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印刷2023/07/21 08:00

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「LJL 2023 Summer Split」プレイオフ特集! 競技シーンの環境&各チームの現状などをまとめた,2023年夏の観戦ガイド

 「リーグ・オブ・レジェンド」(以下,LoL)のプロチームがしのぎを削る,日本リーグ「League of Legends Japan League」(以下,LJL)において,2023年7月22日に“プレイオフ”が開幕する。

 プレイオフとは,6月10日より行われてきた夏の大会「LJL 2023 Summer Split」の決勝トーナメントのことで,この決戦を勝ち抜いたチームには賞金1000万円と,今年10月に韓国で行われる,LoL界で最も権威のある世界大会「Worlds2023」への出場権が与えられる。

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 今春に引き続き,今夏もプレイオフ特集として「今から見始めるんだけど見どころは?」「何試合か見逃しちゃったけど大丈夫?」といった方々へ向けて,大会における現在環境のメタや,夏の総当たり戦を踏まえての各チームの現状など,観戦ガイドをお届けする。

 なお,今回からは“全チームがトーナメントに参加”するようになるなど,大会形式もガラリと変わった。優勝候補は全チームなわけだ。

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 「リーグ・オブ・レジェンド」の日本リーグ「LJL(League of Legends Japan League)」で,2023年4月1日からはじまる決勝トーナメント“プレイオフ”。約2か月にわたる戦いの現状をおさらいして,春の最終決戦を見届けよう。

[2023/03/31 18:00]


プレイオフはハイブリッドイリミネーション!?
“全チームに優勝チャンスがある”大会形式に


 今季プレイオフの基本情報だが,まずは大会形式が「ハイブリッドイリミネーション」と呼ばれるスタイルに変更された。

 といっても「ハイブリッドイリミネーション? なにそれ?」とばかりに,現時点ではネット検索したところで情報はあまりなく,大会形式としてもメジャーではない。これについては文字だけでの解説だと伝わりづらいはずなので,まずは“下記の表”を見てほしい。

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 上図をざっくり解説すると,全試合BO5(3本先取の最大5マッチ)の前提で,「今季はシーズン順位次第で,1回負けてもトーナメントに残れるか,そうじゃないか決まったよ!」といったところだ。

 これにより,現在の1位〜4位はダブルイリミネーション方式の“Upperブラケット(1敗しても1回復活)”に。5位〜8位はシングルイリミネーションの“Lowerブラケット(1敗すると敗退)”になった。

 文字どおり,いろいろとハイブリッドであるが,端的に“上位抜けチームだけガーディアンエンジェル持ち”ということである。
 ゲーム的にも,試合が優勢で余裕のある側がガーディアンエンジェルを先に積みがちだから,ある意味,LoLらしいルールと言えよう。

 そのうえで,これまでの夏のシーズン順位はコチラだ。

プレイオフ前のシーズン順位。中位〜上位チームの勝敗数がかなり近い接戦であった
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 Upperブラケットのチームは「DFM」「SHG」「FL」「CGA」。
 Lowerブラケットのチームは「SG」「BC」「AXZ」「V3」。

 今季のレギュラーシーズン(リーグ戦)は,BO3(2本先取の最大3マッチ)に変更はなかったが,全チームの総当たり回数が1回ずつのシングルラウンドロビン方式となり,春に比べて試合数が減った。
 その代わり,プレイオフには全チームが参加できるようになり,リーグ戦の結果に関わらず“全チームに優勝の可能性”が生まれた。

 こうした面も影響してか,今季はどのチームもメンバーの入れ替えや戦術の模索など,プレイオフに向けての調整に費やしているという見方もできた。ルール上,究極的には「リーグ戦をすべて研究に回す」ことすらできるため,調整次第では大番狂わせも見えてくる。

とくに気になるのは,春季2位だったが,今期は5位スタートとなったSengoku Saming(SG)。メンバー変更を繰り返してきたものの,最終的には春に優勝を争った選手の起用策で落ち着いた模様
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 春の特集でも触れたが,BO5はマッチ数が多くなりがちなため,1戦ごとに「戦術の数」「試合ごとの分析力・修正力」,さらに「選手自身の体力・精神力」など,とにかくチームの総合力が問われる。

 なかでも分析力・修正力はとても大事だ。あくまで個人的な意見だが,BO5は「前試合でうまくいかなかった要因を,どう潰しておくか」といった対応が見どころだと思っているので,負けたチームのほうこそ,どんな手を打つのか。そこに注目すると観戦時の解像度も高まる。

