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欲望と狂気が蠢く「Deep Insanity ASYLUM」をプレイ。昏睡病×南極地下世界では,異常でいるのが人の正常
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印刷2021/10/14 16:00

プレイレポート

欲望と狂気が蠢く「Deep Insanity ASYLUM」をプレイ。昏睡病×南極地下世界では,異常でいるのが人の正常

 スクウェア・エニックスが本日2021年10月14日に配信する,新作スマホゲーム「Deep Insanity ASYLUM(ディープインサニティ アサイラム)」iOS / Android / PC)のプレイレポートをお届けする。

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 「Deep Insanity」(以下DI)は,謎の昏睡病“ランドルフ症候群”と,南極の巨大地下世界“アサイラム”をキーワードとし,ゲーム・アニメ・マンガで展開するメディアミックスプロジェクトだ。

■ゲーム:2021年10月14日 配信開始
「Deep Insanity ASYLUM」

(ディープインサニティ アサイラム。DIA)

■アニメ:2021年10月12日 放送開始
「Deep Insanity THE LOST CHILD」

(ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド。DILC)

■マンガ:2020年1月24日 連載開始
「Deep Insanity NIRVANA」

(ディープインサニティ ニルヴァーナ。DIN)

 世界観原案には,アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」などの脚本・深見 真氏,アニメ「がっこうぐらし!」などのシリーズ構成・海法紀光氏が起用されており,ゲームのプロデューサーは童話RPG「グリム」シリーズでおなじみ,石井諒太郎氏が務めている。

 また,マンガ版は「Ubel Blatt〜ユーベルブラット〜」の塩野干支郎次氏が担当しており,関係各位が「これでもか!」と言うほどのダーク,あるいはダーティな(作風が持ち味の)面々でそろえられている。

 本稿ではこのうち,ゲームのDIAについて紹介していこう。

「Deep Insanity ASYLUM」公式サイト

「Deep Insanity ASYLUM」ダウンロードページ

「Deep Insanity ASYLUM」ダウンロードページ


※本稿で使用しているゲーム画面はすべて開発中のものです


ランドルフ症候群の原因は
謎多き巨大地下世界アサイラムにある


 まずは,昏睡病“ランドルフ症候群”の解説からしよう。

 この病はDI共通の根幹設定にあたり,202X年に発見された奇病だ。
 発症者は眠りから目覚めなくなると同時に,終わらない悪夢に苛まれ,恐怖に駆り立てられて無意識下で強い暴力衝動に襲われる者もいる。

 病床に伏している者の数はDIA現在,推定5億4000万人
 人類社会は大きな危機に瀕していた。

DIはランドルフ症候群の発生を根幹設定とし,それ以降の世界をマンガ・アニメ・ゲームの時系列順で,異なる主人公で描いている。マンガ世界での罹患者数は約8000万人だが,未来のゲーム世界では大幅に数が増えている。残念ながら状況は悪化のいっとをたどっている
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 病の原因とされるのは,南極に突如出現した巨大地下世界“アサイラム”。そこは特殊な電磁波が放出される異常な空間となっており,地上では見られないおぞましい生物や未知の資源にあふれていた。

 そうしてランドルフ症候群やアサイラムの真相を解明すべく,各国政府や企業は合同で民間軍事会社「アンタークティカ・フロント」を設立する。プレイヤーはここに所属する記憶喪失の青年「ウー・イノミネタス」(CV:梅原裕一郎)の視点で,アサイラムの調査に向かう。

アンタークティカ・フロントは,世界が手を取り合い一丸となって生まれた……わけではない。愚かなことに,利権をむさぼり合う各国が互いの利益を牽制するために誕生した組織で,いくつかの超国家企業の独自調査の手段としても利用されている
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 ウーをはじめとする調査員たちはみな,ランドルフ症候群への耐性を持つ「スリーパー」と呼ばれ,並外れた聴覚で敵の存在を感知するほか,高度な連携を可能とする感情移入などの特異性を備える。

 さらに,スリーパーを精神汚染から守るオペレーター「サニティ・アンカー」の存在や,独立浮遊型兵器「FIBE兵装」を駆使し,アサイラムにはびこる特殊な生命体「スカード」との死闘を繰り広げていく。

