お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2023/12/04 20:22

ニュース

「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2023年12月1日,「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」を東京都内で開催した。

<2023年12月6日16:50>
※「ソニックフロンティア」及び「ホグワーツ・レガシー」の開発者インタビューを追加しました

画像集 No.013のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

 このイベントは,日本とアジア地域において,2022年10月から2023年9月の間にヒットしたPlayStation向けタイトルを表彰するものだ。
 上記の地域で開発された作品の中で,全世界売上の上位3作品には「GRAND AWARD(グランドアワード)」,上位にランクインした作品には「PARTNER AWARD(パートナーアワード)」が授与された。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

●GRAND AWARD
  • 「原神」(PS5 / PS4
  • 「FINAL FANTASY XVI」(PS5
  • 「バイオハザード RE:4」(PS5 / PS4

画像集 No.011のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

●PARTNER AWARD
  • 「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(PS5 / PS4
  • 「eFootball 2023」(PS5 / PS4
  • 「Wo Long: Fallen Dynasty」(PS5 / PS4
  • 「ELDEN RING」(PS5 / PS4
  • 「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」(PS5 / PS4
  • 「ストリートファイター6」(PS5 / PS4
  • 「ソニックフロンティア」(PS5 / PS4


 さらに注目すべき活動成果を残した3作品を「SPECIAL AWARD(スペシャルアワード)」,総ゲームプレイ時間の上位30タイトルのうち,日本およびアジア地域のユーザー投票によって選ばれた上位5作品を「USERS' CHOICE AWARD(ユーザーズチョイスアワード)」として表彰している。

●SPECIAL AWARD

●USERS' CHOICE AWARD
  • 「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(PS5 / PS4
  • 「バイオハザード RE:4」(PS5 / PS4
  • 「FINAL FANTASY XVI」(PS5
  • 「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」(PS5 / PS4
  • 「ホグワーツ・レガシー」(PS5 / PS4

画像集 No.010のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

 会場では表彰式後,受賞タイトルの開発者へのメディアインタビューが行われたので,その内容を紹介しよう。
※GRAND AWARDを受賞した「原神」のHoYoverseはインタビューを辞退している

「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」公式サイト



受賞作品開発者インタビュー(登壇順)


「バイオハザード RE:4」
平林良章氏(プロデューサー)
安保康弘氏(ディレクター)


画像集 No.001のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

──過去のインタビューで,原作の「核」を大事にしたと話していましたが,それが実現できたと感じる部分はどこですか。

平林良章氏(以下,平林氏):
 原作も遊んだことのあるお客様から,本作でその頃にプレイしていた思い出を感じられたと言っていただけたことです。

──9月21日に配信された追加コンテンツ「セパレート・ウェイズ」の反響はどうでしたか。

平林氏:
 レオン側の視点で進む本編を,もう一度プレイしたくなったという声を多くいただきました。レオンでは出来ない,エイダらしいワイヤーを使ったアクションに新鮮さを感じた,原作との関係性がよりクリアになったなど,ポジティブな言葉もいただいています。

──「RE:」というリメイクのブランドは,今後も続けていくのでしょうか。

安保康弘氏(以下,安保氏):
 リメイクシリーズは3作出していますが,どれも好評を博しており手ごたえを感じています。過去の作品を愛している我々としても,新しい人たちや原作のプレイヤーに遊んでいただけるということは嬉しく感じておりますので,続けたいと思っています。どのようなものを計画しているかについては,今後の情報にご期待ください。

──プレイヤーの声で印象的だったものを教えてください。

平林氏:
 我々開発チームは,遊んでくれた人に楽しんでいただけるよう,この難度の高いミッションにまい進してきました。お客様の声にお応えできるかという不安の中で,ローンチの時にいただいた「原作と同じくらい楽しめた」というシンプルな一言が,我々にとっての救いになりました。

──「RE:」シリーズは,なぜこれほどのクオリティの高さを実現できているのでしょうか。

安保氏:
 リメイク作品には,まず原作があって,それを遊んだお客様がいるという状況からスタートするので,ある種有利な面があるんです。早めにお客様のお声を拾えることもありがたいことです。
 我々は,それらを真摯に受け止め「プレイヤー目線」のスタンスで取り組んでおります。それが現状の評価につながっていると考えています。


