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「Sony Park展」内覧会レポート。岡崎体育さんセレクトの歴代PSタイトルが実機で楽しめる
Sony Park展は,Ginza Sony Parkが2021年10月から改装工事に入るのに先駆けて行われる展示会。2021年6月26日〜9月30日の会期を6つに区切り,ソニーが手がける「ゲーム」「音楽」「ファイナンス」「映画」「半導体」「エレクトロニクス」という6つの分野に関して,ソニーミュージックグループに所属する6組のアーティストが参加した企画が展開される。
この日のメディア向け内覧会では,ソニーグループ ブランド戦略部門/ソニー企業 代表取締役社長・チーフブランディングオフィサーである永野大輔氏が登壇。Ginza Sony Parkの誕生秘話などについて語った。
Ginza Sony Parkは,2017年まで存在していたソニービルの土地に作られた施設である。当初はソニービルを建て替える計画だったものの,あえてそうせず「公園」をコンセプトとしたGinza Sony Parkを作ったことにより,各方面から高い評価を受けたという。
Ginza Sony Parkはショールームではなく公園であり,同時にソニーの商品でもあると永野氏は語る。ソニーらしさとはユニークであること。その商品も「再定義」「世の中に問う」「未来への一歩」という特徴を持ち,Ginza Sony Parkも同じであるという。
まずは「再定義」について。ウォークマンは音楽の聴き方を再定義し,PlayStationはゲーム機のあり方を再定義した……と永野氏は語る。こうした前例に倣い,Ginza Sony Parkは“変わり続ける実験的な公園”としたことで,公園の有り様を再定義したという。
そして「世の中に問う」というテーマについては,Ginza Sony Parkは,本社ビルの土地を公園とする発想で話題を呼んだが,当初は社内から反対の意見も出たという。皆が良いと思うものはイノベーティブではない,とは永野氏の持論だが,賛否両論だった公園構想はまさにイノベーティブなものであり,土地の使い方を世に問いかけた事例であるというわけだ。
そして,Ginza Sony Parkはまだ「未来への一歩」というところにまでは達していないと永野氏は語る。同様の発想の施設が他にみられないからで,この考え方が一般的になることで,都市にも緑が増えていくと考えているという。
こうして作られたGinza Sony Parkはこれまでに800万人の来園者を記録。さまざまなアクティビティを展開したが,「アーティスト×テクノロジー×テーマ」というコンセプトのものが好評を博したという。
今回のSony Park展は,こうしたコンセプトを推し進め「アーティスト×テクノロジー×ビジネス」としたもの。ソニーが手がける「ゲーム」「音楽」「ファイナンス」「映画」「半導体」「エレクトロニクス」の6ビジネスをテーマとし,アーティストとともに,事業紹介や説明ではない,ソニーらしいユニークで新しい体験を作り上げたという。最後に永野氏は「ぜひ,6回Sony Park展に来ていただき,すべてのアクティビティを見てほしい」と述べ,挨拶を締めくくった。
メディア向け内覧会では,「ゲームは,社交場だ。」の企画が披露された。会場には,シンガーソングライターの岡崎体育さんが初代PlayStationからPlayStation 4までのゲームタイトルからセレクトした作品が展示され,実際にプレイできる。
また,実車のコクピットさながらの「グランツーリスモ SPORT」試遊台が設置されるほか,大画面プロジェクターを使った「ASTRO's PLAYROOM」のプレイも可能だ。
そして,会場の各所にあるQRコードからはPlayStationの豆知識をチェックできるほか,「社交場」のコンセプトを体現する巨大カウンターには歴代ゲームパッドのカラーバリエーションが展示されている。懐かしいゲームパッドを見ると,当時遊んでいたゲームの思い出が甦ってくるのではないだろうか。
なお,「ゲームは,社交場だ。」の開催期間は7月7日までとなる。
会場では6つの展示のほかにも催しが行われる。ゲームファンとして注目したいのが,音がテーマとなった「AUDIO GAME CENTER +」だ。ここでプレイできる3作品は,いずれもディスプレイがなく,ゲームの世界が音だけで表現されている。
「大爆走!オーディオレーシング」はコクピットに座って音を頼りにハンドルを切ってレースを進めるというもの。「スクリーミング・ストライクneo」は,飛んでくる瓦や,迫るゾンビの接近が音で表現されるので,目の前に並ぶ3つのドラムを叩いて迎撃する。
とくにユニークなのが,死んでしまった女友達の幽霊と再会する「幽霊のいるところ」。例えるなら,音だけで遊ぶゲームブックやアドベンチャーゲームといったところだろうか。耳にイヤフォンをかけ,手にVIVEコントローラを持って暗い部屋に入ると,どこからか幽霊が語りかけてきて,プレイヤーにさまざまな選択を迫ってくるのだ。
普通のゲームなら画面に選択肢が出てくるところだが,このゲームでは選択肢が音で表現されているのが面白い。例えば「炎に近づくか,水に近づくか」という選択肢では,炎が燃える音と水滴がしたたる音が聞こえてくるので,プレイヤーは音を頼りに,実際に部屋の中を移動して選択肢を選ぶ。つまり,炎に近づくなら,炎の音がより大きく聞こえる方へ歩き,ボタンを押して選択肢を決定するというわけだ。
物語の舞台は,女友達の部屋や夏の学校などさまざまな場所へ移り変わる。ゲームをプレイする部屋は終始暗く,何か小道具が置いてあるわけではないのだが,音と暗闇が想像力を刺激してくれるので飽きない。「AUDIO GAME CENTER +」は6月26日〜7月18日の開催なので,気になる人はチェックしてみよう。
Sony Park展の入場は無料で,事前に予約を済ませる必要がある。詳しくは公式サイトでチェックしよう。また,会場に行けない人向けに公式サイトでバーチャルウォークスルー体験や,展示に参加したアーティストが出演するオンラインイベントも開催される。2021年7月6日21:00には,岡崎体育さんのオンラインイベントが行われるので,こちらもお見逃しのなきよう。
「Sony Park展」特設ページ
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