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「SteelSeries Kana」レビュー。サイドボタンのある小型マウスを探しているなら検討に値する
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印刷2012/04/14 00:00

レビュー

Kinzu v2とSenseiとの中間サイズを採用した光学センサー搭載モデルの価値は

SteelSeries Kana

Text by BRZRK


SteelSeries Kana
メーカー:SteelSeries
問い合わせ先:窓口一覧ページ
実勢価格:4500円前後(※2012年4月14日現在)
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 ゲーマー向け周辺機器市場の老舗であるSteelSeriesから,2012年3月23日に発売された「SteelSeries Kana」(以下,Kana)。光学センサー搭載の左右対称型ワイヤードマウスとして,国内のゲーマーコミュニティから期待されていた製品が,いよいよ登場してきたわけだ。
 では実際のところ,本製品は納得の行く性能に仕上がっているのか。今回はその点をお伝えしてみたいと思う。


大きさはSensei寄りながら

握ったときの印象はKinzu v2 Proに近い


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 Kanaの外観は,ゲーマーからの支持が高かったMicrosoft製マウス「IntelliMouse Optical」を彷彿とさせるものだ。
 実測サイズは66(W)×124(D)×37(H)mmで,公称値よりも横幅は2mm広かったが,このサイズは,実測64(W)×117(D)×36(H)mmの「SteelSeries Kinzu v2 Pro Edition」(以下,Kinzu v2 Pro)と比べると奥行きがやや長く,同68.3(W)×125.5(D)×38.7(H)mmの「SteelSeries Sensei」(以下,Sensei)と比べるとわずかに小さいというレベルで,どちらかといえばSenseiに近い大きさである。

4Gamerの比較用リファレンスマウス「G5 Laser Mouse」(型番:G-5T)で,Kinzu v2 Pro(左)とKana(中央),Sensei(右)を比較したところ。前後中央がくびれたデザインは3製品で共通。Kanaの大きさはKinzu v2 ProとSenseiの中間とされるが,見た目はSenseiにより近い
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こちらはKanaとG5 Laser Mouseを側面と前面から比較したところ。一回り小さいと述べていいだろう
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左右の側面は大きく凹んでいる
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 ただし,本体側面の前後中央部分が比較的大きく凹んだ形状になっているため,実際に握ったときの印象はKinzu v2 Proに近く,実際のサイズよりもコンパクトというか,実際の横幅よりもスリムな印象を受ける。

 実測重量はケーブル込みで115g。ケーブルを重量計からどかした参考値では80〜82g程度だった。公称重量はケーブル抜きで72gなので,実際にはもう少し軽いかもしれないが,公称重量77gのKinzu v2 Proと比べて軽いか重いかというと,Kanaのほうがほんのわずかに重い,くらいの印象である。

写真でスクロールホイールの右上に見えるオレンジのボタンがCPI変更用だ。サイドボタンと側面の間には深めの溝が設けられている。回転時の感触は「コリコリ」といったところ
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 ボタン構成は左右メインとセンタークリック機能付きスクロールホイール,CPI変更用,左右サイド各1の,計6ボタン仕様だ。サイドボタンは実測で奥行き方向に40mmもある大きなものになっており,サイドボタンと側面を隔てる溝も含めて,外観上のワンポイントになっている。

 左右のメインボタンはKinzu v2 Proよりもわずかに硬めで,カチッカチッという音が大きいが,ゲームプレイに悪影響を与えるようなものではなく,むしろ,押していて気持ちよさの得られるクリック感といったところだ。
 スクロールホイールには縦幅1mmの溝が1mm間隔で彫り込まれており,指先をフィットさせやすい。ホイール自体の幅が実測7.5mmと,Kinzu v2 Proより2mmほど広くなったほか,回転させたときの感触や,センタークリックは,いずれもKinzu v2 Proよりやや軽い印象だ。指の接地面が大きくなったことによるものだと思われるが,いずれにせよ,ホイールの操作性は大幅に向上していると述べていいだろう。

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サイドボタン周辺の溝を別の角度から。とくに手前側の溝が広い
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ホイールの溝はかなりしっかりしている。ホイール自体も厚め

