プレイレポート
[プレイレポ]リズムゲームとRPGがうまく融合した「シアトリズム ファイナルバーライン」。リズムゲーム初心者にもお勧めできる作品だ
[プレイレポ]「シアトリズム ファイナルバーライン」体験版の先行インプレッションをお届け。FFの名曲をリズムゲームで堪能しよう
新作リズムゲーム「シアトリズム ファイナルバーライン」が2月16日に発売される。今回,2月1日に配信予定の体験版を遊べたので,先行プレイレポートをお届けしよう。本作は,歴代「ファイナルファンタジー」シリーズ作品の名曲と可愛らしくデフォルメされたキャラでリズムゲームが楽しめる,FF好きにはたまらない作品だ。
スクウェア・エニックスの名作RPG楽曲で楽しめるリズムゲーム
改めてゲームの特徴を紹介しよう。本作は,スクウェア・エニックスの名作RPGの楽曲を,趣向を凝らしたゲームシステムでリズムゲームが楽しめる「シアトリズム」シリーズの最新作だ。
今作ではFFシリーズを中心として,DLCによる追加で「サ・ガ」シリーズ,「聖剣伝説」シリーズ,「OCTOPATH TRAVELER」シリーズ,「NieR」シリーズ,「クロノ・トリガー」「クロノ・クロス」「Xenogears」など,さまざまなRPGの楽曲が楽しめる。
基本的な遊び方は,いわゆるリズムゲームのお作法に則しており,画面上にある「レーン」を「トリガー」(リズムゲームにおけるノーツ)が流れてくるので,○印「ジャストサークル」に合わせて方向キーやボタン,スティックを操作するというものだ。
レーンは4つあるが,ゲームパッドのボタンそれぞれに対応しているわけではなく,ボタンは[○][×][△][□][L1][R1][L2][R2],そしてデジタルパッドの方向キー,どれを押しても問題ない。例えば,連続するトリガーを[○]ボタンだけで片付けてもいいし,[L1][R1]ボタンを交互に押してもいい。変則的だが方向キーのどれかと[R2]ボタンといった組み合わせでも大丈夫だ。
なお,赤い「タッチトリガー」ならタイミング良くボタンを一押し。矢印の「スライドトリガー」なら指示された方向へスティックを倒す。緑の「ホールドトリガー」はボタンを押し続けて,終端でボタンを離す。緑色+矢印の「ホールドスライドトリガー」はボタンを押し続けたあとでスティックを矢印方向に倒す,といった操作を行う。
RPG要素の導入で,普段リズムゲームをプレイしない人も親しみやすい
本作のポイントは,原作再現やRPG要素により,普段リズムゲームを遊ばない人もモチベーションを維持しやすいことにあるだろう。
プレイの基本となる「シリーズクエスト」は,最大4人のキャラクターでパーティを組み,FFシリーズの作品世界を冒険していくという内容だ。作品世界は当初ロックされているが,ゲーム開始時や特定ステージをクリアすると手に入る「シリーズキー」を使い,各作品の世界をアンロックしていくと,その世界のキャラクターが手に入る。
作品の世界は10〜15前後のステージで構成されており,楽曲の順番も原作をイメージしたものになっている。例えば「FFVII」の世界は1ステージ目が「オープニング〜爆破ミッション」で,その後に「闘う者達」「クレイジーモーターサイクル」のステージが配されており,原作の流れがうまく表現されている。こうして中盤ステージを終えれば,前述のシリーズキーが手に入るので,ほかの作品世界を遊ぶこともできる。
そして最終ステージをクリアすると,「FFIII」なら暗闇の雲,「FFVII」だとセフィロスといった隠しキャラクターが仲間になる。本作ではシリーズの枠を越えてパーティを組めるため,ゴルベーザ,ギルガメッシュ,エクスデス,セフィロスといった大物パーティで冒険できるのも面白い。
本作にはリズムゲームとRPGという2つの側面が存在する。そして,両者の距離感がちょうど良いものになっているのが特徴だ。例えばリズムゲームがうまければ譜面(ステージ)はクリアできるが,そうでないならRPG的なレベル上げやパーティ編成でフォローできる。
ステージにはモンスターが登場するので,プレイヤーは最大4人のパーティを編成し,リズムゲームでこれに対抗していく。パーティメンバーは単なるアバターではなく,「HP」や「ちから」「まりょく」「せいしん」といった能力値と,「ケアル」「みだれうち」「ものまね」といった「アビリティ」を持っており,その個性がモンスターとのバトルに影響するのだ。トリガーの入力に成功すると,タイミングが良いほど,キャラクターの能力値が高いほど,大きなダメージを与えられる仕組みで,逆にミスをするとモンスターからダメージを受け,HPがゼロになるとゲームオーバーだ。
先にレーンは4つ存在すると書いたが,実は各レーンはパーティのキャラクターに対応している。それぞれのレーンにキャラクターが並んでいるイメージだ。そしてダメージは,ミスしたトリガーが存在するレーンに対応したキャラクターの能力値から計算されるのである。
そして,「タッチトリガーの入力を×回成功させる」「コンボを維持する」といった特定条件を満たせばアビリティが発動。属性ダメージを与えたり,HPが回復したり,トリガー入力のミスによるダメージを回避したりなど,バトルが有利になる効果を得られるのだが,これもキャラクターの能力値から算出される。