「ファイナルファンタジーXVI」
高井 浩氏(メインディレクター)
前廣和豊氏(クリエイティブディレクター&原作・脚本)


画像集 No.002のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――GRAND AWARDを受賞しましたが,どのような点が評価されたと思いますか。

高井 浩氏(以下,高井氏):
 難しい質問ですね。世界観やストーリーをこだわりぬいて作ってきましたが,心を揺さぶられるプレイ体験が出来たという声が大きかったと思います。また召喚獣合戦などで驚きを与えられた点,従来の形からフルアクションバトルに変化しつつも「ファイナルファンタジー」の世界を体験できる点など,トータルで本作を評価いただけたのではないかと思います。

――開発において,最も大事にしたポリシーを教えてください。

前廣和豊氏(以下,前廣氏):
 プレイ中に,世界に没入してもらうことを大事にしました。一度コントローラーを握ったら,「コントローラーを離さない」と思ってもらえてたらうれしいですね。また細かなところですが,違和感やストレスになる部分を出さないよう心がけました。

――「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリング作品は世界的にも注目されます。開発中にプレッシャーを感じることはありましたか。

高井氏:
 もちろんプレッシャーがなかったわけではありません。ですが開発中は,そこまで大きくはありませんでした。いよいよリリースが近づき,メディアの皆さんとのお話も増えた辺りから,心臓がバクバクしてきたというのが正直なところです。
 リリース時は,眠れないくらい緊張しました。その後,プレイヤーの皆さんのなかで賛否両論ありながらもプレイしていただき,世界中で「良かった」という声が大きかったことで,やっと一安心しました。

――「アクティブタイムロア」という画期的なシステムを実装するのは大変だったのではないでしょうか。開発時に苦労した点,やってよかったと思った点を教えてください。

前廣氏:
 アクティブタイムロアは,吉田(プロデューサー・吉田直樹氏)の鶴の一声で実装することになりました。
 メインのストーリー動線にはシナリオの区切りがあるのですが,その時々でプレイヤーは何を求め,どういった情報を提示すれば,物語をより深く理解していただけるかということを追求し,導入したシステムです。
 提示する情報はすべて手作業で打ち込んだもので,なおかつ長々とした文章だと読みづらいので,ひとつひとつの項目をひと呼吸で読めるよう,少ない文章量に調整しているんです。
 地道にコツコツ組み込むという,ローテクでかなり大変な作業でしたが,非常に好評だったので,やってよかったと思っていますし,物語にも深みを出せたのではないでしょうか。ただ,あまりに大変な手作業だったので,もう二度とやりたくないですね(笑)。

――現在,2種類のDLCが発表されていますが,それらで目指していること,どのような体験をユーザーに与えたいかを教えてください。

高井氏:
 これらはクライヴの物語の中に組み込まれていて,「ファイナルファンタジーXVI」の世界をより深く知っていただけるものです。
 本編では描かれなかった闇の部分,謎などをさらに体験でき,新たな強敵との戦闘も楽しめるコンテンツになっています。今の段階で詳しくはあまり言えませんが,楽しみにお待ちください。


「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」
小倉康敬氏(執行役員・プロデューサー)
山村 優氏(ディレクター)


画像集 No.003のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――ソウルシリーズなどのヒットもあり,海外でもフロム・ソフトウェアの知名度が上がっていると思います。そのような中で発売された本作ですが,海外での反響はいかがでしたか。

小倉康敬氏(以下,小倉氏):
 詳細なレポートを参照したわけではないので,あくまで肌感ですが,ソウルシリーズなどで弊社のゲームを好きになってくださった方々にも,“メカならではの,新しいアクション”として「アーマード・コア」を支持していただけたのかなと思います。

――開発で苦労した点を教えてください。

山村 優氏(以下,山村氏):
 現代風の「アーマード・コア」として,直感的な操作ができるような調整と,操作が難しいからこそ得られる面白さを大事にしました。このふたつのバランスをとることが難しかったですね。

