お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2014/06/05 17:32

ニュース

[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

画像集#020のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
 最近はPCユーザーの間でも,にわかに関心が高まってきた「4K液晶ディスプレイ」。3840×2160ドット(以下,4K解像度)という高解像度なこともあって,まだ「安い」とまではいえないものの,2013年と比べれば平均価格はずいぶんと下がり,ちょっと背伸びすれば買えそうな製品もいくつか出始めている。
 そんなトレンドの中で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2014では,どんな4K液晶ディスプレイが展示されていたのだろうか。メイン会場であるTWTC Nangangで見つけたものを紹介してみたいと思う。


32インチ4K液晶ディスプレイはプロユース狙いが中心


 PC向けの4K液晶ディスプレイでは,IGZO液晶パネルを採用したシャープの32インチディスプレイ「PN-K321」が元祖的存在になったためか,30インチや34インチではなく,32インチの製品をしばしば目にする。

 Acerの「B326HK」とASUSTeK Computer(以下,ASUS)の「PA328Q」は,まさにそんな32インチモデルの代表例だ。両製品はいずれも,ドットピッチが138ppiで32インチサイズの台湾AU Optronics(友達光電,以下 AUO)製IPS液晶パネルを採用している。

 まずはAcerのB326HKを見てみよう。本製品は,sRGBカバー率100%を誇る製品だ。

B326HKは32インチIPS液晶を採用する4K液晶ディスプレイ。縦画面表示にも対応する
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

I/Oインタフェース部。USB 3.0ハブ機能を備えるのはディスプレイのトレンドとなりつつある
画像集#003のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
 入力インタフェースには,DisplayPortとDual-Link DVI-D,HDMI(MHL対応,Type A)を備えている。なお,HDMI入力がHDMI 2.0仕様に対応しているかどうかを確認したかったのだが,ブース担当者では「分からない」とのことだった。世界市場では8月発売の予定ながら,価格は未定だそうだ。

 一方,ASUSのPA328Qは,デザイン用途などプロユースのディスプレイを狙ったものだ。sRGBカバー率100%という色再現性能はB326HKと同じだが,本製品は世界最大の印刷機器メーカーとして知られる独Heidelberger Druckmaschinen(ハイデルベルグ)の品質管理装置「ΔE管理」(色補正の誤差)において,「ΔE2.0未満」であることを保証しているとのこと。それがどれだけすごいことなのか,門外漢には今ひとつピンとこないのだが,要は,プロ業務に耐えうる色再現性がウリというわけだ。
 PCディスプレイとしては輝度が350cd/m2と高めな点も特徴とされている。

PA328Qは,コントラスト比1億:1を謳うプロユース向けの製品だ
画像集#004のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

 入力インタフェースはDisplayPort×1,mini DisplayPort×1,HDMI(HDMI 2.0およびMHL 3.0対応,Type A)×1,HDMI(HDMI 1.4対応)×2と,プロユース向けだけあって充実している。HDMI 2.0対応のHDMI入力端子を使えば,HDMIケーブル 1本での4K解像度・60Hz表示が可能だ。
 発売は2014年第4四半期の予定で,こちらも価格は未定。用途が用途だけに,それなりに高い値段となるのではないだろうか。

画像集#005のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
I/Oインタフェース部。サウンド出力用にヘッドフォン端子もあるが,スピーカーは内蔵しない
画像集#006のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
ディスプレイの縦回転にも対応。プロユース向け製品なら,今やあって当然の機能といえよう


価格競争が激しい28インチ4K液晶ディスプレイ


 28インチクラスは,最近の4K液晶ディスプレイ市場では最もホットなクラスだ。このクラスにおける価格競争が,4K液晶ディスプレイをいっそう身近なものにしてくれるだろう。
 28インチクラスで価格競争が始まった理由は,28インチサイズで4K解像度のTN型液晶パネルが登場したからだ。Acerの「B280HK」は,まさに,そんなTN型パネルを採用する製品の1つである。

28インチサイズでTN液晶パネル採用のB280HK
画像集#007のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

I/Oインタフェース部。見づらくて恐縮だが,Dual-Link DVIやHDMI,DisplayPortが見える。USB 3.0ハブ機能も搭載
画像集#008のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
 B280HKが採用しているパネルは,台湾Innolux(群創光電)製のものだ。世界市場における発売は6月中の予定だが,「価格は他社の動向を見て決定する」(Acer)とのことで,現時点では未定ということだった。
 入力インタフェースはDisplayPort,HDMI(MHL対応),Dual-Link DVIを各1つずつ装備。HDMIがHDMI 2.0対応かどうかは明らかになっていない。

