少した一方で,トランジスタ数は約2倍以上に増加したわけだ。

 Ada Lovelaceアーキテクチャでは,GPUコアの種類に関わらず,シェーダプロセッサである「CUDA Core」を128基と,L1キャッシュメモリやテクスチャユニット,そしてレイトレーシングにおける光線の生成と衝突判定を行う「RT Core」を1基,さらに行列積和算に特化した「Tensor Core」を4基まとめて「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)を構成している。
 AD104コアは,SMを12基束ねたGPUクラスタ「Graphics Processor Cluster」(以下,GPC)を5基有している。しかし,RTX 4070では,GPCが4基に減少しているうえ,GPCのうち1基は,SMが12基から10基に減っている。そのため,RTX 4070のCUDA Coreの総数は,128×(12×4−2)で5888基という計算となる。
 ちなみに,RTX 4070のCUDA Core数は,RTX 3070のそれとまったく同じである点は興味深い。

RTX 4070のブロック図
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NVIDIAコントロールパネルで,RTX 4070のシステム情報を確認したところ
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 ほかのRTX 4000シリーズと同様に,RTX 4070もRT Coreは第3世代へと進化した。先述のとおり,RT CoreはSM 1基に対して1基組み込まれているので,RTX 4070のRT Coreの総数は46基となる。これも,数だけはRTX 3070と変わらない。RTX 4070におけるRT Coreの公称スループットは,67 RT-TFLOPSであるという。RTX 3070の公称スループットが39.7 RT-TFLOPSだったのと比べると,約1.7倍に向上したわけだ。

 また,RTX 4070では,第4世代へとアップデートしたTensor Coreを,184基搭載している。こちらも,数だけはRTX 3070から変わっていないが,公称スループットは466 Tensor-TFLOPSと,RTX 3070の162.6 Tensor-TFLOPSと比べて約2.9倍の性能を実現している。

GPU-ZでRTX 4070の動作クロック(赤枠内)を確認したところ
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 RTX 4070のベースクロックは1920MHzで,ブーストクロックは2475MHzだ。それぞれが2310MHz,2610MHzだったRTX 4070 Tiに比べれば低いものの,動作クロックの高いRTX 40シリーズらしく,RTX 3070よりもかなり高い動作クロックになっている。
 後述するテスト環境において,「GPU-Z」(Version 2.52.0)でコアクロックの変動を追ってみたところ,2820MHzまで上昇しているのを確認した。Founders Editionではないものの,RTX 4070 Tiは同様のテストで2760MHzまでしか上がらなかったので,RTX 4070は回路規模を抑えた分だけ,動作クロックが上がりやすくなっているのだろう。

 GPUに組み合わせるグラフィックスメモリには,ほかのRTX 40シリーズと同じくGDDR6Xを採用している。メモリクロックは21GHz相当と比較的高速だが,メモリインタフェースが192bitに抑えられているため,メモリバス帯域幅は504GB/sとなり,これはRTX 3070の448GB/sから約13%向上した計算だ。なお,メモリ容量は12GBで,メモリに関するスペックはRTX 4070 Tiからまったく変わっていない。

 RTX 40シリーズにおける特徴のひとつともいえる大容量L2キャッシュメモリは,RTX 4070でも健在だ。L2キャッシュ容量は36MBで,これはRTX 4070 Tiの48MBに比べて75%であるが,容量4MBしかなかったRTX 3070に比べれば9倍にもなった。メモリインタフェース幅の狭さを,L2キャッシュメモリの容量でカバーするというNVIDIAの方針は,RTX 4070でも変わらないようだ。

CUDAの開発キットに付属している「devicequerydrv.exe」の実行結果。L2キャッシュ容量は37748736 bytes(=36MB)だった
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 RTX 4070のTGP(Total Graphics Power)は200Wである。これは,RTX 4070 Tiから85W減少しており,RTX 3070よりも20W低い。ちなみにNVIDIAによると,ゲームプレイ時の平均的な消費電力は186Wだそうで,定格出力650W以上の電源ユニットを使用するように推奨している。

Founders Editionには2系統の8ピンケーブルを16ピン1本に束ねる変換ケーブルが付属している
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 なお,RTX 4070 Founders Editionでは,補助電源コネクタとして12VHPWRに対応した16ピンコネクタを1基備えており,8ピンのPCIe補助電源コネクタ2系統分を,1本の16ピンに束ねる変換ケーブルも付属している。

 RTX 4070の主なスペックを,RTX 4070 TiとRTX 3070,それに「GeForce RTX 3080」(以下,RTX 3080)とともにまとめたものが表1となる。

