プレイレポート
[プレイレポ]「ウマ娘」新育成シナリオ「走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-」はチューニングの仕方が育成の成否を分ける。UIも全体的に改善
4Gamerは,メディア向けに実施された新育成シナリオ先行体験会に参加してきたので,本稿ではそのプレイレポートをお届けしていこう。
本稿では,主に新育成シナリオにおけるギミックの紹介,プレイ感などに焦点をあてて紹介していく。体験会用のバージョンは最終バランス調整中のものなので,リリース時のそれとは多少バランスが異なる可能性はあるが,新育成シナリオの内容が気になっているトレーナーはぜひ参考にしていただければ幸いだ。
今回は「中距離・長距離」育成向きのシナリオ。基礎能力上限やシナリオリンク効果を紹介
前回の豊食祭シナリオは「短距離・マイル」育成向けのシナリオだったが,今回の新育成シナリオは「中距離・長距離」向きのシナリオになっている。シナリオ進化スキルの詳細は体験会のバージョンでは確認できなかったが,育成完了後にもらえるシナリオ専用スキルは中距離・長距離専用のものであるのを確認できた。
気になる本シナリオの基礎能力上限だが,以下の数字となる。
スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ |
---|---|---|---|---|
+550 | +500 | +300 | +100 | +100 |
豊食祭シナリオに比べてパワー,根性,賢さ上限は下がったが,スタミナ上限が+500と大きくアップしている。新育成シナリオが実装される10月29日には,スタミナ1201以上で発動する「スタミナ勝負」が長距離レースにおいて強化される予定となっているが,「スタミナ勝負」はスタミナのパラメータが高ければ高いほどその効果も大きくなるので,このスタミナ上限の高さは大きく影響しそうだ。
シナリオリンクのウマ娘は,すでに告知されているようにビワハヤヒデ,ナリタタイシン,エアシャカール,シンボリクリスエス,タニノギムレットの5人となる。
なお,今回はシナリオリンク効果がウマ娘ごとに異なるという仕様になっている。詳細は,以下の通りだ。
ウマ娘 | シナリオリンク効果 |
---|---|
ビワハヤヒデ | メカENの初回獲得量がアップする(最大+2)(※) |
メカギアが多く配置されやすくなる | |
ナリタタイシン | メカギアが多く配置されやすくなる |
オーバードライブゲージの初期値がアップする | |
エアシャカール | メカENの初回獲得量がアップする(最大+2)(※) |
研究Lvによるトレーニング効果上昇量がアップする | |
シンボリクリスエス | 研究Lvの初期値がアップする |
オーバードライブゲージの初期値がアップする | |
タニノギムレット | 研究Lvの初期値がアップする |
メカギアが多く配置されやすくなる |
※単体のシナリオリンク効果によるメカEN初回獲得量アップは+1で固定だが,もしこの効果を持つビワハヤヒデとエアシャカールを同時に編成していた場合は,それぞれの+1効果で合計+2になる
初登場の用語は後述するので一旦読み流していただきたいが,こんな感じの内容だ。今回,新サポートカードとしてSSRエアシャカール(スタミナ)の存在を確認できており,新育成シナリオでの育成においてかなり強力なサポートになりそうだったので,シナリオリンク効果の発動は狙いやすそうだった。
また,今回の新育成シナリオ公開後,次の育成シナリオ公開まで新規の友人サポートカードとグループサポートカードは登場しないとのことで,今回の育成シナリオでは前述の5キャラのシナリオリンク効果を生かすのが重要になりそうだ。
トレーニングで研究Lvを上げ,節目のイベント「UGE」でS評価を目指す
すでに告知されているように,今回はシナリオのタイトル通り「メカウマ娘」を中心にストーリーが展開されていく。
シナリオの新キャラクターとなるシュガーライツ(CV:石川由依),通称ライツ博士は,「ST-2(サティ)」というメカウマ娘を発明し,それの完成のために日夜研究に励んでいる稀代の科学者だ。過去のケガから車椅子の助けを借りて生活している彼女だが,自らの夢の実現のためにトレセン学園に協力者を募りに来たらしく──。
シナリオの流れは,メカウマ娘「ST-2」の完成を目指し,育成ウマ娘とともにトレーニングを行っていくというものだ。ジュニア級6月後半を除く各年の6月後半,12月後半に「UGE(Upgrade Exam)」と呼ばれるイベントが発生するのだが,プレイヤーはそのイベントに備えてトレーニングによって「研究Lv」を上げなければならない。イベントでは研究Lvに応じて評価が行われ,その中で最高のS評価を目指すという恒例の流れになる。
