ニュース
[COMPUTEX 2006#19]Intel,“Quake 4でPentium Mの2倍速い”ノートPC向けCore 2 Duoを一気に普及へ
登壇したIntelのモバイルプラットフォームグループ マーケティングディレクター,Keith Kressin氏はあいさつを兼ねてこのように述べ,Intelのモバイルプラットフォームが常に業界をリードしてきたと強調する。モバイルPCという市場は,これから最も成長が期待される分野であり,広大なビジネスチャンスが広がっていると説明し,Intelの最新技術はモバイルPC分野にこそ相応しいとも述べた。
■ノートPC用Core 2 DuoはPentium Mの2倍速い!
このアグレッシブなデュアルコア推進の尖兵となるのが,「世界初の超低電圧版デュアルコアCPU」(Kressin氏)となる,Core Duo U2500だ。2006年6月中に出荷される同CPUは,動作クロック1.20GHz。FSB 533MHzで,L2キャッシュは従来のYonahコア版Core Duoと同じ2MBとなる。平均消費電力は0.75W以下,TDP(熱設計消費電力)は9Wとされている。デュアルコアCPUのTDPが10Wを下回ったのはトピックだ。
このようなアーキテクチャの革新によって,モバイル版Core 2 Duoは,2世代前のモバイル向けCPUであるPentium Mに対し,同クロック時に2倍のパフォーマンスを発揮。Yonahコア版Core Duoと比べても,20%以上高速だという。Kressin氏は,この性能が,消費電力やTDPが据え置かれたまま実現されることを強調し,「Core Duo用に設計されたプラットフォームであれば,CPUをMeromコアのCore 2 Duoに切り替えるだけで,性能の向上した製品が実現できる」とアピールした。
さて,Kressin氏はここで,Core 2 DuoとCore Duo,Pentium Mの3製品を,いずれも2.16GHzに設定し,ほかの仕様を統一したというシステムで,「Quake 4」のベンチマークテストを実施して見せた。結果は写真に収めたが,Core 2 Duoシステムが169.8fpsのところを,Core Duoが138.2fps,Pentium Mが82.6fps。確かにCore 2 DuoはPentium Mの2倍(以上)速い。
■ノートPCゲーマーは2007年が買い換えタイミング?
まず,目の前に迫ったモバイル版Core 2 Duo(と超低電圧版Core Duo U2500)世代では,開発コードネーム「Napa Refresh」(ナパリフレッシュ)というプラットフォームが採用される。
「Napa」が,Core Duoを採用するモバイルプラットフォーム「Centrino Duoモバイルテクノロジ」の開発コードネームだったことを覚えている人もいるだろうが,Napa Refreshは,文字どおりNapaのリフレッシュ版。チップセットはNapaプラットフォーム世代と同じく,Mobile Intel 945 Expressになっており,CPU以外にそれほど大きな変更は行われない。その意味で本命は,2007年に予定されている開発コードネーム「Santa Rosa」(サンタロサ)プラットフォームになるだろう。
さらに,Centrino Duoを構成するもう一つの要素である無線LAN周りでは,IEEE 802.11nに対応した開発コードネーム「Kedron」(ケドロン)が採用される予定。さらにはIEEE 802.16のWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のサポートも計画されているという。ちなみにWiMAXは,PCI/PCI Expressいずれのバス接続でも許容されるとのこと。
Santa Rosaは,ズバリ言ってしまえば,Windows Vistaを見据えた次世代Centrino Duoだ。外部のグラフィックスチップを持たない薄型ノートPCにとっては「これがなければ始まらない」といっていいほどである。まさに本命といっていい。MeromコアのCore 2 Duoは確かに魅力的だが,ノートPCゲーマーは,手持ちのマシンでもう一踏ん張りして,2007年(≒Windows Vista)を待つのが正解かもしれない。
Kressin氏は,「ノートPC,つまりモバイルプラットフォームは,サイズを小さくすることが目的ではない。多様な用途ごとに大きさは決定づけられ,その大きさごとに妥協のない最高性能を詰め込むことこそが目的だ。この目的に向けての技術革新に対し,Intelは努力を惜しまない」と結び,プレゼンを終了した。
■最後に“Montevallo量産機”が公開される
FLYBOOKのメーカーである,DIALOGUEの社長 Jack Lee氏がカンファレンスの最後に登壇。FLYBOOKは,二重ヒンジ構造を採用しているため,液晶ディスプレイを“手前に引き出す”ことで,狭いスペースでも快適にPCを利用できるようになるほか,ごく普通のノートPCとしてはもちろん,タッチパネルPCとしても利用できるという。
詳細なスペックや価格は2006年6月14日に東京で行われる発表会で明らかにするとのことで,ゲームに使えるかどうかは未知数だが,なかなか面白い試みとはいえるだろう。(トライゼット 西川善司)
- 関連タイトル:
Core 2
- 関連タイトル:
Core
- 関連タイトル:
Intel 900 Express
- この記事のURL:
(C)2006 Intel Corporation
(C)2006 Intel Corporation