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[プレイレポ]幕末オープンワールドを腕一本で渡る! 「Rise of the Ronin」の高難度かつ選択肢の多いバトルで剣客気分を満喫
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印刷2024/03/21 20:00

プレイレポート

[プレイレポ]幕末オープンワールドを腕一本で渡る! 「Rise of the Ronin」の高難度かつ選択肢の多いバトルで剣客気分を満喫

 2024年3月22日,ソニー・インタラクティブエンタテインメントより発売予定のオープンワールドアクションRPG「Rise of the Ronin」。SIEとコーエーテクモゲームス内の開発チーム・Team NINJAが贈る本作は,侍と忍者のハイブリッド的な存在「隠し刀」として,幕末の横浜,江戸,そして京都を「さすらえる」ゲームだ。

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 その冒頭2時間分のインプレッションはこちら(関連記事)にまとめてあるが,SIEから先行プレイ用コードを提供されたので,本稿ではより踏み込んだゲーム内容や魅力についてお伝えしよう。記事中にはやむをえずネタバレになってしまう文章やスクリーンショットが含まれているため,気になる人は注意していただきたい。

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 SIEとTeam NINJAのタッグで贈るオープンワールド・アクションRPG「Rise of the Ronin」を一足先に体験してきた。幕末ファンも大いに楽しませてくれそうな高いポテンシャルを感じたバトルと放浪(探索)の試遊レポートを,開発のキーマン2名のインタビューとともにお届けしよう。

[2024/03/12 07:00]

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 また,プレイしたバージョンはレビュー用のもので,難度は三段階あるうちの一番上「宵闇」を選択した。ただ,発売日付近のアップデートによりレベルデザインやゲームバランスが調整されるとのことで,ユーザーが実際にプレイするバージョンとは細かい違いがありうることもあらかじめお伝えしておく。


オープンワールドRPGとしての
妥協のない作りこみ


 前回の記事でもお伝えしたとおり,本作は,マップに点在するメインミッションやサイドミッション,チャレンジ要素などを自由気ままに追っていく,極めてオーソドックスなスタイルのオープンワールドRPGとなっている。
 メインミッションやサイドミッションなど,登場人物と会話をする機会は多いが,そこでは多彩なセリフを選ぶことができ,選んだセリフによってその後の展開が大きく変わることもある。ちなみにオレンジ色のセリフは選択肢の役割も兼ねており,「説得」「威圧」など,スキルを習得している場合のみ現れる選択肢も存在する。

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 また「セリフ選び」は選択肢であると同時に,プレイヤーが思い描く主人公像を演じたり,選択を重ねることで主人公像が次第にはっきりしたりするといった,ロールプレイ(役割を演じる)的な面白さを生み出すものにもなっている。
 この仕組み自体は海外制作のRPGではおなじみだが,和の世界観,そしてネイティブな日本語のテキストで体験するとまた一味違ったものに思えてくるから不思議だ。「この少し硬めなセリフは翻訳の影響か,それとも作品世界ならではの言い回しか」……などと一歩引いて考えることがないため,作品世界により没入しやすい。このあたりは「和魂洋才」的な魅力がある作品と言えるかもしれない。

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 旅の拠点となる施設「長屋」では,いつでも外見エディットの「身嗜み」,服装エディットの「意匠変更」が可能だ。服装のエディットではそれまでに入手した品はすべて使うことができ,「性能的にはこの装備を選びたいが,見た目が合わない」といった悩みは無縁。こちらもロールプレイ好きにとって嬉しく,また遊びごたえのあるポイントだろう。

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フォトモードの機能も充実。カメラの傾きやピントなども細かくいじれる
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フィルター,フォトフレーム,表情などもいろいろ
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 また,メインのストーリーにおける主人公の立ち位置について補足しておくと,主人公は歴史上の人物ではなく,あくまで名もなき「剣客」や「隠密」に近い存在である。歴史上の大きな出来事に関わる場合でも,坂本龍馬や西郷隆盛などを主人公にした物語とはまた別の味わいになって目新しい。政治的な背景の描写などは最小限である代わりに,歴史上の人物と剣を交え「理解を深め合う」こともしばしば。またこの時代の剣豪・武芸者なども登場し,当然彼らとも戦うことになる。
 あくまでオープンワールドを放浪したり,ミッション中に強敵と戦う体験がメインで,お話はそれを盛り上げるものという位置づけなのだろう。

