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VR向けの円盤型フットコントローラ「3dRudder」にPSVR対応版が登場。ゲームでの操作感を体験してみた
CES Unveiledには,DellやLG Electronicsといった大手メーカーの出展もあるものの,基本的には中小企業やスタートアップ企業による展示が中心だ。実のところ,ゲームに直接関係する展示はあまりないのだが,変わった入力デバイスやVR機器がお披露目されたりすることもある。そんなCES Unveiledの常連であるフランス企業の3dRudderが,円盤型フットコントローラの新製品を披露していたので,簡単に紹介したい。
3dRudderのPSVR版が登場
3dRudderは,底面が丸みを帯びた形をした円盤型の入力デバイスで,椅子に座ったユーザーがこれに足を乗せて,前後左右の動きたい方向に円盤を傾けたり,左右に軽く回したりすると,VR空間内での前後左右移動や,向きの変更を行えるものだ。ユーザーが実際に動き回る「ルームスケール」を実現するスペースはないが,スティックやタッチパッドによる移動よりも自然な動きに近い動作で入力を行えるというのが,3dRudderの特徴である。
前置きが少々長くなったが,今回,3dRudderが出展していた新製品は,その名も「3dRudder Foot Motion Controller for PlayStation VR」(以下,
北米市場では2019年4月に出荷開始の予定で,3dRudderの直販サイトにおける価格は119ドル(約1万2900円)となっている。
ちなみに,3dRudder for PSVRのハードウェアそのものは,すでに販売中のPC用とほぼ同じであるという。ただ,当然ながらソフトウェアはまったく別物だ。
今のところ,対応ゲームはインディーズゲームを中心に7タイトルしかないのだが,今後の展開に期待したい。
足での移動操作は意外なほど簡単に慣れる
今回のデモに使われていたのは,ポーランドのデベロッパであるCarbon Studioが開発した「The Wizards Enhanced Edition」というゲームのPSVR版だ。主人公は魔術師で,両手に持ったPS Moveで,襲いかかってくるモンスターたちを,さまざまな魔法を放って倒していくというゲームだ。3dRudder for PSVRを前後左右に傾けると,その方向に移動し,左右に軽く回転させると左右に旋回するようになっていた。
プレイを始めた直後は,足をどれくらい動かすと主人公がどう動くのか勝手が分からず,恐る恐るという感じで動いていたが,傾け具合がつかめてくると,俄然動きがスムーズになってくるのが面白い。2体の敵と戦う場面では,敵が棍棒を振りかぶったのを見てから,3dRudder
ただ,左右旋回の操作が筆者の好みよりも遅かったのは,ちょっと気になった。どこかの設定で,入力に対する旋回速度を調整できればいいのだが,デモの場面ではそこまで気が回らなかったのだ。
筆者のデモプレイは,3dRudder for PSVRの問題ではなく,PS Moveを使ったゲーム側の操作でまごついてしまい,使い方のよく分からない魔法に悪戦苦闘しているうちに攻撃を食らってゲームオーバーになってしまった。ただ,ゲームパッドのアナログスティックを使ったり,モーションコントローラのタッチパッドを移動に使う既存のVR機器よりは,自然な動きに近い操作でゲームをプレイできていたように思う。動かし方に慣れるのも実に早かった。
足の動きで移動することを考慮すると,人間型のキャラクターを操作するRPGやFPS,TPSの操作に向いているのではないだろうか。
対応ゲームが増えないことには,使い道のないデバイスではあるので,誰にでもお勧めとは言い難い。ただ,PSVRと組み合わせたときの可能性は感じられたので,ゲーム開発者への働きかけを強めて,対応ゲームをどんどん増やしてほしいものだ。
3dRudderの3dRudder for PSVR製品情報ページ
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