 32インチのPA328Qと合わせて,ASUSは28インチクラスの4K液晶ディスプレイ「PB279Q」も披露していた。AUO製でドットピッチ163ppiのIPS液晶パネルを採用。中間調(Grey-to-Grey)の応答速度は5msを謳っているほか,sRGBカバー率100%,輝度性能は300cd/m2といったスペックを備えた製品だ。

ASUS PB279QはTN液晶パネルではなく,IPS液晶パネルを採用する
画像集#009のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

 入力インタフェースは,DisplayPort×1,mini DisplayPort×1,HDMI(MHL対応)×4となっている。HDMI入力はHDMI 1.4までしか対応していないので,HDMI入力時4K表示は30Hzまでに制限される。4K解像度の60Hz表示をするにはDisplayPortでの接続が必須だ。

画像集#010のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
もはやあって当たり前という感じだが,縦画面表示にも対応する
画像集#011のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
HDMI入力がずらりと並ぶI/Oインタフェース部。ただし,HDMI 2.0には対応しない

 ちなみにPB279Qは,1画面に各入力系統からの映像を同時表示する「ピクチャーインピクチャー」機能が充実しており,2画面や3画面,さらに4画面の同時表示まで可能であるという点を,他社にはない特徴とアピールしていた。
 発売は2014年第3四半期で,北米市場におけるメーカー想定売価は800ドル前後である。


AcerとASUSで対応が分かれるG-SYNC対応の4K液晶ディスプレイ


 NVIDIAが開発したディスプレイ同期技術「G-SYNC」。その仕組みは発表時の記事で詳しく解説しているが,簡単にいえば,GPUの主導でディスプレイ側のリフレッシュレートを制御するという技術だ。
 4Gamerでは,ASUSの液晶ディスプレイ「VG248QE」に組み込む自作キットを紹介したことがあるが,いよいよG-SYNC搭載ディスプレイも発売が迫ってきており,当然その中には4K液晶ディスプレイもラインナップされている。

 Acerが5月23日に発表した「XB280HK」は,世界で初めて製品化されたG-SYNC対応の4K液晶ディスプレイである。
 採用する液晶パネルはInnolux製で,ドットピッチ157ppiのTN型液晶パネルであるとのこと。名称と仕様からも分かるように,前述したB280HKのG-SYNC対応モデルという位置付けの製品だ。

XB280HKは,B280HKをG-SYNCに対応させたゲーマー向け4K液晶ディスプレイだ
画像集#012のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

映像入力端子はDisplayPortが1基だけという割り切り仕様。XB280HKを買うのはG-SYNCを使いたい人だけと考えれば,これはこれでアリだろうが……。ちなみに写真では見えないが,USB 3.0ハブ機能もある
画像集#013のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
 入力インタフェースは,DisplayPortが1基だけという割り切った仕様となっている。これは,G-SYNCが現時点ではDisplayPortしかサポートしないためとのことだった。

 ところで,G-SYNC液晶ディスプレイは,120Hz以上の高リフレッシュレート対応というイメージを持っている人もいるかもしれないが,Acerの担当者によると,XB280HKの最大リフレッシュレートは60Hzだという。つまり,XB280HKではG-SYNC有効時の映像を60fps未満でしか表示できないわけだ。
 現実問題として,ウルトラハイエンドGPUのSLI構成でもない限り,シェーダベースのゲームグラフィックスを4K解像度の60fpsで表示するのは難しい。最大リフレッシュレートが60Hzであっても,実際にそれが問題となるユーザーは少ないと割り切って考えれば,XB280HKの仕様もアリといえるのではないか。

 なお,発売は2014年6月中の予定で,価格は未定。G-SYNC対応となる分,B280HKよりはどうしても高くなってしまうようだ。

 ちなみにASUSも,28インチサイズで60Hz仕様のG-SYNC対応型4K液晶ディスプレイ試作機を展示していた。しかし,これを近々に製品化する予定はないのだという。
 理由はXB280HKの仕様と同じく,「リフレッシュレートの上限が60Hzとなってしまうため」(ASUSの担当者)とのこと。ASUSは,「G-SYNCの価値は,60Hzを超えたフレームレートでもスムーズに表示できる点にある」と考えているらしく,60Hz未満をスムーズに表示できるだけだと商品価値は低い,と判断したようだ。

ASUSが出展していた,28インチTN型液晶パネルを採用するG-SYNC対応4K液晶ディスプレイ。中間調応答速度1ms,輝度300cd/m2というスペックだったが,商品化の予定はナシ
画像集#014のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