かぶせ持ち時には薬指がサイドボタンを誤って押してしまうことがある
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 なお,基本的な形状はKinzu v2 Proに似たイメージで,上で挙げた側面の凹みに親指と小指を配置する「つまみ持ち」での操作がベストだろう。「かぶせ持ち」もできないことはないが,薬指の“横っ腹”部分でサイドボタンを誤って押してしまうこともあったため,少々の不安は残る。個人的には,かぶせ持ち派には,Kinzu v2 Proのときにも紹介した「BRZRK持ち」を勧めておきたい。

上下段共通で,左から順につまみ持ち,かぶせ持ち,BRZRK持ち。かぶせ持ちよりはBRZRK持ちのほうがいろいろと握りやすい
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 さて,冒頭で示した写真からも想像できるとおり,発売当初のラインナップとしては,黒ベースでオレンジを配したモデルと,白ベースで灰色を配したモデルの2種類が用意される。最近のSteelSeries製品らしく,スクロールホイール部にLEDインジケータが組み込まれているほか,黒モデルでは半透明の本体底面から光が漏れ出すような設計になっているのも特徴といえるだろう。

スクロールホイール部のLEDインジケータが光るのは2モデル共通。黒モデルでは追加で本体底面からオレンジ色の光が漏れ出るようなギミックが用意されている
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白モデルの側面はカバー部と同じくツルツルしたものになっており,指先に馴染む感覚は黒モデルより強く,個人的にはこちらのほうが扱いやすい。ただ,黒モデルのさらさらした手触りのほうが好きという人もいると思われ,ここは好みの問題になりそうである
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 黒と白の両モデル間にある大きな違いはカバーとサイドボタンの表面加工で,黒はつや消し加工されており,指紋のベタつきが気になりにくい。Kinzu v2 Proでは側面がつや消し加工されていたものの,握ると手の跡が残り,見栄えがよくなかったが,その点,Kanaの黒モデルでその心配はほぼ無用だ。対する白モデルは逆にツルツルとした加工ながら,配色的に指紋や汚れは見えにくくなっている。
 気になったのは,黒と白で表面加工があまりにも異なるため,握ったときに指先から得られる感覚が2モデルで大きく違っていることだ。簡単にいえば,黒モデルはさらさらと滑りやすく,逆に白モデルは指の表面にぺったりと馴染む。摩擦力の違いが出ているものと思われるが,筆者個人としては,白モデルのほうが扱いやすかった。

ケーブルを覆う布の色は本体色と対応。ケーブルにノイズ対策のフェライトコアは採用されていない
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 ケーブルは,長さ2mの布巻タイプ。太さは3mmで硬めだ。使い始めのうちは,マウスの操作中,ケーブルに引っ張られるような違和感がある。筆者の環境では使用から1週間以上が経過しても硬いままだったので,ケーブルが“慣れる”までは結構な時間を要するかもしれない。

 そして,マウスの底面にはいわゆるテフロン加工がなされたソールが貼られている……はずだったのだが,初回出荷分では,製造工程上のミスで,プラスチック製のソールが貼り付けられた状態になっている。
 この点,SteelSeriesは日本語公式blogで発売前に告知を行うと同時に,製品ボックスへ正しいソールを同梱してきているので,ユーザー的にはちょっと手間が増えたくらいだが,本来あってはならない製造ミスであるのは確かだ。

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Kanaの製品ボックスにはクイックスタートガイドのほかに貼り替え用のテフロン加工済みソールが入っている(左)ので,まずは,Kanaからプラスチック製ソールをきれいに剥がすことになる。右は剥がす前のKanaだ
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向かって右だけソールを剥がしたところ(左)と,正しいソールに貼り替えたところ(右)。プラスチック製ソールとテフロン加工済みソールの違いは肉眼で確認できるレベルだ。両者の滑りがどれだけ違うのかを比較できる貴重な機会には恵まれたわけである


