プレイレポート
「黒い砂漠」の新クラス「ラン」が持つ軽功スキルを体験。運営チームとの勝負はゴルフ対決?
2017年4月12日,公式サイトのお知らせで「今後の『黒い砂漠』のアップデート計画をご紹介!」が掲載され,そこに新クラスのシルエットが紹介されたことを覚えているだろうか。約1年前の話なので,記憶がおぼろげなファンもいると思うが,続報を待ち望んでいたプレイヤーも多いだろう。このシルエットのキャラクターこそ,今回のアップデートで実装される16番めのクラス「ラン」だ。
今回,ランの実装に先立ってメディア合同の体験会が開催された。4Gamerもこれに参加し,新クラスのプレイフィールを確かめる……つもりだったのだが,いつのまにか運営チームと勝負することになっていた。何を言っているのか分からないかもしれないが,ともあれ本稿ではその経緯と結果をお届けしよう。
妖艶なスタイルと不可思議な雰囲気を持つ「ラン」。「軽功」スキルで空を駆ける
ランの概要について,「黒い砂漠」日本運営プロデューサーの麥谷将人氏が説明してくれた。ランは韓国や中国で人気の武侠小説をテーマに制作されたキャラクター(クラス)で,気を操る「軽功」を使い,空を駆け,滑空するというスキルを持つ。
ランは抜刀状態になると左手に剣「古剣」,右手には古剣の柄から布でつながれた「半月錘」を手にする。一見するとメイン武器は古剣のように思えるが,実のところメイン武器は半月錘のほうになる。これを振り回して戦うランの姿は,まさに舞っているようだ。
ほかのクラスにないランの特徴といえば,前述したとおり空を駆ける「軽功」スキルだろう。「軽功」は抜刀時のみに使えるスキルで,前方に踏み出して空を走るように移動する。
しばらく空を駆けたあとは滑空状態になり,緩やかに地上に降りてくる。「軽功」スキルには10秒間,高所からの落下ダメージ軽減効果が付いているので,あまりに高すぎる場所からの着地でなければ,着地時に死亡するということを回避できる。
さらに「コンボ:軽功」を覚えていれば,「軽功」での移動終了と同時に空を蹴って,もう1回「軽功」と同じ効果を得られるため,より高く,より遠くへと移動することが可能だ。
さて,「軽功」で空を駆ける楽しみを堪能したあと,麥谷氏から「せっかくなので,皆さんと我々運営チームで,ランを使って勝負しましょう」との提案が。いったいどんな勝負なのだろうか……。
メディアチームと運営チームによるがちんこバトル!
その内容は,我々メディアチーム3名(4Gamer,ファミ通.com,OnlineGamer)と,黒い砂漠運営チーム(麥谷氏,GMくまき,GM馬車)が,4つの競技で勝負するというもの。メディアチームが勝てば,「ラン実装後のイベント開催をお約束しましょう」とのことだ。負けてもとくに失うものはないが,「責任重大だなー」とか考えていたところで,勝負する4つの競技が公開された。
この4つの競技のうち,先に3つを制したチームが勝利。勝負がつかなかった場合は,4つめの「アイテム強奪競争」に再び挑戦して白黒を付けることになる。なお,すべての競技で黒い砂漠運営チームが先行で挑戦し,お手本を見せてくれるというハンデ付きだ。
とはいえ,運営チームがルールを設定し,しかも事前に練習までしているであろうことは容易に想像できる。メディアチームはそもそも初めて(しかも20分程度)ランを触ったという状況だ。どう考えても不利な勝負……しかし,やるからには「プレイヤーのためにも勝たなければ!」との決意を胸に,最初の競技に挑んだ。
●第1戦 崖幅跳び
最初の競技は「崖幅跳び」。バルタラ西部山脈の山頂付近から,リングウッドの森方面へ「軽功」ならびに「コンボ:軽功」で飛翔と滑空を行い,最もリングウッドの森に近い数値(マーキングしたポイントまでの直線距離)を計測。各チーム3名それぞれがチャレンジして,“飛距離の合計”が高いチームが勝利となる。
バルタラ西部山脈の山頂からリングウッドの森まで約1070メートル。事前に練習した麥谷氏によると,最高記録はリングウッドの森まで850メートルの地点での着地だという。つまり,飛距離は約220メートルというわけだ。
先陣を切った麥谷氏は……なんと計測不能地点に着地。記録としてはいわゆる“OB”となる。幸先の悪いスタートだったが,続くGMくまき氏が870,GM馬車氏は850という好記録をマークした。
続くメディアチームは,さすがにいきなりのチャレンジは厳しかろうとのことで練習が許された。運営チームのプレイを見ていたメディアチームは「前に出て少しでも距離を稼いでから飛ぶか,高いところから飛んで滑空距離を増やすか」と「ちゃんと計測できるポイントに降りること」を念頭に練習を行いチャレンジすることに。
最初に飛んだOnlineGamerは850と好成績。続く筆者もOnlineGamerと同じ850で,最高記録を上回れなかった。この時点で崖幅跳びはメディアチームの勝利で決定していたが,最後のファミ通.comが最高記録を狙おうと意欲的なチャレンジを試みる。しかし,記録は870と残念ながら,GMくまき氏と同じ飛距離だった。
●第2戦 床ドンをあてろ!