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カード長は実測で約243mm

重量も1kgほどと扱いやすいサイズ


 それでは,RTX 4070 Founders Editionのカードそのものについて見ていこう。

RTX 4070 Founders Editionの表面(上)と裏面(下)
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 カードサイズは,実測で約243mm(※突起部除く)で,比較対象に用いたRTX 4070 Ti搭載モデルのPalit Microsystems製「GeForce RTX 4070 Ti GamingPro OC」が約328mmであったのに比べると,80mm近くも短い。RTX 3070 Founders Editonが約241mmだったので,それとほぼ同じサイズだ。

カードサイズは,最近の製品としては比較的短めな約243mmだった
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 なお,実測重量は約1021gと,ほかのRTX 40シリーズに比べて比較的軽めで,こちらもRTX 3070 Founders Editionの約1038gとほぼ同じだ。

重量は実測で約1021g。最近の新製品で1kg程度のモデルは,ひさしぶりな気がする
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 GPUクーラーは2スロット占有サイズで,前面と背面に90mm径相当のファンを1基ずつ搭載する。ファンサイズは小さくなっているものの,デザイン的には「GeForce RTX 4090」や「GeForce RTX 4080」のFounders Editionと同様のものを踏襲している。

カードの前面と背面にファンを1基ずつ搭載
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カードを別の角度から。2スロットに収まっているため,かなり扱いやすいサイズだ。ブラケットの上(写真左側)へのはみ出しも小さい
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 基板自体が150mmほどしかなく,カードの後側は,前面から背面へとエアーが抜ける構造も,上位モデルと変わらない。

カードを横から見た状態。基板は赤枠部分の幅しかない
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 また,ファン自体は,どちらもブレードと外枠が一体成型されているもので,GPUへの負荷が低いアイドル時には,回転を停止する機能も用意されている。

カード後方のファンは,前面から背面へとエアーが抜ける構造だ。写真でも背景がブレードの隙間から見えている
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 補助電源コネクタは,カード中央付近の側面に16ピンを1基備える。先述したように,2本の8ピンを16ピンに変換するコネクタが付属しているが,TGPが200Wであるなら,かなりのオーバースペックのようにも思われる。このあたりは,電力供給に関してかなりの余裕を持たせたということなのだろうか。
 なお,8ピンコネクタは2本とも接続しないと動作しなかった。

補助電源コネクタは16ピンを1基装備。基板自体は短いため,カード中央付近に実装されている
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 外部出力インタフェースは,DisplayPort 1.4a×3,HDMI 2.1 Type A×1という一般的な構成だ。このあたりは,RTX 4070 Tiなどと変わらない。

映像出力はDisplayPortが3つにHDMIが1つの計4系統。最近の製品ではよく見る構成だ
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上位モデルや前世代との比較を実施


 それでは,テスト環境の構築に話を移そう。
 今回のテストでは,比較対象としてRTX 4070 TiとRTX 3070,それにRTX 3080を用意した。ただ,RTX 4070 Ti搭載モデルとして使用したGeForce RTX 4070 Ti GamingPro OCはクロックアップモデルなので,MSIのオーバークロックツール「Afterbuner」(Version 4.6.5 beta 4)を用いて,ブーストクロックはリファレンスにまで下げて利用している。

 使用したドライバソフトは「GeForce 531.42 Driver」で,これはNVIDIAが全世界のレビュワーにRTX 4070のテスト用として配布したものだ。テスト時点におけるNVIDIA公式のドライバソフトはVersion 351.41が最新なので,これはそのRTX 4070対応版と捉えてよさそうだ。そのほかのテスト環境は表2のとおり。

表2 テスト環境
CPU Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz,最大クロック4.9GHz,共有L3キャッシュ容量64MB)
マザーボード MSI MEG X570 ACE(AMD X570,BIOS 7C35v1J)
メインメモリ G.Skill F4-3200C16D-16GIS PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2(DDR4-3200の16-16-16-36設定で利用)
グラフィックスカード GeForce RTX 4070 Founders Edition
(グラフィックスメモリ容量12GB)
Palit Microsystems GeForce RTX 4070 Ti GamingPro OC
(グラフィックスメモリ容量12GB)
GeForce RTX 3070 Founders Edition
(グラフィックスメモリ容量8GB)
GeForce RTX 3080 Founders Edition
(グラフィックスメモリ容量10GB)
ストレージ Samsung Electronics SSD 850 EVO(MZ-75E500,500GB)
電源ユニット Corsair CMPSU-1200AX(定格1200W)
OS 64bit版Windows 11 Pro(22H2,Build 22621.1105)
チップセットドライバ AMD Chipset Drivers 5.02.19.2221
グラフィックスドライバ GeForce:GeForce 531.42 Driver

 テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション26.1に準拠。さらに,「3DMark」(Version 2.26.8092)において,レイトレーシングの性能を見る「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」,DLSS性能をテストする「DLSS feature test」を追加している。DLSS feature testでは,解像度に3840×2160ドットと2560×1440ドットを選択し,DLSS modeは「Quality」で実行した。ただし,RTX 4070とRTX 4070 Tiは「DLSS 3」を,RTX 3080とRTX 3070は「DLSS 2」を用いている点は注意してほしい。

 テスト解像度は,NVIDIAがRTX 4070では1440pでのゲームプレイを想定しているため,2560×1440ドットのほか,1920×1080ドットと3840×2160ドットの3つを選んでいる。


RTX 4070 Ti比で8割強の性能

RTX 3080と同程度の実力を発揮


 それでは,3DMarkの結果から順に見ていこう。
 グラフ1は「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。

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 テスト解像度が1920×1080ドットとなるFire Strike“無印”では,CPUがボトルネックとなるためスコアの差が小さくなっているが,RTX 4070がRTX 4070 Tiの77〜91%程度の性能といったところ。前世代との比較では,RTX 3070から19〜28%程度スコアが向上しており,RTX 3080といい勝負を演じている。

 続いてグラフ2は,Fire Strikeの総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものとなる。

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 ここでは,CPU性能の影響がなくなるが,RTX 4070のスコアは,RTX 4070 Tiの77〜86%程度に収まっている。RTX 3070に対しても,18〜30%程度と総合スコアよりも差を広げており,RTX 3080相当のスコアを発揮している点は変わらない。

 GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものがグラフ3だ。

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 ここではCPUの影響が大きくなるため,Fire Strike“無印”におけるスコアの頭打ちがより顕著となっている。無印以外を見ていくと,RTX 4070がRTX 4070 Tiの74〜77%程度と差が大きくなった。これは,Combined testの負荷が大きく,より実力の差が表れやすくなったと捉えるのがよさそうだ。また,RTX 4070は,RTX 3070に24〜34%程度の差を付けるものの,RTX 3080に対しては6〜11%程度の差を付けられてしまっている。

 では,DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の結果に移ろう。グラフ4は,総合スコアをまとめたものだ。

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 RTX 4070はRTX 4070 Tiの83〜85%程度といったところ。RTX 3070には26〜27%の差を付けて,RTX 3080と肩を並べているあたりは,Fire Strikeと似た傾向だ。

 続くグラフ5はTime SpyのGPUテスト結果となる。

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 Fire StrikeのGraphics testと同様に,ここでもCPU性能の影響がなくなるため,差は開く傾向にある。それゆえ,RTX 4070 TiとRTX 4070との差は,20〜25%程度ほどあり,RTX 3070には31〜35%程度の差を付けた。RTX 3080とほぼ同等のスコアを発揮している点は,総合スコアと変わらない。

 もうひとつのDirectX 12のテストとなる「Speed Way」の結果を,グラフ6に示す。

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 RTX 4070はRTX 4070 Tiの約84%と,Time Spyの総合スコアと似た傾向だ。RTX 4070とRTX 3070との開きも約33%あり,RTX 3080とはほぼ横並びという位置付けだ。

 リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果がグラフ7だ。

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 RTX 4070はRTX 4070 Tiの約81%で,RTX 3070には約38%もの差を付けた。その一方,RTX 3080とはほとんど差がなく,RTX 4070の第3世代というアドバンテージが,RTX 3080のRT Core数の多さで相殺された格好だ。

 もうひとつのレイトレーシング性能を測るDirectX Raytracing feature testの結果がグラフ8だ。

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 RTX 4070がRTX 4070 Tiの約79%のスコアを発揮しているのは,これまでの傾向を踏襲している。興味深いのは,RTX 3080に約9%と有意な差を付けている点だ。DirectX Raytracing feature testでは,RTX 4070の第3世代という世代の進化が,ハッキリと性能向上につながっていることがよく分かる結果になったと言えよう。

 続いて,DLSSの性能を見るNVIDIA DLSS feature testの結果がグラフ9となる。

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 DLSS on時とDLSS off時を比べて,どれだけフレームレートが向上しているかを計算すると,RTX 4070が254〜310%程度,RTX 4070 Tiは253〜298%程度と大きく伸びている。それに対して,RTX 3080は170〜189%程度,RTX 3070は165〜182%程度と,2倍には達していないのだ。先述しているとおり,ここではRTX 4070とRTX 4070 TiがDLSS 3を,RTX 3080とRTX 3070がDLSS 2を利用しており,DLSS 3によるフレーム生成のインパクトはかなり大きい。