――発売後も精力的にアップデートしていますが,最終的に目指すプレイフィール,理想の「アーマード・コア」はどのようなものでしょうか。

山村氏:
 なるべくすべてのパーツに光が当たるように,発売後も調整しています。プレイヤーによるアセンブル,それぞれ機体の構成が違ってくるような,多様性のある状態を目指していますので,これからも色々な個性・多様性を持たせられるように,調整を続けていきます。

――シリーズファンと新規層,それぞれに刺さったポイントはどこだったと思いますか。

山村氏:
 シリーズのファンには,「アーマード・コア」らしい楽しさは変えず現代的にアップデートされた部分が評価されたのではないでしょうか。
 新規の人には,近年の弊社が培ってきたバトルデザインと,「アーマード・コア」らしい三次元的な立体戦闘のシナジーが,新しさとして受け入れられたのかなと思っています。

――プレイヤーの遊びかたで,面白いなと思ったものはありますか。

山村氏:
 完全な手動エイムで遊んでいるプレイヤーさんがいらっしゃいまして,熟練傭兵の意地みたいなものを感じ,かっこいいなと思いました。
 開発時に,マニュアルエイムの有無について議論したのですが,強く「必要です」と言ってくれたスタッフがいたんです。実装してよかったですね。

小倉氏:
 武器を外した状態の,パンチやキックなどは使われると思っていましたが,実際に武器を使わずに立ち回っているのを見ると「さすがだな」と思ってしまいますね。そんな熱い思いや愛のある方々に遊んでいただけているのが,とても嬉しいです。


「eFootball 2023」
中西 宏氏(シニアディレクター)
木村征太郎氏(シニアディレクター)


画像集 No.004のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――PARTNER AWARD受賞のお気持ちをお聞かせください。

中西 宏氏(以下,中西氏):
 この度は栄えある賞をいただき,大変嬉しく思っております。「eFootball」は,2021年に「ウイニングイレブン」から名前を変え,また同時にビジネスの形態も変えて生まれたタイトルです。大きなチャレンジをしたあとにこのような大きな賞をいただき,非常に嬉しく思っています。

木村征太郎氏(以下,木村氏):
 「ウイニングイレブン」時代からずっと「PlayStation Partner Awards」の賞をいただいていますが,「eFootball」にブランドを変更したタイミングの去年は良い結果を残せず,非常に悔しい思いをしました。今年は大変嬉しく思っています。ありがとうございます。

――基本プレイ無料タイトルとして,売り切りの形とは異なる開発や運営の難しさがあるのではないでしょうか。今作で,継続して高収益を続けられている秘訣や要因を教えてください。

中西氏:
 パッケージ販売だったころはサッカーシーズンに合わせて開発していたため,そこに向けてすべての作業パートが動いていました。
 今作ではその制限がなくなったので,開発やアップデートなどのサイクル,速度が上がった点がいい面として挙げられると思います。
 また,今まで以上にお客様の声に耳を傾けられるようになったのではと思います。要望などの声をいただいてから,1週間後のアップデートで実装するといったことも可能となりました。

――サッカーを題材にしたゲームは,特に海外のプレイヤーから支持されている印象がありますが,日本のプレイヤーからもフィードバックは多いのでしょうか。

中西氏:
 日本のプレイヤーからも,毎回大きな反響をいただいております。今月の新しいアップデートも好評のようで,非常にありがたく思っております。お客様の声によって,ともに作っているという感覚があり,今後もそういった形で続けていければと思っています。


「Wo Long: Fallen Dynasty」
平山正和氏(プロデューサー兼ディレクター)

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――受賞の気持ちをお聞かせください。

平山正和氏(以下,平山氏):
 PARTNER AWARDという素晴らしい賞を受賞できたことを,心から嬉しく思っています。また,プレイしていただいたすべての皆さまにこの場を借りて,感謝を申し上げたいと思います。
 本作は,2023年12月12日にDLC第3弾が配信されます。今後も,皆さんにより楽しんでいただけるよう頑張ってまいりますので,応援をよろしくお願いいたします。

――三国志の全体を考えると,本作の物語はまだ途中なのかなと思います。次回作の予定などがあれば教えてください。

平山氏:
 現在は,DLC第3弾に向け全力投球している状況でして,特にお伝えできる情報はありません,しかし,本作以降の時代については,諸葛孔明や龐統などの軍師が活躍したりなど,「Wo Long」とはまた違う魅力があると考えていますので,作るチャンスがあればぜひ検討していきたいですね。

