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思わず目頭が熱くなる,パワプロファンに響く構成だった「実況パワフルプロ野球 25周年コンサート 東京公演」をレポート
同コンサートは12月15日に大阪でも行われたもので,東京公演の指揮は齊藤一郎氏,演奏は東京佼成ウインドオーケストラがそれぞれ担当。またゲストヴォーカリストとして,「実況パワフルプロ野球2016」の主題歌「Never-ending Tale」の作詞と歌唱を担当したシンガーソングライターの麦野優衣さんも出演した。
本稿で,14:00からと16:00からの2回行われたコンサートのうち,14:00からの公演をレポートしよう。公演終了後に「パワプロ」シリーズ・エグゼクティブディレクターの谷渕 弘氏と,サウンドチームディレクターの渡邊紀如氏に話を聞く機会をいただいたので,その模様も合わせてお届けする。
会場にはパワプロくん,矢部くん,猪狩くん,ダイジョーブ博士の等身大(?)ポップが | |
「パワプロ」シリーズの歩みを記した年表パネルや,物販コーナーも設けられていた |
実況パワフルプロ野球 25周年コンサート公式サイト
コンサートは「パワプロ2016」に登場したアナウンサー・熱盛宗厚を演じた金光宣明さんと,「実況パワフルプロ野球2018」に登場したアナウンサー・響乃こころを演じた永野愛理さんのトークから始まる。演奏を楽しむだけではなく,「シリーズの各作品を振り返って楽しむ場」であることが伝えられたあと,いよいよ第一部が開演となった。
第一部は,スマホアプリ「実況パワフルプロ野球」(iOS / Android)のBGMメドレーと,ゲームボーイカラーやアドバンス,ニンテンドーDSなどで展開した「パワプロクンポケット」シリーズBGMのメドレーの間に,麦野優衣さんが歌う「パワプロ」シリーズ主題歌が挿入されるという構成で懐かしの楽曲や名曲を披露。ステージ上のスクリーンには,演奏される楽曲に合わせて,各作品の名場面が映し出されていた。
「ヴァンプ高校」「フリート高校」「マントル辺境高校」など,登場する個性的すぎる世界観とストーリーを持つ「パワプロアプリ」。戦争,サイボーグ,大正冒険奇譚,南の島の独裁国家(!)など,「パワプロ」シリーズの中で異端と言える設定と世界観でコアなファンを生んだ「パワポケ」シリーズ。制作された時代や,描かれる世界観やテーマが変わろうと,ユーザーに「野球を愛する者たちのドラマ」を楽しんでもらいたいという,作り手たちの思いは変わらない──。第一部の曲構成は,そんなメッセージを感じさせるものだった。
シリーズを通じて受け継がれてきた思いを伝えた第一部は,「実況パワフルプロ野球10」の主題歌「Catch Up Dream!」と「実況パワフルプロ野球2014」の主題歌「Link」によって締めくくられた。
このときスクリーンに映し出されたのは,両作品のオープニングムービーだ。その内容は,1人の野球少年が憧れのプロ野球選手となり,山あり谷ありの選手生活を送り,次の世代に夢を伝えていくというもので,客席では「パワプロ」シリーズと共に歩んだ歳月を映像に重ね合わせのか,感極まって涙する人の姿も見受けられた。
コンサートの第二部は,八王子学園八王子高校のブラスバンド部による演奏とメガダン(メガホンを使った応援ダンス)からスタート。会場の空気は一転して,フレッシュなものに変わる。
その後は,ゲームのタイトル画面からゲームスタート,名前登録……といったサクセスモードのプレイの流れに合わせて場面ごとの曲が演奏される「サクセスシネマ」のコーナーや,「パワプロ2016」で描かれた熱盛宗厚との激闘にフォーカスしたコーナー。そして「パワプロ」シリーズ・エグゼクティブディレクターの谷渕 弘氏,サウンドチームディレクターの渡邊紀如氏によるオープニングムービー制作秘話を語るトークなど,バラエティ豊かなコーナーが続いた。
公演の最後は,麦野優衣さん自身が制作に関わった「Never-ending Tale」を含む主題歌4曲を歌いあげ,客席も彼女とともに歌い,手を叩いて大いに盛り上がる。こうしてコンサートは「熱盛・胸熱」なムードのうちに閉幕となった。
