「キネマ51」：第5回上映作品は「みなさん、さようなら」

1.「ウルトラセブン」第12話
いわゆる欠番話。「遊星より愛をこめて」という回で，今のところソフト化はされていない。なお，この連載にも一つ欠番が出来た。正直，大した理由ではないのだが


2.「ぼくのエリ 200歳の少女」
2008年のスウェーデン映画。主人公の少年の住む集合住宅に引っ越してきた少女の物語。少女は大きな秘密を持っており，その秘密を共有することで二人は親密な関係になるが，その秘密はあまりにも重く，恐ろしいものだった。同じくスウェーデンのベストセラー小説が原作で，アメリカでは原作のタイトル「モールス」として映画化された。二人の子供が，雪の降る集合住宅の中庭で逢う場面は，その中で完結してしまう団地生活を思い起こすシーンだと，支配人は振り返る


3.「江分利満氏の優雅な生活」
1963年に発売された山口 瞳の直木賞受賞作。電機メーカーの社宅に住む当時の典型的サラリーマン，江分利さんの日常生活をコミカルに描いたもので，映画化もされた


4.都下
23区内ではなく，島でもない地域のことを指す。東京都の西にあたる。現在は多摩地域，三多摩などと呼ばれることが多いが，部長の地元，小金井市などでは自嘲するように自らの地域を都下と呼ぶ者も多い。いや，部長だけか


5.エレカシ
1981年結成の日本のロックバンド，「エレファント カシマシ」のこと。1988年のデビュー以来，ヴォーカル宮本浩次の激しくも内に向かった独特の歌詞と歌唱法でファンの胸を熱くさせてきた。メジャー感の無いメジャーアーティストとして，今年レコードデビュー25周年を迎える。ちなみに，支配人の一番好きな曲は，「ガストロンジャー」（1999）


6.ペッティング
文中にも出ていたように，もはや死語の部類。主人公を演じる濱田 岳さんの，寸止めされてる感にたまらなくグッときてしまう，大人になりきれない部長であった


7.小池徹平さんが刑事やってたドラマ
2008年，フジテレビで放映していた刑事ドラマ「シバトラ−童顔刑事・柴田竹虎−」のこと。波瑠さんは，第1話でちょっと良くないことをしている女子高生役を演じている。この作品には，この連載でも紹介した「桐島、部活やめるってよ」で吹奏楽部部長を演じていた大後寿々花さんもレギュラー出演している


8.スティーブ・マックイーン
1960〜70年代に活躍したハリウッド俳優。代表作は，「荒野の七人」（1960），「大脱走」（1963），「タワーリング・インフェルノ」（1974）など。シャツをアウトがポピュラーになったのは，1990年代に入ってからのこと。もちろんどう考えても，彼の影響ではない


9.マッチさん
ジャニーズ事務所所属，近藤真彦さんのこと。1979年に「3年B組 金八先生」でデビュー。その後歌手として，1980年代を代表するアイドルとして活躍した。2013年現在，ジャニーズ事務所所属タレントとしては，最年長者である


10.倉田保昭
日本を代表するアクション俳優。1971年，25歳のとき香港の映画会社ショウ・ブラザーズのオーディションに合格し香港映画デビューを飾る。香港映画では，主に悪役としてその名を上げていった。日本では，東京12チャンネル（現・テレビ東京）での主演ドラマ「闘え！ドラゴン」（1974）で人気を博したのち，1975年にスタートした国民的刑事ドラマ「Gメン'75」に出演。その人気を不動のものにした。香港で最も有名な日本人とも言われている


11，Gメン'75
1975年にTBS系でスタートした国民的刑事ドラマ。主演の丹波哲郎を中心として，飛行機の滑走路を横一列になって歩くオープニング映像は，パロディを含め多くのテレビ番組などに影響を与えることになる名シーンとして，あまりにも有名。倉田保昭さんは，草野刑事役で出演し，とく香港ロケシリーズでその実力を余すことなく発揮し，人気を博した


12.「コイサンマン キョンシーアフリカへ行く」
1991年製作の香港映画。日本公開は1996年。1980年代，日本でも一世を風靡した映画「ミラクル・ワールド ブッシュマン」（1981）に主演したナミビア人俳優，ニカウさんと，キョンシーが力を合わせて悪人達と戦うナンセンスコメディ。ストーリーは説明するまでもない程薄い。ただし，本文にあるナミビア人であるニカウさんが，ブルース・リーの映像とシンクロしながら敵を倒していく姿は必見


13.霊幻道士
1985年公開の香港映画。いわゆるキョンシーブームの火付け役となった作品。その後のシリーズでは出演だけでなく監督も手がけているラム・チェンインの代表作


14.マス大山，大山倍達
1923年生まれの空手家，国際空手道連盟総裁・極真会館館長。“ゴッド・ハンド”“牛殺し”などの異名を持つ格闘界のレジェンド。今回取り上げた作品の中では，記録映画「猛牛と戦う空手」の映像が使われている


15.「空手バカ一代」
1971〜77年に，「週刊少年マガジン」で連載された梶原一騎原作の漫画。大山倍達の半生を描いた伝記的作品。連載当時は，触発されて極真会館に入門する人々が多くいたという。アニメ化もされ，主題歌は現在Jリーグ柏レイソルの応援団が歌う替歌「柏バカ一代」として歌い継がれている


16.「相棒」のオリジナル小説
「熱血鑑識官 米沢守のドッキリ事件簿ZERO」のこと。ニンテンドーDSのゲーム「相棒DS」の脚本を手がけた平松正樹が書き下ろしている。


17.ミック・フォーリー
1986年にデビューしたプロレスラー。多重人格ギミックで，カクタス・ジャック，マンカインド，デュード・ラブといったキャラクターで活躍。受け身の名手として名高く，数々のハードコアマッチで激戦を繰り広げた。作家としての顔も持ち，1998年に上梓した自伝「Have a Nice Day!」は，全米でベストセラーに


18.ハクソー・ジム・ドゥガン
1979年デビューのプロレスラー。WWEで年に1回開催される「Royal Rumble」（時間差バトルロイヤル）の第1回（1988年）優勝者。2011年にはWWE殿堂（Hall of Fame）に選ばれ，2012年のRoyal Rumble25周年大会にも，初代優勝者として登場。トレードマークは角材（Hacksaw）