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レトロンバーガー Order 47:メガドラ版「マッドストーカー」が出るし,新世代ゲーム機が発売目前なのにX68000が活気付いてるし編
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印刷2020/09/26 00:00

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レトロンバーガー Order 47:メガドラ版「マッドストーカー」が出るし,新世代ゲーム機が発売目前なのにX68000が活気付いてるし編

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 「東京ゲームショウ2020 オンライン」が開催中ですね。

 COVID-19感染拡大防止のため,今年の東京ゲームショウはオンラインでの開催です。もし例年通りに開催されていたら,PS5やXbox Series X/Sにいち早く触れるチャンスだったかもしれないので,非常に残念です。タイトル情報だけならばオンラインでも全然OK,むしろ歓迎ですが,例えばDualSenseのハプティックがいかなるものかは,実際に触れてみないと分かりません。

 やっぱり「実際に触れられる」ということは大事です。筆者は現在,購入するゲームが9割がたデジタル版となっていますが,こういった世情になると「デジタル版よりもパッケージ版が欲しい」という巷の声にも共感が湧いてきます。いつだって大事なものは失ってから分かるもの。優しさというものに離れてから気づくように。そう,好きだと気付くのは実際に目が逢う瞬間(とき)。

 アーイミースユーフォーエーバーソー……はさておき,そんなこんなでPS5Xbox Series X/Sも予約受付が開始されて,次世代戦争待ったなしな今日このごろ,あの大注目タイトルパッケージ版でドドンと出ました。コロンバスサークルから2020年9月17日に発売された,メガドライブおよび同互換機向けの最新タイトル,「マッドストーカー フルメタルフォース」(以下マッドストーカー)です。

 PS5とXbox Series Xが鎬(しのぎ)を削ろうが,いつでも心に16-BIT。RyzenとCore iが火花を散らそうが,どこでも気持ちはMC68000。創世記(GENESIS)から“還らざる時の終わり”までメガドライブ,シロ! という感じで今回はやっていきましょう。コロンバスサークルから「(MD用互換機)16ビットポケットMDプラス」も出たし! ウ〜ウウ〜♪

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 コロンバスサークルは,MD/MD互換機用横スクロールアクション「マッドストーカー」を,2020年9月17日に発売する。未完成のままやむなく発売中止となったMD版。当時の開発担当・今泉正稔氏監修のもと,たけがみりう氏を中心に現スタッフが補完し,26年の時を経て悲願の完成へと至ったそうだ。

[2020/09/10 12:20]


ハウンドドッグ出撃せよ!


筆者宅の一角(一種の神棚)よりX68000とFM TOWNS
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 「マッドストーカー」は,もともと発売:ファミリーソフト/開発:フィルインカフェで1994年1月にリリースされたX68000用のタイトルでした。同年7月にはFM TOWNS移植版,9月には工画堂スタジオからPCエンジン移植版(CD-ROM2)もリリースされています。

 移植先のひとつにメガドライブも予定されていたのですが,最終的なデータ量が8Mbit ROMには収まりきらないサイズとなり,しかし供給不足で価格が高騰していたため16Mbit ROMでは採算が取れず,やむなく発売中止となったのだとか。それが近年になって関係者間の話題に浮上。ソースコードなどは失われていたものの,社外に出されていた試作ROMが発掘されたうえ,発売中止となった理由も重大な事故ではなく先述の通り(言ってしまえば)他愛もないものだと判明したため,ファミリーソフト系ゲームの版権管理を引き継いでいるオペラハウスが約四半世紀を経て開発再開を決定し,今回の発売へと至ったそうです。

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 「マッドストーカー」のゲームシステムは,基本的には格闘ゲームとしてデザインされています。ストーリーモードの自機・ハウンドドッグは,飛び道具のスプレッドショットと飛び上がり対空技であるレーザードハウンダーを持つ,いわゆる“波動昇龍キャラ”となっていて,当時大ブームを巻き起こしていた「ストリートファイターII」などのアーケードゲームに影響を受けていることが感じられます。

 その一方で格闘ゲーム的な「1対1の2ラウンド先取制」が適用されるのは“VSモード”および“COM VSモード”だけで,ストーリーモードではステージごとのメインの敵と戦うまでにザコ戦があったり,HPを失えば自機も敵機もそれで終わりだったり,終盤にはいわゆるボスラッシュが発生したりもします。「ストリートファイターII」を,その源流である「ファイナルファイト」に寄せたようなスタイルですね。

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 操作形態も,どちらかと言うとベルトスクロールアクション寄りのスタイルです。使用するボタンは2つ,ガードは後ろ入力でなくAB同時押し,ハウンドドッグのレーザードハウンダー(昇龍)は「→↓↘+A/B」でなく「↓↓+A/B」。ただヒット判定は小さめで,アクションゲーム的な「ザコ戦で判定の強い攻撃をぶん回す」といった戦い方はやりにくくなっています。