 なお,展示機を確認してみたところ,入力インタフェースはDisplayPortだけでなく,HDMI(2.0非対応,MHL対応,Type A)も備えていた。発売予定がないという割に完成度は高いように思えたが,おそらくこれも既存の28インチ4K液晶ディスプレイを流用しているからなのだろう。

 そんなASUSがG-SYNC対応製品の本命と位置付けているのは,R.O.G.ブランドの発表会で披露した「Swift PG278Q」(以下,PG278Q)である。
 PG278Qは4K解像度ではなく,解像度2560×1440ドットのTN型液晶パネルを採用する製品だ。しかし,最大リフレッシュレートは144Hzであるため,G-SYNC動作時のゲームでも144fpsに達するまでスムーズに表示できるというわけだ。

G-SYNC対応の27インチ液晶ディスプレイPG278Q。筆者が聞いたところ,北米市場におけるメーカー想定売価は1800ドルとのことだった。さすがに高い
画像集#015のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

縦画面表示にも対応する
画像集#016のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
 ちなみに,ASUSはPG278Qを,2560×1440ドットでG-SYNCに対応する世界初の製品と謳っているが,実は2560×1440ドットで60fps以上の3D立体視が可能な液晶ディスプレイとしても,世界初の製品だったりする。
 入力インタフェースはDisplayPortのみで,HDMIはないのだが,面白いことに,DisplayPort入力での「3D Vision 2」に対応しているのだ。これにより,左目60Hzと右目60Hzで,2560×1440ドットの立体視によるゲームを楽しめるというわけである。


そのほかの変わりダネ4K関連製品


 そのほかに,COMPUTEX会場で見かけた,変わりダネの4K関連製品を紹介しておこう。

 まずASUSは,4K液晶パネルを使う裸眼立体視対応の試作機を展示していた。ディスプレイ自体は,28インチサイズでTN型液晶パネルを採用するものだった。現時点では技術デモという位置づけで,これ自体の製品化は予定していないという。

ASUSが出展していた,裸眼立体視対応の4K液晶ディスプレイ試作機
画像集#017のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート

 裸眼立体視時は,1920×1080ドット相当の3D映像を表示でき,立体視モードを無効化した状態(平面視モード)では,液晶パネル本来の解像度である4Kの表示が可能だという。フルHDの裸眼D立体視と4Kの平面視モードを切り替えられる製品としては,東芝のレグザ「55X3」というものがある。ASUSが出展していた試作機も,原理的にはほぼ同じものを利用していたようだ。

 担当者によれば,Blu-ray 3Dで提供される「左右それぞれの目で見る2つの映像」から3Dの奥行き情報を再構成し,これを最大28視点からの多視点立体像に変換して表示を行っているのだという。展示機では映画「スタートレック イントゥ・ダークネス」を上映していたが,画面の前を横に歩きながら見ても,ポッピング(※映像の不自然な変化)が少ない立体像を見られた。
 ただし,視距離として約1m以上が推奨されているため,PC用ディスプレイとして使うのは厳しいだろう。

 なお,この2視差3D映像から多視点裸眼3D映像への変換には,Dolby Laboratoriesの技術「Dolby 3D」が使われているとのことだった。

 最後にディスプレイではないが,YUAN High-Tech Development(以下,YUAN)のブースで展示されていた,PCI Express x4接続の4Kビデオキャプチャカードを紹介して締めくくるとしよう。

 「SC510N2-L4K」というこのキャプチャカードは,4K映像をPCで非圧縮キャプチャできるのだという。カード上にハードウェアエンコーダは搭載されておらず,基本的には,入力された生フレームをそのままPCへ送ってストレージに保存するための製品だ。入力は4K解像度の60Hzに対応するが,キャプチャレートは30Hzになるとのことだった。

画像集#018のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート 画像集#019のサムネイル/[COMPUTEX]低価格化で身近になりつつある4K液晶ディスプレイ最新事情をCOMPUTEX会場からレポート
YUAN製4KビデオキャプチャカードSC510N2-L4K。HDMI入力は2系統あり,4K/30Hzキャプチャのほか,2画面分のフルHD映像を同時キャプチャすることが可能という

 同製品のキャプチャソフトは,IntelのMedia SDKもしくはNVIDIAのCUDAに対応しているとのことで,キャプチャした映像をH.264などにより圧縮して保存することも可能なようだ。

Acer 日本語公式 Webサイト

ASUSのCOMPUTEX TAIPEI 2014 特設ページ(英語)

YUAN High-Tech Development 公式Webサイト(英語)

COMPUTEX TAIPEI 2014取材記事一覧


  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:04月22日〜04月23日