インタビュー
[インタビュー]眼帯ピンク髪の美少女オーディンが現実にやってくる「Demis Re:Born」。神話などの人物の解釈で気を付けることは?
[G-STAR 2023]アニメーションに本気な「Demis Re:Born」をプレイ。かわいいオーディンをはじめ,神話や歴史の英雄を独自解釈
G-STAR 2023に,Netmarbleが新作ゲーム「Demis Re:Born(デミス・リボーン)」のプレイアブルを出展した。本作は,同社の大型IP「グランドクロス」シリーズの新作で,“異世界の人物たちが現実にやってきた物語”を描く。
本作は,韓国や日本のクリエイターたちが集まって作られた,同社の大型IP「グランドクロス」シリーズの新作で,神話や歴史の登場人物などを扱った“異世界転移ものの収集型RPG”となる。
今夏にはIP初のモバイルゲームで,ウェブトゥーン推しのMMOストラテジー「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」も配信されていた。
今回は,開発のNetmarble F&C プロデューサーのパク・ホンジュン氏と,Netmarble 事業部長のパク・ジョンヒョク氏に,本作ならびにシリーズIPについての話をうかがってきた。
キャラを愛してもらうために
4Gamer:
まずはゲームの簡単な説明からお願いします。
パク・ホンジュン氏(以下,パク氏):
「Demis Re:Born」は,弊社のIP「グランドクロス」の世界観を用いた収集型RPGです。作中では神話や歴史,小説やオペラの登場人物たちが登場し,異世界転移にまつわる物語を描いていきます。
ゲーム内容としては,プレイヤーは仲間たちと一緒にワールドマップを探索して,さまざまなシナリオを通じて事件を解決していきます。
4Gamer:
前提として,グランドクロスとはなんなのでしょう。
パク氏:
IP名でもあるグランドクロスですが,これは「次元と次元がつながり,異なる次元の人物が,現実世界や異世界にやってくること」。この現象や状態を指して,我々はグランドクロスと呼んでいます。
そしてグランドクロスはゲームのみならず,ウェブトゥーンやウェブノベルなどでも展開しているマルチメディア作品となります。
4Gamer:
発表時のプロジェクト名は「GRAND CROSS S」でしたが,正式名称の「Demis Re:Born」にはどのような意味があるのでしょう。
パク氏:
まずは発音。語呂のいい,親しみのある呼び方から考えました。
意味としては,強大な力を持つ半神半人の存在「超越者」がメインキャラクターになるため,半神(デミゴッド)が現世に蘇る(リボーン)という状況を,タイトル名で示唆しています。
4Gamer:
前作「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」とはどう違いますか。
[インタビュー]新規IPはアニメ風のMMO RTS「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」。巨大兵器を使った大規模バトルの醍醐味を開発に聞く
Netmarble F&Cが開発を担当する「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」は,巨大兵器を駆使して,地上・海上・空中で大規模バトルを展開するMMOリアルタイムストラテジーゲームだ。そんな本作の開発陣に,開発経緯や作品の特徴を聞いた,メールインタビューをお届けしよう。
パク氏:
まず同じIPとして,世界観や設定などは共通させています。実際,一部キャラクターは両作品に登場しますので。
違いに関しては,まずゲームジャンルです。AGE OF TITANSは戦略ストラテジーで,プレイヤー間の競争が主題でしたが,今回は1人用RPGです。そのため,皆さんには好きなキャラを集めて育ててもらい,物語をとおしてもっと好きになってもらう,というのが目標です。
また,作品ごとに独自のストーリーを採用しているため,どの作品単体でも十分に楽しんでいただけるはずです。
4Gamer:
前作はウェブトゥーン表現を押し出していましたよね。
パク氏:
はい。AGE OF TITANSはウェブトゥーン形式で物語を見せることにしています。対して本作ではアニメーション形式に注力しました。
4Gamer:
本作はキャラクターを大事に設計する必要があるゲームのようですが,キャラクター作りで注意していることはなんでしょう。
パク氏:
デザインに関しては「武器を含む全身のシルエット」を気にかけています。色を入れる前のシルエットだけで,そのキャラクターの個性が表現できているかどうか。そこを最初に判断しています。
続く設定に関しては「みんなが知る存在を,我々なりに再解釈できているか」です。皆さんに遊んでもらったとき,キャラクターたちの魅力がちゃんと刺さるよう,設定面も工夫を凝らしています。
4Gamer:
再解釈するうえで,例えば日本なら「Fate」シリーズが挙げられるとして。現代は地域を問わず“ありとあらゆる人物がキャラクター化されている時代”とあり,ラフを起こすだけでもいろんな点で類似,重複,他作品の影響が避けられないかと思いますが。そうした環境で再解釈するにあたり,ポリシーとしていることはありますか。
パク氏:
前提として,再解釈するための具体化の手段をお伝えするのは難しいのと,私もこうしたゲームやキャラクターが昔から大好きで,なにから影響を受けたかを一口で表せない身ではありますが。
もちろん「実際に存在していた(とされる)姿」と「過去に存在したキャラクター例」の事例や対比という点では,1人ひとり,制作中にいろいろと悩まされています。そのうえで厳守しているのは,「原典のアイデンティティを毀損してはならない」という考え方です。
4Gamer:
なるほど。いろいろな面でいい考え方だと思えます。
登場する神話や歴史は,どれくらい手広くやるのでしょう。
パク氏:
世界全体を対象としています。まだまだピックアップしきれていませんが,これからどんどんと増やしていくつもりです。
4Gamer:
となると,1000体以上のキャラクターも容易に出てきそうな?
パク氏:
いえ,その点については「魅力的なキャラクターに仕上げられたか」が重要ですので,数よりも質を重視して検討していきます。
それに,全キャラをプレイアブルにする必要はありませんので,場合によってはストーリーの重要NPCなどで登場させます。
4Gamer:
そうして目指しているゲーム体験は,どんなものでしょう。
パク氏:
目指したいのは,多種多様なキャラクターたちを愛してもらえることです。開発陣はみな,1人ひとりのキャラに愛情や情熱を注いでいます。そうして作られたキャラの魅力をぜひ感じとってほしい。
それとゲームとしては,ワールドマップを冒険して物語を進める体験を楽しんでほしいです。ワールドは単に探索を楽しむためのガジェットではなく,埋め込まれたシナリオが連動するコアコンテンツです。
世界を進むことで,物語も進む。そうしたRPG体験を受け取ってもらえたらなによりです。もちろん,このほかアーケード要素を取り入れたサブコンテンツなども準備していきます。
4Gamer:
ゲームの配信時期や,サービス対象地域は。
パク氏:
目標は2024年下半期の公開で,アニメ好きの国や地域で先に展開し,その後はグローバル配信も目指していきたいです。
4Gamer:
最後に,完成に向けての意気込みをお願いします。
パク・ジョンヒョク氏:
現在は日本や韓国,アメリカのみならず,世界中から魅力的なゲームがたくさん送り出されています。今の状況下では,普通にがんばるだけでは成功するのが難しいので,我々は普通じゃないほどの情熱を注ぎ,必死にがんばっています。リリースを迎えられたときは皆さんぜひ,このゲームを遊んでいただければ幸いです。
パク氏:
我々はおもしろいゲームを作ろうと思っているだけではなく,作品を通じてIPを作り上げていこうともしています。
先ほどお伝えしましたが,我々は単にキャラクター数を増やすのではなく,関係者らが1人ひとり,ものすごく愛情を込めてデザインしています。そのため皆さんにはぜひ,いろいろなキャラクターに触れていただき,その魅力を受け取ってもらえればと思っています。
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