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「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー
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印刷2020/02/21 12:00

インタビュー

「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー

 「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグである「League of Legends Japan League」(以下,LJL)が2014年にスタートしてから,約6年が経つ。いまやeスポーツの国内リーグとして最大規模にまで成長したLJLだが,その勢いはまだ留まるところを知らず,ファンを惹きつけるイベントとして日々進化を続けている。

写真はLJL 2019 Summer Split Final
画像集#001のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー 画像集#002のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー

 今回,そのLJL運営の責任者であるライアットゲームズの仲尾周三郎氏にインタビューする機会を得た。LJLおよび日本のLoLコミュニティ,再開を目前に控えるClashトーナメントなどについて聞いてきたので,その内容をお届けする。

4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。

ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾周三郎氏
画像集#010のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー
仲尾周三郎氏:(以下,仲尾氏)
 ライアットゲームズの仲尾です。メインでやっているのは,LJLの運営となります。LJLは去年から,ライアットゲームズ,吉本興業,プレイブレーンの3社で運営しているのですが,そのライアットゲームズ側の責任者として私が参加しています。

4Gamer:
 読者の中には,仲尾さんのことを「Clashの『チームパーフェクトボディ』に出ていた人」として認識している人もいると思うのですが,そもそもあの企画を考えたのが仲尾さんなんですよね。

2018年に発表された競技モード「Clash」に参戦したチーム「Team Perfect Body」の面々。左から石井プロさん(ゲーム配信者),大久保聡美さん(女優),ケイン・コスギさん,ハメコ。さん(コメンテーター),仲尾氏
画像集#007のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー

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 ライアットゲームズは本日,PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド」のトーナメント「CLASH」に,アクション俳優のケイン・コスギさんが率いる「Team Perfect Body」が参戦することを発表した。記念すべき初陣は2018年5月25日から27日に開催される「デマーシアカップ 1」になるようだ。

[2018/05/18 17:23]

仲尾氏:
 そうです。当時,私はClashのプロモーションを担当していて,「何か面白いことができないかな」と考えていたのですが,ちょうど「ケイン・コスギさんと一緒に仕事ができるかもしれない」という話が来て,そこからあの企画が生まれました。

4Gamer:
 仲尾さんは,ケインさんと以前から知り合いだったんですよね?

仲尾氏:
 知り合ったのはClashよりも前ですね。ケインさんとお会いする機会があって,そのときに「ゲームは昔からプレイしていて,競争が激しいものほど好きなんです」とおっしゃっていたので,「じゃあLoLをプレイしてみませんか」と誘ったんです。

 当時ケインさんはPCゲームをやるのが初めてで,マウスの操作もおぼつかなかったんですが,チュートリアルをプレイして,一緒にノーマルゲームをやったりしてるうちに少しずつうまくなっていって……気づいたら越されていました(笑)。

LJLの試合会場にもプライベートで何度も足を運んでいるケインさん(LJL 2019 Spring Split)
画像集#008のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー

4Gamer:
 では,ケインさんにLoLを始めさせたのは仲尾さんである,と。

画像集#011のサムネイル/「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL」の目指す世界とは? ライアットゲームズ ブランドマネージャー 仲尾氏インタビュー
仲尾氏:
 いちおう,そういうことになりますね(笑)。ただ,勧誘がきっかけでも,そこから熱中して,プレイし続けたのはケインさん本人の意思ですから。ケインさんは,今でもLoL関連のイベントに対してにすごく協力的で,本当に助けられています。

4Gamer:
 そういった経緯を知らずにあの企画を見ていた人は,仲尾さんを見て「なんで一人だけ社員さんが混じってるの?」と思ったかもしれませんね。

仲尾氏:
 そうですね(笑)。ほかにだれか有名なプレイヤーを入れることも考えましたが,緩い企画のつもりでしたし,公式のナビゲーターみたいなのが混じっているのもいいんじゃないかということで,ああいう形にまとまりました。

4Gamer:
 これまでのテスト期間を経て,Clashトーナメントの正式スタートが差し迫っています(2月22日,23日開催)。今回も,何か企画を考えているのでしょうか。

仲尾氏:
 Clashは再開までに何度もトラブルがあって,まだ「ようやく再開ができる」という状況なので,もう少し様子を見るつもりです。

4Gamer:
 では今のところ,「チームパーフェクトボディ」の再始動は考えていない?

仲尾氏:
 今のところはないですね。要望が多ければ検討させていただきます(笑)。まずは,みなさんに気軽にClashに参加してもらいたいですね。

4Gamer:
 とてもいい企画だったので,再始動に期待しています(笑)。
 ここからはLJLについて聞かせてください。LJLは去年から,ライアットゲームズ・吉本興業・プレイブレーンの3社で運営しているわけですが,それぞれの役割を改めて教えていただけますか。

仲尾氏:
 吉本興業さんには,LJL会場(ヨシモト∞ホール)や決勝戦イベントの運営を統括してもらっています。プレイブレーンさんは,LJLのクリエイティブや,それらのステージ上の演出と進行,配信に関わる全般が担当です。
 うち(ライアットゲームズ)はLJLの主催として各種ルールの制定をするほか,吉本興業さんやプレイブレーンさんから出てきたさまざまなアイデアについても,社内で議論しながら最終判断を下しています。