研究Lvはスピード,スタミナなどの5種の基礎能力ごとに割り振られている。イメージとしては豊食祭シナリオの野菜に近く,対応するトレーニングを行うことで特定の研究Lvを上げられる。研究Lvが高いトレーニングは,そのトレーニング効果もアップする。
S評価になるか否かは,トレーニング画面で常に確認できる。研究Lv表記の下に「あとLv〇〇」と表示されているので,そちらのLv条件をUGEまでに満たせるかどうかで決まる。満たしている場合は「確かな手応え」となり,S評価が確約される。
それぞれの研究Lvの上限は決まっており,1種のトレーニングだけ実行していてもオーバーフローしてしまうため,S評価のためのLv条件は満たせない。研究Lvを効率良く上げるためには,さまざまなトレーニングをバランス良く行うことが必要となる。研究Lv上限については,UGEイベント終了後に一定量が開放される。
なお,S評価とS未満の評価では,後述する「チューニング」で使用するリソース「メカEN」をもらえる量が変わってしまうので,UGEでは毎回S評価にするつもりで臨むのが良さそうだ。
本シナリオのトレーニングでは,「メカギア」がついたトレーニングが複数出現する。ギアのアイコンが付与されているトレーニングがそれになるのだが,メカギアがついているトレーニングを行うことで,獲得パラメータと獲得研究Lvの量,そして後述する「オーバードライブゲージ」が増加する。
また,友情トレーニング時には確定でメカギアが発生するので,今回のシナリオにおいても友情トレーニングを数多く実行するのが重要になりそうだった。
さらに,トレーニング時には「オーバードライブ」と呼ばれるブースト効果を特定条件下で発動できる。
こちらは,メカギアがついたトレーニングやお休みなどで増加する「オーバードライブゲージ」を溜めることで発動可能になる。オーバードライブゲージはオーバードライブ2回分までストックできるので,良いタイミングを見計らって使用していくのがおすすめだ。
オーバードライブで得られる効果は基礎効果のトレーニング効果+25%に加えてさまざまなものがあるが,この後に触れる「チューニング」と密接に関わってくるので,そちらで詳しく説明していこう。
メカウマ娘に「チューニング」を施し,オーバードライブ効果を強化せよ!
本シナリオでは,最序盤の特定のタイミングと節目で発生するUGEイベントの終了後にメカウマ娘を「チューニング」できる。このチューニングでは,オーバードライブ効果の強化を行える。
メカウマ娘の頭部コア,胸部コア,脚部コアの3種類の箇所にそれぞれ3種のチップがあるのだが,チューニングでは3×3=9種のいずれかのチップに,UGEイベントでもらえる「メカEN」を割り振っていく。
それぞれのコアに割り振られた合計Ptに応じて,基礎効果のトレーニング効果+25%に付け加える形で特定のオーバードライブ効果が付与される。詳細は以下の通りだ。
合計 Pt |
頭部コア | 胸部コア | 脚部コア |
---|---|---|---|
3 | 全てのトレーニングにメカギアが配置される | 一緒にトレーニングをする研究メンバー1人につきトレーニング効果+1% | トレーニングの絆ゲージ上昇量+3 |
6 | 全てのトレーニングにメカギアが配置される 総研究Lv300ごとに賢さ上昇量+3% 研究Lvの上昇量+15% |
一緒にトレーニングをする研究メンバー1人につきトレーニング効果+1% 総研究Lv300ごとにスタミナ・根性上昇量+3% |
トレーニングの絆ゲージ上昇量+3 総研究Lv300ごとにスピード・パワー上昇量+3% |
9 | 全てのトレーニングにメカギアが配置される 総研究Lv200ごとに賢さ上昇量+3% 研究Lvの上昇量+20% |
一緒にトレーニングをする研究メンバー1人につきトレーニング効果+1% 総研究Lv200ごとにスタミナ・根性上昇量+3% |
トレーニングの絆ゲージ上昇量+3 総研究Lv200ごとにスピード・パワー上昇量+3% |
12 | 全てのトレーニングにメカギアが配置される 総研究Lv200ごとに賢さ上昇量+3% 研究Lvの上昇量+25% トレーニングの体力消費ダウン +50% |
一緒にトレーニングをする研究メンバー1人につきトレーニング効果+3% 総研究Lv200ごとにスタミナ・根性上昇量+3% |
トレーニングの絆ゲージ上昇量+3 総研究Lv200ごとにスピード・パワー上昇量+3% 体力回復 +15 やる気アップ +1 |