 さらに,「昇龍で百貫を撃墜できないの!?」や「この技,当てて反確!?」など,近年の格闘ゲームのセオリーに慣れていると戸惑うシーンも多々あります。また連戦のシチュエーションが多く,敵の攻撃一発で受けるダメージが多めなため,慎重な戦いが求められたりも。言ってしまえば,1990年代の格闘ゲームらしいパターン解析とハメ探しが攻略のキモです。最近はそういう攻略を求められるシーンがなかなか無いので,今やってみると新鮮味が感じられます。

 難度はノーマルで結構ヒイヒイ言わされるレベルです。アクションゲームにマゾヒズム的な面白さをあまり求めない人ならば,イージー設定でプレイした方が良いでしょう。逆に言えば,神経をカリッカリに焦がすようなプレイが好きな人は,ハード設定でイケイケGOGOです。

右画像は画面端で判定の強いジャンプ弱攻撃を連発してチキンプレイに勤しんでいるところ
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 ストーリーは,大規模な戦争を経た近未来の世界で,戦時中に製造された軍艦が暴走して搭載されていた無人兵器が都市に攻撃を始めたため,無人兵器の1体だったものの有人型に改造&警察に配備されたハウンドドッグが事態の鎮圧に向かうというもの。警察が人型ロボットを運用していたり,登場するロボットの多くが日本製だったりという部分からは「機動警察パトレイバー」の影響が感じられます。

 まして無人兵器の暴走,足の生えた円盤状のザコ敵,ラスボスがハウンドドッグの兄弟機……などの要素は,「これで『機動警察パトレイバー the Movie』(1989年)が好きじゃないって言ったらウソでしょ〜〜〜〜!」といった雰囲気です。細かいストーリーテリングは行われませんが,軍艦が暴走した背景に自殺したプログラマーの策略があっても不思議じゃありません。むしろ存在すると考えた方が“忍び寄る狂気”的なタイトルにマッチするし!※筆者の勝手な妄想です。

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栄光のX68000版


 メガドライブ版のほか,「マッドストーカー」のX68000版は,プロジェクトEGGで配信されていて,PCでプレイ可能です。X68000版と比較すると,メガドライブ版は足元を逃げ惑う人々や道路を行き交う自動車などがオミットされているので,ハードのスペックに起因する表現性の弱体化は否めないところです。

X68000版はこんな感じ。画面下に見える奇抜な形状のバイクや街並みのデザインは大友克洋作品チックですね
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 ただ,そんなメガドライブ版の不利を補ってあまりあるのが,ヨナオケイシ氏が手掛けたサウンドの魅力! オペラハウスの公式Twitterによると,サウンドトラック「MAD STALKER for TRUE MEGA DRIVERS 〜ORIGINAL 16BIT SOUND COLLECTION I〜」のレコーディングに携わったhally氏いわく「なぜかX68000版より音の質感が良いという謎現象が起きている」(大意)とのこと。しかも,このサウンドトラックは初期型メガドライブに搭載された「YM2612」版の音源と,後期型およびメガドライブ2に搭載された「YM3438系(カスタムチップ)」版の音源をダブル収録しています。“for TRUE MEGA DRIVERS”とタイトルにも記されているように,「真のメガドライバー」ならば魂の救済を感じられること間違い無しです。

2種類のチップ別音源に加え,ヨナオ氏のバンド・ΑΡΤΕΜΙΣ CITIY BANDによるアレンジ版も収録しているサウンドトラック。ORIGINAL 16BIT SOUND COLLECTION “I”ということは,IIやIIIも……?
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 また,「マッドストーカー」は1997年にPlayStation向けのリメイク版がリリースされており,こちらはゲームアーカイブス化されているので,PS3/PS Vita/PSPでプレイ可能となっています。X68000版,メガドライブ版,PlayStation版を遊び比べてみたり,BGMを聴き比べてみたりするのもオツなものでしょう。

PlayStation版はこんな感じ
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たたかうお嬢さん


 開発:フィルインカフェ/発売:ファミリーソフトでリリースされて,ヨナオケイシ氏がサウンドを手掛けた,X68000向けでスタートした格闘ゲームといえば,「あすか120%」シリーズも有名ですね。

オペラハウス プレビューディスク
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 メガドライブ版「マッドストーカー」の一部ショップ特典として提供されている「オペラハウス プレビューディスク」によると,「あすか120%」についても「某タイトルとのキャラコラボレーション」「過去作の改良リメイク」「完全新作」といった3つの企画が進行しているのだとか。しかも同ディスクでは,企画案だけで終わった「あすか120% RAG」のイメージイラストを見たりすることもできます。

 さらにオペラハウスの公式Twitterでは,X68000版「マッドストーカー」について,復刻版およびエミュレートによるPC移植版や,サウンドトラックの制作も計画が語られています。

 X68000といえば,BEEPが「コットン」「幻獣鬼 -UNDEADLINE-」の復刻版を制作したり,同人ゲーム「DIVE ON 2016 BEEP VERSION」を販売したりと,人気が再燃している様子もあります。すごいぞ令和の時代に次々と復活するX68000タイトル! 次は何が来るのでしょうか!? 「名作浪漫文庫 ねじ式」かな!?(それはなかろう)

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