――戦闘システムが高く評価されていますが,開発者視点での出来栄えを教えてください。

平山氏:
 スピーディに攻防が入れ替わるアクションという点については,本作である程度実現できたと感じていますが,アップデートなどで,もっと良くしていきたいと考えています。
 敵の捌きかたのバリエーションなども増やしていきたいですが,現在は具体的にお伝えできる段階ではないです。

――「無双」シリーズや「仁王」シリーズとも異なる立ち位置ですが,反響の大きさに差はありましたか。

平山氏:
 三国志を題材としていることもあり,「三國無双」とは近しい傾向です。中国を中心としたアジア圏からの反響が大きいですね。そのうえで,「仁王」シリーズをプレイした方にとっては,「三国志」というよりアクションゲームとして手に取っていただいた傾向があるのかなと思っています。

――Team NINJA作品は“高難度アクション”というイメージがあります。プレイヤーからの受け止め方はどうでしたか。

平山氏:
 リリース後,一番印象的だったのは,プレイヤーの感想が「簡単」と「難しい」に分かれたことです。アクションで乗り越える場面の比率が多かったのが原因かと,個人的には考えています。
 幅広い層に楽しんでもらいたいので,アップデートを通じて,ただ単に数値を弱くするのではなく,ボスのアクション性やAI,プレイヤーアクションの改善,RPGとしての横の広がりなども意識していこうと思います。


「ELDEN RING」
北尾泰大氏(プロデューサー)

画像集 No.006のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――世界中で高い評価とセールスを獲得し,名実ともにフロム・ソフトウェアの新たな代表作になりましたが,プレイヤーから支持を得ていることへの感想をお聞かせください。

北尾泰大氏(以下,北尾氏):
 我々も予想をしていなかったほど,多くのプレイヤーに遊んでいただき驚いています。一過性のものではなく,プレイヤーの皆さんが話題にして盛り上げてくださっていることに,感謝以上の言葉はありません。本当にありがたいです。

――リリースから2年近く経ちました。今あらためて「ELDEN RING」という作品を振り返って,開発に関する考えかたが変わっているところなどはありますか。

北尾氏:
 しっかりと分析はできていないですが,基本的には,開発に対するスタンスは変わっていないです。面白いこと,価値があることを,真面目に一生懸命つくるのが昔からのスタンスですし,今後も同じ考えかたでやっていきます。

――新オフィスへの引っ越しは,「ELDEN RING」の大成功も関係しているのでしょうか。また,それによって体制が変わった点はありますか。

北尾氏:
 引っ越しは「ELDEN RING」の発売前から計画されていました。人数に対してオフィスが手狭になってきたのが一番の理由です。より集中できる環境を整える目的もあります。開発環境自体はまだまだ途上ではありますが,良くなってきています。

――DLCに期待するユーザーも多いと思います。開発の進捗を教えてください。

北尾氏:
 DLCについては,別の機会にお話させていただく予定です。まだ少し先になりますが,開発は順調に進んでいます。「ソウル」シリーズや「Bloodborne」などと同じく,新たな戦い,新たな登場人物が登場する形になっています。期待していてください。

――新たなアクションゲームがリリースされている中,本作の人気が持続している理由は何だとお考えでしょうか。

北尾氏:
 「持続」という点で言うと,多くの方が話題にしてくださっていることでしょうか。「面白さ」としては,攻略の自由度の高さが挙げられると思います。それによって,プレイヤーごとに体験が違ったり,遊び方が違ったりするので,それによっていろんな話題が生まれ,長く遊んでいただけるのではないかと思います。


「クライシス コア ‐ファイナルファンタジーVII‐ リユニオン」
佐藤万里子氏(プロデューサー)

画像集 No.007のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――PARTNER AWARD受賞のお気持ちをお聞かせください。

佐藤万里子氏(以下,佐藤氏):
 この度は素晴らしい賞をいただき,誠にありがとうございます。この賞をいただけたのも,応援してくださった方や,開発のみなさんが頑張ってくださった結果です。本当に嬉しく思います。
 来年には「FINAL FANTASY VII REBIRTH」も発売予定ですので,本作と合わせて楽しんでいただければと思います。

