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ゲーマー向け最強GPUはGeForce RTX 3090にどこまで迫れるのか
NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition
2021年6月1日,NVIDIAが新型GPU「GeForce RTX 3080 Ti」(以下,RTX 3080 Ti)を発表した。型番からも分かるとおりRTX 3080 Tiは,既存のGPUである「GeForce RTX 3090」(以下,RTX 3090)と「GeForce RTX 3080」(以下,RTX 3080)の間に位置付けられるモデルで,これらのGPUと同じAmpereアーキテクチャを採用している。
このRTX 3080 Tiは,ゲーマーにとって福音となるのかどうか,詳しく見ていこう。
RTX 3080などと同じGA102コアを採用
RTX 3090からSMを2基削減
RTX 3080 Tiは,RTX 3090やRTX 3080と同様に,GPUコアに「GA102」を採用している。NVIDIA向けにカスタムされたSamsung Electronicsの8nm製造プロセスルールで製造される点や,ダイサイズが628mm2,トランジスタ数が280億個というあたりも従来モデルから変わりはない。
Ampereアーキテクチャでは,128基のシェーダプロセッサ「CUDA Core」が集まって「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)を構成しており,さらに,そのSMを12基集めたミニGPUクラスタ「Graphics Processor Cluster」(以下,GPC)を構成している。GA102のフルスペック版は,GPCを7基搭載しており,SMの総数は84基,CUDA Core数は128×12×7で10752基という計算だ。
ただし,実際のRTX 3090では,GA102のフルスペックからSM 2基が,RTX 3080ではGPCが1基丸ごとに加えて,SM 4基がそれぞれ無効化されている。そのため,RTX 3090とRTX 3080のCUDA Coreの総数は,それぞれ10496基と8704基になるわけだ。
それに対して,RTX 3080 Tiは,GA102のフルスペックから4基のSMが無効化されている。つまりRTX 3080 Tiは,RTX 3090から2基のSMを無効化したGPUとも言えるわけだ。そのため,RTX 3080 TiにおけるSM数は80基となり,CUDA Coreの総数は10240基という計算になる。
GPUコアが変わっていないため,RTX 3080 Tiでもリアルタイムレイトレーシングを担当する第2世代「RT Core」と,AI推論エンジンアクセラレータである第3世代「Tensor Core」を搭載する点は変わらない。Ampereアーキテクチャでは,1基のSMに対してRT Coreも1基が組み合されるので,RTX 3080 TiのRT Coer数は80基となる。これはRTX 3090から2基少なく,RTX 3080比では約1.2倍となる。一方のTensor Coreは,SM 1基に対して4基用意されているため,RTX 3080 Tiでは320基搭載しているというわけだ。
GPUに組み合わせるグラフィックスメモリは,RTX 3090やRTX 3080と同じくGDDR6Xを採用している。ただ,その容量は12GBと,RTX 3090のちょうど半分だ。メモリインタフェースは384bitでRTX 3090と同じだが,メモリクロックは19GHz相当と,RTX 3090の19.5GHz相当から若干引き下げられている。それにより,メモリ帯域幅は912GB/sとなり,RTX 3090よりは若干低いものの,RTX 3080比では1.2倍にまで向上している。
そのほかにPCI Express(以下,PCIe)4.0に対応している点なども,RTX 3090と変わりはない。ただ,RTX 3090がマルチGPU技術「NVLink SLI」をサポートしていたのに対して,RTX 3080 Tiでは省略されている。「ゲーム用途でNVLinkは必要ない」というNVIDIAの判断なのだろう。そんなRTX 3080 Tiの主なスペックを,RTX 3090とRTX 3080とともにまとめたものが表1となる。
外観はRTX 3080 Founders Editionと瓜二つで,基板やGPUクーラーも踏襲
それでは,RTX 3080 Ti Founders Editionについて見ていこう。
カード長は実測で約287mm(※突起部除く)と,RTX 3080 Founders Editionとほぼ同じだ。外観も,黒を基調に側面はガンメタリックの金属というデザインを施すなど,見た目もRTX 3080 Founders Editionと瓜二つである。裏面に「RTX 3080 Ti」という刻印がされているあたりが唯一の違いと言っていい。
GPUクーラーは2スロット占有タイプで,90mm径相当のファンを2基搭載する。そのうち1基はカード後方の裏面側に取り付けられていて,表面から吸気を行ってそのまま裏面へ排気するという,NVIDIAが「フロースルー設計」と呼ぶ構造を採用している点もRTX 3080 Founders Editionと同じだ。なお,空冷ファンはファン部分と外枠が一体成型されたもので,GPUへの負荷が低いアイドル時には,回転を停止する機能が用意されている点も変わらない。
NVIDIAが提供する画像で基板を見ていくと,電源部は18フェーズ構成でRTX 3080 Founders Editionから変わっていないものの,パーツの配置は若干変更されているようで,基板の最適化をしたものという理解でよさそうだ。