フランス人軍事顧問ジュール・ブリュネは大胆な解釈で登場。彼もまた数奇な運命をたどった人物だ
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 とはいえ舞台は激動の幕末。取り返しがつかない選択を迫られることも多く,悩みながらも「決断」するといった,歴史に立ち会う重みも感じられる。多彩なサイドミッションや,各キャラクターと因縁を深めていくことで発生するミッションなどもあり,それらを追っていく楽しさもなかなかのものだ。

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 ミッションの中には,連れていく仲間をかなり自由に選べるものもある。坂本龍馬とペリー提督を引き連れ,江戸の火消し・新門辰五郎と戦うなど,想像をはるかに超えたシチュエーションに出会えることも本作の魅力だ。

戦いの舞台は浅草寺,そしてペリーのこのセリフ!
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期待通り,火消しのまといを振るって戦う辰五郎
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 さらには,多くのRPGファンが期待していたであろうロマンス要素もしっかりある。主人公と登場人物のつながりの強さを示す「因縁レベル」とは別に「好感度」というパラメータが存在し,それが最大まで上がると特殊なイベントが発生する仕組みだ。

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 因縁レベルや好感度を上げるには,会話中のセリフで相手に理解を示したり,プレゼントを贈るなど,アプローチが必要となる。ただ,イベントの条件にはメインミッションの進行具合なども関わっているようで,とある主要人物は好感度が最大になってもイベントが発生しなかった。プレイ時間の都合もあり,筆者はこの要素についてはあまり試せなかったので,詳しくはプレイして確かめていただければと思う。

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 なお,メインミッションを進めていくと物語の舞台が変わり,以前いた場所には戻れなくなる(時間的にも数年が経過する)。ただ,ある人物が残す「留魂録」を使うことで,過去のマップの探索,サイドミッションやチャレンジ要素,ロマンスなどを楽しむことが可能だ。
 さらには特定のミッションをやり直すことで,「現在」の立場や所属を変えたりもできる。ゲームを最初からやり直さなくても,留魂録で大半のストーリー展開を楽しめるようだ。

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成長要素は一風変わった仕組み
「さすらう」ことでより強くなる


 続いては本作の成長要素について,プレイでわかったことをお伝えしよう。
 本作の成長システムは一風変わった仕組みで,体力上限,攻撃力,防御力といった基本的なパラメータはレベルアップによって上昇するが,その他のパラメータは「能力スキル」を習得,または能力スキルのレベルを上げることで成長させる。
 たとえば「技能」カテゴリの能力スキルを習得すると,副武器(銃や弓など)の攻撃力や,相手の気力に対する攻撃力が上がり,「魅力」カテゴリなら気力の防御力,気力の回復力が上がるという具合だ。

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 スキルを習得しない限り上がらないパラメータが多いので,あまり特化させず,まんべんなく習得していくことがセオリーとなる。アイテム「文房四宝」が必要になるが,長屋でスキルを習得し直す(研ぎ直し)こともできるので,先々のことはあまり気にせず習得していこう。むしろ各パラメータが低いままだと,バトルで必要以上に苦戦することになる。

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 スキルの習得に必要になるポイントは「能力ポイント」「希少能力ポイント」の2種類。「希少能力ポイント」でのみ習得可能なスキルも多数存在する。
 「能力ポイント」は通常の経験値によるレベルアップ,武器熟練度のレベルアップ,各地にある「社」の訪問などで獲得できる。一方,「希少能力ポイント」は「武勇」「技能」「魅力」「知略」の4つのカテゴリに分かれており,人物と因縁を深めたときの報酬,サイドミッションの報酬,各種チャレンジ要素の報酬,各地域の「収集要素達成報酬」などで獲得できる。要するに,通常の能力ポイントより入手しにくく,意識しないとなかなか得られないわけである。

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 また,本作では敵を倒すと,通常の経験値とは別に「業」というポイントを得られる。これをある程度貯めてから「隠し刀の旗印」(チェックポイント兼アイテム補充ポイント)に触れると,能力ポイントや希少能力ポイントを獲得できる。
 業は敵に倒されると失われてしまうが,自分を倒した敵にリベンジする,または「追い打ち」を成立させると大部分を取り戻すことが可能だ。
 稀少能力ポイントの多くは業を稼いで得ることになるので,なるべく業を失わないことがスキル習得だけなく,パラメータを伸ばす上でも重要になってくる。

業の数値は装備画面の右上で確認できる。メーターがいっぱいになったら旗印へ
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 成長要素についてあれこれ説明してきたが,要点は以下の2つだ。

