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[キャリアクエスト]RE ENGINEを支え「モンスターハンターライズ」の最適化にも貢献! カプコンで働くプログラマー・末永尚己さんにインタビュー【PR】
本記事ではこちらのイベントにあわせて,実際に現場で働いている方に質問を投げかけた“ゲーム業界を目指す学生のためのインタビュー”をお届けします。
今回のインタビューのお相手は,「株式会社カプコン」で働くプログラマー・末永尚己さん。カプコンは『ストリートファイター』『モンスターハンター』『デビルメイクライ』『ロックマン』などの人気シリーズをいくつも抱えています。
なお,本記事は4GamerとGame*Sparkによって共同制作された連載記事となります。
ゲーム業界就活イベント「キャリアクエスト」公式サイト
Game*Spark:
よろしくお願いします。自己紹介として,入社年数や所属部署,入社までの経歴などをお聞かせください。
末永尚己さん:
末永と申します。入社8年目で,現在は基盤技術開発部のエフェクトユニットに所属しています。入社前はHAL大阪というところで4年間勉強しておりました。
Game*Spark:
現在はどのような業務を担当されていますか。関わっている作品名などがあれば教えてください。
末永さん:
特定のゲームタイトルを担当しているわけではないのですが,多くのカプコン作品で採用されているRE ENGINEの開発に携わっています。
Game*Spark:
カプコンに入社しようと思ったきっかけはなんですか。
末永さん:
まず,『バイオハザード』や『ロストプラネット』など昔よくプレイしていた好きなゲームを開発していた,というのがひとつ大きなきっかけです。
技術力が高い会社という印象があったのも大きな理由でした。当時はRE ENGINEの前身であるMT FRAMEWORKというエンジンが使われていたのですが,学生の頃に聞いたことがあるほど有名なものでした。
もうひとつは面接の際,面接官の方々の笑顔がすごく印象的で楽しそうに感じたため,入社を決意しました。
Game*Spark:
入社前と後で,なにか印象の違いやギャップを感じたことはありますか。
末永さん:
大きなギャップはないのですが,自分の提案や意見を結構受け入れて柔軟に対応してくれるところには少し驚きました。
Game*Spark:
入社1年目では,どのような教育を受けて,どのような知識や技術を身につけられましたか。
末永さん:
先述したMT FRAMEWORKという自社エンジンを触って,ゲーム開発の知識や基礎的な流れを学びました。そこで得た知識は,現在行っているRE ENGINEの開発に役立っています。
また,パーティクルやその挙動を作りやすいように支える基礎的なツールの使い方や,エフェクトの作り方なども1年目で学びました。
Game*Spark:
会社が手掛けたゲームの中で特に思い入れのあるゲームはありますか。
末永さん:
私が関わった中では『モンスターハンターライズ』です。入社から初めて長く関わったゲームで,エンジン開発者として数多くの機能を導入したという思い入れがあります。
自分で考えて提案した機能が初めて使われたタイトルということもあって,やはりたくさんの人に遊んでいただけたのは嬉しかったです。
Game*Spark:
開発に参加したのは入社何年目の頃だったのでしょうか。
末永さん
1年目からでした。我々の仕事は数多くのゲームの開発チームから「こういう機能がほしい」といった依頼が飛んできて,それを実装するという流れなのですが,その1発目が『モンスターハンターライズ』でした。関わった期間はだいたい2年から3年くらいです。
Game*Spark:
具体的にはどのような機能を提案されたのでしょうか。
末永さん:
ゲーム開発の終盤は,最適化に重点が置かれます。その最適化のために,クオリティを担保しつつ処理負荷を下げられるかという機能を,自分なりに考えて実装しました。描画周りの最適化に関する機能だったのですが,結果的に30%ほど処理が早くなりました。
Game*Spark:
入社してから現在までで印象に残ったゲーム業界のお仕事に関するエピソードを教えてください。
末永さん:
昨年開催した「CAPCOM Open Conference Professional RE:2023」という社外向け配信イベントの中で,私もひとつ講演させていただきました。
その内容が「エフェクトを安定動作させる『自動チェック』への取り組み」というものだったのですが,初めて社外向けに発表したということもあり,とても印象に残っています。
YouTubeでの再生回数が850回くらいにまで上ったのですが,今年の新入社員の方も観てくださったそうで,直接質問をいただくということもありました。カプコンの技術力向上に貢献できたというのはやりがいを感じますし,誰かに響くものが作れたというのはやはり嬉しいです。
Game*Spark:
入社してから最初に感じた困難や,その乗り越え方についてのエピソードがあれば教えてください。
末永さん:
最初は何もわからない状態からコードを触るため,それ自体がもう困難でした。『モンスターハンターライズ』は本当に最初の業務だったため,すでにある仕組みの上に新機能を追加していかなければなりませんでした。基本の業務は普段から使ったことがあるC++がメインですが,どうしてそのコードになっているかわからないところがあったり,使ったことがない言語機能があったり,わからないところだらけでした。
乗り越え方は,質問・相談をするということに尽きます。新人のうちはハードルが高いことですし,私も躊躇することが多くありました。ただ,思い切って質問してみたら詳しく教えてくれますし,わからないところは言葉だけでなく図を描いて優しく教えてくれます。
ときには,他の人が混ざってよりよく議論を深めてくれたり,理解しやすいように支えてくれたりもしました。そこからは大きなハードルを感じず,スムーズに業務が行えるようになりましたね。
Game*Spark:
いつ頃からゲーム業界で働きたいということを考えましたか。
末永さん:
