連載
インディーズゲームの小部屋:Room#647「Hellpoint」
1年ぶんのログインボーナスでちまちまと集めてきたガチャアイテムを,今年も水着ガチャにすべて突っ込んでしまった筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第647回は,Cradle Gamesが開発した「Hellpoint」を紹介する。本作は,廃棄された宇宙ステーションの秘密を解き明かしていくアクションRPGだ。すっからかんになっちゃったので,またログインボーナスを集めなきゃ(使命感)。
舞台となるのは,「マージ」と呼ばれる大惨事によって遺棄され,邪悪な宇宙の神々によって支配されている宇宙ステーション「イリド・ノヴォ」。プレイヤーは自らを「オーサー」と名乗る謎の存在によって,このイリド・ノヴォを調査するために生み出されたクローン生命体「スポーン」となり,危険なクリーチャーが跋扈するステーション内を探索していくことになる。
本作をひと言で表現するならば,オカルトめいたダークSFの世界観と「DARK SOULS」のゲームシステムをミックスさせたアクションRPGと言ったところ。雑魚敵が相手でも気を抜けないハードな戦闘と,わずかなミスが死につながる手ごわいボス戦が特徴だ。また本作ならではの要素として,落ちたら即死は免れない,足がすくむようなジャンプアクションもあり,緊張感たっぷりのゲームプレイを満喫できる。
基本的なゲームシステムは「DARK SOULS」とほぼ同じで,さまざまな武器を使った強弱2種類の攻撃と,盾での防御,バックステップやローリングによる回避を駆使して敵と戦っていく。それぞれの行動でスタミナを消費するため,ただ武器を振り回すのではなく,相手との間合いや攻撃のタイミングを見定めることが何よりも重要だ。
ステーション内にはところどころに次元の「裂け目」があり,これが本作における中継ポイントとなる。裂け目に触れると体力が全快するほか,敵を倒すことで得られる物質「アクシオン」を消費して,キャラクターのステータスアップが行える。また,特別なアイテムを使って裂け目同士を連結し,相互にテレポートできるようにしたり,ゲーム難度を変更したりも可能。ただし,これらのアイテムは数に限りがあるので,使いどころはしっかりと吟味したい。
キャラクターが死亡するとその場所にアクシオンを落とし,最後に触れた裂け目からやり直しとなる。もう一度,死亡地点に戻ればアクシオンを回収できるが,その近辺に自分の「幽霊」が出現して襲ってくるので要注意。倒せば少し多めのアクシオンが手に入るが,これがなかなか手ごわいので,落としたアクシオンを拾ったらさっさと逃げてしまってもいいだろう。
武器や防具はステーション内で拾ったり,倒した敵から入手したりするほか,素材を集めてユニバーサルプリンターで作成することもできる。大きな特徴は,それぞれの武器に熟練度のようなものがあり,使い続けることで複数ある武器固有のアビリティが1つずつ解禁されていく点。武器に属性効果を付与したり,特殊な技が使えるようになったりとその効果はさまざまなので,お気に入りの武器を使い込む楽しみもある。
さらに本作は,ほぼ問題がない日本語ローカライズが行われており,すんなりとゲームに入り込めるのが嬉しいところだ。しかし,1つだけどうしても気になるのが,ボスを撃破したときに「敗北を喫した」と表示されること。えっ,今ボスを倒したよね? まさかのボス目線なの!? と思ったが,英語では同じ場面で「VANQUISHED(撃破完了)」と表示されるので,これはただの誤訳のようだ。意味がまったく逆やんけ!
一部,細かいツッコミどころもあるが,本作は「DARK SOULS」を下敷きとしながら独自のエッセンスをうまく盛り込んだ,しっかりと遊べるゲームに仕上がっている。さらに,画面分割またはオンラインでの協力プレイや,最大4人での対戦プレイにも対応しているので,胃がキリキリと痛むようなスリルを求めている“死にゲー”ファンはぜひチャレンジしてみてほしい。そんな本作のPC版は,Steamにて3600円で発売中だ。
■「Hellpoint」公式サイト
https://www.playhellpoint.com/キーワード
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