 では,実際のゲームではどうなのだろうか。グラフ10〜12は,「Marvel's Spider-Man Miles Morales」の結果となる。

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 1920×1080ドットではCPUがボトルネックとなり,フレームレートが頭打ちになりつつある。それ以外の解像度を見ていくと,RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Ti比で86〜98%程度と高い。RTX 3070にも24〜33%程度の差を付けており,3〜4%程度だが,RTX 3080を安定して上回っている点は評価できよう。
 1パーセンタイルフレームレートに着目すると,3840×2160ドットで,RTX 3070は60fpsを大きく下回っているのに対して,RTX 4070は軽く超えている点は世代の進歩を実感できよう。

 続いて,「モンスターハンターライズ:サンブレイク」の結果がグラフ13〜15となる。

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 2560×1440ドット以下の解像度ではCPUが足かせとなり,平均フレームレートは170fpsほどで揃いつつある。そこで3840×2160ドットに着目すると,RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Tiの約84%で,RTX 3070には約18%ほどの差を付けた。しかし,RTX 3080には約17%ほど届いておらず,1パーセンタイルフレームレートも約17%の差があることを見ると,RTX 4070のメモリバス帯域幅の狭さが露呈したのではないか。

 「Call of Duty: Modern Warfare II」(※グラフ内ではCoD MW2)の結果がグラフ16〜18だ。

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 RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Tiの80〜85%程度で,RTX 3070には35〜37%程度もの差を付けた。RTX 3080に対しても,最大で12%の差を付けている点も要注目だ。ただし,3840×2160ドットではRTX 4070とRTX 3080のフレームレートがほぼ横並びになっているのを見ると,やはりRTX 4070は,高解像度ではメモリインタフェースが足かせになる可能性があるということなのだろう。

 「Fortnite」の結果をグラフ19〜21に示す。

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 1920×1080ドットは,やはりCPUがボトルネックとなるようで,フレームレートの頭打ちが見られる。そこで,2560×1440ドット以上の結果を見ていくと,RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Tiの81〜85%程度で,RTX 3070には16〜20%程度の差を付けた。ただ,RTX 3080には6〜10%程度届いていない。
 また,1パーセンタイルフレームレートに目を移すと,RTX 4070は2560×1440ドット以下の解像度で,RTX 3070の後塵を拝してしまっている。

 グラフ22〜24は,「God of War」の結果だ。

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 RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Tiの83〜86%程度で,1パーセンタイルフレームレートも81〜88%程度のスコアを記録している。RTX 3070比で見ると,平均フレームレートは安定して23〜25%程度上回っているものの,1パーセンタイルフレームレートは解像度が上がるにつれて差が縮まり,3840×2160ドットでは逆転を許してしまっている。RTX 3080に対しても,平均フレームレートと1パーセンタイルフレームレートともに2〜7%程度届いていない。

 グラフ25は「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチ)の総合スコアをまとめたものだ。

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 1920×1080ドットでは負荷が軽すぎるためか,CPUがボトルネックとなりスコアが横並びになりつつある。それ以外の解像度に目を向けると,RTX 4070がRTX 4070 Tiの85〜92%程度で,RTX 3070にも12〜20%程度の差を付けた。その一方で,RTX 3080とは2560×1440ドットで約2%,3840×2160ドットで約9%と,解像度が高くなるにつれて差が広がっていく。
 スクウェア・エニックスに指標では,スコア1万5000以上で最高評価とされているが,RTX 4070は3840×2160ドットでそれに届いていない。NVIDIAがRTX 4070で,1440pでのゲームプレイを想定しているというのもうなずける結果と言えよう。

 そんなFFXIV暁月のフィナーレ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものがグラフ26〜28だ。

画像集 No.048のサムネイル画像 / 期待のミドルハイクラスGPU「GeForce RTX 4070」を検証。RTX 3080並みの性能で消費電力を大幅に低減
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 平均フレームレートは,総合スコアを踏襲した形となっており,RTX 4070は2560×1440ドットでも150fpsを超えている点は立派だ。一方,最小フレームレートは,CPU性能の影響が大きく,あまり差が付いていない結果となった。それでもRTX 4070は,3840×2160ドットで最小が60fpsに迫っている点は評価できる。