――オリジナル版の発売当時,海外では日本ほどPSPが普及していませんでした。今作で初めて「クライシスコア」をプレイした海外のファンも多かったと思うのですが,海外からの反響はどうでしたか。

佐藤氏:
 まさに,海外のファンの方からも多くの声をいただきまして,また,好評の声がすごく多くて嬉しかったです。おっしゃる通り,当時はPSPが海外であまり普及しておらず,気になっていたもののプレイはできなかった方もいたようです。
 今回やっとプレイできたという声も多かったですね。ストーリーは知っていたけれども,実際に体験できてよかった,という声もたくさんいただきました。

――これから本作をプレイする人に対して,ここに注目しておくと「FINAL FANTASY VII REBIRTH」がより楽しめる,という点はありますか。

佐藤氏:
 「クライシスコア」は,「FFVII」に出てくるザックス,セフィロス,エアリス,クラウドなど重要なキャラクターの過去が描かれているというのがポイントです。彼らの過去になにがあったかということを「クライシスコア」を体験していただいてから「REBIRTH」をプレイすると,こういうことだったのか,と思っていただけるのではないでしょうか。

 「FINAL FANTASY VII REMAKE」をすでにプレイされている方は,「FFVII」と「クライシスコア」の話に一致する部分と,すれ違っている部分があることにお気づきかと思います。その謎を楽しんでいただきたいのが「FINAL FANTASY VII REBIRTH」となるので,発売を楽しみにしていただきたいです。

――プレイヤーの声で,特に印象的だったものを教えてください。

佐藤氏:
 発売後,本当に色々な声をいただきました。個人的に印象に残っているのは,「ストーリーをすでに知っているけれど泣けた,感動した」という方がすごく多かったことです。
 オリジナル版の発売から15年という年月が経っていても色褪せず,人を感動させることができるのは凄いことです。これから10年,20年先も,人を感動させる作品なのかなと思っています。

――人気の高い「クライシスコア」を現代に蘇らせるうえで,特にこだわった点,大切にした点はなんでしょうか。

佐藤氏:
 たくさんありますが,ひとつはストーリーを変えないということです。物語が人気の作品ですし,個人的にこの作品の大ファンということもあり,こだわった部分でもあります。
 また,この作品は「FINAL FANTASY VII REMAKE」のプレイヤーにも楽しんでもらおうと思っていましたので,両作品を遊んだ際に違和感のないようにする,という点にもかなりこだわって調整を重ねました。


「ストリートファイター6」
松本脩平氏(プロデューサー)

画像集 No.008のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――PARTNER AWARDおよびSPECIAL AWARDのダブル受賞についてお気持ちをお聞かせください。

松本脩平氏(以下,松本氏):
 正直めちゃめちゃ嬉しいです。「ストリートファイター」には長い歴史がありますが,本作は開発チームで多くのチャレンジをして,格闘ゲームではなく新しい「ストリートファイター」を作ろう,ということでやってきました。
 それがお客さんに伝わり,だんだんと広まっていって,結果的に嬉しい賞をいただけたことに開発チーム一同,感謝しています。

――1人用のストーリーモードである「ワールドツアー」は,普段格闘ゲームをしない人にも向けた意図があると思いますが,実際にプレイした方からどのようなフィードバックがありましたか。また,次作でもこのモードを実装していくのか,また今後どのようにアップデートしていく予定なのかを教えてください。

松本氏:
 「ストリートファイター6」は,今まで格闘ゲームを遊んでいただいた人にも,これから新しく格闘ゲームをプレイする人にも楽しんでもらいたいと思い,ワールドツアーを実装しました。
 シリーズのファンには,「ストリートファイター」の物語を改めて思い出して理解するモードとして。新しくプレイしていただく人には,大きなチュートリアルとして格闘ゲームのイロハが学べるようなゲームデザインになっています。

 そしてワールドツアーをクリアした頃には,リュウの好物がわかったり,波動拳が出せるようになったりして,多方面への理解が深まることを狙って作っています。その甲斐あって,このキャラクターが好きになったなど,さまざまな嬉しい声を頂きました。
 まだ発売して数か月なので,ワールドツアーの今後は反響を見つつ,これから考えていきます。

