ストVリーグ戦「第3期 TOPANGAチャンピオンシップ」決勝・最終日レポート。新進気鋭の若手，カワノ選手が優勝を飾る

　2021年7月7日，「ストリートファイターV チャンピオンエディション」（PC / PS4）を競技種目とするeスポーツイベント「第3期 TOPANGAチャンピオンシップ」の決勝リーグ最終日が実施された。


　TOPANGAチャンピオンシップは，格闘ゲームを中心に大会やイベントの企画運営を行っているTOPANGAが主催するリーグ戦形式の賞金制大会。5月から6月にかけて実施されたオンライン予選，オンライン本戦リーグを戦い抜き，オフライン決勝リーグにたどり着いたのは，以下の7人だ。

• SNB｜ひぐち選手（ガイル）
• 様式美選手（キャミィ）
• G8S Red Bull｜ガチくん選手（ラシード）
• 魚群｜水派選手（コーリン）
• ROHTO Z!｜ときど選手（ユリアン）
• DNG｜板橋ザンギエフ選手（アビゲイル/ザンギエフ）
• G8S HitBox｜カワノ選手（コーリン）

　本記事では，優勝者が決定したオフライン決勝リーグ最終日の模様をお届けする。なお，イベントのアーカイブ映像は以下のタイムシフトで確認できるので，こちらもあわせて目を通してほしい。

・配信タイムシフト
https://www.mildom.com/playback/12615345/12615345-c3in6ftaks9bkbana4dg

「第3期 TOPANGAチャンピオンシップ」公式サイト

・第1試合　様式美選手VS.ガチくん選手

最終日開始時の成績はこちら。試合はすべて7本先取制。お互いに6勝した場合のみデュースとなり，どちらかが2連勝する，あるいは10勝目を先にあげたプレイヤーの勝利というルールで実施された

最終日のオープニングマッチは決勝リーグ唯一のアマチュアプレイヤー様式美選手と，Red Bullアスリートのガチくん選手の試合に。お互いにここまで1勝2敗のため，上位入賞を狙ううえで負けられない一戦となった

この戦いを圧倒したのはガチくん選手。キャミィが得意とする空中戦を完全に封殺し，勝ち星を稼いでいく

ガチくん選手が6-1として，いよいよ追い詰められた様式美選手は1本取り返すも流れは変えられず。7-2のスコアでガチくん選手の勝利となった

・第2試合　ときど選手VS.水派選手

ここまでの成績が2勝2敗同士の対決となった第2試合。自力優勝は無くなったものの，結果次第で上位入賞が望める2人の組み合わせとなった

試合はときど選手が幸先よく2連勝するも，6試合目終了時には3勝3敗となり，お互いに譲らない展開に

しかし追いつかれては突き放すときど選手。6-4としてリーチをかけてから1試合落とすも，最後は振り切って7-5で勝利した

・第3試合　カワノ選手VS.板橋ザンギエフ選手

オンライン予選では板橋ザンギエフ選手が勝利したこの組み合わせ。カワノ選手は，板橋ザンギエフ選手の大会を楽しむ姿勢を見習って試合に臨むと意気込みを語った

試合はカワノ選手ペースで進み，瞬く間に6-1としてリーチをかける展開に。しかし追い詰められて吹っ切れたのか，板橋ザンギエフ選手がここから4連勝で猛追を仕掛ける

だが板橋ザンギエフ選手の猛追もここまで。デュース目前の6-5のスコアからカワノ選手が勝利し，優勝にリーチをかけた

・第4試合　ひぐち選手VS.ガチくん選手

当日の実況解説を務めた，マゴ選手（写真左）とハメコ。氏（写真右）

ここまで3勝1敗として，優勝争いに食い込むひぐち選手の最終日初戦となった第4試合。先日実施されたIntel World Openでは同じ組み合わせでガチくん選手が勝利していることもあり，ここで借りを返したいとコメントを残した

