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[E3 2004#082]お待ちかね! 「Half-Life 2」直撮りムービー2本
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印刷2004/05/15 23:59

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 [E3 2004#082]お待ちかね! 「Half-Life 2」直撮りムービー2本 - 2004/05/15 23:59


 E3 2004で一番見たい知りたいゲームは何かと聞かれたら,それはもうPCゲーマーなら「Half-Life 2」と答える人が一番多いだろう。
 Half-Life 2は,今回も昨年(2003年)と同じく会場内にクローズドの特設ルームを用意,中でムービーを上映するスタイルを踏襲。ATIブースとVivendi Universal Gamesブースに,それぞれHalf-Life 2のシアタールームを設置していた。今年のE3会場SOUTHホールに桁違いなほど長い行列を作っていたのは,やはりこの2か所であった。

 3D技術の進化のインフレによって,「もう何を見たって驚かないよ」という不感症状態になった世間を,心底たまげさせたE3 2003のHalf-Life 2。それは,まるでタイムマシンで未来人がやって来たかのような衝撃であった。
 だが,その後の発売日延期と手痛いソース流出事件を経て,Half-Life 2もまた"単なる期待作"に成り下がってしまった。世界は元の不感症に戻ったのだ。
 それでもHalf-Life 2だけは,また新しい何かで,衝撃を感じさせてくれるに違いない……という淡い期待を抱かずにはいられないのだ。

 昨年は,何もかも知り尽くしたかのようなG-Manの誘いから始まり,Sourceエンジン(Half-Life 2エンジン)と物理処理の実演,そして実に魅力的なアクションシーンの数々で度肝を抜いた。
 今年もやはり何もかも知り尽くしたかのようなG-Manの誘いから始まり,ストーリー部分に関するシーンのいくつかと,実に魅力的なアクションシーンの数々という構成のムービーとなっていた。本作のストーリーがチラリとでも垣間見えたのはこれが初めてなので,今年の目玉はココだろう。

 結論からというと,"衝撃"に関しては,2003年に遠く及ばない。これはもう覚悟していたことではあったのだが,残念。
 だがゲーム性としての評価ならば,今も「圧倒的!」のひと言に尽きる。グラフィックス技術を抜きにしても,FPSというスタイルをここまで応用できるアイデアと,こんなにも面白そうに見えるゲームを作れるというのは,ゲーム作りのセンスがズバ抜けている証拠だ。

 Vivendi版ムービーの最初は,汚い列車を降りて汚い格好をした人達と共に汚い街(City 17)の汚い建物に誘導されるという,異様に暗いシーン。
 綺麗さや美しさではなく,"汚さ"の描写がHalf-Life 2のテクノロジの高さを物語るというのは,まさに本作の優れたセンスの現われだろう。駅構内に散らかった中華料理のゴミなどが,風でわずかに滑るという些細な演出が目に入ると「ああ,これが見たかったんだ」という気持ちに気づかされる。
 建物の中には,威圧的な兵士達と囚人のような住人がおり,まるで監獄だ。語りかけてくる住人達は誰もが悲嘆してくたびれており,ここは収容されるには大変よろしくない場所であるという警告を暗に分からせてくれる。
 恐ろしいマスクと声の兵士に誘導されて,建物の奥へ奥へと進んでいくわけだが,わざわざ怯えを演出したゴードンの操作が心憎い。最後には,床に血がこびり付いた部屋の,明らかに拘束されて何か嫌なコトをされそうな目的の椅子に近づいたところで,このシーンはフェイドアウト。

 一方のATI版は,ボロアパートのシーンから始まる(Vivendi版の続きと思われる)。通路の向こうでは先ほどの兵士達がドアを蹴破って突入する光景が見られ,その部屋からガラスが割れる音などが聞こえる。別の部屋では,例の囚人のような住人達が窓の外を覗いており,一緒に外を覗くと,兵士達と車両が新たにこのアパートに駆けつけてきたのが見える。
 さまざまなNPCが,ゴードンとは関係ないところでも実に生き生きと動いているかのような演出が,奥深いスクリプトを感じさせるシーンだ。
 通路の先の階段を昇ると,住人の一人が暗い部屋から顔を出し,ゴードンに呼びかける。彼らは彼らで,この厳戒かつ不愉快な統制に対して何らかの企てを胸に秘めているというのを予感させつつ,シーンが終わる。

 ほら! この二つのシーンから,なんとなくHalf-Life 2のストーリー展開や敵の姿,戦う動機などが見えてきたではないか。まぁ今のところ衝撃を受けるほどではないものの,なんとも気になる導入になっているようだ。

 このあとは,どちらのムービーもアクションシーンに移行する。両方ともバギーで疾走しているところから始まるが,中身は別物だ。このへんは,実際にムービーを見てもらうのが一番だろう。
 さて,どうやらHalf-Life 2の面白さの数割を担っているのが,たびたび登場しては我々を楽しませてくれる,"Gravity Gun"(正式名称は不明)という武器ではなかろうか。さまざまなオブジェクトを吸い寄せてキープし,それを勢いよく放出する装置である。昨年のムービーでも活躍していたアイテムだ。
 今年のムービーでは,このGravity Gunがさらなる大活躍を見せていた。例えば,とある木造の小屋に多数の電動丸鋸の刃が置かれており,これをGravity Gunが拾い上げて飛ばしつつ敵と戦うというシーンがある。丸鋸の刃は木造の壁に豪快に突き刺さり,敵の胴体を真っ二つに切り裂く。また白ペンキの缶を持ち上げで放つと,壁に白ペンキがベットリくっつく様子も見られる。自分でプレイできるようになったら,ぜひ敵に向かって投げつけてみたい。
 ほかにも,道から外れて落ちかかったバギーをGravity Gunで道路に戻したり(重い物体は苦労するようだ),敵が投げた手榴弾をキャッチして投げ返すといった使い方も実演している。
 何か凄いことができそうな予感がするのに,イマイチ使いこなせていなかった"物理エンジン"というものを,思いっ切り楽しめる優れたアイテムというかアイデアだ。今後発売される,すべての物理エンジン搭載FPSの標準装備となってもらいたいほどに。

 ラストは,どちらも街中でのストライダーとの戦闘シーンを収録。面白いのが,両ムービーとも同じステージでありながら,違う展開となっているということだ。これもぜひ注意深く見比べてもらいたい。





 さて,どちらのムービーも最後のオマケとして,Sourceエンジン版「Counter-Strike」(カウンターストライク)のショートムービーがくっついている。これはさすがに内容は同じものだが,誰もが知りたかったMOD関係に対する一つの解答を示してくれた。
 なお,初代「Half-Life」および各種有名MODに関しては,Sourceエンジン版を用意してくれるという素晴らしいコメントを残していた。
 Half-Life 2は,2004年夏にSteamで先行販売が行われるという。正直,今回のシアターは「ギリギリ感動できた」といったところだったので,これがまた来年のE3までに発売されない事態となってしまうようなら,次は相当冷ややかな目で見ざるを得ないだろう。その場合は,ぜひ「Gravity Gunデモ」だけでも年内に公開してもらいたい。(Kawamura)

「Half-Life 2」Vivendi版ムービーは,「こちら」(14分00秒:116MB)
「Half-Life 2」ATI版ムービーは,「こちら」(11分32秒:98.1MB)
「Half-Life 2」の記事一覧は,「こちら」


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    カウンターストライク:ソース

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    ハーフライフ 2

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