4Gamer:
 今季のLJLではさまざまな新しい動きがありました。まずは,LJLに新しく入って来た福岡ソフトバンクホークスゲーミングについてお聞かせください。チームの公募条件は「資本金が5千万円以上」,そして「チームオーナーとなる法人の、2019年10月以降に開始する最初の会計年度における年間売上が合同会社ライアットゲームズからの支払いを除き、25億円以上になると合理的に見込まれること(※)」というものだったのですが,以前と比べるとかなり厳しい条件になったと思います。なぜこれだけの条件としたのでしょうか。

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 PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド」の日本公式リーグである,「LJL」。ライアットゲームズは本日,2020年度のLJLにおける新チームの一般公募を,2019年11月21日に開始すると発表した。これは,Unsold Stuff Gamingが2020年度のLJL出場権を得られなかったことに伴うものだという。

[2019/11/20 15:52]

仲尾氏:
 LJLから世界レベルのチームを生み出していくには,各チームの「組織としての強さ」が必要です。スタッフや選手のためによい投資をでき,年間を通して運営を続けられる企業かどうかを判断するために,現在の基準としました。
 どんなに強いチームでも,選手の給料が低かったり,生活環境が悪かったりするようでは,ファンやプレイヤーのあこがれの場所とはなりませんよね?
 
4Gamer:
 あまりの高額さに一部からは「デキレース」という声もあったようですが。

仲尾氏:
 そんなことは一切ありません。選定の内容については明かせませんが,あくまで「組織としての強さ」を求めていくための条件設定ですし,公平公正に選考しています。

4Gamer:
 この条件は,既存のチームにまで適用されるものではないんですよね?

仲尾氏:
 今回は,新しく入ってくるチームに対して提示したものなので,現時点では既存のチームとは関係ありません。ただし,こういった条件は今後も変わっていく可能性があります。とにかく重要なのは「選手の練習環境と生活が守られるチームである」ことですね。

4Gamer:
 今季のLJLでは,レギュラーシーズンの期間が短くなり,プレイオフの期間が長くなりました。どういった意図があってこのような変更になったのでしょうか。

仲尾氏:
 「LJLのレベルを世界に通用するものにしたい」というのが最大の狙いです。去年のLJLでは,国際大会の予選ルールに合わせてBO1(1試合先取)形式を導入したのですが,それだけでは,チームとしての真の強さが問われるBO5形式の経験を積めませんでした。
 そのため,今季からはプレイオフの試合数を増やし,多くのチームがBO5形式を経験できるようルールを見直しました。BO1とBO5の試合数のバランスを考えた結果ですね。

4Gamer:
 先ほど,組織としての強さが必要,という話がでましたが,選手個人の強さについてはどう考えているのでしょう。日本人選手の技術の向上やスターの発掘,というのは,LJLにとって大きな課題なのではないでしょうか。

仲尾氏:
 日本全体の競技レベルを高めていくために,まずプレイヤーの母数を増やさなければいけないと考えています。そのためにさまざまな施策をしているわけですが,やってすぐに効果が出るものではないので,「引き続き努力してまいります」……と言うしかないですね(笑) ただ,まだお伝えすることは出来ませんがいろいろと計画はしています!

4Gamer:
 ライアットゲームズとしては今後,LJLという競技シーンをどのようなものにしたいと考えているのでしょう。

仲尾氏:
 目標の1つは先ほど言ったとおり「LJLのレベルを世界に通用するものにする」というものです。競技レベルの向上だけなく,シーンそのものがファンの憧れとなるようにしたいですし,選手へのスポットライトの当て方にも,もっと工夫をしていきたいと思っています。

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 もう1つの目標は,LJLをファンのみなさんが「会場にきてよかったな」と思えるような興行にすることです。今シーズンから新しいグッズを販売したり,出前館さんと提携して会場で飲食可能にしたりするのもその一環ですね。

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 今シーズンの決勝戦の会場が大阪になったのも,東京に足を運べなかったお客さんに,現地での観戦を一度味わってみてもらいたいという思いからです。まだ一度も試合を生で観たことがないという人は,ぜひ一度足を運んでみてください。

4Gamer:
 そういえば会場で飲食可能になりましたが,頼めるものなら何でも頼んでいいのでしょうか。

仲尾氏:
 なんでもOKです! と言いたいところですが,匂いの強いものや汁物などは避けていただけるとありがたいです。ラーメンのスープなど後処理に困るものもありますし,何より万が一こぼしてしまうと大惨事となってしまうので。頼んでいいか迷っうようでしたら,会場スタッフに聞いてもらえると。

4Gamer:
 一般的なマナーの範囲内で楽しんでください,ということですね。
 では最後に,LoLとLJLのファンに,LJL運営の代表としてメッセージをお願いします。

仲尾氏:
 LJLはファン,選手,チーム関係者,そしてライアットゲームズの社員など,多くの人たちの夢が集まってできた舞台だと思っています。これからも,ファンの皆さんが楽しめるエキサイティングなリーグとして,世界に誇れるものにしていきたいと思っているので,引き続き応援のほどよろしくお願いします。

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