試合はひぐち選手が先制するが，以降の試合をガチくん選手が掌握。8試合目を終えた時点で6-2となり，大差でリーチをかける

ここからひぐち選手が驚異の追い上げを見せ，6-6のデュースに持ち込む。以降は2連勝した選手が試合の勝者となるが，お互い一歩も譲らない展開が続く

決着となる10勝目を先にあげたのはガチくん選手。タフな試合を制し，3勝3敗の成績で大会を終えた

・第5試合　様式美選手VS.水派選手

ここからはすべての選手にとって最後の試合となる。様式美選手と水派選手は互いに，最終戦を悔いなく戦い抜くと意気込みを語った

試合を優勢に進めたのは水派選手。要所の読み合いにも勝ち続け，6-2で勝利にリーチをかける

最後の試合も盤石の動きで水派選手が勝利。水派選手は3勝3敗，様式美選手は1勝5敗という成績で大会を終えた

・第6試合　ときど選手VS.板橋ザンギエフ選手

昨年のストリートファイターリーグでチームメイトだった2人の対戦となった第6試合。また，試合前のコメントでは，お互いに自キャラが相手キャラに対して有利であることを主張していた

2人ともに優勝の可能性はなくなってしまったが，順位争いの面で重要な1試合となった

ベテランプロ同士の対決を制したのは，ときど選手。4勝2敗，総合順位2位で大会を後にした

・第7試合　カワノ選手VS.ひぐち選手

勝利した選手が優勝，敗れた選手が3位となる最終戦。若手同士の対決という，これまでに前例のないTOPANGAチャンピオンシップ最終戦となった

忍ism Gaming所属，ひぐち選手。TOPANGAチャンピオンシップの最年少出場記録を所持しており，今回は最年少優勝を狙うとコメント

Good 8 Squad所属，カワノ選手。ガイル戦について，ウメハラ選手にオフで対策を付き合ってもらったと語り，自信を覗かせていた

試合のペースを握ったのはカワノ選手。文字通り，地に足を付けた立ち回りで，ひぐち選手を圧倒し，勝ち星を量産していく

8試合目終了時点で6-2としてリーチをかけるカワノ選手。優勝はほぼ決まったかに思われたが，ここから驚異的な粘りでひぐち選手が追い上げていく

デュースまであと1勝となった12試合目。ペースは完全にひぐち選手のものかと思われたが，カワノ選手が土壇場で逆転勝利，TOPANGAチャンピオンシップ優勝の栄冠を手にした

・表彰式

7位・様式美選手
「完全に力不足でした。PVではこれで終わってもいいと話しましたが，もっとゲームがやりたいと思えました。またここに帰ってきます」

6位・板橋ザンギエフ選手
「自分のいいところを出せましたが，勝負所でヘコたれてしまうことも多かった。次の大会に向けて体を作っていこうと思います」

5位・ガチくん選手
「もともと長期戦に苦手意識があったこともあり，今回も初日は駄目でした。ただ，2日目3日目と悪くない結果を残せたので，少しずつ苦手意識が克服できているのかなと感じました」

4位・水派選手
「この舞台に残れたのは対策に付き合ってくれた皆さんのおかげです。大会に出ていろいろと得たものがあるので，優勝するために再びここに戻ってきます」

3位・ひぐち選手
「自分が格闘ゲームの世界に入ったきっかけは，ももちさんの弟子企画でした。当時から今までがんばって，こんなところまでこれて本当によかった。そしてももちさんにお礼を伝えたいです。まだ終わりじゃないので，これからもがんばります」

2位・ときど選手
「決勝に残ったメンバーの大会への意気込みがすごくて，自分も準備をしてきたんですが，それでも勝てない試合がありました。まだまだ精進が足りないなと思わされました。ただ今回の結果を残せたのも，普段の対戦相手や応援してくださる視聴者やスポンサーのおかげです。ありがとうございました」

優勝・カワノ選手
「0からプロゲーマーを目指す人のいいモデルケースになれたんじゃないかなと思っています。自分にいろいろと教えてくれた多くのプレイヤーに感謝しています。最後に豊田さんにお願いしたいんですが，日本一では全然満足できないんで，TOPANGAワールドチャンピオンシップ……よろしくお願いします！」

優勝したカワノ選手には，TOPANGA代表の豊田風佑氏から優勝賞金250万円が贈られた

「第3期 TOPANGAチャンピオンシップ」公式サイト