Kinzu v2 Proと近いセンサー性能を持つKana

Engineは改善されるも合格点には達せず


 センサーは冒頭でも紹介したとおり光学式。トラッキング速度は130IPS(≒3.3m/s)で,最大加速度は30Gとなっている。はKanaとKinzu v2 Proの主なスペックを比較したもので,実測値と書いていないものは公称値だが,トラッキング速度を除けば,センサー性能はKinzu v2 Proにかなり近いと述べていいように思われる。

※ハードウェアレベルでは400/800/1600CPI。詳細は後述する
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Engineを起動すると「Buttons」タブが開き,CPI変更用ボタンを除く5ボタンの設定を行える
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 KanaはSenseiやKinzuシリーズと同様,Windowsのクラスドライバで動作する,いわゆるドライバレス仕様のマウスだ。そのため,ただ5ボタンマウスとして使うだけならUSBポートへ差すだけでOKなのだが,Sensei以降のSteelSeries製品で共通して採用されることになっている「SteelSeries Engine」(以下,Engine)をインストールすると,いくつかの設定を変更できるようになる。

 ちなみにKanaの利用時に使える機能はKinzu v2 Proと基本的に同じ。「CPI切り替えボタンに割り当てられるのは400/800/1600/3200CPIから任意の2つ」というのもKinzu v2 Proと同じだが,スクロールホイール部に埋め込まれたLEDの光量をCPI設定に応じて切り替えられるようになっているのが,Kanaならではのポイントということになるだろう。

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Settingsタブ。CPI設定は800/3200CPI,ポーリングレートは1000Hzが工場出荷時設定となっている。CPI設定のところに「DCPI」の文字が見えるが,これは本文で述べたとおり,二重の表示ミスになっている。なお,上で紹介したLEDの光量設定はCPI設定スライダーの下にある「LED Intensity」(LED強度)設定スライダーから行える。目盛りはやはり4段階だ
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こちらはクリック統計データを取得できる「Statistics」タブ。Kinzu v2 Proのレビューでも指摘したが,「クリック統計が得られること」のメリットが正直分からない
 なお,CPIやLEDの光量設定は,125/250/500/1000Hzのなかから1つ選択できるポーリングレート(レポートレート)設定ともども「Settings」タブに用意されているのだが,ここで気になるのが,4目盛りあるCPI設定のうち,800CPIと1600CPIの間に赤い線が引かれ,1600CPI以上が「DCPI」という扱いになっている点だ。
 DCPIというのは「Double CPI Range」のことで,これはセンサーのハードウェア性能を超えてCPI設定を行えるようにするもの。Senseiでは「まったくもってバカげた“CPIレース”をきっぱり終わらせ」(SteelSeries)るために搭載された機能とされているが,それがなぜかKanaでは1600CPI以上で適用とされている(ように見える)のである。

 これはSteelSeriesによると「Engine表記上のミス」とのこと。おそらくSensei用の画面設定が流用されてしまっているのだろう。
 ただ,それで終わらないのが“怖い”ところで,「KanaとKinzu v2 Proどちらも(とくに何も言われていなかったが)3200CPIはDCPI」(SteelSeries)とのことである。Kinzu v2 Proだと,Engine上の表記はとくになかったので,これは説明不足との批判を免れないだろう。つまり,KanaでもKinzu v2 ProでもハードウェアレベルのCPI設定は400/800/1600CPIで,3200CPIはソフトウェア補間によるものというわけである。

 インタビューでSteelSeriesは,Engineの改善に力を入れると約束してくれたが,少なくとも現時点では合格点に達していないと言わざるを得ない。

※2012年4月14日1:00頃追記
 日本時間4月13日夜になって,Engineのバージョン2.2.927が公開され,新バージョンではCPI設定の表示が正常になったことを確認できた。

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 さて,センサーの仕様に謎が生まれてしまったので,今回は事実を確認すべくマウスを分解してみた。すると,KanaとKinzu v2 ProではいずれもPixArt Imaging製のセンサーが採用されており,型番は順に「PAW3305DK-H」と「PAW3305DK」で,「-H」の有無という違いがあった。

Kana(左)とKinzu v2 Pro(右)。センサーの型番はほぼ同じだが微妙に異なる。また,Kinzu v2 Proは告知されているとおりオムロン製スイッチを搭載する一方,KanaはTTC製という違いもある
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 また,マウスの底面にあるレンズを凝視してみると,レンズの構造も2製品では異なっており,センサーの受光部分が,Kanaは狭く,Kinzu v2 Proでは大きく広がっている。

