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印刷2006/08/25 13:04

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[GC 2006#32]「Sid Meier’s Railroads!」は誰でも遊べることを目標に

 11月のリリースが迫る,「シミュレーションの父」ことシド・マイヤー(Sid Meier)氏の最新作「Sid Meier's Railroads!」β直前版が,GC 2006の2K Games商談ブースで公開されていた。Sid Meier's Railroads!は,往年の名作「Railroad Tycoon」の遺伝子を受け継ぎながらも,最近のFiraxis Games作品に多い,大人から子供までに広くアピールできるような制作が行われている。

ダン・マガラ氏
 ちなみに,元々この企画が上がったのも,マイヤー氏がドイツ旅行でMiniature Wonderlandという鉄道模型の博物館を訪ね,そこで感化されたのが始まりだったとか。今回,デモを担当してくれたFiraxis Gamesのプロデューサー,Dan Magala(ダン・マガラ)氏は,「鉄道のつながる場所は,どこでも繁栄していった。Railroads!では,そんな鉄道の黄金期を表現したかったのです」と説明する。
 まだβ版にもなっていないとはいえ,今回のデモでは,カメラを引いてみると雲が流れている様子も確認できるなど,E3 2006の時点から格段の進歩がうかがえる。都市が固まって形成されていく姿や,地表や海の色合いがどこか「Sid Meier's Civilization IV」を思い出させるのは,同じGamebryoエンジンを基礎にしているからであり,ほとんどはCivilization IVとは別のプロセスで一から制作されたものであるという。それでも,「Sid Meier's Pirates!」以来顕著な,明るいパレットによるマイヤー氏の世界観が,はっきりとした形で現れていると言って良さそうだ。

左:カメラをズームアウトさせれば,雲が流れる様子を確認できる。鉄道の敷設は半自動的に行われるのも使い勝手がよさそうだ 中央:都市や施設が,非常に細かく描かれている。このマップはドイツのもので,アメリカの都市とは違う雰囲気の街並みに成長する 右:キャンペーンを終了,もしくはリタイアすると,その成績に合わせた称号をもらえるのがCivilization風。最高位は「アメリカ大統領」だ


 今回のデモで完成されていないのは,GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)で用意されるべきアイコンの一部分と,ライバル企業や経済の動向をチェックする個別のウィンドウなど。20種類と言われる原産物の供給地とその施設はほとんど完成しており,油田からはオイルが噴出し,木材工場では樹木がベルトコンベアで運ばれて製材されるなど細かい描写が見られた。

 鉄道の敷設は,ほぼ自動的に行えるようになっており,マウスで引っ張るだけであらかじめ設定してある鉄道(複線か単線)や,川を越える橋,山を突き抜けるトンネルといったものが,山のスロープや海岸線などの地形に沿って建設されていく。ゲームはキャンペーン制となり,アメリカの4種類と,イギリス,ドイツ,イタリアといったヨーロッパのマップが数種類用意されることになる。
 今回は,E3 2006のデモでは見られなかった,大西部の赤茶けた山岳地帯や,ドイツのマップなども公開された。ドイツなどのヨーロッパの都市は,それぞれの地域に合わせたアーキテクチャに統一されていて,ドイツならビール製造所,イギリスならチーズ工場といった,地域の特産品なども用意されるという。街は物資が供給されることでビルが建ち並び,人口も増えて大きくなっていく。プレイヤーが新しい鉄道を引っ張っていくと,都市は形状を変えてその線路や駅をビジュアルの一部として自然に取り込んで生成されていたのが,どこかCivilizationシリーズのアイデアを発展させたかに思えた。



 Sid Meier's Railroads!では,山火事や家畜の疫病といった事件がランダムに発生し,そのたびに資源の取引価格が変化していく。プレイヤーは,そのような経済動向を確認しながらJPモーガンなど歴史上のタイクーン達をライバルに,鉄道帝国を築き上げていくのだ。ある程度の資金があれば,鉱山地域を支配するライバルに対して鉄工所を買収し,利益を切り取るなどの戦略も考えられる。最終的には,ライバル企業を丸ごと買収することだって可能だ。
 キャンペーンモードのほか,ライバルなどを気にせずに楽しめるサンドボックスモードがあり,自動生成されたマップで心ゆくまで自分の望みどおりの鉄道帝国を楽しんでも良い。マルチプレイモードは,LANもしくはGameSpyで4人までが競い合うことができる。(ライター:奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    シド・マイヤー レイルロード!〔完全日本語版〕

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