バン&ピックで対処する? ゲーム内の動きで対処する? マッチの先取状況や選手当人らのパフォーマンスだけでなく,チームのコーチ陣がどのような判断を下すかも影響する
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プレイオフのパッチはどうなる?
“13.12のシヴ”か“13.13のシヴ”か……


 ここからは,プレイオフで適用されるであろうパッチが,環境にどのような変化を与えるのかをおさらいしていこう。

 本稿の執筆時点(2023年7月17日)で使われている「パッチ13.13」は,いくつか不具合が確認されており,競技シーンでは採用していない地域も多い。LJLも例に漏れず,同パッチは見送られている。
 しかし,LEC(ヨーロッパなどのEMEA地域のLoLリーグ)ではパッチ13.13が適用されていることから,今後更新される可能性はある。

 さて,同パッチでなにが変わるのかだが……争点はやはり,あの悪名高きビリビリ剣こと,後衛ミニオン瞬間消失マジックでおなじみのアイテム“スタティック・シヴ”(以下,シヴ)になるだろう。

シヴは「通常攻撃時,一定条件で相手チャンピオン&ミニオン複数に電気攻撃」。中盤戦以降,この効果により一瞬で後衛ミニオンが消し飛ぶさまは,もはや見慣れた光景である
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 シヴはパッチ13.12で猛威を振るったのち,パッチ13.13でAP(魔力)ビルドにおけるミニオンのクリア速度が大きく下げられた。
 これにより「ルブラン」「ルブラン」,そして「ルブラン」やAPシヴ悪用チャンピオン「ルブラン」らはやりづらい状況になった。

 ――なったはずだったが,パッチ13.13の採用地域を見る限り,ルブランのバン&ピック率はいまだに最高クラス(90%以上の確率で選択されるか選択制限)である。さらにはシヴ自体の採用率も90%以上と,強豪選手ですらビリビリ剣を手放す気配がまったくない始末だ。
 APシヴ積みのカイ=サもまだまだ健在とあり,「ナーフとは一体ゴゴゴゴ……」というのが同パッチ環境を印象付けている。

シヴを持って最速でミニオンをクリアし,カイ=サの「W - ヴォイドシーカー」により遠距離からの狙撃(ポーク)。この弾が2発当たれば,柔らかいチャンピオンの体力はほぼ残らない
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 弱体化されたはずなのに終わらない悪夢なのが今の“シヴメタ”だが,今後の流れがどうなるかは未知数だ。

 そもそも競技シーンは新たなメタへの順応がゆるやかだ。LCK(LoLの韓国リーグ。めちゃくちゃ強い)やLPL(LoLの中国リーグ。めちゃんこ強い)など,世界最高峰と称される地域もパッチ13.12が主流だったことで,パッチ13.13の研究はこれからが本番な可能性もある。

 その結果,あまたのAPシヴ使いが淘汰されることも十分に……いや五分に……いやはや2割くらいは,まあ,あるだろう,きっと。

そもそもパッチ13.14も近づいてきている。プロシーンでの導入タイミングは不明だが,どこまで13.13が研究されるかはまったく読み解けないし,それゆえに大会模様も荒れそうである
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 ここまでがシヴ環境の話だが,パッチ13.13にはこれ以外にもさまざまな変更がある。まずはjg/midで優先度が高いチャンピオン「ニーコ」「アニー」「ヴァイ」「ウーコン」らの弱体化だ。

 これにより,彼らは同パッチ以降,ほとんど姿を消した。

ヴァイをピックする最大の理由であったスキル「R - 突入捜査」のクールダウンが大きく伸びた。「Buning Core」(BC)のEL選手などはヴァイのパフォーマンスが非常によかっただけに,手痛いナーフになりそうだ
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 その結果,次の環境のjgは「セジュアニ」や「ポッピー」が席巻し,次点で「アイバーン」「マオカイ」あたりが候補に挙がってきた。
 バフはされたが,現状のメタには合っていないのか「リー・シン」「ニダリー」の両名はそれほど選ばれていないようである。