Kana(左)とKinzu v2 Pro(中央)のレンズ部比較。右は両製品のレンズユニットを並べてみたところで,Kanaの場合,受光部分が狭くなっているのが分かる
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 以上の結果と,「トラッキング速度がKanaとKinzu v2 Proで2倍の差がある一方,ほかの多くでスペックが似通っている」という事実を踏まえるに,「Kanaでは,Kinzu v2 Proのセンサーをベースとして,トラッキング速度のスペックを稼ぐべくチューンされたセンサーを用いているが,センサーを交換したことで何らかの問題が発生したため,対策としてKinzu v2 Proよりも狭い範囲を読み取るようにして,トラッキング時の動作安定性を確保したのではないか」という推測が成り立つ。画像処理能力の公称値が微妙に異なるのも,ひょっとするとそれが理由かもしれない。

本筋とは関係ないが,Kanaを分解したところ,LEDとレンズとの間に謎の黒い繊維が挟まっていた。個体差だろうが,あまり気分のいい物ではない
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 そして,その推測を裏付けるのが,Kanaのリフトオフディスタンスだ。Kanaの場合リフトオフディスタンスは公称最大2.0mmのところ,厚さが約1mmの1円玉を重ねて計測した結果,マウスパッドにもよるが,3〜4枚重ねた状態でも反応してしまったのである。要するに,公称値よりも長く出てしまっているわけだ。
 筆者はセンサーの技術に明るいわけではないから,あくまでも推測になるが,レビュー記事でも述べたとおり,Kinzu v2 Proでは公称値どおりのリフトオフディスタンスが出ていたことからすると,Kanaではリフトオフディスタンスを多少犠牲にしてトラッキング速度を稼いでいるのかもしれない。

※注意
 マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。


地味な見た目だが意外と使いでのある「Properties」タブ
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 ただ,悪い部分ばかりでもない。ゲームの実行ファイル(exeファイル)を登録しておくと,ゲームの起動に応じてプロファイルを切り替え,ボタンの割り当て設定やCPI設定,ポーリングレート設定を自動で切り替えられる(※ポーリングレートは1プロファイルにつき1つ)が,「Properties」タブから設定したとき,プロファイルの切り替えに要する時間は2〜3秒程度にまで短くなっていたのだ。

 これはEngineの改善だけでなく,ファームウェアの更新によるところも大きい。テスト時の最新版となる2.1.746版Engineを導入すると,バージョン1.17.8.7版ファームウェアが導入されるので,Kanaを入手したら,まずはEngineを導入して,ファームウェアを更新しておくことを勧めたい。
 ちなみに1.17.8.7版ファームウェアでは,「ジャンプバグ」と呼ばれるセンサーの読み取り異常も改善されていた。

直線補正の有無は明らかになっていないが,試してみた限り,無効か,有効でもかなり弱くなっている気配だ
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マウスパッド全14製品との相性を

チェックしてみる


 Kinzu v2 Proと同じく,主要なマウスパッドとの相性もチェックしておくことにしよう。テスト環境とテスト条件は下にまとめたとおりで,Engineとファームウェアは上で紹介したとおり,テスト時点の最新版だ。

●テスト環境
  • CPU:Core i7-860/2.8GHz
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-P55A-UD4(BIOS F15)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-1333 DDR3 SDRAM 4GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-N560OC-1GI(GeForce GTX 560 Ti,グラフィックスメモリ容量1GB)
  • ストレージ:WESTERN DIGITAL WD10EADS (1TB SATA300)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • Kanaファームウェアバージョン:1.17.8.7
  • Engineバージョン:2.1.746
  • 設定ソフト側CPI設定:400/800/1600/3200CPI(※主に800CPIを利用)
  • 設定ソフト側レポートレート設定:1000Hz(1ms)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度の高める」:無効

