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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」
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印刷2011/06/23 17:08

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」
 梅雨で雨が降ったり降らなかったりの毎日だけど,みんなはいかがお過ごしかしら? 雨というか,じめじめした湿気がうっとうしいわよね。でもこの時期がないと,例えば農作物にとっては良くない影響が出るわけであって,結局は我々日本人にとって,梅雨は無くてはならない時期なのよ。
 ……とまぁ,何とも普通の出だしで始めたわけだけども。普通に梅雨と書いて流してしまったわ。文字のマジックね。というのも,通常梅雨って「つゆ」と読むんだけど,「ばいう」って読むこともあるじゃない? 例えば「梅雨前線」とか。かといって普段は「ばいう」とは読まない。だから何だ? と聞かれたら,とくに何もないんだけど,何となく日本語は難しいんだなぁ,と思ってね。
 かつて義務教育で英語を勉強しているときにみんなも思ったでしょ? なんで同じ「THE」でも「ザ」と読んだり「ジ」って読んだりするんだ? と。THEなら「ザ」でいいじゃん! ザとジで何が変わるんだ? と。日本人は「ざるそば」を「じるそば」とは言わないし,「ニホンザル」も「ニホンジル」とは言わない。「財産」が「じいさん」になった日には,もはや意味まで大幅に変わってしまうし,「ザンギエフ」が「ジンギエフ」になってしまったら間抜けな上にちょっと「頭文字D」みたいな感じになっちゃう。仁義F
 全然関係ないけど,今にして思えば世の中のプロレス軽視は「ストリートファイターII」におけるザンギエフから始まったのかなって。現実にあんなのいたら,めちゃくちゃ人気出るとは思うんだけどね。私の中では,スクリューパイルドライバーを習得することと,現役プロレスラーとして市長に君臨することが夢
 ……おっと。私の良いところでもあり悪いところでもあるスキル「話がずれる」が発動してしまったようね。何が言いたいかというと,「THE」を「ザ」と読んだり「ジ」と読んだりするのは何でやねん! と思っていた我々日本人も,梅雨を「つゆ」と読んだり「ばいう」と読んだりしている,ということなんですよ。

画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」
 ということで「龍が如く OF THE END」(以下,OTE)。「オブザエンド」ではありませんよ。「オブジエンド」です。「THE EAGLE」は「ザ・イーグル」じゃなくて「ジ・イーグル」なのです。
 ところで,私はしがないプロレスラーなわけだけれども一応人前に出る仕事だから,気にかけていることがあるの。それは,ファンに対してどう向き合うか。もっと厳密に言うと,誰に向けて行動しているか。このバランスって,実は相当難しいのよ。
 というか,エンターテイメントの世界だけではなく,ありとあらゆる業界でも,この「どの層の顧客に対してアピールするか」のバランスって,苦心しているポイントだと思うわ。
 自分のファンだけに向けてパフォーマンスしていては,新規の顧客を取り入れることは出来ない。かといって,今まで提供していたものを新しくしすぎてすでに持っている顧客を逃がすわけにもいかない。シリーズものや続きものを取り扱う業種は,とくに「何を残して何を新しくするか」のバランスが,売り上げやブランド力の向上に繋がってくるわけね。
 我々プロレスラーの場合,商品ともいえる試合内容は一度として同じものを提供できないわ。でも,自分だけの技や動きや表現を繰り返し使っていくことで,自分の商品価値を作っていくの。それと同時に,見ている側の飽きと戦い続けなきゃいけない。
 まぁ,これはこれで大変なことではあるんだけども,ゲイムの場合,それはもっとシビアな気がするわね。なぜなら,ゲイムはプロレスとは違って年単位のプロジェクトだから。最初に「何をどう作るか」を定めて,それに向かって大勢のスタッフが作り上げていくわけ。
 プロレスは日々の試合で,「昨日ダメだったから今日はこうしよう」っていう修正や試行錯誤ができるわ。っていうかむしろ,それをやり続けなきゃいけないんだけども。
 でも,ゲイムの場合はおおざっぱに言うとそれができない。最初の段階で,今までのシリーズからどこを残してどこを新しくするかを決めなければならないの。そういう意味で,今回のOTEに関して,私の評価はとても高いものになっているわ。「龍が如く 見参!」のときにも思ったんだけど,凄い勇気だな,と。
 もっとも,見参!はスピンオフ作品だから,また別物と捉えることもできるとして,今回のOTEに関しては本当に凄いと思うわ。だって,最初にOTEの情報を見た時は「おや?」って思ったでしょ? 少なくとも私は思ったわ。ゾンビって。


