オープンワールドサバイバルクラフト「Soulmask」の大型DLCは，まさかのエジプト文明。意外すぎる今後の展開を教えてもらった［TGS2024］

　東京ゲームショウ2024の期間中，オープンワールドサバイバルクラフト「Soulmask」を展開しているQooland Gamesと会う機会が得られた。本作のコンセプトや，今後のアップデート方針などを紹介してもらえたので，お伝えしていこう。


　本作は，リアリティを重視したサンドボックスのサバイバルゲームとして，2024年5月31日にアーリーアクセスが始まったタイトルだ。舞台となるのは，さまざまな部族民が暮らす原始的な大陸。「Soulmask」というとおり，マスク（仮面）にフォーカスしたゲームシステムになっており，ゲームの冒頭で生贄にされそうになったプレイヤーは，どうにか逃げ出そうとする途中，神秘的なマスクを手に入れる。その力を使って，探索や建築を進めて危険な地で生き抜き，部族民を集めて勢力を拡大し，世界の秘密を探っていくのだ。
　アーリーアクセスながら，500時間以上のプレイを想定した膨大なコンテンツがすでに用意されており，Steam（リンク）での評価は約9000件のレビューでやや好評。精力的なアップデートも続いている。9月20日時点でのダウンロード数は43万だ。


　本作の開発チームは，30〜40代の3DMMORPGの開発経験が豊富なメンバーが多く集まっているという。彼らが将来性を見据えて開発したいと考えたのが，比較的新しいジャンルである，コアプレイヤーに向けたサンドボックスゲームだ。そこに，これまでの開発経験や，自分たちが描きたい世界観を投入して，「Soulmask」というゲームを作り上げている。

Qooland Gamesの「Soulmask」パブリッシング責任者である杨金婉（Laplace Kim）氏

　ここで気になるのが，なぜ本作のようなテーマを扱うことにしたのかだ。オープンワールドやサバイバルクラフトといった，流行のジャンルに挑戦するのは分かる。ただ，それを原始的な舞台や部族で描くというのは，流行に乗っているとは言い難い。本作の開発元は中国にあり，武侠ものやアニメ系など，流行のテーマに沿って作ることもできたはずだ。
　この質問に対して杨金婉氏は，開発チームが好きなテーマがマヤ文明であり，好きなものを作りたかったのだと説明する。本作で重要なマスクも，マヤ文明を象徴するものとしてインスピレーションを受けているそうだ。

TGS会期中の9月26日に，メジャーアップデート第2弾が行われた。10月10日まで10％オフのセールも実施中だ

　今後のロードマップとしては，2024年第4四半期に初のDLCの配信を予定している。このDLCは多くが無料で，目玉となるのは猪や象といった騎乗できる動物だ。
　そして2025年上半期には，有料の大型DLCの配信が予定されている。コンセプトは原作を越えるプレイ体験。すでにテーマも決まっており，ここで登場するのは，なんとエジプト文明だ。


　え，エジプト？　マヤ文明は！？　もうこうなると，本作の「生贄！　森林！　部族！」みたいなイメージが一気にひっくり返ってしまう。
　ただ，Qooland Gamesとしては，突然まったくの別物になっているわけではなく，本作の背景設定においてほかの文明が登場するのは，自然なことなのだという。
　実は本作の背景設定において，マスクというのは地球外の文明や未来の技術の象徴であり，科学技術によってもたらされたものだ。マスクは意識や魂をどこかにアップロード/ダウンロードするツールであり，着用者は何らかの力を得る。それを原始的な世界で手に入れた者が現れたことで，文明が発展したのではないか……。
　そんな解釈で世界を描いているため，マスクの影響を受けたほかの文明も登場するというわけである。


　また，エジプト文明が世界四大文明の1つであり，さらに本作で描きたいものに死生観がマッチしているというのも，選んだ大きな理由だという。死後は天国や地獄に行く西洋とも，輪廻転生の東洋とも違い，死後は肉体を保存し，魂が戻ってくる。言わば死の後には復活がある死生観だと，杨金婉氏は説明していた。

　エジプトが舞台ということで，もちろん砂漠や川，オアシス，ピラミッドといった環境が用意される。エジプトの神をモチーフにした新たなマスクも登場するようだ。
　さらに，エジプト神話には欠かせない船という要素にもフィーチャーしているそうだが，詳細はまだ秘密とのことだった。

　なお，エジプト文明のDLCは，現在のマヤ文明とは独立した環境でのプレイになる。プレイヤーは，冥界を通じてエジプトに行くが，これまでの所持品などは持っていけない。ただ，獲得しているスキルなどをどうするかは，現在検討しているところだそうだ。

　今回，DLCの存在が明かされたことで疑問なのが，いつになったらアーリーアクセスを終了して，正式リリースされるのかということだろう。杨金婉氏によると，時期は検討中だが，正式リリースはプレイヤーの期待や予想を越えた状態にまでもっていってから行いたいとのことだった。

　Qooland Gamesとしては，今後，毎年異なる文明のリリースを目指している。イメージとしては，マーベルのマルチバースな世界のように，いろいろな文明が並行して展開するような形が目標とのことで，将来的に，現在の「Soulmask」にプレイヤーが持っているイメージとはかなり違ったゲームに進化していきそうだ。

中国で行われたエジプト展で買ったという，マスクを被った猫のグッズ。中国では，「エジプトと言えばマスク」というぐらいメジャーなイメージなのだとか

「Soulmask」公式サイト

東京ゲームショウ2024公式サイト

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