――本作におけるメディアミックスは,今後どう展開していくのでしょう。

松本氏:
 「ストリートファイター」シリーズは,メディアミックスで映画やアニメ,コミックなどをやってきた歴史があります。ファンの方も,戦うのが好き,ストーリーが好き,キャラクターが好きなど,さまざまな方がいらっしゃいますので,引き続き多方面にやっていくつもりです。

――本作は,アクセシビリティに幅広く対応したことでSPECIAL AWARDも受賞しています。格闘ゲームの裾野を広げ,格闘ゲーム界の歴史を大きく動かしている作品だと思いますが,開発サイドからの感触はどうでしょう。

松本氏:
 アクセシビリティに関しては,「ストリートファイター5」のころからチャレンジしていました。そこに「こうしたらもっと良くなる,遊びやすくなる」という意見やアイデアが集まりましたが,「ストリートファイター5」では実現できなかった部分があります。それを本作で改善し,良いものを作ろうという取り組みをしてきました。

 基本的に「全人類に遊んでもらう」ことをテーマにしていますし,それが我々の願いです。性別・年齢などにかかわらず対応できるよう,3つの操作タイプの導入など,アクセシビリティを強化しました。そうすることで,異なる年代の方が一緒に遊べたりなど,いろいろな人に体験していただけることにつながったのかなと思い,私たちとしては嬉しく,誇りに思っています。ですが,まだまだ改善できることはあると思っています。

――本作は,初心者だけでなくストリーマーにも広がっているようです。このあたりは狙い通りだったのでしょうか。またプレイヤー主催のイベントも開催されていますが,印象的なものはありますか。

松本氏:
 「ストリートファイター5 アーケードエディション」のあたりから,ストリーマーやVTuberの方々に配信プレイをしていただけるようになりました。しかし,配信を見ても操作の難しさや難度の高さがハードルとなり,プレイから離脱する方が多かったのではと思います。
 ですので,本作はモダン操作などの実装や画面の見やすさ,何が起こっているかなどを分かりやすくすることを考えて制作しています。そこは狙い通りにいったようなので,「よしっ」と思いましたね。

 イベントだと,「CRカップ」はすごいインパクトですよね。もともとシューター系のゲームで開催されていたイベントで,「あんなことをスト6でもやりたいな」と思っていたので。多くの反響をいただきましたし,開催していただけてよかったです。
 嬉しいのが,新キャラクターの名前を多くの方に知っていただけたということです。これからも続けていきたいですね。

「バイオハザード ヴィレッジ VRモード」
神田 剛氏(プロデューサー)

画像集 No.009のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

――SPECIAL AWARD受賞のお気持ちをお聞かせください。

神田 剛氏(以下,神田氏):
 「バイオハザード ヴィレッジ」は,「PlayStation Partner Awards」での受賞が今回で3回目となります。大変光栄に思っております。

――PSVR2に対応することで,開発環境も大きく変化したのではないでしょうか。苦労した点やこだわった点を教えてください。

神田氏:
 PSVR2の「Senseコントローラー」対応ということで,「実際の感触としてゲームプレイにハマっているか」という点を解決するために苦心しました。
 銃アクションなどの細部にこだわりすぎると,サバイバル感やホラー感が薄れてしまうこともあり調整は難しかったです。最終的には,イーサンのカッコいいアクションを直感的に体感できるようになり,開発の達成感があります。

――高い人気を持つドミトレスク夫人。今回は,実物大の彼女に会えるということでファンたちも喜んだかと思うのですが,今後ドミトレスク夫人をさらに活用したいという気持ちはあるのでしょうか。

神田氏:
 彼女は,本作のアイコン的なキャラクターですよね。可能な限り活用したい気持ちはあるのですが,今のところ本作に追加コンテンツの予定がないので,引き続き,VRモードで間近に迫るドミトレスク夫人を体験していただきたいなと思っております。

――今後の「バイオハザード」シリーズにも,VRモードを実装していく予定はありますか。

神田氏:
 「バイオハザード」の“ホラー”という要素と“VR”の相性がいいことは,「バイオハザード7」のときに感じていました。「可能な限り前向きに検討していきたい」という姿勢は持っております。