 グラフ29〜31には,「F1 22」の結果をまとめている。

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 RTX 4070の平均フレームレートは,RTX 4070 Tiの79〜86%程度で,RTX 3070を29〜36%程度引き離している。また,RTX 3080には3〜4%程度届いていないが,その差は実フレームレートで2〜4.5fpsなのでほぼ横並びと言っていいレベルだ。最小フレームレートは,平均フレームレートと同じ傾向で,RTX 4070は,2560×1440ドットでも80fpsに迫る勢いを見せている。


消費電力は200Wほどとかなり低め

GPU温度も高負荷時で70℃以下


 先述したようにRTX 4070のTGPは200Wと,RTX 4070 TiやRTX 3080から消費電力は大幅に低減している。実際の消費電力が,NVIDIAのアピールどおりなのかが気になるところだ。

 そこで,NVIDIAが開発した消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみたい。なお,今回も3DMarkのTime Spyにおいて,Graphics test 2実行中の結果を示している。その結果をグラフ32に示そう。

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 このグラフを見ると,RTX 4070の消費電力は200W前後で推移しており,4製品の中で最も低いことが見てとれよう。とくに,RTX 3080との差はかなりのもので,消費電力の低さはかなりインパクトがある。

 グラフ32の測定結果から,分かりやすくなるように中央値と最大値を求めたものがグラフ33となる。

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 RTX 4070の中央値は約198Wほどで,RTX 4070 Tiと比べて約61Wも低く,RTX 3070よりも約26W低い点は好印象だ。最大値を見ても,RTX 4070は約221Wまでしか上がっておらず,やはり消費電力はかなり低めだ。

 さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いたシステム全体の最大消費電力のみを計測してみた。テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
 その結果がグラフ34だ。

画像集 No.056のサムネイル画像 / 期待のミドルハイクラスGPU「GeForce RTX 4070」を検証。RTX 3080並みの性能で消費電力を大幅に低減

 ピーク時の値を結果として採用するため,差は広がる傾向にあるのだが,RTX 4070は,各アプリケーション実行時でRTX 4070 Tiから37〜72W程度低い消費電力を記録している。RTX 3070と比べても,23〜82W程度消費電力が低く,RTX 3080比では144〜188W程度も差が生じている点は目を見張るものがある。

 GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックの状態に置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
 GPUによって,温度センサーの位置や取得方法が異なっていることは想像に難くなく,またそれぞれファンの制御方法が違うため,同列に並べての評価にあまり意味はない。それを踏まえて結果はグラフ35となる。

画像集 No.057のサムネイル画像 / 期待のミドルハイクラスGPU「GeForce RTX 4070」を検証。RTX 3080並みの性能で消費電力を大幅に低減

 RTX 4070は,高負荷時でも70℃を切っており,RTX 3080やRTX 3070の前世代のGPUと比べると温度はかなり低めだ。消費電力も低いことを踏まえると,発熱もさほど大きくないと捉えるのが妥当だろう。

 最後に,筆者の主観であることを断ったうで,RTX 4070 Founders Editionの動作音について述べると,十分静かな印象受けた。もちろん,静音性に優れているというわけではないものの,ケースの中に入れてしまえば聞こえてこなくなるレベルだ。


RTX 3080とほぼ同じ価格帯

1440pでゲームをプレイするのに適したGPU


 以上のテスト結果を踏まえると,RTX 4070は,RTX 4070 Ti比で80%強の性能を有しており,RTX 3080とほぼ同等と言っていいだろう。RTX 3070からは2割強の性能向上を果たしており,消費電力も大幅に低減している点も魅力的だ。さらに,レイトレーシング性能が高く,DLSS 3を使用した性能の上積みといった点も,前世代に対するRTX 4070のアドバンテージと言えよう。

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 本稿執筆時点で明らかになっているRTX 4070搭載カードの税込予想実売価格は,安いもので約10万円前後となっている。これは,登場当時の「GeForce RTX 3070 Ti」と同じだ。当時と為替の違いがあるものの,RTX 3070 Ti搭載モデルが9〜13万円で発売となったことを踏まえると,RTX 4070搭載カードの価格もそれに近いものになるのではないだろうか。本稿執筆時点で,RTX 3080搭載カードが10〜17万円で販売されていることを考えると,RTX 4070は価格面でのメリットもあるわけだ。

 RTX 4070は,4K解像度になるとメモリ帯域幅の狭さが性能を制約する場合があるものの,1440pでのゲームプレイが想定されたGPUであるため,2560×1440ドットで描画オプションを高めて遊ぶのに適したGPUであると言っていい。クロックアップモデルを含めるとかなり幅広い価格で製品が登場すると思われるが,その中でも安価なモデルは,かなりの人気を博すのではないだろうか。

NVIDIAのGeForce RTX 40シリーズ製品情報ページ


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