ニュース
[CJ 2008#26]服だけで5000種類以上。「舞街区」はダンスゲームなのか,それとも?
昨年のバージョンでは,違うエリアへの移動は拡大マップを用いる方式が採用されていたのに対し,現在のバージョンでは,アイコンをクリックすることで即座に移動できるようになっている。それだけでなく,街を歩き続け,隣接するエリアに移動可能(さすがにシームレスとはいかないが)。昨年の取材時に,Snail Gameのスタッフが,街と街,ショップと自宅などを「MMORPGのように自由に行き来できるものに」していくと話していたことを思い出した。
プレイヤーが行動できるエリアには,ダンスが踊れるエリアと踊れないエリアのほか,各種ショップ,結婚式を行う教会,自宅などがある。ダンスが踊れるエリアとして,ダンスホールやビーチ,客船のデッキ,はては宇宙ステーション(!)などが用意されている。
ダンスが可能なエリアは30人,教会は80人といった具合に,エリアごとに入場者数が制限されているが,ダンスが踊れない街中には最大5000人が入場できるので,普通にゲーム内を探索する分には,制限にひっかかることはほとんどなさそうだ。
また本作では,契約を結んだ企業が服などのゲーム内アイテムを販売できる。プレイヤーは,アイテムを購入したときに獲得したポイントを用い,その企業が現実に運営する販売店で商品を購入できる仕組みだ。
現在ゲーム内で販売されている衣装アイテムは,計5000種類以上。昨年は2000種類以上と聞いたので,約1年でざっと3000種類ほどが追加された計算だ。これだけ種類があれば,同じ服を着ているキャラクターを探すのはひと苦労だろう。
今後も新たなアイテムが追加される予定だが,サーバー容量に限りがあるため,購入できなくなる衣装もあるとのこと。とはいえ,購入した衣装は引き続き所有できる。購入できなくなった衣装も,要望が多ければ再度発売される可能性もあるだろう。
衣装以外にも,帽子やアクセサリー類も多数用意されているし,キャラクターの髪型,髪の色なども細かく調整できる。衣装を購入する前に試着が可能なので,あれこれ試しているだけでも相当楽しめそうだ。
また本作では,衣装などをプレゼントとして贈ると,贈った相手の魅力値が上昇する。この値に基づくランキングがあるので,例えば,気になる人を上位に進出させるべく貢いでしまう,なんていう人もいそうだなあ。
コミュニティ要素として,フキダシでの会話が可能になっているほか,MMORPGにおけるギルドと同様の“家族”システムが実装されている。同じ家族のメンバーとのチャットなどが行えるようだ。
そのほか,ゲーム内からブログを更新する機能や,運営からの情報などが掲載されたゲーム内雑誌が配布されるといった要素もある。
自宅にあたるマイルームでは,手に入れた服を収納可能だ。現在のところ収納数に制限はなく,その日の気分でコーディネートを楽しめる。また,インテリアにこだわる人のために,さまざまな家具が販売されている。
将来的には,マイルーム内でミニゲームをプレイする機能が実装される予定。部屋の中には,どこかで見たことのあるようなハードが置かれていることが分かった。どんなミニゲームが用意されるか,楽しみだ。
ここまで話を聞いて感じたのは,すでに本作はダンスゲームの域を超え,アバターを操って仮想空間でのコミュニケーションを楽しむという色が濃くなっているということ。
踊るより,さまざまな服を着比べるほうが面白かったり? なんていう,身も蓋もない意見が出てもおかしくないかも。ダンスゲーム自体,目新しいものではないこともあるが,なにせ,説明の大半がダンス以外の要素に関するものだったのだ。
上のような気持ちを率直にぶつけてみたところ,Snail Game自身,ダンスゲームではなく「仮想世界」ととらえてほしいと考えているそうである。ダンスは,あくまでこの世界で行える要素の一つなのだと話していた。私が抱いた感想は,まさに同社が望んでいるものだったのであろう。
最後に,日本での展開について今回も聞いてみたが,日本でサービスするにあたって,いくつかの問題を解消する必要があり,ハードルが高いとのことだった。また,日本ではダンスゲームの人気が中国ほど高くないため,注目を集めるのが難しいと考えているそうである。
とはいえ,衣装アイテムだけで5000種類以上も用意されている,アバター性の高い本作は,その手の作品が好まれる日本のマーケットにおいて,十分注目されそうな気がするのだが……。個人的に今後の展開に期待したい作品だ。
- 関連タイトル:
ストリートダンス
- この記事のURL: