プレイレポート
[G-STAR 2023]「Crystal of Atlan」をプレイしてきた。魔法と機械の“マジックパンク”を舞台に,ダメージ&コンボが画面を覆い尽くす
今夏,中国で配信が始まった本作は,魔法と機械の世界“マジックパンク”と,アクション重視の操作性がウリとなる。なお,中国では「晶核」,韓国では「アトランのクリスタル」と呼ばれていた。
ゲームの要素としては,オープンワールドに空中コンボに転職システムにPvPにPvEに,さらに有料要素はアバター衣装系が中心で,キャラクターなどのアンロックはすべて無料だという(中国サービスの場合)。
いわゆるPay to Winな構造でなく,開発のコンセプトも「晶核は二次元ゲームではない。我々が作るのはアクションゲームだ」とのこと(下記の記事参照)。プロダクトとしての志の高さがうかがえる。
なお,中国では7月14日のリリース当日,配信プラットフォームのダウンロードランキングで1位を獲得するなど,磨いてきたアピールポイントはプレイヤーたちにもしっかりと届いたようである。
ちなみに,本作は「日本サービスも前提で開発」されたものだ。詳しくは後日,言質となる記事をお届けできるかもしれない。
ひと目で分かるのは,アニメ調のビジュアルが現代水準の最先端風にまとめられていることだ。現金な話,モニター上で目にした瞬間,「これはちゃんとお金かけてじっくり作ったやつだ」と思った。
プレイヤーは,マジックパンクを標榜する世界で冒険者となり,魔法と機械が共存する浮遊大陸を駆けめぐる。そこで魔法や兵器を操り,古代遺跡を探索し,古代文明の謎に迫っていくという。
本作はMMOのため,フィールド内ではほかの人もせっせと走っている。(細かな仕様を確認できていないが)冒険地ではみんなと一緒にマルチプレイを楽しめるようだった。
キャラクターに関しては,4クラスの8キャラクターのなかから選べた。彼らはそれぞれ“独自のクラスへの転職”も可能で,持ち味がさらに派生していく。このあたり,拡張されればバリエーションも増えるのだろう。
デザインは大まかに,(いかにも)魔法や武器を扱いそうな人物から,言ってしまえばペルソナ的な存在を従える者まで多種多様。登場人物たちのテキストは短時間では読み解けなかったものの,その風貌や武具からして,マジックパンクな世界観はワードのみならず,具体化されてグラフィックスに落とし込まれていると思っていい。
なお,ストーリーならびにゲーム体験に関しては,関係者いわく「マジックパンクのパンクの語には,プレイヤー自らが“この世界をぶっ壊す”という物語体験の意味も含んでいます」とのこと。
試遊時は牧歌的なファンタジーの村々に癒されていたが,その実,パンキッシュな主張が込められているのかもしれない。
今回はキーボード+マウスで操作したが,アクションに関しては通常攻撃やホールド攻撃,回避アクションに二段ジャンプなど,無意識に求められる基本装備はそろっている印象だった。
スキルはクールタイム制で,強力な必殺技相当のスキルもある。
端的に,本作のプレイフィールは“気持ちのいい打撃感”が先立つ。バトルモーションが派手で,攻撃範囲も広く,ものによっては連続ヒットが快感。ワンスキルで画面全体をなぎ払うなど序の口で,次々とスキルを入力しているだけで,画面中にダメージ値が飛び交った。
なかでも空中コンボがさえわたっていて,オリジナルの連係を探すのが実に楽しかった。敵の動きも緩急があり,MMORPGの類いによくある“ポチポチと芝刈り”な感じもしない。スタイリッシュアクションを高速で味わえる。それだけに,未体験のマルチプレイでは「これ8人(までパーティ参加可能)でやったら,画面がすごいことになるのでは?」と思わされた。まあ,昨今の狩りゲーに慣れている人なら問題ないか。
ChinaJoy 2023でのインタビューによると,本作のコアコンテンツは「最大8人で挑む箱庭風ダンジョン」になるらしい。
そこでは全員バラバラのスタート地点から始まり,敵を倒しながら集合して,全員が合流できたらボスに挑むのだとか。
大手MMORPGにおける,こうしたギミックに凝ったレイドボスコンテンツなどを体験したことがある人なら想像もしやすいだろう。
またPvPでは,1vs.1のタイマンが可能なようだ。本作はRPGらしく,装備アイテムやスキルアップグレードなども存在しているが,有料要素は前述したようにキャラクタースキン関連が中心だとされる。
パラメータ類が平均化されるなどの是正があるかないかは不明だが,有料と無料での不公平はあまりない作り,なのかもしれない。
ビジュアルはバッチリ日本向けで,雰囲気相応に中身が詰まった感のある本作。現状,サービスは中国のみで,G-STARに出展されたとおり韓国でも展開されるが,関係者筋によると来日もそう遠くなさそうである。