  • 能力スキルの習得によって各パラメータを上昇させる
  • スキル習得に必要なポイントは2種類あり,希少能力ポイントは業を稼ぐことや,寄り道要素で獲得する

 このあたりは難度「薄明」「黄昏」ではあまり気にしなくてもゲームを進めていけるが,「宵闇」でプレイする場合は理解が不十分だと少し大変かもしれない。

 もちろん,能力スキルを習得をすることで,戦い方のバリエーションも多彩になっていく。「武勇」カテゴリのスキルは正面からの戦闘に強くなるものが多く,敵の攻撃を弾く「石火」の使い勝手が上がったり,近接武器のダメージ量がアップしたりする。

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 一方,「知略」カテゴリを伸ばすと,薬による回復量の強化,銃のダメージの強化,武器に毒を塗るなどの強化アイテムの効果アップなど,また違った方向性で強くなっていける。スキルを活かしたバトルを楽しみたい人は,成長の仕組みをしっかり理解しておこう。

毒を塗った武器で不意打ち。卑怯だがなかなか強力だ
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 なお,バトルについては過去記事でもお伝えした通り,気力ゲージの管理や,攻撃,石火(パリィと攻撃を兼ねた行動),回避のタイミングが重要となるもの。これについても簡単なコツをいくつか付け加えておきたい。

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 敵になかなか勝てないときは,素直にキャラクターのレベルを上げてしまうのが早道だ。たとえば敵の連続攻撃をガードしたとき,気力が完全になくなってしまうか,わずかにでも残るかで,その後の展開が大きく変わる。小幅な強化でも勝敗が変わることは十分にありえることだ。
 各ミッションは推奨レベルが示されているので,自分の腕とも相談しつつ,レベルアップやスキル習得に励もう。

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 また,相手との相性がよい流派で戦えば,石火で大きく仰けぞらせることができ,攻撃のチャンスを広げやすい。使える流派が少ないうちは仲間の流派を使って戦うのも手。
 ちなみに隼流など「忍」の流派は,あらゆる相手に対して石火のタイミングがシビアになるが,決められれば大きなスキを作ることができる。使いこなせば強力かつ楽しい流派なので,ぜひチャレンジしてみよう。

隼流の構えは,「NINJA GAIDEN」シリーズのリュウ・ハヤブサを思わせる
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 また石火に慣れてきたら,次は「閃刃」を戦闘に取り入れてみたい。これは武器についた血糊を払い,気力ゲージを回復するアクション。攻撃の合間に閃刃を使って気力を回復すると,より長く攻撃を続けたり,反撃をしのぐための気力を確保できたりと,行動の幅が広がり,自由かつ有利に戦いやすくなる。

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 さらに,連続攻撃の途中でタイミングよく武器を切り替える「紫電」や,流派を切り替える「烈風」といったアクションも便利だ。だが,この域までくると単に勝つためというより,より魅せるプレイやタイムアタックのための動きになってくる。必ずしも使いこなす必要はないので,取り入れたくなった人は試してみよう。

 それらに加えて,各地にいる「ならず者」を倒して鍵を手に入れ,「土蔵」から装備を獲得したり,「砲術訓練」「流鏑馬」の報酬で武器をもらったりと,寄り道要素を遊ぶことで装備を整えていくことも戦力アップには欠かせない。
 なかなかクリアできないミッションがあるときは,レベルアップを兼ねて各地を放浪してみるのも手だ。

ならず者を相手に,空からの強襲など,さまざまな戦い方を試してみよう
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多数の相手と戦う場合は,地形や階段を利用すれば囲まれずに済む
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砲術訓練はそれほど難しくないわりに,強力な武器を入手できる
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武器から武器に能力を継承させ,強化する要素もある
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 以上のように,各種システムや操作に慣れていくことで,プレイ感が「死にゲー」から「ボス戦だけは死にゲー」くらいに変わっていく本作。ゲーム内の「指南書」を読みこみ,さまざまな武器種やアクションを試すことで着実に勝利に近づいていく遊び応えは,本作が「NINJA GAIDEN」シリーズや「仁王」シリーズの系譜に連なることを感じさせる。

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 またサイドミッションやチャレンジ要素を楽しむことが,同時に戦力アップにもつながるなど,剣を頼りにオープンワールドを放浪する楽しさがうまく演出されてもいる。丁寧かつ手堅くまとめられた作品なので,アクションゲーム好きに限らず,幕末というテーマに興味を持った人はぜひ手にとってみてほしい。

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「Rise of the Ronin」公式サイト

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