15 | 全てのトレーニングにメカギアが配置される 総研究Lv200ごとに賢さ上昇量+3% 研究Lvの上昇量+25% トレーニングの体力消費ダウン +50% 友人とグループタイプを除く全てのサポートカードのヒントイベントが発生する 選択したトレーニングで発生している全てのヒントイベントの効果が発動する |
一緒にトレーニングをする研究メンバー1人につきトレーニング効果+3% 総研究Lv200ごとにスタミナ・根性上昇量+3% 編成サポートカードから追加で2人トレーニングに現れる |
トレーニングの絆ゲージ上昇量+3 総研究Lv200ごとにスピード・パワー上昇量+3% 体力回復 +15 やる気アップ +1 総研究Lv150ごとにスキルPt上昇量+3% |
※桃色の部分が,新たに追加された効果
このチューニングで割り振ったメカENは次のUGE終了後(次回チューニング)まで変更できないのだが,次回のチューニングですべてのメカENを振り直せる。そのため,その時々の状況に合わせたチューニングを施すことが可能となっている。
各コアにある3種のチップの内容については,以下となる。
コア名 | チップ名 | 開放時期 |
---|---|---|
頭部コア | 賢さ研究チップ | 最初から開放 |
スキルヒントチップ | 最初から開放 | |
得意率チップ | クラシック級6月後半 | |
胸部コア | スタミナ研究チップ | 最初から開放 |
根性研究チップ | 最初から開放 | |
友情強化チップ | シニア級6月後半 | |
脚部コア | スピード研究チップ | 最初から開放 |
パワー研究チップ | 最初から開放 | |
スキルPtチップ | シニア級6月後半 |
ご覧の通り,最初からすべてのチップが開放されているわけではなく,各コアの3つ目のチップは順次開放される。また,チップごとに最高で5PtまでメカENを割り振れるので,コアごとに5×3=15Ptまで割り振れるというわけだ。しかし,未開放のチップにはメカENを割り振れないので,3つ目のチップが開放されるまでは各コアに割り振れる最高Ptは5×2=10Ptとなる。
なお,チップにメカENを割り振ると,それだけで効果が発動し,研究Lvの上昇率が上がったり,ヒントイベント発生率が上がったりといった効果を得られる。
今回のシナリオではこのチップへのメカENの割り振り方によって育成の強さが決まってきそうなのだが,割り振り方の指針はある程度用意されている。例えば,最序盤は各サポートの絆を上げて友情トレーニングの条件を満たしたいので,絆ゲージ+3のオーバードライブ効果が重要になるだろう。さらに,オーバードライブゲージを溜めたいので,すべてのトレーニングにメカギアを発生させる効果も最序盤の重要度が高い。
また,クラシックの夏合宿前に15Ptにできるのは3つ目のチップが唯一開放されている頭部コアのみなので,ここに15Pt割り振ることで大きな恩恵を得られる。シニア級の夏合宿前には胸部コアと脚部コアにも3つ目のチップが開放されるので,これらにも15Ptを割り振ることを検討したい。
いずれも合計12Pt/15Pt時の効果が非常に強力なものになっているので,それをどう生かすかを重点的に考えていくのがおすすめだ。
最序盤の最初のチューニングで付与されるメカENは通常5Ptだが,エアシャカールやビワハヤヒデのシナリオリンク効果を用いることで,メカENが+1されて6PtのメカENを獲得することができ,合計Pt3のオーバードライブ効果を2つ発動したうえで育成を始められる。(エアシャカールとビワハヤヒデ両方を編成すれば+2)
以降のチューニングでは,UGEでS評価を獲得すると,1回あたり6Ptを獲得することができ(A・B評価の場合は5Pt),チップによるオーバードライブ効果を最大限発動できる合計Ptとなる。そのため,S評価を獲得し続けるとより良い育成ができることは間違いないだろう。
6回目のメカENを受け取れるシニア級12月後半が終わると,メカウマ娘が完成し,特定の条件を満たすとスーパーオーバードライブが発動する。この状態では毎ターン自動的にオーバードライブが発動するので,最後のチューニングでどう割り振るかは非常に重要となる。
なお,シニア級12月後半以降は従来のシナリオ通りURAファイナルズが開催され,練習3ターン,レース3ターンの合計6ターンを消化した後に育成終了となる。この辺はURAシナリオなどと同様のスタンダードな流れだ。
豊食祭シナリオに比べて画面遷移が少なく,UIが大きく改善されていたのが印象的
