プレイレポート
[CJ2023]中国で17年続く,2D MMORPGシリーズの新作「原始征途」をプレイ。その国その国で愛される古なじみの顔って,ある
※3月時点では,パブリックなオープンベータでローンチ
本作は「征途」シリーズと呼ばれる,中国でこれまで17年続いてきた,同社の代表的なIPである。本シリーズに関する情報は,14年前の「ChinaJoy 2009」で4Gamerスタッフが見つけた当時の新作「征途II」を最後に,アンテナが途絶えていた。
なお,シリーズの原点「征途 - 風雨同舟」は,最大2万人の大規模PvPをサポートする仕組みや,ゲームを続けると“有料アイテムの購入に使える通貨が給料としてもらえる”というシステムがウリだった。
[CJ 09]「征途II」は短時間プレイがウリ。前作との並行運営でヘビー/カジュアルプレイヤーの住み分けを狙う?
征途客服網站のMMORPG「征途 − 風雨同舟」は,最大2万人という大規模PvPのサポートと,ゲームを続けることで有料アイテムの購入に使える給料がもらえるというシステムがウリのタイトル。ChinaJoy 2009では,その続編と思われる「征途II」のノボリが立っていたので,さっそくGIANT Networkのブース内を探索してみたのだが……。
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そして肝心の最新作の見た目は,このような感じだ。
先んじてゲーム内容についてだが,バーチャルパッド,もしくはクリック(orタップ)ポイント形式でキャラクターを動かし,戦闘や育成,生産活動や他者とのコミュニケーション,さらにPvPを楽しんでいく。
役職は刀・弓・杖・扇・棍の5種類が存在するとのこと。
本作はPC版も存在しており,クロスプラットフォームにも対応しているという。アプリ版の配信直後は,中国のApp Storeで無料ランキングのトップに上り詰め,今はプレイヤー数も50万人を超えている。
こうしたヒットの理由として,同社はCJ2023公式サイトに「本作のヒットの理由は,現代向けに最適化したメカニズムなどの高品質さに加えて,近年のMMO戦記カテゴリーに優れた作品が少ないことにある」とコメントを寄せていた。運営目標も“目指せ10年”であるらしい。
ゲームデザイン自体にも「おっ」と思わせてくれるコンテンツが盛り込まれている。本作はゲーム開始時に“10か国のなかから,どの国に所属するかを選ぶ”。そしてゲーム内では毎日,国同士による「国戦」が行われ,それぞれの国家のポジションをかけて競い合うという。
その際,国同士での同盟関係や利害関係は,所属プレイヤーたちの意思により決定される。必ず助力してくれる同盟国があったり,それを頼りにしていたら翌日あっさり裏切られたりするらしい。
個々人でも楽しめるMMORPGの作りを保ちつつ,大局的なシミュレーションゲーム的な構造によって,人それぞれの激動がありそうだ。
類似システムの前例はいくつも思い浮かぶが,個人的な経験だと,在りし日の「ファンタジーアース ゼロ」をふと思い出す。
4Gamerに(大変ありがたいことに)なじみ深い読者の方々なら,ゲーム内容を詳しく説明せずとも,ここまでのゲーム画面を見ただけで,どのようなオンラインゲームであるのかがたやすく想像できただろう。
言ってしまえば,オールドな時代のスタンダードの装いゆえに。
しかし,こういった類いのゲームはその国その国によくある。日本でしか知られていなくても,中国でしか知られていなくても,長く続いている作品やシリーズというものはある。スマホゲームのランキングトップも,定番タイトルは国ごとに異なるが,見た目からして最新世代ではないのにだいたいサービス10年を超えて,上位の定位置にいたりする。
それは愛されているゲームとしか形容できないもので,そうした国ごとに独自に支持されるゲームというのは親しみを越え,子供時代から長く付き合っている友人や恋人のような存在にすらなりうる。
本シリーズに関しても,例えるならば“(日本産ではないが)ウルティマ オンラインなどが,あのまんま現代まで続いてきたら”。
きっと「しょうがねえなあ」と今も付き合っていたはずだろう。
Giant Networkと中国の2D MMORPGファンにとってもまた,「原始征途」はそういう存在なのかもしれない。
そんなことを,CJ2023の開幕にフフッと思わせてくれた。