――PSVR2のポテンシャルや独自性について,作り手の目線で何か気づきはありましたか。

神田氏:
 解像度が非常に高く,実際のスケール感が大きいので,今後もそこを突き詰めていきたいです。また,Senseコントローラーは,実際の体験に近いものを作り出せる可能性がまだまだあります。機能を活用して,これからさらに価値のあるものが作れるのではないかと思っています。


「ソニックフロンティア」
岸本守央(ディレクター)

画像集 No.015のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

──約5年ぶりの完全新作ですが,ファンから広く受け入れられたことをどう感じていますか。

岸本守央氏(以下,岸本氏):
 シリーズが持つ潜在的なポテンシャルをどこまで引き出すことができるか,ということに挑戦するために開発したタイトルです。それが皆さんに受け入れられたことは,とても嬉しく思っています。

──新要素の追加とシステムの改善が精力的に行われている印象があります。特にシステムの改善は,修正すべき点をどのような基準で定めたのでしょう。

岸本氏:
 ソニックゲームが,世界のトップゲームを目指すために必要な要素をまず決めました。それを形にした後は,ユーザープレイテストを通して課題を洗い出すことを,これまでのタイトル以上に徹底的に行っています。絶対的な基準としたのは,プレイヤーが楽しんでいるか,否かですね。

──本作を開発していくうえで,“ソニックらしさ”としてこだわった点はありますか。

岸本氏:
 プラットフォームアクションとして世界的に大ヒットしているさまざまなタイトルは,時代を超える普遍的な王道スタイルを極限まで磨き上げた素晴らしいモノです。それに対して,ソニックゲームだけが持つ“ソニックらしさ”とは,その王道スタイルに対するカウンタータイトルだと考えています。
 時代に寄り添いながら王道では出来ないこと,そしてプラットフォームアクションでありながらチャレンジすることが出来るのが“ソニックらしさ”であり,最大の魅力であると考えています。
 それを,どうやってにソニックゲーム未経験の方や離脱した方に響くものにするか,一番こだわりました。

──決められたコースではなく,広大な世界を走り回るというソニックでは初の試みを行った本作ですが,ファンの反響はどうでしたか。

岸本氏:
 ソニックの移動速度が速いため,フィールドを舞台にすると世界を狭く感じてしまうのではないかという不安の声がありました。
 しかし,シナリオによる展開をメインに進めるゲームデザインではなく,自身が広大な世界にいる臨場感やリアリティ,気になった場所に行けるといった楽しさを感じられる作品にしたかったんです。
 楽しいことが終わったら,また気になるところが出てくる。その循環をソニックゲームとして味わえるようにするため,「オープンゾーン」が生まれました。
 オープンゾーンは生まれたばかりなので,さまざまなご指摘もいただいています。ソニックゲームの未来に向けて高いポテンシャルを持っていることもあり,期待の声も大きいですね。

──数度のアップデートを実施していますが,この意図と反響を教えてください。

岸本氏:
 無料アップデートの実施は,比較的早い段階で決定していました。ただ,本編でやれるだけのことはやったとと考えていたので,あくまでファンサービスとして取り組むつもりだったのです。
 しかし,発売後に多くのプレイヤーから,とても熱のこもったメッセージをいただいたこともあり,さらなる完成を目指して,追加のアップデートを行うことにしました。
 どれも無料での配信ですが,有料の価値があると,もったいないお言葉をいただいています。

──本作が初めての3Dソニックだったプレイヤーも多かったかと思います。“初めての人でも楽しいソニックのポイント”を挙げるとしたらどのような点でしょう。

岸本氏:
 「ソニックフロンティア」は,これまでの3Dソニックのイメージとはまったく異なる作品になっています。シリーズのファン,そしてほかの3Dゲームをプレイしたことがある人も,唯一無二の体験ができるようにさまざまな驚きをご用意しています。
 また,シリーズを初めて遊ぶ方には,ソニックゲームが持つ魅力を知ってもらえるような作りにしてあります。さらに,その魅力を十分に体験できるように発売から1年かけて磨き上げていますので,遊んでいただけるのを心よりお待ちしております!