 今回のテストに用いるマウスパッドは,Kinzu v2 Proのテスト時と同じ14製品。製品ごとの使用感は下記のとおりだ。リフトオフディスタンスが2mm(=1円玉2枚)を超えたものは,使用感の最後に【】書きで1円玉何枚まで反応したか付記したので参考にしてほしい。

●ARTISAN 疾風SOFT(布系)
 滑りは良好ながら,ネガティブアクセルが若干感じられる。

●ARTISAN 飛燕MID(布系)
 疾風SOFTより抵抗があるものの,滑り自体は良好だ。【1円玉3枚】

●DHARMAPOINT DRTCPW35GR(ガラス系)
 マウスを操作しているとカーソルの反応が途切れやすく,ゲームの操作はもちろん,Windows操作もままならなくなる。相性は非常に悪い。

●DHARMAPOINT DRTCPW35RS(布系)
 マウスパッドの網目で強い抵抗を感じるが,その分コントロールしやすい。快適に操作可能だ。【1円玉3枚】

●Razer Goliathus Control Edition(布系)
 滑りは良好で,的確なコントロールが可能。

●Razer Goliathus Speed Edition(布系)
 やはり滑りは良好。急停止もやりやすい。【1円玉4枚】

●Razer Ironclad(金属系)
 サラサラとした抵抗あり。あまり滑らないが,安定した操作が行えるのも事実だ。

●Razer Scarab(プラスチック系)
 ザラザラとした強い抵抗を感じ,滑り自体はあまりよくないが,急停止をさせやすく,狙った場所に照準を合わせやすいというメリットもある。

●Razer Sphex(プラスチック系)
 滑らせやすく,急停止もさせやすい。サーッという摩擦音が強く,その点は若干気になった。【1円玉3枚】

●Razer Vespula(プラスチック系,両面) 「SPEED」面だと滑りは強いが,多少力を入れれば制御しやすい。一方の「CONTROL」面は,滑りこそ弱いものの,その分細かく制御できる印象だ。

●SteelSeries 9HD(プラスチック系)
 表面の凹凸により抵抗は強く感じられるが,操作自体は安定して行える。【1円玉3枚】

●SteelSeries QcK(布系)
 滑り具合は控えめながら操作は安定しやすい。急停止させやすいのもいい。

●ZOWIE G-TF Speed Version(布系)
 かなり滑る。そのため,思いどおりのタイミングで急停止させるのに少し苦労した。【1円玉3枚】

●ZOWIE Swift(プラスチック系)
 ザラザラとした抵抗があるものの,実際にはかなり滑る印象だ。ただ,急停止させやすく,コントロールもしやすかった。【1円玉4枚】


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 総じて,使用感はKinzu v2 Proとよく似ていると述べていいだろう。DHARMAPOINTのマウスパッド「DRTCPW35GR」との相性は「ナイトメア」と言えるレベルなので避けたほうがよく,またARTISANの「疾風SOFT」でも多少の違和感はあったが,それ以外では安定した操作感が得られる印象だ。


実勢価格4500円前後でこの完成度なら上々

全体的な雰囲気は「Kinzu v2 Proの上位版」か


製品ボックス
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 実勢価格4500円前後(※2012年4月14日現在)でこの性能が得られるなら上々ではないか,というのが,Kanaのテストを終えた筆者の感想だ。筆者自身は「SteelSeries Ikari Optical」を長年愛用しているのだが,価格対性能比を比較するなら,Kanaへの乗り換えも十分視野に入ってくる印象である。
 説明もなく3200CPIがDouble CPI Rangeになっていたりと,ソフトウェアやファームウェア周りの完成度が影を落としており,初心者に勧められるものになっていないが,ハードウェアは「サイドボタンを実装し,より万人向けになったKinzu v2 Pro」とまとめられるように思う。

 そのサイドボタンは序盤で指摘したとおり,手の形や指の長さ,指の太さ,握り方によって“誤爆”の危険がある。かぶせ持ちで使う場合は,握り方か指の配置を再考する必要もあるだろう。
 ただ,それ以外のハードウェア的な不安要素は,実使用上はないといっていい。形状に違和感を覚えないないなら,試してみる価値のあるマウスだ。

SteelSeriesのKana製品情報ページ

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