 とはいえ,メタに関わらずプロシーン向きチャンピオンではあるため,彼らの準備を進めているチームがいてもおかしくはない。

「(SGの)blank選手のリー・シンが見たい!」という方々もきっと多いはず。プレイオフのここ一番でピックされるかどうかも期待しておきたい
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 midはニーコとアニーが静かになってきたことで,以前から強力だった「アジール」「トリスターナ」が増加傾向にある。それでもやはり,当然のように健在なルブラン,カ=イサの存在感は大きい
 現状のmidはシヴを持てるか,持てなくても対抗できるウェーブクリア能力(ミニオンの一掃速度)があるかが焦点になりがちである。

 ついでにtopとのフレックス(複数レーンに適正があるチャンピオン)で,トリスターナに対抗しやすい「ジェイス」も注目株だ。

それにしてもこの皇帝(アジール),プロシーンに返り咲きすぎである。FENNEL(FL)のRecap選手や,DetonatioN FocusMe(DFM)のAria選手は使用時のパフォーマンスもすばらしいので,プレイオフでピックされる可能性は大いにありそうだ
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 個人的に気になっているのは,topにおける「ランブル」の存在だ。パッチ13.12以降,topのワニこと「レネクトン」の対抗策として注目され,ピック率がかなり上昇してきているようである。

 ランブルはレーン戦の強みはもとより,序盤の激戦を生むリフトヘラルドの湧き時間8分前後に,スキル「R - イコライザー」を使うことで,レネクトンとの序盤戦〜中盤戦をいなしやすいのだ。

先日,DFMのYutapon選手がランブルで試合の趨勢を決したことも記憶に新しい。個人的に好きなチャンピオンなので,こうして競技シーンに戻ってきてくれたこと自体,うれしい限りだ
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 現段階では,プレイオフもパッチ13.12のままでやるのか,それともパッチ13.13に変わるのかは分からない。ただ,どちらにせよシヴは強いままで,明確なOP(オーバーパワー。強すぎる)であるルブランがデカい顔を続けることに変わりはないと思っている。

 ただ,パッチ13.13で行われる場合はヴァイやニーコといった強力な駒が減るので,チャンピオンバンの選択肢も多少は広がりそうな?

ちなみに,ないとは思うが,仮にパッチ13.14が最速で適用されたとしても,この“わんちゃん(ナフィーリ)”はグローバルバン(全チーム使用不可)期間なので使えない。プレイオフ後のWorldsでの活躍を楽しみにしておこう
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プレイオフに挑む,全8チームを紹介!
勝利の栄光はどこがつかみ取る?


 最後に,7月22日からはじまるプレイオフに臨む各チームを紹介していく。「プレイオフ前にぜひ見てほしい!」という試合動画も合わせて紹介しているので,忙しくて試合を見られていなかった人はぜひ。

プレイオフの正式なトーナメント表
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○DFM(DetonatioN FocusMe):夏季1位
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 言わずと知れた強豪チーム。シーズン後半にメンバー変更が行われ,優勝争いからは脱落か……に思われたが,優勝候補のライバルであるSG相手に2-0の快勝。“常勝のDFM,ここにあり”と貫禄を見せつけた。
 とくにSG戦におけるmid/Aria選手のパフォーマンスは目を見張るものがあり,得意ピックであるアジールがまたまたメタに台頭してきたことも,DFMにとってはこれから先の追い風となるだろう。

【注目するなら】top/Yutapon選手
 シーズン後半のレーンコンバートにより,adcからtopに転身。しかし彼の経歴をひも解くと,2016年ごろにDFMでtopを担当していた時期もあり,当時も驚くようなプレイで天才の異名を欲しいままにしていた。過去の「LJL 2016 Spring Split」では優勝の立役者になったほどだ。
 昔と今では対面の選手もメタもまるで違うが,SG戦での活躍を見るに,Yutapon選手にとっては大した問題ではないのかもしれない。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 14 Match2 Game1
 Yutapon選手がランブルで圧倒的なパフォーマンスを見せた試合。実況&解説も騒いだ「R - イコライザー」の打ち方に注目。

YouTube動画


【番外編】LJL 2016 Spring Split Final Game1 DFM vs RPG
 Yutapon選手がtopを担当していたころの1本。代々木競技場でのオフライン開催されていた,春季大会のFinalをピックアップ。

YouTube動画




○SHG(Fukuoka SoftBank HAWKS gaming):夏季2位
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 今季は各チームがさまざまな理由で苦しむなか,SHGは尻上がりで調子を伸ばしてきた。シーズン前半は細かいミスも目立ったが,徐々にスノーボール展開(有利状況を膨らませること)を握ったら手放さず,キレイに成し遂げてきた。チームとしての完成度は非常に高い。
 これまでの仕上がりのまま,プレイオフをかけ上がれるのであれば,今季の優勝候補筆頭はSHGとしても異論はないだろう。