映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4a×3,HDMI 2.1 Type A×1という構成だ。GeForce RTX 20シリーズのFounders EditionにあったUSB Type-Cが省略されている点なども,RTX 3080 Founders Editionとまったく同じだ。
ドライバはGeForce 466.54 Driverを利用
RTX 3080 Tiのマイニング制限を確認
それでは,テスト環境の構築に話を移そう。今回,比較対象には上位モデルのRTX 3090と下位モデルのRTX 3080を用意した。RTX 3080との差を確認するとともに,RTX 3090との力比べを行うわけである。
ただ,RTX 3090搭載カードとして利用したPalit Microsystems製の「GeForce
グラフィックスドライバには「GeForce 466.54 Driver」を使用した。これは,NVIDIAが全世界のRTX 3080 Tiレビュワー向けに配布したものだ。
そのほかのテスト環境は表2のとおり。
CPU | Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz, |
---|---|
マザーボード | MSI MEG X570 ACE(AMD X570, |
メインメモリ | G.Skill F4-3200C16D-16GIS |
グラフィックスカード | GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition (グラフィックスメモリ容量12GB) |
Palit Microsystems (GeForce RTX 3090, |
|
GeForce RTX 3080 Founders Edition (グラフィックスメモリ容量10GB) |
|
ストレージ | Samsung Electronics SSD 850 |
電源ユニット | Corsair CMPSU |
OS | 64bit版Windows 10 Pro(Build 19042.985) |
チップセットドライバ | AMD Chipset Drivers 2.13 |
グラフィックスドライバ | GeForce 466.54 Driver |
NVIDIAは,2021年5月下旬以降に出荷する「GeForce RTX 3080
話をテスト環境に戻そう。テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション24.0に準拠したものだ。それに加えて,「3DMark」(Version 2.18.7185)では,レイトレーシングのテストとなる「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」,それにDLSSのテストである「NVIDIA DLSS feature test」を追加した。NVIDIA DLSS feature testでは,DLSS 2.0を選択したうえ,DLSS modeはQualityに設定している。
さらに,今回はGeForceシリーズしかテストを実施しないため,「Watch Dogs Legion」に関しては,オプションからDLSSを「品質」に設定したうえで,精細度の向上を100%に変更している。
テスト解像度は,いつもどおり3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3つをチョイスしている。
RTX 3080から1割前後の性能向上
RTX 3090とは多くの場面で肩を並べる
それでは,3DMarkの結果から順に見ていこう。Fire Strikeの総合スコアをまとめたものがグラフ1となる。
RTX 3080 Tiは,RTX 3080に6〜12%程度の差を付けた。Fire Strike“無印”では,CPUがボトルネックになりつつあることを踏まえると,RTX 3080 Tiの性能は,RTX 3080の1割増しと言っていいだろう。また,RTX 3090 OCとの差は1%もなく,ほぼ横並びと健闘している。
グラフ2は,総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものだ。
RTX 3080 TiとRTX 3080との力関係は,総合スコアを踏襲した形となり,両GPUの差は約10%前後といったところ。RTX 3090 OCに対しても,いい勝負を演じており,RTX 3090 OC相当の性能と言っても過言ではない。
続いてグラフ3は,ソフトウェアベースの物理演算テスト結果を「CPU score」として抜き出したものだが,CPUを統一していることもあり,スコアはほぼ横一線だ。
グラフ4はGPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものだ。
ここでは,CPU性能の影響が大きくなるためか,Fire Strike“無印”では,RTX 3080 TiとRTX 3080との差はほとんどなくなっている。しかし,それ以外では両GPUの差は14%ほどあり,Graphics scoreの結果に近い傾向が見て取れる。
RTX 3090 OC比では,RTX 3080 Tiは約1%まで差を縮めており,SM数の差を感じさせない結果となっている。
続いては,DirectX 12世代のテストである「Time Spy」の結果を見ていこう。まずは総合スコアをまとめたグラフ5からだ。
ここでは,RTX 3080 TiとRTX 3080の開きは8〜10%程度と,Fire Strikeよりも若干縮まる結果となった。Time Spyの総合スコアでは,CPU性能も高めに加味されることが要因だろう。また,RTX 3090 OCとの差はほとんどなくなっており,RTX 3080 Tiのポテンシャルの高さがうかがい知れる。
次のグラフ6はTime SpyのGPUテスト結果,グラフ7はCPUテストの結果をそれぞれまとめたものだ。