 すべては,巨大地下世界の深層を目指すため。
 それがこの過酷な世界でのプレイヤーの目的だ。

ウーはアサイラムの出身で,謎の大量殺人が行われた療養院で生存した,唯一の生き残りだ。彼はスカードの存在を音で感知できるが,常に“耳の周りで蜂が飛び回っているような”異音に悩まされており,その身の永遠の静寂のために戦う。記憶もあやふやで,名前の「ウー」も「イノミネタス」も本名ではなく,日本語の“名無し”に相当する。記憶とともに人間性や倫理も失ったのか苛烈な言動が多いものの,誰であっても態度が一貫かつ公平なのはいっそ清々しく,静かな相手には穏やかに接する
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ウーをサポートする,サニティ・アンカーの「餅木スミレ」(CV:本渡 楓)。元地下アイドルで,複雑な経緯を経て調査員となった。倫理観も協調性もないウーとはかみ合うような,かみ合わないような調子の会話を展開するが,なんだかんだで悪くないパートナー関係を築いている。スミレは自己顕示欲の鬼と評せるくらい,自身の成功に対する過剰な執念を宿しているが,この世界の人間としてはそれくらいならかわいらしいとさえ思える
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ずば抜けた格闘センスを持つスリーパー「真喜志エリカ」(CV:富田美憂)。過去に陰湿ないじめを受け,暴力沙汰を起こしたことがある。エリカの言動は納得しやすい,だいぶ常識的な物言いに聞こえるが,常識や正気を保っているほうがむしろこの世界では異常なのかもしれない……とすら思えてくる。彼女がここにいる理由はただ一つ。ランドルフ症候群にかかった妹と,なぜかアサイラムで再会できると信じていることだ
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「小鳩玲香」(CV:野口瑠璃子)とは,ほぼだまし討ちのような形で出会う。戦士として冷静な判断を下せるところは頼りになるが,どこまで信用していいものかが悩ましい。彼女は右足が動かなくなるほどの大けがを負ったが,現在は最先端技術で作られた義足を手に入れている。過去,絶望的な精神をアニメに救われたことで同人マンガを描きはじめた。時折,かなり,独特な“愛”への感性が垣間見えてくる
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 異常空間のアサイラムは,地下層ごとに雰囲気が大きく異なる。
 作中では2Dマップ上の目的地をタップ移動し,3Dフィールドを歩いて調査する。まるで実際に自分の足でアサイラムを訪れているような,その場の状況を考えると決してうれしくはない感覚を味わえる。

 本作ではストーリーを進めていく「メインクエスト」に加え,アサイラム関係の人々から依頼を受ける「サブクエスト」も存在する。サブクエストをクリアするとアイテムを入手できたり,より多くのクエストを受けられるようになる「調査レベル」を上げたりできる。

 なにかと謎の多い認識をアップデートできる機会でもあるので,ついでに報酬ももらえると思ってメインの合間にどんどん受けよう。

各フィールドのエリアアイコンに近づくとステージリストが表示され,クエストを選択・クリアするとストーリーも進む。最初に訪れる階層は不気味に繁殖した植物に囲まれているが,次の階層は砂に覆われた廃墟のようなロケーションになるなど,アサイラムの謎さが深まる
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クエストはホーム画面の「調査リスト」から受注・移動できる。クエスト内でフィールドを実際に移動し,痕跡を調査する場合もある
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 アサイラム内にはスカードだけでなく,いわゆる“神隠し”でこの地に流れ着いた「エグザイル」と呼ばれる先住民がいる。
 時空すらも歪んでいるアサイラムだからこそ,地球の最果てどころか何十年,何百年もの過去から流れ着いた者も少なくない。

 エグザイルは脳の変化により,ランドルフ症候群を発症せずにアサイラムで生活を送れているが,アサイラムから出ることはできない。一方で,スリーパーとしての才能を発揮し,ウーとともに戦う者もいる。

エグザイルは,かつて船や街と丸ごと消失した者たちの子孫などが集まり,独自の生活圏を築いている。ウーたちに友好的な者もいれば,なかには人道から外れてしまった者も……
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ウーの過去と関係がありそうな謎の少女や,アサイラムで立て続けに起きている異常事件の背景も気になる。どうやら,それらは偶然ではないのかもしれず
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スキルを駆使し,陣地を奪いながら戦闘


 バトルでは4人のスリーパーを編成して戦う。ユニットには「フィジカル(赤)」「メンタル(緑)」「テクニカル(青)」の属性があり,フィジカル→メンタル→テクニカル→フィジカルの相克関係にある。

 敵の属性は戦闘前に判別できるので,ある程度プレイを進めたあとは個々の属性部隊を作っておくのがよさそうだった。

 またスリーパーには属性のほかに,HPなどが高い「タンク」,攻撃力が高い「アタッカー」,味方の回復・補助などに優れる「サポーター」といった3つの役割もある。こちらもバランスよく編成するのが大事だ。

すべて確認できたわけではないが,属性ごとに性質の異なる同名キャラクターがいるようだ(フィジカルのエリカ,メンタルのエリカなど)。異属性の同名キャラは同じ部隊には編成できず,また個々のスリーパーとして育成することになる
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バトル未参加のキャラクターも,ステータス向上の装備に相当する「サポートスリーパー」として加えられる。こちらもメインスリーパーと同名のキャラクターは,サポートスリーパーにはできない。要はDIAは“登場人物の数を絞り,属性別で種類を広げる方針”ということだ
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部隊編成では武装アイテム「FIBE兵装」も装備できる。FIBE兵装にはレアリティがあり,能力値や固有スキルなどが異なる。こちらはゲームプレイなどで収集するものなので,目当ての兵装が手に入るクエストに何度も挑み,よりレアリティが高いものの獲得を目指したい
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FIBE兵装のスロットには「チップ」を装備でき,性能を上げられる。スロット数は高レアリティほど多い。余分なFIBE兵装とチップは分解することで強化素材として活用できる
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 バトル中は時間経過でたまるスキルポイント(画面左下)を消費し,スキルカード(画面下部)をタップして敵を攻撃していく。