【注目するなら】sup/vsta選手
 もとから奇抜なピックが目立っていたが,今季はさらに磨きをかけてきた。おなじみのベル=ベスを筆頭に,ポッピーやsmiteノーチラス&ブリッツクランクなど,もはやなんでもアリである。しかもそうしたピックをしたときに限って,考えられないような活躍を見せてくれる。
 豊富な手札を要求されるBO5。見ているだけで飽きないvstaのポケットからは,いったいどんなサプライズが飛び出すのか。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 8 Match2
 smiteサポートが飛び出した試合。DasheR選手がvsta選手への印象を語る,試合後のインタビューまで合わせてご覧いただきたい。

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○FL(FENNEL):夏季3位
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 DFM,SG,SHGこそ,LJLの3強である――なんて言説も今や昔に。この夏はなんとFLが3位に食い込んできた。今季はRascal Jester時代にチームメイトであったjg/hachamecha選手とmid/Recap選手や,強力なキャリー役のads/Ssol選手が何度も決定打を演出してきた。
 オブジェクトに対する判断が独特なチームであり,とくにバロンナッシャー周辺で展開しているときは,目が離せなくなるだろう。

【注目するなら】top/TaNa選手
 ケイル,ジェイス,ケネンなど,あらゆるキャリー系チャンピオンを使いこなす選手。春からとてつもないパフォーマンスを発揮していたが,今季はそれをも上回る活躍ぶり。“topレーンの覇者”が誰かと聞かれれば,多くの人たちがTaNa選手の名を挙げるに違いない。
 ヴァルスなどの特殊なチャンピオンプールも備えており,まだ隠している手札があるようなら,プレイオフももワッと沸かせそうだ。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 11 Match2
 どっちのtopが強いのか。意地がぶつかり合った勝負。Game2では互いのjgがtopへひたすらアクションを仕掛ける,見応えのある展開に。

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○CGA(Crest Gaming Act):夏季4位
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 春季7位からの大躍進。連携面やマクロの動きが向上し,強いCGAが帰ってきた。なかでもsup/Qoo選手の動きがユニークで,強気なエンゲージでチーム全体を引っ張っている。レルなどのエンゲージ系タンクが主流であるという事情も,彼の背中を押しているのだろう。
 唯一の気になる点は,レギュラーシーズン中,上位チームとの直接対決に勝てていない点か。いかに上位陣を打ち破るかがカギである。

【注目するなら】sup/Qoo選手
 CGAが調子を取り戻した一因には,間違いなくQoo選手の存在があるだろう。彼はタンクサポートを用いたときのアグレッシブなエンゲージで,チームに何度も試合の流れをつかませてきた。
 攻撃的な動きを得意とするjg/cassin選手との相性もよさそうで,2人の盤面でのオラつきがハマれば,優勝に近づけるはずだ。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 8 Match1 Game1
 CGAは集団戦が強い! そんなことをあらためて印象付けられる,華麗なWONBO CONBO(特盛のCC&ダメージコンボ)が見られる試合。

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○SG(Sengoku Gaming):夏季5位
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 SGは春から大きく順位を落とし,Lowerブラケット(1敗で敗退)での挑戦となってしまった。しかしjg/Once選手の復帰以降は,春の強さを思い起こさせる仕上がりに。Once選手は合流してまだ日が浅いようだが,長年ともにプレイしてきたtop/Paz選手とsup/Enty選手がいれば,すぐに調子を取り戻してもなんらおかしくはない。
 優勝にはBO5で4勝。長い道のりだが,SGなら上り詰めかねない。

【注目するなら】mid/Jett選手
 チームが安定していないなかでも,ほぼ必ずと言っていいほどレーンで有利を作り出し,試合のきっかけを生み出してきたJett選手。彼のヒリつくようなプレッシャーは相変わらず強烈で,カメラに映るたびに「なにかするんじゃないか!?」と,思わず目を奪われてしまう。
 プレイオフでもサイラスやルブランといったお得意ピックが見られたなら,観客アンケート「Who Will Win」の値も変わりそうな。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 12 Match1 Game1
 Once選手の復帰戦。いっさいのブランクを感じさせないプレイングはもちろん,息のあったチーム単位での動きも美しい。