「ホグワーツ・レガシー」
ケリー・マーフィー氏(シニア・デザイナー)
及び制作チーム

※Avalanche Software

画像集 No.016のサムネイル画像 / 「原神」「FFXVI」「バイオハザード RE:4」がGRAND AWARDを受賞。「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」表彰式レポート

──「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を再現するうえで最も注力したことを教えてください。

制作チーム:
 私たちが最も重視したことは,魔法の本物らしさと感触でした。原作が持つ特徴的な魔法ワールドは,何か違和感があれば,原作や映画のファンならすぐに分かります。そのため,ファンなら誰もがよく知っている本物の息吹を,可能な限りすべての要素に入れ込む必要があったのです。

 ただ魔法ワールドのように見えるだけでなく,その世界の空気も感じられなければなりません。ファンの皆さんは,「ホグワーツ・レガシー」の世界で魔女や魔法使いになってホグワーツに通い,その世界で暮らすというファンタジーを満たしてくれることを期待しているからです。それが私たちの中心的なビジョンとなり,魔法ワールドに今までにない生命を吹き込んでいきました。

──ファンやプレイヤーの反応はいかがでしょうか。

制作チーム:
 本作に対する皆さんの反応に,とても感謝しています。私たちの使命は,ハリー・ポッターと魔法ワールドのファンのためのゲームを作ることでしたが,皆さんの反応が,その目標を達成したことを証明してくれました。
 魔法ワールドで新しいものを作る機会をいただけただけで,身が引き締まる思いでした。そして多くのファンからこれほど好評を得たことは,プロジェクト開始時には夢見ることしかできなかったことです。
 これは, Avalanche Softwareのメンバー全員が,ファンのみんなにも愛してもらえるようなものを作るために,自らの情熱を注ぐことができた努力の賜物だと思っています。

──国内では,本作の実況プレイが盛んに行われていました。国内外問わず,印象的だった実況プレイはありますか。

制作チーム:
 ゲームプレイ動画などで,皆さんが「ホグワーツ・レガシー」に対して,どう関わり,どのように思ってくれているのかを見るのは大好きです。
 ただ,素晴らしいゲームプレイ動画はたくさんあるので,特定のものを選ぶのは難しいですね。オープンワールドの探索やホグワーツで生活している姿,そして皆さんが新しい方法で世界を発見しているところは,どれもうれしく視聴しています。
 また,初めて見るホグワーツに感動したり,セバスチャン・サロウのクエストラインで難しい決断をしたりと,ゲームに感情移入しているプレイヤーの動画を見るのも楽しいですね。

──ハリーポッターIPの膨大なロア(バックストーリー)と整合性を取る作業は非常に困難だったと思います。特に苦心した点や,上手くできたと感じている点を教えてください。

制作チーム:
 「ホグワーツ・レガシー」は1800年代後半が舞台なので、魔法ワールドとハリー・ポッターのロアについて,これまで見たことのない要素を自由に探求できました。
 本作最大の挑戦は,ファンが知っていることを単に盛り込むだけでなく,親しみを感じられる世界を作ることでした。プレイヤー自身が,伝承を通した既存のキャラクターや物語に埋もれることなく,ホグワーツに通い,魔法ワールドで暮らすというファンタジーを実現する。プレイヤーの物語であり,プレイヤーの体験でありたかったのです。

 そのバランスをとることは,開発を進めていく中で重要な目標でした。そして,魔法ワールド特有のルック&フィールから外れることがなかったのは、チームの情熱の賜物なのです。
 なおスタジオ自体がこのIPのファンだったことは,私たち自身がプレイしたいと思う魔法ワールドのゲームを開発するための素晴らしい出発点になっています。

──プレイヤーの反響で印象に残っているものがあれば教えてください。

制作チーム:
 特に印象的だったのは,私たちが作ったものに対するファンの感動的な反応です。発売前に公開したトレイラーへの好意的な反応には,とても勇気づけられました。
 このような反応があったからこそ,Avalanche Softwareの全員が,ファンが長い間待ち望んでいたゲームを作るために膨大な情熱と努力を注ぐことができたのです。

「PlayStation Partner Awards 2023 Japan Asia」公式サイト

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:04月26日〜04月27日