 スキルには攻撃をはじめ,敵の攻撃力や防御力を下げるなどの補助効果のほか,後述する押し出し効果を持つスキルもある。

4枚のスキルカードのうち,1枚を選んでタップすると消費され,アクションが発動。NEXT表示のカードが新たに手札に加わる。同じキャラクターでスキルを連続発動,または同じ種別のスキルを連続発動でチェインボーナスが加算される
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 バトルの戦略には「押し出し」が存在する。戦闘エリアの中央には「前線ライン」があり,スキル使用に応じてラインが前後する。ラインを上げて敵を押し出すと大ダメージを与えられる「ブレイク」が発生するが,逆にこちらが押し出されると継続ダメージを受ける。

 敵はエネミースキルゲージ(画面右端)がたまると押し出し攻撃をしてくることがあるので,ダメージを与える受けるのみならず,開発陣いわく“相撲”のイメージで前戦ラインを用いた戦術も考えよう。

スキルによって前線ラインが右に左に揺れ動く。属性有利だと押し出しやすく,属性不利だと押し出しにくくと,属性の重要さが体感できる瞬間だ
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ブレイクが発生すると,派手なカットインとともに大ダメージを与えられるので積極的に狙いたい。なおブレイク発生後の前線ラインは,バトル開始時のエリア中央に戻される
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 バトルの要であるスリーパーは,さまざまな要素で強化できる。

 特定のアイテムで上げる「グレード」や「限界突破」,バトル経験値などで上げる「レベル」,装備する「武器」をはじめ,スキルの効果量や威力を高めることも可能だ。さらにキャラクターを使い込むと「親密度」が深まり,段階にあわせてプレゼントアイテムをもらえる。

「グレード」や「スキル」は対象素材で強化可能。能力値を底上げする「限界突破」は,ガチャで同一キャラクターが重複したときに入手できる「スリーパー因子」が求められる。強化にはゲーム内通貨「遺伝子情報」が大量に必要で,常に不足気味になるので,時間経過で遺伝子情報やスタミナなどが手に入る「支援物資」はこまめに確認しよう
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 スリーパーにはR/SR/SSR/URのレアリティが存在する。ガチャのほかにも,メインクエストを進めるだけでSRの入手機会がある。
 このほかの有料要素としては強化素材パック,レアリティの高いFIBEの購入なども提供されるようだ。

 なお,素材消費で上げられるレアリティは,高いほどにレベル上限を引き上げることができる。Rスリーパーならそれほど苦労せずにSRに進化できるので,とくに属性キャラクターが偏りがちな序盤はできるだけRをSRに進化させておきたいところだ。

 さらに,本作では“全スリーパーが最高レアリティまで強化可能”となっているため,高難度攻略の適性などはそれぞれ課題があるのだろうが,好きなキャラクターが低レア止まりで使えないといった悩みは,がんばり次第で吹き飛ばせそうである。

RはLV30が限界だが,SRにすればLV40,SSRにすればLV50まで上限が引き上がる
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挑戦回数に限りがあるものの,ホーム画面の「コンテンツ」から経験値や遺伝子情報などの育成素材を獲得できるエリアに進める。ある程度メインクエストを進めると,自分のスリーパーとほかのプレイヤーのスリーパーを戦わせられる「アリーナ」なども利用できるようになる
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 ストーリー展開については自身の目で確かめてほしいので伏せるが,本稿であげた設定の布陣に興味を抱いた人には,まず期待どおりの陰惨な状況が次々と発生する。とはいえ,個人的にはどれだけの人命が失われようと,淡々とアサイラムの深層を目指すスリーパーたちのほうに,よほどうすら寒いものを感じてしまった。もはや,スリーパーは社会で営む人間としての“なにか”を失っているからこそ,ランドルフ症候群に耐性を持っているのではないか……と考えてしまったくらいに。

 メインクエストで語られるアサイラムでの戦いだけでなく,サブクエストで語られる研究者やエグザイルたちとの出来事にしても,なんとも名状しがたい後味を伴うものが多い。それらも連続性のある物語が多いので,アサイラムという場や,ここに関わる人間たちの生き方や思想などについても,その一端に触れることができてしまう。

 異常事態のなか,それでも生きていく人間の強さ,儚さ,貪欲さ,醜悪さ。そういう偏った感情が入り混じりながら,ある種のいとおしさを抱かせてくるのが,このDIA。救いのなさそうな場所に救いを求めるこの世界の欲望に感じるものがあるのなら,ぜひプレイすべきだ。

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