レビュー
MMORPG「World of Warcraft」のプレビュー記事第三弾を掲載 | - 2004/04/30 19:30 |
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■細かな部分まで作りこむことが,面白さへと通じるのか これまでプレビューとして本作の魅力を紹介してきたが,基本的なゲームシステムに触れていなかったのは,使える種族がAllianceのみということで,以後に変更の可能性があったからだ。テストがPhase2へと移行したことで,Phase1から変更がなされていない部分はFixしたという考えで,ここからゲームシステムを紹介していこう。 まず,操作面について。操作は,EQなどの3D MMORPGと同様となっていて,フルキーのW,A,D,S(またはカーソルキー)で移動,マウスカーソルでターゲット指定,視点変更(マウス右クリック中に行う。ホイールはズーム変更)などを行うというスタイル。インベントリ,キャラクターウィンドウ,クエスト一覧などのウィンドウは,画面下にあるショートカットバーか,あらかじめアサインされているショートカットキーで開閉できる。現状ではチート対策のためか,各種ウィンドウの移動は許可されておらず,固定されているが,特に見づらい,使いにくいなどの不満はない。 フィールドのシステムはゾーンレスを採用しており,フィールドから洞窟内や街中への移動がシームレスに行える。内部的にはゾーン単位で区切られていて隣接するゾーンに近づくとデータが先読みされるという方式のようだが,あまり先読みがなされていないのか,短時間に複数のゾーンを移動すると,データ読み込みが頻繁に起こるようになる。 モンスターにアクティブとノンアクティブの2種類が存在するのは,一般的なMMORPGのそれと同一。EQのようなFactionシステムは採用されておらず,現在は,プレイヤーからの視点では単に攻撃的か攻撃的ではないかの違いだけだ。ただし,Reputationというウィンドウが用意されているので,今後はクエストクリアなどによってFactionシステム(ないしそれに類似したもの)が導入される可能性はある。 プレイヤーを襲ってきたモンスターは,基本的にはどこまでも追いかけてくるが,データ管理上によってか,エリアをまたいで移動できないようになっている。現在の仕様では,これを利用した生き残りテクニックが存在してしまう。これは賛否両論あると思うが,やり込み派としては"ヌルく"思えるかもしれない。 モンスターに倒されたときはその場に数分間横たわり,復活の魔法をかけてもらうか,そこから一番近いSpiritポイントでGhostとなるかが選択できる。Ghostとなった場合は,倒された場所まで移動して,"死体"を回収しにいく必要があるが,この時点ではデスペナルティは存在しない。回収が困難な場所にある場合は,Spirit Healerが肉体再生(=アイテムもすべて回収)をしてくれるが,次のレベルまでに必要な経験値の5%が減少してしまう。とはいえ正直なところ,クエストなどの経験値が異様においしい序盤においては,5%のデメリットはさほど大した問題ではないのだが。 なお,Ghostの状態では,モンスターやNPCの姿を見ることはできなくなっているので,これを利用したダンジョン深部の偵察などはできない。死体を回収したときは,その場で復活することになるので,この場合のみ例外として周囲のモンスターが表示されるようになる。また,Ghostは無敵状態ではなく,アンデッドモンスターの一部は襲ってくるというのはほかではあまり見られないシステムだ。 本作の世界は結構広く,KalimdorとAzerothの2大陸に大きく分けられる。フィールドの移動は基本的に徒歩で行うが,予定されている機能には,WolfやRam,Tigerなどへの騎乗というものがある。これによって移動速度が上昇するのか,騎乗した状態で攻撃や魔法の詠唱,スキル行使が行えるのかという疑問が沸くが,まだ実装されていないためどのような形となるのかは不明だ。遠距離の場合は,GryphonやHippogryphを利用しての固定ポイント間移動,船,ポータル魔法の3種類が予定(現在,船は未実装)されている。 また,本作ではAllianceとHordeでの対立がフィーチャーされているが,両方の大陸でそれぞれ勢力を広げているという状態なので,レベル20付近の中盤までで頻繁に相手側のプレイヤーと接触する可能性が高いだろう。 全体的に見てみると,いろんな意味で"さすがBlizzard"というのがピッタリくる表現だ。キャラクターのモデリングやモーションは,見ているだけでも楽しくなるようになっているし,インタフェースなどのユーザビリティ面でも使いにくいというところはほとんどない。これらを完成度といえば,すでに非常に高いところに到達しているといえるが,ゲーム本来との楽しさと直結するかどうかは,プレイヤー次第というところだろうか。 Phase1からの変更点は,まずSPが戦闘開始や戦闘後,アイテム入手など多くの条件下で得られるようになり,それによってトレードスキルの習得に必要なSP数が変更された。Apprenticeは5SP,Jouneymanは75SP,Expertは200SPとなり,入手SP量と比較すると,手広くスキルを習得しずらくなった感がある。 また,Expの獲得システムにも変更が加えられた。例えば,Phase1で100Exp入手できていた状況は,Phase2で50Expしか入らなくなり,それに加えてRested Bonusとして50Expが得られるようになった。Rested Bonusは,モンスターを倒した数やそのキャラクターを使っていない時間に関係しているようだが,詳細は不明。端的に言うと,"長時間プレイし続ける人"の入手経験値量がどんどん減ってくるという感じのシステムだ。 さらにPhase2では,DruidとShamanの2クラスが解禁となったが,Alliance種族キャラクターは一時的にプレイ停止措置が取られたので,Horde側のバランシング調整を目的としたテストというのが強くなった。これによって,βテスト時点で実装されていないのはHunterのみとなった。 最後にDruidとShamanの特徴を紹介しておこう。Druidは,自然魔法を得意とするCasterクラス。防御力を上昇させる魔法や,継続してHPを回復させるリジェネレーション魔法などで,ある程度モンスターの攻撃にも耐えられるのが特徴。Shapeshiftingで,Bear,CatなどにFormを変えられ(いわゆる変身),その中には移動速度が上昇するFormもあるようだ。また,Dot(Damage over Time:継続ダメージ)魔法と組み合わせると大ダメージを与えられるMagic Comboのシステムもあり,テクニカルなクラスの一つとなりそうだ。 一方,Shamanは,比較的地味なクラスとなっている。習得できる魔法のほとんどは強化魔法(Buff)で,武器ダメージをアップさせたり,ステータスをアップさせるという補助的なクラスのようだ。面白い魔法には,三つのBall Lightningを身にまとい,ダメージを受けるとそのBallが相手に向かっていってダメージを与えるというものがある。EQなどでのDamage Shieldの一種というのがイメージ的に近いだろう。 とりあえず,3回に渡って紹介してきた本作のプレビューは,ひとまず終了。今後のテスト状況で,大きな変化があったときにはお伝えしていく予定だ。その前に地域限定という制限がはずされるほうが早いかもしれないが……。(Seal) →「World of Warcraft」の当サイトの情報一覧は,「こちら」 ©2004 Blizzard Entertainment. All rights reserved. |
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