そして,トリガー入力に成功することで「召喚ゲージ」が溜まり,MAXに達すると,あらかじめ装備した「召喚石」から召喚獣が出現し,モンスターに大ダメージを与えられるのだ。
モンスターの中には属性に対して弱点や耐性を持つ者もいるし,ステージによっては召喚獣のダメージを下げられたり,モンスターから受けるダメージがアップしたりといった特殊な条件が設定されている場合もある。
そんなときは,敵の組み合わせを見て,パーティ編成やアビリティのカスタマイズをするといった,FF的な考え方の出番だ。譜面に慣れていなくてダメージを受けることが多いなら,ミンウやエアリス,ヴァニラといった回復系アビリティを得意とするキャラクターを編成すればいい。
さらに今作では各種の状態異常が導入されており,RPG的な側面が強化されている。例えば「ミニマム」を受けると攻撃力や防御力が低下し,「暗闇」だと物理タイプのアビリティが発動しなくなる。「石化」すると攻撃不可能になって,「毒」状態になると時間経過でダメージを受け続けていく……というように,うまく敵にかけられればバトルが有利になるが,相手から使われた際は対策しないとピンチになってしまうのだ。
アビリティをセットできる枠はキャラクターごとに3つしかないが,レベルを上げていくと多くのアビリティを覚えるので,何をセットすべきか悩ましいところだ。
例えば,暗闇の雲は「ファイラ」「ファイガ」「ブリザラ」「サンダラ」といった魔法に加え,魔法のダメージがアップする「つよがる」を覚える。敵の弱点が炎なら「つよがる」「ファイラ」「ファイガ」で炎特化,魔法全般に弱いなら「ファイガ」「ブリザラ」「サンダラ」で魔法の発動機会を増やすなど,敵に合わせたセッティングを考えるのが楽しい。
実のところ,リズムゲームのみを楽しみたいのであれば,こうしたRPG的側面を気にする必要はそれほどない。譜面さえしっかり処理できれば,理論上は低レベルでも,1人旅でも,クリアはできるからだ。
しかし,ただ譜面をクリアできたからといって,そのステージをクリアした……と言って良いものか。実は,キャラクターのレベルが低かったり,アビリティが揃っていないと「譜面はクリアできたが,ボスに逃げられた」という,何か煮え切らない状況も起こりえるのだ。
どうせなら,RPGらしくキャラクターを育て,ボスを討伐してスッキリしたいではないか。キャラクターが強くなれば,多くのモンスターが倒せるようになり,「宝箱」を手に入れやすくなる。宝箱からは,先ほど紹介した召喚石やキャラクターの能力,モンスターから得られる経験値を底上げしてくれる「コレカ」,回復アイテムの「ポーション」など,さまざまなアイテムが手に入るので,よりプレイが楽しくなり,それがモチベーションにもなるはずだ。
そして,これはリズムゲームに馴染みが薄い人にこそ恩恵のあるシステムで,普通のリズムゲームであれば練習するしかないところを,キャラクターの育成やアイテムといった方向から攻略にアプローチできるのである。
ちなみに,個人的に刺さったRPG要素は召喚石だ。召喚獣で敵に大ダメージを与えるのだが,「経験値アップ」「トリガーのダメージアップ」「コレカのドロップ率アップ」といった特殊効果がランダムで付与されるため,できるだけ集めたくて何度もプレイしてしまうのだ。
こうして作品世界をクリアすると,「EMS」という特殊なステージが解放される。このステージは,バックに名シーンが流れる中でリズムゲームがプレイできるというもので,例えば「FFIII」では「全員を竜騎士にしてガルーダに挑む」場面があったりと,当時の思い出が蘇ってくる。
本作は,ファミコンやスーパーファミコンの音源でリズムゲームが遊べるのも特徴で,それぞれの音源が持つ個性を,2023年のいま楽しめるというのはゲームミュージックファンにはたまらないだろう。クリアした曲は「ミュージックセレクト」モードで自由に遊べるが,プレイし終えると同系統の曲をオススメしてくれる「レコメンド」機能も面白い。ここではアンロックしていないシリーズの曲も楽しめるため,「この曲のためにシリーズをアンロックしてみよう」となったりもする。このあたりの導線は,しっかりと気配りされているという印象だ。個人的には,状態異常に関する説明や,アビリティの発動条件,あと何回トリガー入力に成功すればどのアビリティが発動するかをプレイ中に出してほしいとも感じられた。
ともあれ,リズムゲームが得意な人はもちろん,「FFは好きだけどリズムゲームはあまり遊ばない」という人にもオススメできる作品と言えるだろう。
「シアトリズム ファイナルバーライン」公式サイト
- 関連タイトル:
シアトリズム ファイナルバーライン
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シアトリズム ファイナルバーライン
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