インタビュー
「エミル・クロニクル・オンライン」SAGA8アップデートインタビュー。それぞれの視点で関わりを持てる“戦いの世界”
SAGA9,タイタニアの世界は広告付きゲームセンター
4Gamer:
では,攻防戦(仮)についてはそんな感じで,それ以降の展開について。SAGA9はタイタニアの世界だとお聞きしていますが,SAGA10はどうなりますか?
水落貴嗣氏:
10は,ドミニオンの世界の続きみたいな感じですね。継続的な拡張という形になると思います。
4Gamer:
では,ドミニオンの世界のマップが,さらに広がると。
水落貴嗣氏:
はい。まあそれもこれも,SAGA8でどこまで出せるかに懸かっています。
平原智子氏:
SAGA8を提供したところで寄せられた要望が,多分SAGA10で取り入れられるという流れになると思います。
4Gamer:
今年中,もしくはそれ以降,エミルの世界にもう1度第四の種族は現れますか?
水落貴嗣氏:
うーん,それをどうしていくかというところです。今年中には多分ないと思いますね。
4Gamer:
以後可能性はある,と?
水落貴嗣氏:
ありますね。
4Gamer:
エミル君達の間でも,三角関係とか小さなストーリーが少しずつ進行していますけど,あれも進展していきますか?
水落貴嗣氏:
していきます。少しずつ,少しずつ。ライバルも現れますしね。
4Gamer:
ライバルも気になりますね。本当に第四の種族なのか,それともこの3世界の中のどれかの種族なのかとか。
水落貴嗣氏:
それは請うご期待というところで。
4Gamer:
ではSAGA9のタイタニアの世界について,概略を教えてください。
SAGA9ではタイタニアの世界設定と,インゲームアトラクションを主軸とするアド展開みたいなことをしていきたいと考えています。いままでラディーブさんやピザハットさんといろいろなコラボレーションをやってきましたが,それをもうちょっとプレイヤーさんに楽しんでもらう方向に寄せて,広告要素とインゲームアトラクションが合体したような場所を作ってみたいと考えています。
4Gamer:
そこはもうドミニオンの世界とは対照的に,物語要素云々じゃなくて楽しめるような形,ですか。
平原智子氏:
そこ専用の仮想通貨を設定して,スポンサーさんのついているアトラクションやミュージアムなどを体験すると,コインなどが集められ,それらを使って麻雀などのインゲームアトラクションが楽しめる。そうして増やしたコインをさらにいろいろなアイテムと交換できたりとか,そんな流れができればよいなあと考えています。
4Gamer:
衣装やアバターアイテムにも一層力が入りそうですね。
平原智子氏:
エヴァンゲリオンとか攻殻機動隊 S.A.Cシリーズとか,いままでけっこうアニメとのコラボレーションをしていたかと思うんですけれども,今年もやはりECOといえばアニメというところで,アニメ系のコラボレーションをまた考えていたりします。
というのもやはり,いまオンラインゲームのプレイヤーさんって,何かしらオンラインゲームやったことある人で固まってきちゃっていることもあるので。
4Gamer:
そのまた外側を攻略しに行こうと?
平原智子氏:
はい。じゃあどこの層にアピールすればよいだろうと考えたわけです。また,Production I.Gさんにイラストを描いていただいている関係で,けっこうアニメ好きのプレイヤーさんが増えたような気がするんですね。ECOのようなゲームは,けっこうアニメと近いものがあるのかな,というところで,アニメが好きな方を狙っていきましょうと。
4Gamer:
では今後またいろいろなパッケージが企画されたりするのでしょうか。
平原智子氏:
そうですね。これからのパッケージ企画では,これまでの魅力に加えてさらに,アニメ作品をきちんと反映した場所が欲しくなると思うんですよ。
4Gamer:
例えばそのアニメの世界観に基づいて,そのアニメのストーリーを連想させるようなアトラクションがあるとか。
平原智子氏:
そうです。より楽しめる「連動」を考えています。
水落貴嗣氏:
スタジオみたいな感じと言ったほうが分かりやすいですかね。背景を含めて,スクリーンショットを撮影できるフォトスペースみたいなものを用意するとか。
4Gamer:
観光地で穴の空いている中から顔出すのとか,そのスタジオに入ると衣装が借りられて,その場で写真撮影できるとか,そういったものをイメージすれば近いわけですね。
水落貴嗣氏:
そうですね。
平原智子氏:
もっと強力にして,もっともっとプレイヤーさんにサプライズと楽しみを見出していただければな,と。ECOは月額1500円のゲームで,1500円出せばDVDを借りたり,アーケードゲームをやったりとか,お金の使い途としていろいろライバルがいます。そこで1500円以上の楽しみをいろいろな形で提供していかなければならないと考えています。
4Gamer:
外に向かってアピールするといえば,デコブログさんには,SAGA8以降何か新しい要素は入りますか?
