インタビュー
[インタビュー]「モンスターハンターワイルズ」は新世代機の最高峰を目指す。さまざまな疑問に開発スタッフが答えた
そうしたなか,実際のプレイ映像がプレス向けにクローズドで公開され,さまざまな新要素について解説が行われた。そのプレゼンの模様は別記事でまとめているので,ぜひ合わせて参照されたい。
「モンスターハンターワイルズ」での狩りは新たな領域へ。シームレスに続く狩猟,変化する環境,武器交換など,新情報満載のプレゼンを紹介
2025年の発売に向けて少しずつ情報が表に出てきた「モンスターハンターワイルズ」だが,いまだその謎は多い。今回,メディア向けに開発ビルドでのプレイ映像のプレゼンテーションが行われた。シームレスな狩猟やリアルタイムで変化する環境など,本作の新要素が満載だったプレゼンの内容を紹介したい。
今回,プレゼン後のタイミングで「モンスターハンターワイルズ」の開発を手掛ける辻本良三氏,徳田優也氏,藤岡 要氏への合同インタビューが行われたので,その内容をお伝えしていく。
――「モンスターハンターワイルズ」の開発がスタートした時期と,方向性が決まった経緯について教えてください。
辻本良三氏(以下,辻本氏):
2018年に「モンスターハンター:ワールド」(以下,ワールド),2019年に「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(以下,アイスボーン)を発売していますが,「モンスターハンターワイルズ」(以下,ワイルズ)の開発は,アイスボーンが発売される前の時点からスタートしています。
構想を練ったり,実現できるかを検証したりといった部分を含めての話ですね。ワールドの開発中,ワイルズは次のスペックの機種でやろうと決めていて,これを基準に「できることの最高峰」を目指していくことになりました。
藤岡 要氏(以下,藤岡氏):
シームレス化については,構想の初期から進めていこうと考えていました。拠点とフィールドの行き来やストーリーとのシームレス化,群れの表現といったものも最初からの構想でした。実現できるのであれば,これをゲームデザインとして打ち出していこうとなり,大型モンスターは何体出せるのか,どうやれば制御できるかといった検証を進めていきました。
――本作からクロスプラットフォームでのゲームプレイが実現します。初の実装となりますが,やはりプレイヤーから要望が多かったのでしょうか。
辻本氏:
異なるプラットフォーム間のクロスプレイについては,要望が多くありました。開発初期から設計しておかないと実現が難しい機能ですので,ワイルズの開発が始まった時から進めていたものです。クロスセーブやクロスコマースには対応していません。
「ストリートファイター6」や「エグゾプライマル」でもクロスプレイを導入しており,ノウハウや技術を蓄積したうえでワイルズにも実装しています。そのほかのオンライン機能については,今後ある程度まとめた形で情報を出させていただこうと思っています。
――今回は武器を2つ持てるということですが,現状の防具システムでは2つの武器に対応したスキルを揃えるのは難しいのではないでしょうか。
徳田優也氏(以下,徳田氏):
ハンターが装備できる防具は1種という形式は今回も変わりません。装備できる武器2種に対してどうなるのかは,皆さんが疑問に思われるところだと思います。ゲームを進めていく過程で,このあたりの機能が拡張していくような調整をしようと思っています。
詳細はまだお伝えできませんが,スキルシステム自体も見直していき,最終的には2つの武器でしっかり遊べるような状態を目指しています。
――フィールドの作りはどのようになっていますか。フィールドがだんだんと広がっていくものなのか。あるいは森林や砂漠といったロケーションごとにマップがあるのでしょうか。
藤岡氏:
シームレスにつながったマップで,エリアが増えていくようなイメージで考えていただければと思います。今回紹介させていただいた映像では「隔ての砂原」の生態系を描き,そこでの狩猟,遊びをプレゼンさせていただきました。ストーリーが進行するごとに,こうした規模のエリアがどんどん増えていきます。
――今回は14武器種が登場し,追加アクションも用意されているとのことですが,どのような方向性で調整をしていますか。また,「集中モード」という新システムが追加されましたが,どういったシステムになるのでしょうか。
徳田氏:
「モンスターハンター」シリーズの14武器種それぞれの個性やコンセプトを生かし,個性を伸ばす形で新規アクションを実装しています。
集中モードはすべての武器種に使えるもので,「トリガーを押すと照準カーソルが出現し,この照準に対して攻撃やガードを瞬時に繰り出せる」という機能です。距離だけでなく角度も合わせなければならないのでちょっと難しいのですが,集中モードを駆使することで非常に攻撃を当てやすくなるという大きなメリットがあります。