運営チームの凡ミスもあり,これならなんとか勝てるかも,という希望が湧いてきたメディアチーム。勝負は続く「床ドンをあてろ!」に移った。
この競技は,ベリア村の海岸付近の岩の上に立つGMキャラに「軽功」の派生スキル「風落斬」をヒットさせるというもの。「風落斬」は「軽功」中に使えるスキルで,真下へ向けて落下しながら攻撃するものだ。「軽功」での移動距離と,自分の位置と目標のキャラクターの位置を把握する感覚が試される。
この競技も運営チームが先攻でスタート。今回はGMくまき氏からチャレンジしたが,なんと失敗。さらにGM馬車氏,麥谷氏と連続で失敗し,運営チームは全員が失敗することに。
運営チームの全員失敗という結果に,プレッシャーが和らいだメディアチーム。先陣を切った4Gamer(筆者)は,最初から視点を真下にして,GMキャラが真下に来た時に「風落斬」を放った。しかし,GMキャラを飛び越して海中へダイブしてしまった。
どうやら「風落斬」は,発動した地点から真下ではなく,少し前へ落下しながら攻撃するスキルのようで,落下地点がずれてしまったのだ。通常戦闘ではここまで高い場所から使う機会はないので,麥谷氏らもその感覚がなかったのだろう。
この結果を見ていたファミ通.comとOnlineGamerは「風落斬はかなり前方に落ちる」という教訓を踏まえてチャレンジし,見事2人連続でGMキャラに攻撃をヒットさせることに成功。この競技にも勝利してリーチをかけた。
それと同時に,運営チームが狙ってこの競技を考えたのかどうかは分からないが,メディアチーム全員が気が付いた。
「これ,ランを使ったゴルフだ。」
●第3戦 崖幅跳びリレー
「崖幅跳び」は滑空距離を争う競技で,ゴルフで言うところのドラコンだった。「床ドンをあてろ!」は,ピンショットを狙う競技と言えるだろうか。では,第3戦の「崖幅跳びリレー」はどんな競技なのか。
勝負の舞台は,ベリア村の北東にあるイリヤ島の,さらに先にあるシャシャ島。シャシャ島は,中央の小島を3つの島が囲うように配置されている。この島々をランの「軽功」のみで移動して行うリレー競技だ。ゴルフでいうところの「フォーサム」という競技形式に近いだろうか。
フォーサム……ゴルフ競技の競技形式の1つ。4人が2人ずつのペアになり,1つのボールをペアとなった2人が互いに打ち合って競技を進めていく。
スタート地点は,南側の島にいる探索拠点管理NPCのチョッピオ。ここから左回りで,「軽功」を使いリレー形式で島を回り,スタート地点となったチョッピオのいる島に少ない移動数,ゴルフ的な言い方をするならより少ない打数で戻ってきたチームの勝利となる。
シャシャ島の全体図 |
南側の島の西端辺りにチョッピオがおり,ここをスタート地点としてゲームが始まる |
ポイントは,3つの島に囲まれている小島だ。基本的なルートは,南側の島から東側の島に渡り,そのまま北上して西側の島へ上陸。そこから南下してスタート地点へ戻るのだが,東側の島から中央の小島を経由して西側の島へ渡るショートカットもOKだという。
ここまで2連敗を喫し,勝たねば敗北が決定する運営チームは,果敢にも中央のショートカットルートを選択する。しかし,気負ってしまったのか,2打めの麥谷氏がルートミス。越えられない岩の前に着地してしまった。
ポジションは少し厳しいものの,ここから立て直しを図った運営チームは,立木で視界を阻まれながらも中央の小島へ到達。そこから西側の島へ移り,刻むようにして南へと移動して,麥谷氏の11打めでチョッピオのいる島へたどり着いた。このとき麥谷氏から「これは勝ったんじゃないですか?」の言葉が。