明確に意識したのは 高校3年生のころです。当時は周りに賢い人が多く,同じ土俵で戦うのはちょっと厳しいと感じていたため,他の人とちょっと違ってなおかつ自分の好きなものを探した結果,HAL大阪に入学してゲームにまつわる職に就こうと志しました。
もうひとつは,まったく知識のない状態でVisual Basic for Applications(※Microsoft Officeに搭載されたプログラミング言語で,新たな機能の追加や効率化などが行える)で英単語を学べるものなどを軽く作ったことがあったのも,ひとつきっかけになったと感じます。
Game*Spark:
HAL大阪ではどのようなことを学びましたか。また,それは現在の仕事にどのように活かされていますか。
末永さん:
やはりコードの書き方や機能的な部分を学びました。学生のときはあまり保守性の高いコードということを意識していなかったのですが,やはりチームで作るうえでそこは大切です。
また,全部ではないもののアルゴリズムの知識は仕事でも使うことができるので,学んでおいてよかったと思います。
Game*Spark:
ゲーム業界で働くうえで,楽しいことややりがいを感じることがあれば教えてください。
末永さん:
主にエンジン開発なので直接的にゲームを作ることはないのですが,実装した機能によって周りの人が「このエフェクトすごいな」と言ってくれたり,印象に残るような表現にできたときは楽しいですね。仕事の成果がゲームという目に見える形で世に出るのは,やはりやりがいに繋がります。
Game*Spark:
開発に携わられた『モンスターハンターライズ』は最適化の面でも高く評価されています。こうした反応を見て,どのように感じますか。
末永さん:
率直な感想ですが,嬉しいですね。やはり頑張った成果をほめていただけるのはモチベーションの向上にもなりますし,よりよい表現を突き詰めたくなります。自分の仕事が評価していただけるのはゲーム業界の良いところだと思います。
Game*Spark:
働きやすさなど,職場環境についてはどう感じますか。また,過去のアルバイトや業種と比べて,ゲーム業界ならではの良いところはありますか。
末永さん:
自分の提案も通りやすいですし,すごく働きやすいと思います。あまりストレスを感じることもなく,良い意味で気楽に働かせてもらっています。
過去のアルバイトはレジ打ちだったので業種が違いすぎるのですが,みんなでひとつの物を作るというのはユニークなところだと思います。あとはやはり好きなことなので,吸収が早かったり,自分の成長にもつながる仕事だと最近よく感じます。
Game*Spark:
好きなことを仕事にするのは良し悪しあると言いますが,ゲーム業界側としてどう考えていますか。
末永さん:
個人的にはすごく楽しいので,好きなことを仕事にしてよかったなと思っています。ゲームを直接開発されているデザイナーさんやアーティストさんが表現したいものを実現する機能を作って,結果的にユーザーの皆さんが「かっこいいじゃん」と思ってくれる表現が実現できたときはすごく楽しいです。
関わったゲームは有名な作品が多いので,友だちがプレイしてポジティブな感想を言ってくれたときは,やはり成果を身近に感じられます。
Game*Spark:
福利厚生の面で,なにか印象的なものはありますか。
末永さん:
三重県の賢島にある保養所が印象的です。他の方の話を聞いただけでまだ行ったことはないのですが,美味しくてボリュームのある料理が食べられたり,優待金で泊まれたりします。
他にも,社内eSports大会があったり,ゲーム会社ならではといったイベントもあって楽しいですね。
Game*Spark:
プライベートの時間は,なにかゲームをプレイされますか。また,仕事の参考にするために意識しながらプレイすることはありますか。
末永さん:
アクションやRPGが好きなので,最近では『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』や『ペルソナ3 リロード』をプレイしました。エフェクトやカメラの動かし方などはちょっと意識することはありますが,基本的には楽しんでいるので仕事のことは忘れています(笑)。
また,普段はゲームよりもアウトドア趣味をよく楽しみます。
Game*Spark:
どのようなアウトドア趣味を楽しまれるのでしょうか。
末永さん:
実は種類が多すぎてですね……(笑)。一番多いのは登山で,月に1〜2回くらいは行っています。他にもキャンプやサイクリング,ゴルフなどもします。
やはりゲームのお仕事は基本的にデスクワークなので目が疲れたり,身体がなまったりするのですが,それをアウトドアで癒やして,リセットして仕事に戻るということを繰り返していますね。
Game*Spark:
では,入社する前と比べるとゲームに接する時間は変わりましたか。
末永さん:
やはり減りましたね。学生の頃は徹夜でゲームすることも多かったのですが,やはり体力が減ってできなくなりました(笑)。
Game*Spark:
今後,業務を通じてどのような挑戦をしていきたいと考えていますか。
末永さん:
最近どういったチャレンジをするか悩んでいるのですが,CAPCOM Open Conferenceで発表させていただいた内容のような,自動化や業務の効率化におけるマネージメントの方面での新しい挑戦はしてみたいと思っています。
Game*Spark:
ゲーム業界での就職を志す学生に向けて,なにかアドバイスがあれば教えてください。
末永さん:
そうですね…「ゲームでどこが好きなのか」というところは決めておいたほうが良いと思います。ゲームはプレイヤーからエネミー,UIからサウンド,エフェクトまでさまざまな要素で構成されているものですが,その中で自分はどこに携わりたいか,というところですね。そこを決めておけば,その役割に就くための勉強ができるので,ぜひ意識してほしいなと思います。
Game*Spark:
ありがとうございました!
かの有名な「RE ENGINE」の開発に携わる末永さんから見たゲーム業界でのお仕事や,入社時の苦労などについてお伺いできました。やはり,自分が手掛けたものが世に出て楽しんでもらうという経験はゲーム業界ならではのポイントのひとつと言えそうです。
ゲーム業界就活イベント「キャリアクエスト」公式サイト
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