谷渕 弘氏と渡邊紀如氏にインタビュー
どの世代のファンも楽しめる場を作りたかった
4Gamer:
今回のコンサートはどのような経緯で企画されたのでしょうか。
渡邊氏:
今年はシリーズ25周年ということで,なにか特別なことをしようと考えたときに,サウンドチームから「コンサートはどうだろう」と案が出てきたんです。
シリーズが25年も続いているので,楽曲は全部で1000曲以上もあるんですよ。コンサート形式のイベントであれば,選曲や構成を工夫することで,どの世代のファンにも楽しんでもらえる場を作れるだろうと考えました。
4Gamer:
「パワプロ」シリーズについて聞かせてください。これだけ続いているシリーズだと,作り手側も過去作からのボールを受け取って,次の世代に渡していくような感覚があるのではないでしょうか。
谷渕氏:
思えば長い付き合いになりましたね。私自身はプログラマー,ディレクター,プロデューサーと,立場を変えながら関わってきましたが,今年入ってきたスタッフの中には,初めて遊んだ作品が「実況パワフルプロ野球12」だという若い人もいるんです。
渡邊氏:
僕自身,25年の歴史のうちまだ10年しか関わってないんですけど,諸先輩たちのお仕事と,僕らがやってきた仕事,その積み重ねでコンサートを開催できたことが感慨深いです。
ちなみに今回は「パワポケ」シリーズの曲を入れることにもこだわったんですが,「パワポケ」はスタッフたちも子供のころに遊んでいたりして,思い入れが深い人間が多いんです。
谷渕氏:
僕自身,「パワポケ」の曲は絶対に入れてほしいと思ってました。あと,「パワプロアプリ」の曲をあそこまで詰め込んだのも凄いなと(笑)。
4Gamer:
アプリだけでもこんなにも豊かな世界が広がっていたのかと,メドレーを聴いてあらためて驚かされました。
渡邊氏:
企画サイドから学校案がどんどん来ますからね。今回のコンサートでは,どういう構成で曲をお聴かせするのがいいか,事前にかなり試行錯誤しています。配球に緩急をつけて打ち取る……ではないですが,どうすれば心に響くコンサートになるだろうか,過去のシリーズに関わった人たちにも相談して,いろいろとご意見をいただいてます。
あとはファンの皆さんが聴きたいであろう曲も,入念に選んで入れました。
4Gamer:
お客さんの反応を見ていかがでしたか。
渡邊氏:
とにかく皆さんが楽しめるイベントにしたかったので,お子さんからご年配の方までが喜んでいる姿を実際に見ることができて,本当に嬉しかったです。
谷渕氏:
女性の方も想像していたより多かったですね。なにしろファンのほとんどが男性というシリーズなので,コンサートに足を運んでくださる人の比率はこうなるのかと,実際に開催してみて初めてわかりました。
4Gamer:
最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。
谷渕氏:
「パワプロ」はこれからも,つねに新しい驚き,チャレンジを積み重ねていきます。シリーズが25年も続いている理由は,やはりそこだと思うんです。
シリーズの積み重ねを感じさせるネタも時おり入れ込みながら,これからも「パワプロ」の世界を華やかに盛り上げていきますので,ぜひよろしくお願いいたします。
渡邊氏:
25年も続くと,楽曲面でも「パワプロ」らしさが根付いてくるところがあるので,そこをいい形で裏切って,新鮮な楽しさを生み出していきます。守るべきところは守りつつも,ちゃんと攻めて行くバランスを大切にしたいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。
「パワプロ」シリーズの現役ファンだけでなく,かつてシリーズに触れた事がある人,そして野球を愛するすべての人が楽しく盛り上がれる場所となっていた「実況パワフルプロ野球 25周年コンサート」。2時間ほどの公演時間はあっという間に過ぎていき,また筆者自身,何度か目頭が熱くなった瞬間もあり,素晴らしい体験がそこにあった。
25周年記念コンサート blu-rayの商品ページ
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