ニュース
[E3 2005#043]スター・ウォーズRTS期待の新作,「Star Wars:Empire at War」
まず注目したいのは,この作品の開発元である。本作の開発を担当するのは,Petroglyph Gamesというスタジオだ。このPetroglyphは,かつて当サイトの連載記事(「こちら」)でも触れたように,以前にWestwood Studiosで「コマンド&コンカー」シリーズなどを手がけた開発者達が現在多数在籍しているスタジオだ。RTSの代表格の一つとして数えられる名シリーズを手がけた彼らが,新スタジオ設立後に初めて手がける完全新作のRTS,それが本作「Star Wars:Empire at War」なのである。
RTSとして見たときにユニークなのは,リソース収集およびユニット生産に関する部分が大幅に簡略化されていることだ。
いわゆるリソース収集ユニットを作って資源を集めるという仕組みはなく,前述の惑星の支配状況によって,手持ちの資金状況が変化する。この資金は画面では「Cred」と表記されており,リソースはこの一種類だけである。
ユニットの調達(生産)は戦闘の開始前にまとめて行われる。つまり戦っている最中にあわただしく生産を行うようなプレイにはならないということだ。
LucasArts Entertainment CompanyのBrett Tosti氏は,本作について説明するとき,「プレイしやすいゲームである」ことを繰り返し強調していた。戦闘に生産にと大忙しであることは,RTSの面白さを支える一つの要素ではあると思うが,この煩雑さがジャンルのハードルを高めていることも事実だろう。生産要素をシェイプアップすることで,より多くのスター・ウォーズファンが楽しめるものを目指しているようだ。
もちろん,ジェダイは非常に強い。画面ではダース・ベイダーが敵側のビークルを,フォースを使って遠距離から破壊する様子が確認できた。あたかもヒーローのような強さを誇る少数のキャラクターが活躍するRTSと聞くと,「ウォークラフトIII」を連想する人も多いだろう。実際にそのような,少数からなる精鋭を操っていくようなプレイ感覚になるのかと質問すると,そうではないとのことだった。操作ユニットの数は多すぎず少なすぎず,さきほども強調していた「プレイしやすさ」を軸としたゲームデザインになる予定だということだ。
さて,グラフィックスに関してだが,率直な感想を述べると,見ていてかなりワクワクした。数十体単位の兵士やビークルが,現在のグラフィックスクオリティで描かれているサマは,眺めていて気分がいい。AT-ATなどの大型ビークルは大きく,トルーパーなどの歩兵は小さく,近いスケールを使って描かれているために,2D風のグラフィックスを使って作られた作品に比べると,画面に深い奥行きが感じられたのも好印象の理由の一つだ。
宇宙のステージはさらに印象的だった。無数のTIEファイターが敵艦へと一斉に群がり,撃沈するシーンでは,つい身を乗り出してしまった。よりダイナミックなアングルを楽しむためのカメラモードもあり,指定したユニットの背後から三人称視点で追い続けるようなこともできる。"Homeworldシリーズ"をプレイしているときに感じられるような,あの"宇宙戦争を間近で見ているような雰囲気"を味わえるので,スター・ウォーズファンのみでなく,宇宙SFものの愛好家にも楽しめるゲームとなりそうである。
SW:EaW 英語版の発売予定は,2006年中。しかし,日本での発売については,今のところ未定とのこと。確かに日本においては,RTSはそれほど一般的なジャンルではないのかもしれないが,まだしばらく先の話でもあるし,国内パブリッシャの英断を期待したいところだ。(ライター:星原昭典)
- 関連タイトル:
スター・ウォーズ エンパイア・アット・ウォー
- この記事のURL:
キーワード
LucasArts and the LucasArts logo are registered trademarks of Lucasfilm Ltd. (C) 2006 Lucasfilm Entertainment Company Ltd. or Lucasfilm Ltd. All rights reserved.