この勝利宣言もある意味妥当だ。というのも,メディアチームは運営チームのプレイを見て,初めて島の地形を知ったうえに,中央の小島のショートカットルートを成功されてしまったわけで,こちらもそれを踏襲しないと引き分けにも持っていけないからだ。無理なルートを通らず,しかしショートカットは成功させようというふわっとしたメディアチームの作戦は,ファミ通.comからスタートした。
マップをよく見ながら安全マージンを取りつつ,メディアチームは「軽功」でルートを刻んでいく。フェアウェイを狙いながら,立木や岩に当たって止まらないことを祈りつつ前へ進む。そして,最初の難関となる中央の小島のショートカットポイントに到着した。
ここで大役を任されたのが,5打めとなる4Gamer。スタートするポジションはベストに近いポイントなので,あとは無事に渡りつつ,また行きすぎて落ちないようにすることを頭に置いてトライ。島から落ちないようにうまく調整し,中央小島の左端付近への着地に成功した。
中央の小島から西側の島へ渡る6打めを飛んだOnlineGamerは,少し飛びすぎてしまい,その後のショットに多少影響が出てしまう。しかし,メディアチームが一丸となってフェアウェイを維持しながら前に進み,10打めとなるファミ通.comの「軽功」でチョッピオのいる島への到達に成功。3連勝でメディアチームの勝利となった。
なお,4つめの「アイテム強奪競争」は,モンスターを倒して得られるドロップアイテムの総数が多いチームが勝ちという競技だったそうだ。使い慣れていないクラスでの狩りは手間取りそうな感じもするので,今となってはここまで勝負がもつれなくて良かったと思う。
さて,メディアチームが勝利したということで,ラン実装後のイベント開催が確定した。イベントの内容は,ラン実装から1週間,5月9日から16日まで獲得スキル経験値アップというもの。スキル経験値アップイベントは,なかなか実施されないので嬉しいプレイヤーも多いだろう。
また,開発元に打診中ではあるが,もしかするとイベント報酬にアイテムが追加されるかもしれないとのこと。そして,新クラス実装となると,気になるのがそのクラスの覚醒武器の実装時期だ。こちらについても現在協議中で,そう遠くない時期での実装を目指しているとのことだ。
今回のプレイはゴルフ成分が多め……というか軽功の体験がメインで,ランがどれぐらいの戦闘能力を持っているかは,まだよく分からない。
舞うようなモーションから繰り出される攻撃は,素早くリーチが長めで攻撃力も高そうだが,全体的にスキルのクールタイムが長めという印象もある。コンボや連携スキルもそれほど多くないため,手数で押しながら要所で強力なスキルを挟み,クールタイムの管理を念頭に置いて戦う,玄人向けのクラスなのではないかという印象だ。
しかし,最も印象深いのは,やはり空を駆ける「軽功」スキルだろう。まさにオンリーワンのスキルで,これを体験するためだけでもランをプレイする価値がある。もちろん,高すぎる場所からの滑空は命に関わるが,それを差し引いても新鮮なプレイフィールが楽しめるはずだ。ぜひ高い山や建築物,断崖絶壁などから足を踏み出して空を駆け抜けよう。
なお,「こちら」の記事にもあるとおり,本日のメンテナンス終了後からランの先行キャラクター作成が可能となる。ランの実装までに,あれこれ試してキャラメイクを済ませよう。
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(5/2メンテ明け公開予定)
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