まず,GPUテストの結果からだが,RTX 3080 TiとRTX 3080の差は10〜12%程度と,総合スコアよりも広がった。これは,CPU性能の影響がなくなったことで,Fire Strikeと似た傾向が表れたと言ってよさそうだ。その一方で,やはりRTX 3090 OCとの差はほとんどなく,NVIDIAがRTX 3090相当の性能と自信を見せるのも納得のいく内容だ。
一方のCPUテストは,Fire Strikeと同様に,CPUが同一なので基本的にスコアは横並びだ。
リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果がグラフ8だ。
RTX 3080 Tiは,RTX 3080に11%の差をつけているが,両GPUのRT Core数に約18%の差があることを考えると,それに比べれば差が縮まったわけだ。これは,RTX 3080のほうが動作クロックが高いことが要因として挙げられよう。また,ここでもRTX 3090 OCとの差はほとんどなく,レイトレーシングも上位モデルに匹敵する性能を備えていると言っていい。
さらに,もうひとつのレイトレーシングテストとなるDirectX Raytracing feature testの結果がグラフ9となる。
ここでは,RTX 3080 TiとRTX 3080との差が約14%に広がった。このテストは,Port RoyalよりもRT Core数が性能に与える影響が大きいのだろう。また,RTX 3090 OCとの差も約3%にまで広がっているが,実フレームレートでは2fpsにも満たない程度であり,両GPUの差は実感できるほどのものではない。
続いて,DLSSの性能を見るNVIDIA DLSS feature testの結果(グラフ10)を見ていこう。
DLSS有効時のスコアを比べると,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は9〜11%程度となり,Fire Strikeなどと傾向は変わらない。そこで,DLSSを有効にするとどれだけフレームレートが向上したかを計算すると,RTX 3080が54〜81%程度であるのに対して,RTX 3080 Tiは51〜77%程度と,若干低い結果に落ち着いている。Tensor Core数では多いRTX 3080 Tiだが,DLSSの効果はRTX 3080よりも向上しているというわけではなさそうだ。
なお,ここでもRTX 3080 TiとRTX 3090 OCの間に有意な差は確認できない。
では,実際のゲームではどうなのだろうか。Watch Dogs Legionの結果(グラフ11〜13)から見ていこう。
レイトレーシングを有効にして描画負荷も高めているため,全体的にフレームレートは低めだが,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は,平均フレームレートで3〜7%程度に留まっている。また,RTX 3090 OCとでは,RTX 3080 Tiは1〜4%程度の差があり,3DMarkほど詰め切れていない。Watch Dogs LegionにおけるRTX 3080 Tiの立ち位置は,RTX 3090とRTX 3080の中間といったところか。
次に「バイオハザード RE:3」の結果がグラフ14〜16となる。
ここでも,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は,平均フレームレートで5〜9%程度に収まり,3DMarkのように1割を超える差は見られない。ただ,RTX 3090との差は1〜5%と,とくに1920×1080ドットで明確な差が開いている点は,これまでに見られなかった傾向だ。最小にあたる1パーセンタイルフレームレートでは,RTX 3080 TiとRTX 3080との差が4〜8%程度,RTX 3090 OCとの差が1〜3%程度と,平均フレームレートを踏襲した形となっている。
グラフ17〜19は,「Call of Duty: Warzone」(※グラフ内ではCoD Warzone)の結果だ。
ここでも,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は平均フレームレート4〜9%程度と10%に届いておらず,バイオハザード RE:3に似た傾向を示している。しかし,RTX 3090 OC比では,1920×1080ドットこそ約4%の差があるものの,それ以外ではほとんど差がなく,ほぼ横並びの性能と言っていい。
続いては,「Fortnite」の結果をグラフ20〜22に示す。
ここでは,RTX 3080 Tiが性能を伸ばしており,平均フレームレートでRTX 3080に7〜11%程度の差を付けて,3DMarkなどと似た傾向を示している。とくに最小フレームレートを見ると,RTX 3080 TiとRTX 3080とで10fps弱の差が付いている点は,なかなかインパクトがある。その一方で,RTX 3090 OCとでは差が1%にも達しておらず,結果はほとんど同じと言っていいレベルだ。
グラフ23〜25は「Borderlands 3」の結果だ。
ここでは,1920×1080ドットではCPUがボトルネックとなるためか,スコアが頭打ちになっている。そこで,それ以外の解像度を見ていくと,RTX 3080 Tiは,平均フレームレートでRTX 3080に7〜10%程度の差をつけた。とくに1パーセンタイルフレームレートでは,RTX 3080は60fpsに届いていないのに対して,RTX 3080 Tiは60fpsを超えている点は,両GPUの差を明確に感じ取れる。
一方,RTX 3090 OC比では,平均フレームレートで差が1%前後に留まっており,ほぼ同等の結果と言っていい。
グラフ26は「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下,FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチ)の総合スコアをまとめたものだ。