モンスターを攻撃していくと,いくつかの部位に「傷」が付くのですが,傷を攻撃するとダメージを多く与えられたり,転ぶようなリアクションを取らせたりできます。傷がある時に集中モードを使うと,赤い「導蟲」でハイライトされて分かりやすくなるのですが,そこで「集中弱点攻撃」という各武器に実装されている攻撃を繰り出すと,傷を破壊する行動に派生します。
――特定部位を狙うとなると,ハンターの位置取りも大切になってきます。集中モードでは移動もアシストしてくれるのでしょうか。
徳田氏:
集中モードは角度のアシストで,移動は基本的にアシストしません。移動については,各武器種に“行動をしながら少しずつ動けるようなアクション”を追加していますので,完全に足を止めるということは少なくなるようにしています。
アクションしつつ位置や距離の調整をできるようにし,集中モードで角度をフォローすることにより,円滑なアクションを繰り出せる設計を考えています。
――主人公のセリフも多いようですが,キャラクタークリエイションにおけるボイスの種類は従来作ほどのバリエーションはあるのでしょうか。また,オトモアイルーが日本語ボイスで話すようになった経緯について教えてください。
藤岡氏:
ワールド以降,しっかり遊んでいただきながらストーリーや世界観を感じてもらい,没入感を出していこうという取り組みを進めています。ワイルズでもこの路線を推し進めようと考えていて,ストーリーにはこだわっています。
そうしたなかで主人公である自分だけが話さないのは,描き方として不自然になります。ただ,主人公のキャラクター性を押し出す方向性ではありません。とはいえ,当たり前に話すシーンで話さないのは,ハンター像が描きにくいですし,自分自身が物語に関与している感覚が薄くなります。主人公も最低限のことをちゃんと話すということですね。
キャラクタークリエイションの際のボイス選択は可能で,そこからアレンジして自分好みの声に調整できるよう制作を進めています。ボイスの数も含め,詳細をお伝えするときを楽しみにしていてください。
オトモアイルーが日本語ボイスを話すのも同じ理由です。また,フィールドの状況が変化していくなかでサポートしてくれるわけですが,ボイスを使わないとアクション中のプレイヤーに届かないという事情もあります。
物語のパートナーとして愛着が出るようにしたいというのも理由ですね。オトモアイルーの声については,オプションで過去作と同様の鳴き声に切り替えることもできます。
徳田氏:
オプションから簡単に切り替えられますので,ぜひボイスと鳴き声,どちらも試してみてください。
――武器を切り替えた際,太刀やスラッシュアックスなどの特殊ゲージは維持されるのでしょうか。
徳田氏:
維持されます。ただ,時間経過による減衰はあります。簡易キャンプなどで持っていく武器を変えた場合は一切維持されません。
――標準的なプレイヤーがシングルで1回のクエストにかかる時間は,どれくらいの想定なのでしょうか。
徳田氏:
おおよそワールドと同じくらいの難度や時間設定を考えています。
――ストーリーのなかに「モンスターハンター4」を思わせる要素がありますが,過去作とのつながりはどれくらいあるのでしょうか。
藤岡氏:
ワイルズのシナリオ自体は新作のもので,何らかのシリーズの続編やその後の話という描き方はしていません。ワイルズの舞台は「禁足地」です。4にも禁足地というフィールドが登場していますが,これはあくまでも“人の出入りが禁止されている場所”という意味から命名しています。
――セクレトに乗っている際,「狩猟笛」の演奏や「操虫棍」のエキス回収などはできますか。
徳田氏:
基本的に「ダメージは地上で取ってもらいたい」「モンスターをおびき寄せるなど,特殊なシチュエーションでアクセント的にセクレトの騎乗を使っていただく」という方針で設計をしています。すべての武器種において,セクレトの騎乗だけで狩猟が成り立つようにはしていません。
――例えばボウガン系は騎乗中,基本的な射撃しかできないというイメージでしょうか。
徳田氏:
弾種を切り替えることはできますが撃てない弾もあります。
――セクレトに能力的な個体差や育成要素は用意していますか。
徳田氏:
ゲーム進行に応じて開放される部分ではありますが,カスタマイズ要素自体はご用意しています。マルチプレイをした際に,誰のセクレトか分からない……といったことがないように設計と検討を進めています。
――本日はありがとうございました。
「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
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