連載
インディーズゲームの小部屋:Room#541「Lu Bu Maker」
ついに都内でも最高気温が40度を超えてびっくり仰天な筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第541回は,TALESSHOPが開発した「Lu Bu Maker」を紹介する。本作は,なぜか董卓に生まれ変わった主人公となり,なぜか美少女になった呂布を育成するという,その名のとおり“呂布メーカー”な育成シミュレーションだ。外出の際は,熱中症に十分注意してください!
あるとき突然,性別が逆転した三国志の世界で董卓に転生してしまった主人公。なぜよりにもよって,洛陽に入城するや皇帝を傀儡として専横を極め,悪逆非道の限りを尽くした暴君として知られる董卓なのか。どうせ生まれ変わるなら,曹操や劉備や孫権のほうがよかったのに……とは,誰もが思うところだろう。
実際,主人公もそのことを嘆いているが,愚痴ってばかりもいられない。なぜなら,もとは現代人だった主人公は,このままでは近い将来,自分が呂布に殺されることを知っているからだ。しかし逆に,味方に付ければこれほど頼もしい武将もほかにいない。そこで主人公は自分の身を守るため,この世界では美少女の呂布を養子に迎え,17歳から21歳までの4年間,彼女を教育することになる……。
どこから見てもツッコミどころしかない設定だが,基本的なゲームの流れは美少女育成シミュレーションの代表作とも言える「プリンセスメーカー」を思い浮かべてもらえれば分かりやすいだろう。本作で選べる行動は大きく「鍛錬」「依頼」「休息」の3つに分けられ,それぞれに複数の選択肢が用意されている。そして,毎月この中から3つを選んで実行することで呂布のステータスが変化し,それに応じて24通りのエンディングに分岐する仕組みだ。
まず鍛錬は,お金を払って呂布に武術や兵法などを学ばせるというもの。しかし,授業料はなかなか高額なので,まずは依頼をこなして資金を稼がなければならない。鍛錬や依頼を行うと呂布の疲労が蓄積されるので,ときどき休息させてあげよう。休息は基本的に無料だが,費用をかけて“休暇”を取ると呂布との絆が深まるので,お財布に余裕があるときはこちらがオススメだ。
このほかに,ターンを消費せずに街に出かけて,疲労回復やステータスアップのためのアイテム,呂布の服などを買い物することもできる。とくに服は,着ているものによって毎月得られるボーナス効果が異なるので,見た目だけでなく,そのときの育成方針に沿ったものを選ぶといいだろう。
ステータスが低いうちは,鍛錬や依頼に失敗することも多いが,ちびキャラの呂布がピコピコ動いて勉学に励んだり,農作業を行ったりする様子は大変可愛らしい。また,ゲーム中は毎年8月に武術大会と舌戦大会が開催され,優勝すると賞金とアイテムがもらえるほか,鍛錬や依頼を進めることでさまざまなイベントが発生する。これらをどう乗り越えて呂布を育て上げるかも,本作における楽しみだ。
見た目は美少女とは言え,中身は相変わらずで,隙あらばすぐに裏切ろうとする呂布が,将来どのような人物に成長するかはプレイヤー次第。持ち前の武力を伸ばして大将軍に出世するか,脳筋の汚名を返上して医者になるか,はたまた董卓のお嫁さんになるか。気を抜くと,やっぱり最後は首をはねられてしまう呂布とのキャッキャウフフな4年間を,ぜひ堪能してほしい。そんな本作は,Steamにて820円で発売中だ。
■「Lu Bu Maker」Steamプロダクトページ
https://store.steampowered.com/app/882900/Lu_Bu_Maker/- この記事のURL:
キーワード