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○BC(Burning Core):夏季6位
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 どうにも不調から脱出できず,6位に落ち着いてしまったものの,上位チームを相手にしてもマッチ1勝をもぎ取るなど,地力の高さは見て取れる。あとはこれまでの課題を洗い出して,うまく歯車をかみ合わせていれば,プレイオフでも熱戦を見せてくれそうである。
 そしてDFM戦で見せたまさかのtopナサスのように,BCにしかできない独自の対策が取られるようなら,油断できるチームはいない。

【注目するなら】top/RayFarky選手
 mid/Dice選手と並び,BCの勝ち筋を作り上げてきた選手。レーン戦をはじめ,集団戦での動きも巧みであり,機動力の高いレネクトンを使ったときのチームファイトでは暴れっぷりがさえる。
 今季は伝家の宝刀ダリウスによる勝利はあげられていないものの,相手チームからのバン率は50%を超えるなど,バン枠への圧は緩んでいない。対面からしたら,つくづく厄介な選手だと言える。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 7 Match2 Game1
 このご時世にtopナサスがピックされた。ケネンに対するカウンターでもあるが,シンプルにうまいナサスが大暴れする様子をぜひ。

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○AXZ(AXIZ):夏季7位
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 LJL初出場のtop/Rickey選手を擁するフレッシュなチーム。夏からは新たにadc/Valkyrie選手を迎え,Ino選手がsupへ転向するなど動きがあったが,チームとしての成熟度には課題を抱えていそうだ。
 しかしながらValkyrie選手&Ino選手のbotコンビは頼もしく,シーズン後半からはRicky選手も飛躍も見て取れたので,個の出し方と連術の練度が高められていれば,夏の刺客になっても不思議はない。

【注目するなら】adc/ Valkyrie選手
 チャンピオンプールが幅広く,ジンクスやザヤといったベタ足(移動スキルを持たない)チャンピオンの使用時でも,集団戦の立ち回りが光っている。自分が倒されないギリギリのラインを見極めて,ダメージを出し続けるのがadcの使命。そうしたミッションをbotを主軸に完遂できるようなら,AXZにとって大きな武器になっていくはずだ。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 10 Match1 Game3
 Valkyrie選手のザヤが光る一戦。終盤のドラゴン前ファイトでは,すべてのリソースを注ぎ込み,SGの猛攻をしのぎきった。

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○V3(V3 Esports):夏季8位
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 mid/Acee選手のパンテオンやオリアナ,jg/HRK選手のノクターンなど,メタ外のピックも交えて試行錯誤を繰り返すも,1勝が遠い。
 top/Washidai選手のナーなど,集団戦の動きも徐々によくなってきているようには見えるので,各レーニングで負けず,うまく集団戦の時間までつなぐことができれば,念願の1勝に近づけるだろう。

【注目するなら】top/Washidai選手
 集団戦の要になっているのは,間違いなくWashidai選手が扱うチャンピオンだ。とくにナーはLJL参入時から使い続けてきたこともあってか,集団戦ではたびたび鋭い「R - ナー!」を決めている。
 観戦時は,オブジェクトに触れる前の彼がどういった立ち位置を確保しているか,しっかりと見ておくといい。

【注目試合】LJL 2023 Summer Split Day 4 match1
 adc/drescord選手のペンタキル(全員が沸く瞬間)が起こった試合。V3全体が連動しながら集団戦を形作り,お祭りムードを生んだ。

YouTube動画



 あらためて,「LJL 2023 Summer Split」プレイオフの1戦目は,7月22日18時にスタートする。試合はTwitch,YouTube,AfreecaTVのライアットゲームズ公式チャンネルで配信予定だ。
 初戦はシーズン首位のDFMと,4位のCGAの試合となっており,プレイオフを飾るにふさわしい試合になるのは間違いない。

 全チームがトーナメントで競い合う,さらに初めての形式によるプレイオフ。どんなチームも栄光の「Worlds 2023」出場を狙えるとあり,チームもファンも今まで以上に希望を託せる大会となった。

 今年のLJLも,残すところプレイオフのみ。
 どのチームがどんなドラマを紡ぐのか。明日が楽しみで仕方ない。

Twitch「LJL 2023 Summer Split」

YouTube「LJL 2023 Summer Split」

AfreecaTV「LJL 2023 Summer Split」

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