以上が全体的なシナリオの流れだが,普段から「ウマ娘」をプレイしている筆者にとって印象的だったのは,UIが大幅に改善されていた点だ。
具体的には,今回のシナリオは従来のシナリオに比べて明らかに画面遷移が少ない。S評価にするために必要な残り研究Lvはトレーニング画面で常に確認可能だし,オーバードライブについてもトレーニング画面から直接発動できる。
「チューニング」についても,行うタイミングは節目のUGE終了後のみなので,それ以外で何かをする必要はない。現在の豊食祭シナリオでは,食べる料理を選んだり,野菜Lvを上げに畑に行ったりと画面遷移や必要なタップ数が多く,正直を言うと筆者も気になっていたポイントだった。だが,本シナリオではいちいち何かを見に別の画面に遷移したりする必要はほとんどないので,タップ数が明確に少なくなっており,スムーズに育成を行えるようになっていた。
これらのUIの改善によって,育成時間も明確に短縮化されていた。初プレイだとチューニングの仕方に時間がかかってしまうかもしれないが,チューニングについては一定以上やり込むことでパターン化が可能であると感じた。そのため,パターン化によってチューニングに時間を使わなくなれば,30分かからずに育成できるという感触だ。
筆者はとにかく育成時間が長くかかるシナリオが苦手なので,このような方向性の改善は率直に嬉しい。また,筆者の個人的な感情を抜きにしても,何かの合間にスマホで「ウマ娘」をプレイしている人は少なくないはずで,そうした人々にとっては育成時間の短縮化は朗報だろう。
運に左右される部分は少なくないが,サクサクプレイでき,全体的に好印象のシナリオ
最後に今回のシナリオの総括になるが,運に左右される部分は少なくないが,サクサク育成を楽しめる点が好印象のシナリオだった。
前述のUIの改善によって遷移が少なくなってスムーズにプレイできるようになったが,それに伴い何かを選択するという要素はやや控えめになっている。そのため,サポートの配置次第になることは多く,運要素はけっこう強そうだなと感じた。特に,最後のURAファイナルズ期間のサポート配置が非常に重要で,ここで上振れるか下振れるかが育成の出来に大きく影響しそうであった。
「チューニング」の仕方も,育成結果に明確に大きく影響する要素だ。ここに関しては,やり込みによって最適解のパターンが出るまでは差がつく要素になると感じた。
育成後の印象としては,L'Arcシナリオのそれに近いものであった。最後の運要素が大きい代わりに,L'Arcと同様にプレイ時間が比較的短くプレイ感が軽いので,試行回数はこなしやすい。
豊食祭シナリオは比較的育成時間が長くかかるシナリオだったが,「もっと短いシナリオがいいなあ」と思っていたトレーナーには今回のシナリオはうってつけだろう。
気持ちいい瞬間が多めのシナリオであるというのも印象的だった。例えば,筆者にとっての最初の気持ちいい瞬間がクラシック夏合宿前に頭部コアを15Ptまで上げた後にオーバードライブを発動したときで,ここでヒントを大量にもらえつつ消費体力が一気に減るという超絶効果になるのは壮快の一言。
特に,最後の「スーパードライブ」中はもっとも心地よい瞬間で,ここは豊食祭シナリオのGIプレート使用時を彷彿とさせる,フルブースト感あふれる仕組みになっていた。こうした気持ち良さを備えつつも1回の育成が軽く,スナック菓子をつまむような感覚で1育成を行える点は,本シナリオのいいところだ。筆者個人の感想を述べさせていただくと,「こういうのでいいんだよ」という感じだった。
また,シナリオパワーについては高めだなと感じた。筆者は不慣れかつ手探り状態で本シナリオをプレイしているわけだが,それでも1750/1550/1350/1300/1250ぐらいの基礎能力値は達成できたし,慣れればここの部分もより伸ばせると思われる(※)。
※なお,記事中で使用しているスクリーンショットは筆者の育成中のものではなく,体験会の後日にCygamesから提供された素材となる
スタミナについても,スタミナサポート1枚でもトレーニングのやり方や育成ウマ娘の成長率次第でスタミナ1700が射程圏内だったし,少なくともU.A.F.シナリオで中長距離用の育成をするよりは,明確に強い育成を行えるはずだ。
慣れないうちは多少つまずくかもしれないが,なかなか強烈な育成をできるシナリオなので,新育成シナリオ「走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-」の実装を楽しみに待とう。
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