ここでは,CPU性能の影響が大きいためか,2560×1440ドット以下では,RTX 3080 TiとRTX 3080の差はあまり開いていない。ただ,3840×2160ドットではRTX 3080 TiはRTX 3080に10%程度の差を付けている点は立派だ。RTX 3090 OCとでは約1%の差が付いている。
スクウェア・エニックスの指標ではスコア7000以上が最高評価であり,RTX 3080 Tiは3840×2160ドットでもその倍以上のスコアを記録しているので,快適にプレイできるのは誰の目にも明らかだ。
そんなFFXIV漆黒のヴィランズ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものがグラフ27〜29だ。
平均フレームレートは総合スコアを踏襲したものとなっているが,RTX 3080 TiとRTX 3090では,3fps未満の差しかついておらず,両GPUの差を実感することは難しいだろう。一方,最小フレームレートはCPU性能の影響が色濃く表れるため,3製品の差はあまりない。
グラフ30〜32には,「Project CARS 3」の結果をまとめている。
ここでは,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は,平均フレームレートで5〜11%程度あり,3DMarkなどと似た傾向だ。一方,最小フレームレートを見ると,両GPUの差は9〜14%程度にまで開いており,RTX 3080 Tiのほうがより快適にゲームがプレイできそうだ。また,RTX 3090 OC比では1〜5%程度と,若干の開きが確認できる。
RTX 3080から消費電力が30W増加
“電力喰い”のモンスター
さて,RTX 3080 TiのTDP(Thermal Design Power,
そこで今回は,NVIDIAが開発した消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみたい。なお,今回は3DMarkのTime Spyにおいて,消費電力が高くなる傾向が出たGraphics test 2実行中の結果を示している。その結果をグラフ33に示そう。
RTX 3080 TiとRTX 3090 OCは,ともに350Wあたりで推移しているのに対して,RTX 3080は320Wほどであるのが見て取れる。RTX 3080 TiはRTX 3080から,ハッキリと消費電力の増加が確認できる。
そこで,このグラフから中央値を求めたものがグラフ34となる。RTX 3080は330W弱と最も低いが,それに対してRTX 3080 Tiは,約360Wと30W以上も増加しているのが分かる。RTX 3090 OCよりも高い値だが,これはカードの作りにもよるので,RTX 3080 Ti Founders Editionのほうが,より凝った作りだったということなのだろうか。
さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いたシステム全体の最大消費電力のみを計測してみた。なお,テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランスに設定」。さらに,ゲーム用途を想定して,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
その結果がグラフ35だ。
ここでは,ピーク値を結果として採用するため,どうしても差は広がる傾向にある。そのため,RTX 3080 TiとRTX 3080との差は32〜51W程度と看過できない値となっている。ここでもRTX 3080 TiはRTX 3090 OCを超える結果となってしまっており,“電力喰い”であることは間違いなさそうだ。
最後にGPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。ここでは,温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
その結果はグラフ36のとおり。
GPUによって温度センサーの位置が異なる可能性があるうえ,ファンの制御方式も同一ではないため,横並びにあまり意味はない。それを踏まえて見ていくと,消費電力が高いことからも想像できるとおりRTX 3080 Tiは発熱量も多く,高負荷時の温度は79℃と高めだ。RTX 3080が70℃台前半であることと比べると,RTX 3080 Tiの温度の高さがより際立って見えてしまう。
ちなみに,筆者の主観であることを断ったうえで,RTX 3080 Tiの動作音について述べると,RTX 3090と大差ない印象だ。少なくとも,静音性に優れているとは言えない。
ゲーミング用途でトップエンドのGPU
マイニング制限はゲーマーにとっては歓迎
以上のテスト結果を踏まえると,RTX 3080 Tiの立ち位置は,RTX 3080より1割ほど高く,RTX 3090とほぼ同じと言ってしまってよいだろう。RTX 3090と比べて,グラフィックスメモリ容量が半減しているなどの違いはあるものの,12GBであればゲーム用途で困ることはまずないはずだ。
RTX 3080 Ti Founders Editionのメーカー想定売価は1199ドル(税別)だが,搭載カードの国内向け想定売価は17万5800円からとなっているように,国内市場ではかなり高価になってしまうのではないだろうか。
ただ,マイニング用途での制限が加えられていることは,ゲーマーにとってはかなりうれしいところで,現状ほどの品薄にはならないのではないかと期待できる。ゲームにおいて最高性能を欲するユーザーにとって,このRTX 3080 Tiは垂涎の的になるGPUであることは間違いない。
NVIDIAのGeForce RTX 3080シリーズ製品情報ページ
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GeForce RTX 30
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