平原智子氏:
デコブログさんでのブログパーツ提供は,4月末にいよいよ動き出します。そして,そちらのパーツを手に入れた方を対象に,アイテムをプレゼントしたりといった展開を予定しています。こちらのほうは,アニメ系とはまた別に女性ライトゲーマーさん狙いになりますね。
4Gamer:
SAGAの数字が進んでいくにつれて,パーツが追加されていったりとか,そういう展開はお考えですか?
平原智子氏:
いまのところSAGAとのつながり以前に,始めてみた感触を確かめつつ育てていく方向で考えています。初心者さん応援団のみおちゃん(12歳)に,いまデコブログでブログを書いていただいていますが,そのブログを通してECOがどんなゲームか知ってもらうとか,本当に基本的なところから始めようと思っているんですね。
ですのでSAGAが云々とかよりも,もっとデコブログのユーザーさんに,オンラインゲームに興味持ってもらう段階だと思ってます。
SAGA8以降,BGMは毎回新しくなる
4Gamer:
では,割と細かい部分になるのですが,ドミニオンの世界では,BGMは新しくなりますか?
平原智子氏:
まったく新しいのが入ります。現在まだ一部制作中ですが。作曲家さんは同じくACEさんという方なんですけど。
4Gamer:
曲数はけっこうありますか?
水落貴嗣氏:
はい。そして初のボーカル入りです。といっても,普通に歌詞があるわけではなく,外国語っぽい声での演出が。これはかなりいいですよ。
4Gamer:
ECOのBGMは,携帯電話の着信メロディにしている人とかもけっこういますから,楽しみですね。そうでなくても音楽って,世界イメージに大きく関わりますし。
SAGA8以降,全部新しいのを作るみたいです。
水落貴嗣氏:
SAGA9,10用にも着々と。CD1枚分ぐらい作ってますね。
4Gamer:
おお。なんか即物的な説明が(笑)。つまり,新しくサウンドトラックが出る可能性があるってことですよね。
水落貴嗣氏:
どうでしょうか(笑)。でも,出したいですね。
4Gamer:
先のお楽しみ要素が増えましたね。では最後に,SAGA8ないし今年の新規要素全般に関し,読者の方に向けて簡潔なメッセージをお願いします。
水落貴嗣氏:
制作側から申し上げることとしましては,SAGA6からストーリー,ストーリーと言い続けていたところで,大詰めのストーリーがようやく,今年中にある程度の決着を見るんじゃないかなぁと。つまりSAGA10までですね。いろいろなものに決着がついて,その後どうしていくかという展開も含めて,今後は広く考えられるのかな,と。
なので,まずは大枠のストーリー,いままで語られていなかったところが,ようやくきちんと体験できるようになると思いますので,ご期待ください。みなさまからの声を受けて,こちらも頑張っていきます。
平原智子氏:
マーケティングサイドとしては,やはり月額1500円のゲームというところで,1500円以上の感動をみなさんに味わってもらえるように,いろいろなコラボレーションやサプライズを楽しんでいただけるように考えていきます。ご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
おそらくは「ラグナロクオンライン」のUrdrワールドを参考にしつつも,ECO独自の路線を追求していく全的なPvPシステムには,SAGA8の開始と同時に開放されるプレイ要素として,いやが上にも注目せざるを得ない。
しかし,騎士団演習で培ったノウハウはあるにせよ,やや心配な面もある。それは,システム構築上1 vs. 1が基本になるからといって,プレイヤーから見たとき,それはむしろ基本でないという部分だ。
闘いに乗り出す動機といい,メリット/デメリットといい,個人戦は集団戦よりもハードルの高いコンテンツである。その意味で,成長を速くし,レベルキャップをごく低いところに抑えた判断は正しいように思える。大きな力量差がつかない環境におけるプレイヤーの試行錯誤,そのデータの分析を通じて,運営側にはぜひ一日も早く,集団戦や,フィールドにおける複数 vs. 複数戦闘で,適切なメリット/デメリット配分を見いだしてほしいと思う。
一方,SAGA8最終段階を目標に導入が構想されている攻防戦(仮)については,かなり深く考えられている印象だ。個々のコミュニティの活動を前提として,危機的状況への多様な対応を予測,それを「ロールプレイ」要素と捉える思考は,言われてみればもっともである。ワールドサイズのCo-op戦という大枠の魅力ともども,引き続き注目していきたい部分だ。
三つの世界の関係性が,大きなストーリーにきちんと回収されていくSAGA8以降の展開が,また一つ明らかになったところで,このインタビューを締めくくりたい。続きを聞ける日が楽しみである。
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