開発は中国の余烬工作室,パブリッシングは東京に拠点を置くハリソンワールドが手掛ける。2026年7月15日からSteamで体験版が配信中だ。
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プレイヤーは5つの元素を操る魔女・イリスとなり,幼いドラゴン・ピピとともに真竜の故郷を目指す。
火・水・土・木・雷は単なる属性ではなく,異なる元素が接触すると元素反応が起きる。1回の魔法が連鎖の起点となり,ステージを燃やしたり爆発を引き起こしたりと,ギミック的に働く。
ステージは小さな区画を1つずつ攻略していくタイプだ。出口へ素直に向かうか,リスクを取ってレアアイテムを狙うかで,プレイヤーごとに進む道が変わる。力尽きると装備品の大半を失う。撤退用のポーションをクラフトして持ち込めるので,基本は力尽きる前にこれを使いながら,踏破できるまで繰り返し挑戦する流れのようだ。
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持ち帰ったアイテムで装備やポーションを整え,拠点も拡張し,さらに良い装備でより良いアイテムを狙う。これが本作のサイクルとなる。宝物は200種類以上が用意されており,ビルドもその分多い。
ストーリー要素もあり,道中で集落に出ると,主人公はわけありな感じで周囲とはちょっと距離がある。草むらから端正な顔立ちの騎士風の男が現れたが,主人公が即ぶっ飛ばしていたので,写真に収める瞬間を逃してしまった。あの男はまたどこかで姿を見せそうな気がする。
試遊後,ブースにいたハリソンワールドのスタッフに話を聞いた。
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話を聞いて意外だったのは,このジャンルの組み合わせが開発者ではなく,パブリッシャ側から出たものだという点である。
本作は当初,ターン制のシミュレーションRPGとして構想されていた。そこへ同社が,中国語圏でエクストラクションが伸びているという市場情報を持ち込み,開発者と相談しながら要素を足していったという。
当時は完成度20%ほどのプロトタイプ段階で,雰囲気こそあったものの遊びの部分は発展途上だった。それでも組むことを決めたのは,開発者が今後の展開について明確な見通しを持っていたからだという。
以降の助言は,アートの調整やローカライズ,さらにタイトルのネーミングにまで及ぶ。日本市場を狙うなら,日本のプレイヤーが最初に目にする言葉として何が適切か。例えば「魔女」というキーワードもその一例だ。ただし同社は方向性を強制せず,提案として示したうえで採否は開発者に委ねる立場を取っている。
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ハリソンワールドは,中国のゲームを日本へ,日本のゲームを中国へと,双方向に展開させることを主な業務としている。海外展開というと,一方向の展開をイメージしがちだが,同社は中国にも拠点があり,それを実現させている。
自国の市場については開発者自身が詳しいため,パブリッシャにできるのはマーケティング面の支援にとどまる。しかし別の市場へ出すとなると,そのプレイヤーが何を見て何を気にするのかが分からない。そこを埋められるのが双方向であることの意味だという。
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例として挙がったのが,同社がパブリッシングを手掛ける「復興しよう!温泉町」だ。日本の寂れた温泉町を舞台にしたライフシミュレーションだが,開発は中国のチームで,作中の描写には中国から見た日本の温泉のイメージが反映されていた。これを日本側から細かく指摘し,調整していったという。同作もまた,画風すら固まっていない初期段階から同社が関わっている。
逆方向の例もある。作中に中国の龍を登場させようとしていた日本の開発者に対し,西洋のドラゴンとの違いを説明したこともあるそうだ。中国の要素を作品に入れたい日本の開発者からの相談も受け付けているという。
同社が主に相手にするのは中小規模のインディーデベロッパである。これまで手掛けたタイトルの開発規模は最大で15人,最小は1人。「Hope of Elements − 魔女とドラゴンの旅」の余烬工作室もプログラマとアーティストの2人組で,しかもその2人は元編集者と別業種のイラストレーターと,ゲーム業界の出身ではない。
そうした作り手は理想に寄りがちで,商売の部分が抜け落ちやすい。大手が収益から逆算するのとは対照的で,そこにズレが生まれる。そのズレを開発段階で少しずつ埋めていくことを,同社は自らの役割と位置づけている。プレイヤーに楽しんでもらうことと,作り手が食べていけるようにすることを,同時に成立させる必要があるという考え方だ。
インディーゲームでは開発者の自由を尊重するパブリッシャが多い印象だったが,開発初期から伴走し,作品を一緒に磨き上げていくパブリッシャもいるのだと実感した。
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