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NVIDIA,「GeForce 512.59 Driver」にシステム遅延表示機能「Reflex Stats」を導入
Release 510世代のWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるGeForce 512.59 Driverは,新作タイトルへの対応のほか,いくつかの新機能を実装したドライバだ。
GeForce 512.59 Driverで対応した新作タイトルは,新作RTS「Dune: Spice Wars」と,4月27日に正式版がリリースされるバトルロワイヤルゲーム「Vampire: The Masquerade - Bloodhunt」の2タイトルだ。双方ともとくにパフォーマンス向上は謳われていないものの,NVIDIAはGeForce 512.59 Driverによって両作で最高の体験を得ることができるとアピールしている。
ゲームに関してはほかにも,「Chernobylite」のアップデートに含まれるレイトレーシング拡張への対応や,「JX Online」におけるDLSSサポートへの対応を行ったという。両作をプレイしているゲーマーは,GeForce 512.59 Driverを導入すべきだろう。
GeForce 512.59 Driverでは,GeForce Experienceに「Reflex Stats」と呼ばれる新機能が組み込まれたこともトピックのひとつだ。Reflex Statsは,システム全体の遅延情報をゲーム中にオーバーレイで表示してくれるという機能である。
操作から表示までの遅延を測定するのは,わりと面倒なことで,NVIDIAがメディア向けに提供している「LDAT」という測定機材を使うか,NVIDIAの技術である「Reflex Analyzer」を組み込んだディスプレイおよびマウスを,ゲーマーが購入する必要があった。前者は一般向けではなく,後者は特別なディスプレイが必要なので,導入したくてもゲーマーにとってのハードルは高い。
Reflex Statsは,そうした機材がなくても,現在のシステム遅延を表示してくれるというものである。GeForceユーザー向け無料ソフト「GeForce Experience」のPerformance Overlay機能を使って,フレームレートとともにSystem Latency(※システム全体の操作遅延)とAverage PC Latency(※System Latencyに含まれるPCの内部遅延における平均値)がオーバーレイ表示するそうだ。
どのようにして遅延を測定しているのか,細かい情報は公表されていないのだが,Reflex Statsを利用できるのは,「NVIDIA Reflex」とReflex Statsに対応するゲームに限られる。おそらく,ゲームプログラムおよびドライバ側で,推定できる範囲の遅延を計算して表示しているのだろう。
GeForce 512.59 Driverの時点で,Reflex Statsに対応しているタイトルは,
- Bright Memory Infinite
- Fortnite
- Rust
- Valorant
の4タイトル。これらのタイトルをプレイしているGeForceユーザーは試してみるといいだろう。
今後,Reflex Stats対応タイトルは増えていく予定で,対応の情報が「NVIDIA REFLEX 対応製品」のページに掲載されることになるそうだ。なお,同ページの日本語版で「Reflex ステータス」となっている欄がReflex Stats対応を示す。
そのほかに,NVIDIAはGeForce 512.59 Driver公開に合わせて,ゲームに向けた最適化を行ったドライバソフトを開発する同社の「GeForce Game Ready Driver Program」が何をしているのかという情報を公開して,GeForce Driverの性能や品質をアピールしている(関連リンク)。ざっくりまとめると,ゲームの開発段階から開発者からのフィードバックを得て,ドライバソフトの開発を行っているということらしい。
興味のあるGeForceユーザーは該当ページや,動画コンテンツを見てみるといいだろう。
また,ドライバソフトには直接関係ないが,GeForceユーザーに対して,「原神」のゲーム内通貨「20000モラ」を配布するというイベントが実施されている。対象は,GeForce GTX 10シリーズ,GeForce GTX 16シリーズおよびGeForce RTXシリーズのユーザーだ。これらのGPUを持っているユーザーは,NVIDIAアカウントのページでリワードに申し込んだしたうえで,最新のGeForce Experienceをインストールすると20000モラが貰えるのだという(関連リンク)。
原神をプレイしているGeForceユーザーはもらっておくといいだろう。
なお,GeForce 512.59 Driverは3月末に発売になった「GeForce RTX 3090 Ti」に対応している。GeForce RTX 3090 Ti発売時に「GeForce 512.16 Driver」が配布されているが,このドライバは,GeForce 512.15 DriverをGeForce RTX 3090 Tiに対応させただけのドライバだった。GeForce向け共通ドライバとして公式にGeForce RTX 3090 Tiに対応するのは,GeForce 512.59 Driverが初めてということになる。
いつものように,ドライバのアップデートが自己責任となる点は理解してもらったうえで,すぐにでも入手したい人は,以下に示したリンクかGeForce Experienceを利用してほしい。
→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 512.59 Driver(785.29MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/187609/jp
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 512.59 Driver(785.29MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/187627/jp
●GeForce 512.59 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xp
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
●GeForce 512.59 Driverが統合するソフト(比較対象はGeForce 511.15 Driver)
- GeForce Experience:3.25.1.27(←3.25.0.84)
- HD Audio Driver:1.3.39.3
- PhysX System Software:9.21.0713
- Vulkan RT:記載なし
- NVIDIA RTX Desktop Manager:記載なし
- CUDA:11.6
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.962.0
●GeForce 512.59 Driverにおけるゲームへの最適化
- 記載なし
●GeForce 512.59 Driverの新要素
- 「Dune: Spice Wars」「Vampire: The Masquerade - Bloodhunt」に対応
- 「Chernobylite」「JX Online」のアップデートに対応
- 「Reflex Stats」に対応
- G-SYNC Compatible Displaysに3機種のディスプレイを追加。G-SYNC Compatible Displaysについては公式Webページを参照
- GeForce Experienceの最適化に8タイトルを追加
●GeForce 512.59 Driverで解決した問題
- GeForce RTX 3050において,Google Chrome使用中にドライバがタイムアウト,復帰をランダムに繰り返すことのあった問題
- MSI製ノートPC「GT83VR 6RF」「GT83VR 7RF」「GT83 Titan 8RG」において,ドライバアップデート後に内蔵ディスプレイがブラックスクリーンになることのあった問題
- NVIDIAコントロールパネルで「デジタルバイブランス」を調整すると,Windowsログオン時に「Event ID 14」エラーが生じることのあった問題
- Derivative製ビジュアルプログラミング言語「TouchDesigner」で「OpenColorIO」の機能がクラッシュすることのあった問題
- リアルタイムレンダリングプラグイン「Enscape」が正しくレンダリングされないことのあった問題
- 汎用CADソフトウェア「IntelliCAD」が不安定になることのあった問題
- Siemens Softwareの製品ライフサイクル管理システム「Teamcenter」およびTecnomatixにおいて,古いGLSLを使用したときのレンダリングに生じていた問題
- 最近のGeForce Driverで「Adobe Premiere Pro」を使用すると,DirectXがクラッシュすることのあった問題
●GeForce 512.59 Driverにおける既知の不具合
- Ampere世代のGPUにHDMI 2.1対応のオーディオ/ビデオレシーバーを接続してDolby Atmos対応コンテンツを再生すると,音声が途切れることがある
- 最大4K解像度リフレッシュレート120Hzに対応するClub3D製DisplayPort to HDMI変換アダプタ「CAC-1085」を使用すると,4K解像度60Hzが上限になることがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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