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画像集#010のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」
 この間,4Gamerが主催した「龍が如く」シリーズのトークイベント(関連記事)でも開発の皆さんが「リアリティとファンタジーの境目を描くのに苦労した」とおっしゃっていたけど,我々ファンも「リアリティとファンタジーの境目をどう見ればいいかに苦労した」わけで。
 下手すると,シリーズファンからそっぽを向かれる可能性だってあったわけ。それなのに,あえて大幅な変化を選択した。大幅にゲイム性が変わって,バトルシステムすら喧嘩バトルからガンショットバトルに変わったわ。でも,プレイした人なら分かると思うけど,龍が如くのテイストはちゃんと失っていない。これって何気に凄いことだと思うのよ。
 もちろん,ガンシューティング系のゲイムが苦手は人には,この変化は歓迎できないかもしれない。ただ,それこそが変化のリスクだから,ゲイムシステムを変えてきた以上は作り手としてもそのリスクは覚悟の上だと思うの。それでもなお,変えてきたことに私は素直に敬意を表したい。
 続編としての常識のバランスを一度崩して,新しいバランスを提示してみせた。そして,続編としての説得力を生んでいる。
 作品としての好き嫌いは当然あるでしょうけど,続編として成立させていることに龍が如くスタッフの覚悟を見たわね。プレイする側からすれば,ぶっちゃけそんなこと関係ないし,私が大げさに言い過ぎてると感じるかもしれないけど,エンターテイメントを提供する側からすれば,これは称賛されるべきことだと思うわ。簡単に言えば,今まで通りに作れば売れるものを,わざわざどっちに転がるとも分からないものに変えたわけだから。
 てなわけで,今まで龍が如くシリーズをプレイしてきた人こそ,今回のOTEはプレイしなきゃいけない気がするわ。「こんなの,龍が如くじゃない!」ってプレイせずに言うのは簡単だけど,プレイした上でジャッジすべきだと思うから。ガンショットバトルに変わっても,ちゃんと龍が如くだから。キャバクラ攻略したあとは,ちゃんとぽわわーんだから。

画像集#008のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」 画像集#009のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第135回「ファンに対してどう向き合うか」

 そんなわけで,龍が如くばっかりヤっとる毎日ね。まあ,こんなに偉そうに言いながらも,実はまだ2章に入りたてなんだけどね。だってしょうがないじゃない! サブストーリーとかヤってたらメインストーリーが進まないんだもん! そこらへんもちゃんと,龍が如く。
 これから楽しみなタイトルが続々出る季節に差しかかるけども,ちゃんと終わるのかしら? そして,どうでもいいけど私はXbox 360をプレイする日がやってくるのかしら? 心配しなくても「Fire Pro Wrestling」はヤるわよ! ではまた来週!

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「龍が如く OF THE END
ニンテンドー3DS:「バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D
PSP:「ガチトラ! 〜暴れん坊教師 in High School〜
Wii:「Wii Fit」
Xbox 360:テヘ

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
6月26日(日),ディーノ選手は大阪市の住吉区民センターで17:00から開催される,びっくりプロレス・プロモーション第7戦「最大最後の決戦!!」に出場します。さらにその夜,21:30からはプロレスバー「カウント2.99」にて,「関西珍国際空港」なるイベントにも出るのだとか。そんなディーノ選手ですが,7月24日(日)にDDTの両国国技館大会で,あのボブ・サップ選手とのシングルマッチが正式に決定しました。現状,「全然イメージが沸いてこなくて困ってるのよ」とのことですが,きっとディーノ選手なら何とかするんだろうなぁ。
  • 関連タイトル:

    龍が如く OF THE END

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